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シーレ王子③
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――その後、何を話したかもよくわからないまま、母との電話を切る切夜。
直後、彼はくるりと振り返るや、ついてきていたシーレ王子に向かい合った。
そうして、射抜くような強い眼差しで、彼はシーレ王子を見つめる。
「悪魔シーレ王子、力を貸せ。父さんを助けたい。偽善でも何でもない、俺の本心からの願いだよ」
先ほどとはうって変わって――まるで、狙いを定めた猛禽類のように鋭い瞳を向ける切夜に、とても楽しそうに笑うシーレ王子。
彼は切夜から視線を外さぬまま、
「ほぅ……面白い。ただの小僧かと思っていたが……随分良い表情が出来るじゃないか」
と、告げる。
同時に、廊下に響く窓硝子をコツンコツンとつつくような音。
音に気付いた切夜達が見上げてみると――そこには、勇壮な鷲の姿をしたマルバスが必死に嘴で廊下の天窓をつついていた。
どうやら、マルバスは動物に変身したりは出来るが、シーレ王子のように好きな場所を行ったり来たり出来る訳ではないらしい。
切夜はマルバスに指で部屋に行くよう指示をすると、自らも部屋に向かい、窓を開け――マルバスを部屋の中へと迎え入れた。
直後、彼はくるりと振り返るや、ついてきていたシーレ王子に向かい合った。
そうして、射抜くような強い眼差しで、彼はシーレ王子を見つめる。
「悪魔シーレ王子、力を貸せ。父さんを助けたい。偽善でも何でもない、俺の本心からの願いだよ」
先ほどとはうって変わって――まるで、狙いを定めた猛禽類のように鋭い瞳を向ける切夜に、とても楽しそうに笑うシーレ王子。
彼は切夜から視線を外さぬまま、
「ほぅ……面白い。ただの小僧かと思っていたが……随分良い表情が出来るじゃないか」
と、告げる。
同時に、廊下に響く窓硝子をコツンコツンとつつくような音。
音に気付いた切夜達が見上げてみると――そこには、勇壮な鷲の姿をしたマルバスが必死に嘴で廊下の天窓をつついていた。
どうやら、マルバスは動物に変身したりは出来るが、シーレ王子のように好きな場所を行ったり来たり出来る訳ではないらしい。
切夜はマルバスに指で部屋に行くよう指示をすると、自らも部屋に向かい、窓を開け――マルバスを部屋の中へと迎え入れた。
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