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疑惑の女優④
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一方、切夜達が星川芳美を探して日本科学未来館の館内をかけずり回っている頃――。
1人そっと「星川芳美の捜索」から外れたシーレ王子は、愛菜とグラシャラボラスを連れ、海浜公園に来ていた。
管理事務所内に転移すると、こっそりと釣竿を拝借し――のんびりと釣りを始めるシーレ王子。
「さてさて……早めに獲物がかかれば良いが」
彼はそう告げるや、釣竿に獲物がかかるのをのんびりと待ち始める。
「ぐぅらぐぅらぐぅら!」
切夜達の星川芳美探しに協力しないシーレ王子を責めるかのように鳴くグラシャラボラス。
そんなグラシャラボラスの鳴き声を無視し、シーレ王子は釣りを続けた。
「ぐぅらぁ!ぐららぁ~!」
飼い主である愛菜の家族故――切夜達のことも心配なのか、グラシャラボラスはシーレ王子の黒く上質な生地のパンツに噛みつくや、ぐいぐいと引っ張り始める。
「こら!止めんか!俺様の折角の高級なパンツが!」
悪魔の王族としてはちょっと情けない台詞を叫びながら、シーレ王子は必死にグラシャラボラスを振りほどこうとした。
「これはだな、俺なりに策があってのことなんだ!!」
シーレ王子のその言葉にぴくりと反応し、引っ張るのを止めるグラシャラボラス。
そんな彼と愛菜に、シーレ王子は――悪魔らしい笑みを向けてみせる。
「相手も同じ悪魔なら、その弱点を徹底的に利用してやるまでさ。何せ、俺は悪魔の中の悪魔……魔族の王子だからな」
1人そっと「星川芳美の捜索」から外れたシーレ王子は、愛菜とグラシャラボラスを連れ、海浜公園に来ていた。
管理事務所内に転移すると、こっそりと釣竿を拝借し――のんびりと釣りを始めるシーレ王子。
「さてさて……早めに獲物がかかれば良いが」
彼はそう告げるや、釣竿に獲物がかかるのをのんびりと待ち始める。
「ぐぅらぐぅらぐぅら!」
切夜達の星川芳美探しに協力しないシーレ王子を責めるかのように鳴くグラシャラボラス。
そんなグラシャラボラスの鳴き声を無視し、シーレ王子は釣りを続けた。
「ぐぅらぁ!ぐららぁ~!」
飼い主である愛菜の家族故――切夜達のことも心配なのか、グラシャラボラスはシーレ王子の黒く上質な生地のパンツに噛みつくや、ぐいぐいと引っ張り始める。
「こら!止めんか!俺様の折角の高級なパンツが!」
悪魔の王族としてはちょっと情けない台詞を叫びながら、シーレ王子は必死にグラシャラボラスを振りほどこうとした。
「これはだな、俺なりに策があってのことなんだ!!」
シーレ王子のその言葉にぴくりと反応し、引っ張るのを止めるグラシャラボラス。
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