わが家の吸血鬼さん〜イケメンヴァンパイアを拾ったら執着されました〜

天咲 琴葉

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吸血鬼さん、バトルする㉖

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「嘘……体育館が……」

  呆然とした表情で呟くと同時、先生はそのまま倒れ込んでしまう。

 「先生っ? しっかりして!」

  慌てて先生の体を支える私とリルゼイ。彼は、再度意識を失ってしまった先生の体に手を翳すと、念のため頭を打っていないか等を探り始める。

  数秒後、彼は先生から手を離すと私達に小さく頷いてみせた。

 「真由、千恵。 安心していいぞ。彼女の体に、君達が心配する様な外傷はない。彼女が倒れてしまったのは、恐らく、精神的な理由だろう。自分の教え子達が避難した場所が爆発したことが余程ショックだったのだろうな」

  リルゼイはそこまで告げると、私達に真剣な眼差しを向ける。

 「やはり、行くのだろう? 体育館とやらに」

  まるで、私がイエスと答えるのを分かっているかの様な彼の問い。

  私は力強く頷くと、ガッツポーズをしてみせる。

 「当たり前でしょう? 大切な友達のピンチなんだから。ここでいかなきゃ男……じゃなくて、乙女がすたっちゃうわよ!」

  一方千恵はというと、先程までの勢いはどこへやら、何かを迷っているかの様に忙しなく視線をさまよわせていた。

  
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