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悪魔と悪夢の攻略法⑤

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 切夜と剛が口裂け女に襲われた時――2人に命の危険が迫っていたというのに、シーレ王子とおぼしき青年は一切姿を現さなかった。

 しかし、それがうって変わって――マルバスとの戦いの時には、最初から姿を現して助太刀してくれたのだ。

 切夜と剛からしてみれば、両方とも同じ位命の危険が迫った状況ではあったが……シーレ王子から見れば、恐らく何か決定的な違いがあったのだろう。

 だからこそ、「助太刀に入る戦い」を選んだ筈なのだ。

 では――彼が「助太刀に入るべき」と選んだ理由は「何」なのか。

 「それは、きっと……口裂け女は「陸人が撃退法を知っていた」からなんだ」

 切夜は、そう呟いた。

 確信めいた切夜の呟きに、剛もゆっくり首を縦に振る。

 「口裂け女に切り裂かれそうになったあの時――俺達は、陸人の機転で助かった。けど、あの時陸人自身が言ってたように……あの撃退法は、かなり自信がある撃退法だったんだと思う。事実、口裂け女を撃退出来たしな」

 ――だからこそ、シーレ王子は姿を現さなかったのだろう。
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