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儀式の秘密⑪

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 「成る程……」

 シーレ王子の言葉に納得したように頷く陸人。

 しかし、今度はそこで剛が疑問を口にする。

 「でもさ?何で、ああいう……妖怪みたいなのを魔界に送り返すことがシヴァの役割なの?」

 と、そんな剛の疑問に、シーレ王子は素っ気なくただ一言。

 「そういう契約だからな」

 とだけ答える。

 余りに端的過ぎてよく分からないシーレ王子の返答。

 剛や切夜達が首を捻っていると、マルバスが補足をしてくれる。

 「実は我々は……1番最初にソロモンと契約した時に「各々の能力を困っている人々の為に役立てること」を約束したのです」

 マルバスの言葉に頷きながらも、言葉の先を続けるシーレ王子。

 「つまり、先ほどの口裂け女とやらの被害に遭い、困っている人間から助けを求められたのならば、俺達は手を貸さなければいけないということだ」

 シーレ王子のその言葉を頭で反芻はんすうしながらも――切夜は先ほどから1つ大きな疑問に思っていたことをシーレ王子に聞いてみる。

 「けど、そもそも……そのソロモンって人、大昔に死んじゃったんだろ?シーレ王子達の力なら、そんな約束破れるんじゃないか?何で、今まで……ずっと約束を守ってきたんだ?もう、その人はいないのに……」
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