悪魔図鑑～でこぼこ3兄妹とソロモンの指輪～

騒がしい未来へ④

 切夜は、視線をシーレ王子と、隣の咲子――もとい元口裂け女の少女に戻した。

 「びっくりしたよ。まさか……君まで、来るなんて。しかも、子供になって」

 そんな切夜に、咲子は元の大人の女性の姿に戻るや、頬をほんのりと赤らめ微笑んでみせる。

 「不思議ですよね……。……私も切夜さんと一緒に、学生生活を送ってみたくなったのです」

 柔らかな微笑みと共に告げられた咲子の言葉に、今度は切夜の頬が真っ赤に染まる。

 そんな彼等を、優雅に足を組んでソファに座ったまま、「ませた子供達ガキどもだな」と揶揄するのはアンドロマリウスだ。

 「また逢えたね、おじさん！！」

アンドロマリウスに気付くや、彼に駆け寄り、無邪気な笑みを見せる剛。

 そんな剛に、アンドロマリウスもふっと柔らかな笑みを浮かべてみせた。

 そうして、各々が感動の再会を果たす中――切夜は、ふと気になったことをシーレ王子に聞いてみる。

 「そういえば、何で急にいなくなったんだ？」

 切夜の言葉に、優雅に足を組んでソファに座りながら、「この準備をするためだ」と答えるシーレ王子。

 「この準備？？」

 切夜は、シーレ王子の言葉に首を傾げた。