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悪魔と同居?!

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 「私は君を守る契約を為した悪魔だぞ?常に側にいなくてどうする」

 胸を張ってそう力説するマルバス。

 しかし、言われた方の切夜は完全に頭を抱えていた。

 「犬や猫なら兎も角ライオンだぞ?!ライオンなんて連れて帰ったら父さんも母さんも倒れちゃうよ!」

 「ふむ?この時代の人間は随分と軟弱なのだな?」

 「軟弱とかじゃなくて、「家でライオンは飼わない」!それがジョーシキなんだよ!じょ・う・し・き!」

 マルバスと果てしなく不毛な舌戦を繰り広げながら、切夜は深く溜め息をつく。

 (……俺、不可抗力とはいえ、何で契約なんてしちゃったんだろう)

 だが――この猛獣の悪魔を野放しに出来ない気持ちがあるのもまた事実だ。

 (……どうにか出来ないものかなぁ……)

 切夜は腕組をして考える。

 と、陸人と悪魔図鑑を読んでいた剛が弾んだ声を上げた。

 「切夜、見て見て!良い方法があるよ!これなら、この悪魔をうちに連れて帰っても、父さんも母さんも倒れないかも!」

 剛が示す、悪魔図鑑に書いてあった方法、それは――。
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