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「フィリス・・・ライラはもう10年も前に亡くなっただろう?あの子はミラだライラじゃない」
「陛下、大丈夫ですか?ミラちゃんはまだ幼い子供ですわよ?それにわたくしがライラを間違える訳ないですわ!それよりデュークはライラから離れなさい!」
ミラより一歳しか違わない俺を認識しているのにミラの成長は認めようとしない・・・
ライラ叔母上が亡くなったことは王妃の中では無かった事になっているのか?
それを認められなくて自分の都合のいいように頭で変換しているのか?
こっそり陛下を見るとこの数時間ですっかり老け込んだように見える。
王妃はこんな人じゃなかったと思う。
見た目は儚く頼りなさげに見える王妃だが、舐めてかかると痛い目に遭う。
と、以前母上に聞いたことがある。
陛下と仲睦まじく王妃としても優秀で、国民からも人気があり我が国は安泰だと思っていた。
それがこんな聞き分けのない王妃だったとは・・・いや、ライラ叔母上限定でこうなるのか?
だとしても王妃がした事は許されることはない。
「フィリス、そんなにライラが大切なら何故隷属の首輪をつけたんだ?」
そこだよ!
言っていることが矛盾しているんだっ!
「だって~ライラからもし拒絶されたらって思ったら・・・だから、行動も制限させてもらったわ。それにライラの可愛らしい口からあの男の名前がで出たら腹立たしいでしょう?だから言葉も奪ったのよ」
最後は自慢げに言い切った。
「フィリスよく聞け・・・ボイル侯爵は今は子爵となりミラとは縁は切れている。ライラも二度とボイル子爵と会うことは無い。だから安心して隷属を解除するんだ」
「本当?それは本当ですの?・・・じゃあ解除してもいいですわ。ライラは王宮でわたくしと一緒に暮らせばこれからも毎日会えますもの」
やっとか・・・
陛下は先ほど部屋に戻ってきた父上に目配せをした。
「それにね・・・うふふっ、わたくしいい事を思いつきましたのよ。ライラの娘のミラちゃんをカイルかオズワルドの婚約者にすればミラちゃんもここで一緒に暮らせますでしょう?それならライラも寂しくないと思いませんか?ふふふっ楽しみですわ」
はあ?カイルかオズワルドだと?
思わずミラを抱いたまま立ち上がりかけたが、父上に厳しい視線を向けられ少し冷静になった。
ここで王妃の気分を損ねるような事をすれば、また振り出しに戻ってしまう。
"頭のおかしな奴の言葉に心を惑わされるな" あと少しの辛抱だ。と、自分に言い聞かせながら訂正したいのを我慢する。
ミラが解放されたら王妃に言ってやる『ミラの婚約者は俺だ!』ってな!
「それは本人達の気持ちを聞いてからでいいだろう。さあライラを解放してくれ」
「そうですわね。子供たちには恋愛結婚して欲しいですわね」
そこは子供たちにもって言った方が正しくないか?
陛下と王妃は学院で知り合い大恋愛の末、婚姻を結ばれたんじゃないのか?
何か腑に落ちないが王妃が近づいてきた。
やっとミラを解放する気になったか。
早くしろ!と言いたいのを我慢してじっと待つ。そしてミラの首輪に手をかざした。
カチッと音がしたと思ったら鎖ごと首輪が落ちた。
と、同時に父上が王妃を拘束した。
「何をしますの!離しなさい!」
喚く王妃は2人に任せればいい。
「ミラ、もう大丈夫だ。ミラ?」
「・・・デュ、デューク」と俺を名を呼んだと思ったらそのまま気を失ってしまった。
焦る俺に陛下が隷属された者が解放された時にはよくある事だと教えてくれたが、もうこんな所にミラを置いておきたくない。
「父上、陛下あとは頼みます」
それだけ言って王妃宮を後にした。
ミラ、ミラ、ミラやっと帰れるぞ。
ミラの存在を確かめるようについ力が入ってしまう。
もう、絶対にこんな目には合わせないから安心して今はゆっくりおやすみ・・・ミラ。
「陛下、大丈夫ですか?ミラちゃんはまだ幼い子供ですわよ?それにわたくしがライラを間違える訳ないですわ!それよりデュークはライラから離れなさい!」
ミラより一歳しか違わない俺を認識しているのにミラの成長は認めようとしない・・・
ライラ叔母上が亡くなったことは王妃の中では無かった事になっているのか?
それを認められなくて自分の都合のいいように頭で変換しているのか?
こっそり陛下を見るとこの数時間ですっかり老け込んだように見える。
王妃はこんな人じゃなかったと思う。
見た目は儚く頼りなさげに見える王妃だが、舐めてかかると痛い目に遭う。
と、以前母上に聞いたことがある。
陛下と仲睦まじく王妃としても優秀で、国民からも人気があり我が国は安泰だと思っていた。
それがこんな聞き分けのない王妃だったとは・・・いや、ライラ叔母上限定でこうなるのか?
だとしても王妃がした事は許されることはない。
「フィリス、そんなにライラが大切なら何故隷属の首輪をつけたんだ?」
そこだよ!
言っていることが矛盾しているんだっ!
「だって~ライラからもし拒絶されたらって思ったら・・・だから、行動も制限させてもらったわ。それにライラの可愛らしい口からあの男の名前がで出たら腹立たしいでしょう?だから言葉も奪ったのよ」
最後は自慢げに言い切った。
「フィリスよく聞け・・・ボイル侯爵は今は子爵となりミラとは縁は切れている。ライラも二度とボイル子爵と会うことは無い。だから安心して隷属を解除するんだ」
「本当?それは本当ですの?・・・じゃあ解除してもいいですわ。ライラは王宮でわたくしと一緒に暮らせばこれからも毎日会えますもの」
やっとか・・・
陛下は先ほど部屋に戻ってきた父上に目配せをした。
「それにね・・・うふふっ、わたくしいい事を思いつきましたのよ。ライラの娘のミラちゃんをカイルかオズワルドの婚約者にすればミラちゃんもここで一緒に暮らせますでしょう?それならライラも寂しくないと思いませんか?ふふふっ楽しみですわ」
はあ?カイルかオズワルドだと?
思わずミラを抱いたまま立ち上がりかけたが、父上に厳しい視線を向けられ少し冷静になった。
ここで王妃の気分を損ねるような事をすれば、また振り出しに戻ってしまう。
"頭のおかしな奴の言葉に心を惑わされるな" あと少しの辛抱だ。と、自分に言い聞かせながら訂正したいのを我慢する。
ミラが解放されたら王妃に言ってやる『ミラの婚約者は俺だ!』ってな!
「それは本人達の気持ちを聞いてからでいいだろう。さあライラを解放してくれ」
「そうですわね。子供たちには恋愛結婚して欲しいですわね」
そこは子供たちにもって言った方が正しくないか?
陛下と王妃は学院で知り合い大恋愛の末、婚姻を結ばれたんじゃないのか?
何か腑に落ちないが王妃が近づいてきた。
やっとミラを解放する気になったか。
早くしろ!と言いたいのを我慢してじっと待つ。そしてミラの首輪に手をかざした。
カチッと音がしたと思ったら鎖ごと首輪が落ちた。
と、同時に父上が王妃を拘束した。
「何をしますの!離しなさい!」
喚く王妃は2人に任せればいい。
「ミラ、もう大丈夫だ。ミラ?」
「・・・デュ、デューク」と俺を名を呼んだと思ったらそのまま気を失ってしまった。
焦る俺に陛下が隷属された者が解放された時にはよくある事だと教えてくれたが、もうこんな所にミラを置いておきたくない。
「父上、陛下あとは頼みます」
それだけ言って王妃宮を後にした。
ミラ、ミラ、ミラやっと帰れるぞ。
ミラの存在を確かめるようについ力が入ってしまう。
もう、絶対にこんな目には合わせないから安心して今はゆっくりおやすみ・・・ミラ。
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