悪魔図鑑～でこぼこ3兄妹とソロモンの指輪～

嵐を呼ぶ戦い②

 シーレ王子の言葉に、はたと顔を見合わせる切夜と剛。

 そうして、2人はひそひそと話し合った。

 「ねぇ、切夜？ってことは……悪魔って沢山いるのかな？この世界に」

 「だろうな」

 剛の言葉に頷く切夜。

 すると、不意に剛が不安そうな顔をする。

 「さっき、あの悪魔……シーレ王子やマルバスがさ？切夜のことを契約者って呼んでたじゃない？で……そういう悪魔がまだまだ沢山いるってことはさ？切夜、その悪魔達とも契約しなきゃいけないのかな？」

 「はは、またまたぁー。流石にそれはないだろー」

 切夜は、とても不安そうな剛の言葉を笑い飛ばした。

 しかし――。

 「いや、「契約」して貰うぞ？ただし、我が契約者だけではなく……それは、お前にも、だがな。剛」

 「えぇぇっ？！」

 不意に名前を呼ばれた挙げ句、自分が悪魔と契約しなければいけないと言われ、すっとんきょうな声を上げる剛。

 他方、切夜も――、

 「いや、今「我が契約者だけではなく」って！俺、もっと悪魔と契約するの？！」

 と、動揺しきっている。

 すると、そんな2人に――シーレ王子が容赦なく追い討ちをかけてきた。

 「ああ、お前達には、この世界に散らばった――残り69柱ちゅうの悪魔と契約して貰わなければいけないからな」