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決戦⑤
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「そう言うと思ったよ」
切夜は短くそう告げるや――アンドロマリウスの相手はグラシャラボラスとシーレ王子に任せ、口裂け女と向かい合う。
自分が復讐を遂げられなかったことに、迷いを感じているような表情を浮かべている口裂け女。
切夜は、そんな彼女の手を優しく握った。
「全部、本人の口から聞いたよ。星川芳美って、本当に酷い奴だよな。けど、そんな酷い奴の為にあんたがこれ以上犠牲になる必要はないんだ」
「……犠、牲……?」
切夜の表情にハッとした表情を浮かべ、口裂け女はじっと彼を見つめる。
「ああ。確かにあんたは怖い怪人で……沢山の人を傷付けたのかもしれない。けど、星川芳美にあんな酷い目に遭わされたりしなきゃ、あんたも人を襲ったりしなかった筈だ」
切夜の言葉に、口裂け女の頬を静かに涙が伝い、落ちていく。
そんな彼女の瞳を真っ直ぐに見つめると、切夜は、真剣にこう告げた。
「俺は、あんたを倒すんじゃなく助けたい。俺を信じてくれるか?」
「……うん……」
切夜の言葉に、小さくこくりと頷く口裂け女。
切夜も彼女に頷くと――、
「マルバス!!」
獅子の悪魔の名を呼んだ。
切夜は短くそう告げるや――アンドロマリウスの相手はグラシャラボラスとシーレ王子に任せ、口裂け女と向かい合う。
自分が復讐を遂げられなかったことに、迷いを感じているような表情を浮かべている口裂け女。
切夜は、そんな彼女の手を優しく握った。
「全部、本人の口から聞いたよ。星川芳美って、本当に酷い奴だよな。けど、そんな酷い奴の為にあんたがこれ以上犠牲になる必要はないんだ」
「……犠、牲……?」
切夜の表情にハッとした表情を浮かべ、口裂け女はじっと彼を見つめる。
「ああ。確かにあんたは怖い怪人で……沢山の人を傷付けたのかもしれない。けど、星川芳美にあんな酷い目に遭わされたりしなきゃ、あんたも人を襲ったりしなかった筈だ」
切夜の言葉に、口裂け女の頬を静かに涙が伝い、落ちていく。
そんな彼女の瞳を真っ直ぐに見つめると、切夜は、真剣にこう告げた。
「俺は、あんたを倒すんじゃなく助けたい。俺を信じてくれるか?」
「……うん……」
切夜の言葉に、小さくこくりと頷く口裂け女。
切夜も彼女に頷くと――、
「マルバス!!」
獅子の悪魔の名を呼んだ。
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