47 / 117
悪魔と同居?!②
しおりを挟む
――マルバスとの戦いから数時間後。
そこには……何時もと同様に家のベッドに寝転び、寛ぐ切夜の姿があった。
「あー、一時はどうなることかと思ったけど……何とかなって良かったぜ!」
そう呟き、ベッドに転がったまま伸びをする切夜。
と、彼の腹の上にひょいと金色の仔猫が飛び乗った。
「全くだな。しかし、私を猫の姿にするとは……考えたではないか、少年」
やや上機嫌そうに、流暢な人語でそう話す猫。
切夜はそれに一切驚くことなく、小さく頷いてみせた。
「まぁな。けどあれは、あの文章を見つけてくれた剛のお陰だとも思うぜ?マルバス」
腹の上に乗る猫を撫でながら……その猫に普通に話しかけ、会話をする切夜。
端から見たらおかしな光景だが――切夜が言うように、実はこの猫こそ、マルバスが変化した姿なのだ。
――というのも、実はあの時、剛が見つけた「良い方法」というのがこれだったのである。
悪魔図鑑――そのマルバスのページに書いてあった1文がこうだ。
『召喚者が命じれば、命じられた姿を取る』。
つまりは、命じられたならば、どんな姿にでも変身可能ということなのだろう。
故に、マルバスのその特性を活かし――相談の末、ライオンに近い仔猫の姿に変身させた切夜達。
そうして彼らは、仔猫になったマルバスを抱え、両親にこう尋ねたのだ。
「お願い、父さん、母さん。責任をもって、ちゃんとお世話をするから、飼っていい?」
そこには……何時もと同様に家のベッドに寝転び、寛ぐ切夜の姿があった。
「あー、一時はどうなることかと思ったけど……何とかなって良かったぜ!」
そう呟き、ベッドに転がったまま伸びをする切夜。
と、彼の腹の上にひょいと金色の仔猫が飛び乗った。
「全くだな。しかし、私を猫の姿にするとは……考えたではないか、少年」
やや上機嫌そうに、流暢な人語でそう話す猫。
切夜はそれに一切驚くことなく、小さく頷いてみせた。
「まぁな。けどあれは、あの文章を見つけてくれた剛のお陰だとも思うぜ?マルバス」
腹の上に乗る猫を撫でながら……その猫に普通に話しかけ、会話をする切夜。
端から見たらおかしな光景だが――切夜が言うように、実はこの猫こそ、マルバスが変化した姿なのだ。
――というのも、実はあの時、剛が見つけた「良い方法」というのがこれだったのである。
悪魔図鑑――そのマルバスのページに書いてあった1文がこうだ。
『召喚者が命じれば、命じられた姿を取る』。
つまりは、命じられたならば、どんな姿にでも変身可能ということなのだろう。
故に、マルバスのその特性を活かし――相談の末、ライオンに近い仔猫の姿に変身させた切夜達。
そうして彼らは、仔猫になったマルバスを抱え、両親にこう尋ねたのだ。
「お願い、父さん、母さん。責任をもって、ちゃんとお世話をするから、飼っていい?」
3
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
フラワーキャッチャー
東山未怜
児童書・童話
春、中学1年生の恵梨は登校中、車に轢かれそうになったところを転校生・咲也(さくや)に突き飛ばされて助けられる。
実は咲也は花が絶滅した魔法界に花を甦らせるため、人の心に咲く花を集めに人間界にやってきた、「フラワーキャッチャー」だった。
けれど助けられたときに、咲也の力は恵梨に移ってしまった。
これからは恵梨が咲也の代わりに、人の心の花を集めることが使命だと告げられる。
恵梨は魔法のペンダントを預けられ、戸惑いながらもフラワーキャッチャーとしてがんばりはじめる。
お目付け役のハチドリ・ブルーベルと、ケンカしつつも共に行動しながら。
クラスメートの女子・真希は、恵梨の親友だったものの、なぜか小学4年生のあるときから恵梨に冷たくなった。さらには、咲也と親しげな恵梨をライバル視する。
合唱祭のピアノ伴奏に決まった恵梨の友人・奏子(そうこ)は、飼い猫が死んだ悲しみからピアノが弾けなくなってしまって……。
児童向けのドキワクな現代ファンタジーを、お楽しみいただけたら♪
【完結】魔法道具の預かり銀行
六畳のえる
児童書・童話
昔は魔法に憧れていた小学5学生の大峰里琴(リンコ)、栗本彰(アッキ)と。二人が輝く光を追って最近閉店した店に入ると、魔女の住む世界へと繋がっていた。驚いた拍子に、二人は世界を繋ぐドアを壊してしまう。
彼らが訪れた「カンテラ」という店は、魔法道具の預り銀行。魔女が魔法道具を預けると、それに見合ったお金を貸してくれる店だ。
その店の店主、大魔女のジュラーネと、魔法で喋れるようになっている口の悪い猫のチャンプス。里琴と彰は、ドアの修理期間の間、修理代を稼ぐために店の手伝いをすることに。
「仕事がなくなったから道具を預けてお金を借りたい」「もう仕事を辞めることにしたから、預けないで売りたい」など、様々な理由から店にやってくる魔女たち。これは、魔法のある世界で働くことになった二人の、不思議なひと夏の物語。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
神社のゆかこさん
秋野 木星
児童書・童話
どこからともなくやって来たゆかこさんは、ある町の神社に住むことにしました。
これはゆかこさんと町の人たちの四季を見つめたお話です。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ この作品は小説家になろうからの転記です。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?二本目っ!まだまだお相手募集中です!
月芝
児童書・童話
世に邪悪があふれ災いがはびこるとき、地上へと神がつかわす天剣(アマノツルギ)。
ひょんなことから、それを創り出す「剣の母」なる存在に選ばれてしまったチヨコ。
天剣を産み、これを育て導き、ふさわしい担い手に託す、代理婚活までが課せられたお仕事。
いきなり大役を任された辺境育ちの十一歳の小娘、困惑!
誕生した天剣勇者のつるぎにミヤビと名づけ、共に里でわちゃわちゃ過ごしているうちに、
ついには神聖ユモ国の頂点に君臨する皇さまから召喚されてしまう。
で、おっちら長旅の末に待っていたのは、国をも揺るがす大騒動。
愛と憎しみ、様々な思惑と裏切り、陰謀が錯綜し、ふるえる聖都。
騒動の渦中に巻き込まれたチヨコ。
辺境で培ったモロモロとミヤビのチカラを借りて、どうにか難を退けるも、
ついにはチカラ尽きて深い眠りに落ちるのであった。
天剣と少女の冒険譚。
剣の母シリーズ第二部、ここに開幕!
故国を飛び出し、舞台は北の国へと。
新たな出会い、いろんなふしぎ、待ち受ける数々の試練。
国の至宝をめぐる過去の因縁と暗躍する者たち。
ますます広がりをみせる世界。
その中にあって、何を知り、何を学び、何を選ぶのか?
迷走するチヨコの明日はどっちだ!
※本作品は単体でも楽しめるようになっておりますが、できればシリーズの第一部
「剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?ただいまお相手募集中です!」から
お付き合いいただけましたら、よりいっそうの満腹感を得られることまちがいなし。
あわせてどうぞ、ご賞味あれ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる