82 / 117
儀式の秘密⑨
しおりを挟む
マルバス曰く、
「これにより、我々72柱の悪魔は幾つかの派閥に完全に分裂してしまったのだ」
ということだが。
その内2つは、シーレ王子の言っていた「切夜(と、それに剛も)を殺して愛菜をシヴァにしようとする派」と「契約者全員を殺して古い盟約から自由になろうとする派」らしい。
「だが、他にも……そこのマルバスのように、ただ従うのではなく「試練を与えて主の力量を見分けようとする者達」もいる」
シーレ王子の言葉に、思わずマルバスを見る切夜達。
そんな彼らに、申し訳なさそうにマルバスは頭を下げた。
「私も誇り高き悪魔故……自分の契約者となる者の器を、この目で確かめたかったのだ」
まるで――まさに借りてきた猫ならぬライオンのように、肩身を狭そうにしながら、そう告げるマルバス。
その全身から滲み出る余りの「申し訳ないオーラ」に――切夜達は責めることも出来ず、ただ、「わかったわかった、もう良いよ」とだけ伝える。
と、そこで――ここまで黙って話を聞いていた陸人がひょいと手を挙げた。
「すみません、シーレ王子。幾つか質問をしても良いでしょうか?」
「これにより、我々72柱の悪魔は幾つかの派閥に完全に分裂してしまったのだ」
ということだが。
その内2つは、シーレ王子の言っていた「切夜(と、それに剛も)を殺して愛菜をシヴァにしようとする派」と「契約者全員を殺して古い盟約から自由になろうとする派」らしい。
「だが、他にも……そこのマルバスのように、ただ従うのではなく「試練を与えて主の力量を見分けようとする者達」もいる」
シーレ王子の言葉に、思わずマルバスを見る切夜達。
そんな彼らに、申し訳なさそうにマルバスは頭を下げた。
「私も誇り高き悪魔故……自分の契約者となる者の器を、この目で確かめたかったのだ」
まるで――まさに借りてきた猫ならぬライオンのように、肩身を狭そうにしながら、そう告げるマルバス。
その全身から滲み出る余りの「申し訳ないオーラ」に――切夜達は責めることも出来ず、ただ、「わかったわかった、もう良いよ」とだけ伝える。
と、そこで――ここまで黙って話を聞いていた陸人がひょいと手を挙げた。
「すみません、シーレ王子。幾つか質問をしても良いでしょうか?」
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる