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儀式の秘密⑥
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まるで、鯉のように――驚きに口をぱくぱくさせる切夜。
そんな彼の様子を見ながらも、シーレ王子は話を続けていく。
「お前が夢で見た戴冠式……あれはな?魔界で行われていた実際の戴冠式だったのだ。夢を媒介にしてお前の妹だけを魔界に招き入れたつもりだったのだが……何故かお前まで、招き入れてしまっていたらしい」
――よく考えれば、誤算はそこから始まっていたんだ。
シーレ王子は苦々しそうにそう呟くが、それでも――真剣に見つめる剛や陸人の眼差しに促されるように、先を続ける。
「あの戴冠式で、シヴァの転生体に……最初の王妃から賜った王冠を戴冠させ、全てが終わる筈だった。なのに、小僧……お前が全てを台無しにしたんだぞ?」
シーレ王子に鋭く睨み付けながらそう言われ――驚いていた状態から我には返ったものの、一瞬ビクッとする切夜。
しかし、彼も負けずにこう切り返す。
「そもそも……さっきも言ったけど、シヴァの後継者ってなんなんだよ?!そんなに大切なのか?!」
と、切夜の言葉に――シーレ王子は不意に真剣な表情を浮かべると、こう告げた。
「ああ、大切だね。本来、シヴァの後継者は……ソロモン王の指輪を受け継いで、我々72柱の悪魔を統べる役割を持つ……「魔界と人界の女王」たる存在になる筈だったんだ」
そんな彼の様子を見ながらも、シーレ王子は話を続けていく。
「お前が夢で見た戴冠式……あれはな?魔界で行われていた実際の戴冠式だったのだ。夢を媒介にしてお前の妹だけを魔界に招き入れたつもりだったのだが……何故かお前まで、招き入れてしまっていたらしい」
――よく考えれば、誤算はそこから始まっていたんだ。
シーレ王子は苦々しそうにそう呟くが、それでも――真剣に見つめる剛や陸人の眼差しに促されるように、先を続ける。
「あの戴冠式で、シヴァの転生体に……最初の王妃から賜った王冠を戴冠させ、全てが終わる筈だった。なのに、小僧……お前が全てを台無しにしたんだぞ?」
シーレ王子に鋭く睨み付けながらそう言われ――驚いていた状態から我には返ったものの、一瞬ビクッとする切夜。
しかし、彼も負けずにこう切り返す。
「そもそも……さっきも言ったけど、シヴァの後継者ってなんなんだよ?!そんなに大切なのか?!」
と、切夜の言葉に――シーレ王子は不意に真剣な表情を浮かべると、こう告げた。
「ああ、大切だね。本来、シヴァの後継者は……ソロモン王の指輪を受け継いで、我々72柱の悪魔を統べる役割を持つ……「魔界と人界の女王」たる存在になる筈だったんだ」
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