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王家と公爵家があらゆる手を尽くして秘密裏にミラを探して既に1ヶ月が経った。
まだ何の手掛かりも見つかっていない。
卒業パーティーの次の日から1ヶ月の長期休暇に入った為、ミラが行方不明だという事は捜索をしている者達にしか知られていない。
そして明日には新入生の入学式があり、俺たちは3年に進級する日だが、とても行く気にはならない。
いや、そんな時間があればミラを一刻も早く探し出すために使う。
ミラが攫われてから気の強い母上が心労で日に日に窶れてきている。
父上は影を使って少女趣味と噂の者や、人身売買等の黒い疑惑のある者、他にも怪しい人物、学院でミラに懸想していた者、ミラに言い掛かりをつけ処罰された奴らの身内の者を徹底的に調べさせている。
俺はどうしてもカイルが怪しいと毎日王宮に通っている。
王宮には王族だけに知らされている隠し部屋や迷宮のように張り巡らされた逃走経路があると昔、祖父・・・前国王が俺とミラにこっそりと教えてくれた。
だが、王族でない俺がそれを知る権利はなく、怪しいと思っているカイルを見張る事しか出来ない。
ミラが連れ去られたホールには証拠は何も残っていなかった。
あの日カイルは陛下に問い詰められたが取り乱して話にならなかった。
一分一秒も時間が惜しい俺たちは状況で判断するしかなく、カイルに付いていた影の証言が無実を証明した。
それから3日後、カイルが落ち着いてから聞き取りが行われた。
『私がミラを保護すれば前回のように命を落とすことはないと思っていた。やはり運命には抗えないのか』
と、まるで既にミラが亡くなっているかのような物言いだったそうだ。
何を言っているんだ?
ミラは無事に決まっているだろ?
俺は絶対に諦めない。
必ずミラを見つけ出す。
・・・頼む、お願いだ、ミラ無事でいてくれ。
ライラ叔母上すみません。
必ずミラを探し出します。
ですからそれまではミラを俺の代わりに守って下さい。お願いします。
今日も毎日訪れる俺に門番が怪訝そうな顔で中に通してくれた。
いつものようにカイルの執務室に向かっていると前から王妃が侍女を引き連れてやってきた。
ウチの母上とは真逆の可愛らしい印象で、40歳を遠に過ぎているはずなのに、20歳そこそこにしか見えない。
オズワルドは母親似だ。
「おはようデューク。今日から登校でしょう?貴方は行かなくていいの?」
非難するというより、"会ったから聞いてみただけ"のような気がする。
「・・・おはようございます王妃殿下。俺はそれどころではないので」
「そう・・・早くあの子が見つかることを祈っているわ」
「・・・ありがとうございます」
ミラのことをあの子って、なんだか冷たく感じるのは気の所為か?
それだけ言うと、また侍女たちを連れて去って行った。
あの方は昔俺とミラが王宮に遊びに来ていた時はミラをとても可愛がっていたが・・・
日々ミラの捜索で疲れの見える俺たちと違って、血色のいい顔でご機嫌だったな。
ミラとは血の繋がりもなければ特別な存在でもない王妃からすれば、ミラが行方不明になろうがたいして気にならないのかもしれない。
いつも優しく微笑んでいて、国民からも人気がある我が国の王妃だが、その微笑みが今日は不気味に感じてしまった・・・
まだ何の手掛かりも見つかっていない。
卒業パーティーの次の日から1ヶ月の長期休暇に入った為、ミラが行方不明だという事は捜索をしている者達にしか知られていない。
そして明日には新入生の入学式があり、俺たちは3年に進級する日だが、とても行く気にはならない。
いや、そんな時間があればミラを一刻も早く探し出すために使う。
ミラが攫われてから気の強い母上が心労で日に日に窶れてきている。
父上は影を使って少女趣味と噂の者や、人身売買等の黒い疑惑のある者、他にも怪しい人物、学院でミラに懸想していた者、ミラに言い掛かりをつけ処罰された奴らの身内の者を徹底的に調べさせている。
俺はどうしてもカイルが怪しいと毎日王宮に通っている。
王宮には王族だけに知らされている隠し部屋や迷宮のように張り巡らされた逃走経路があると昔、祖父・・・前国王が俺とミラにこっそりと教えてくれた。
だが、王族でない俺がそれを知る権利はなく、怪しいと思っているカイルを見張る事しか出来ない。
ミラが連れ去られたホールには証拠は何も残っていなかった。
あの日カイルは陛下に問い詰められたが取り乱して話にならなかった。
一分一秒も時間が惜しい俺たちは状況で判断するしかなく、カイルに付いていた影の証言が無実を証明した。
それから3日後、カイルが落ち着いてから聞き取りが行われた。
『私がミラを保護すれば前回のように命を落とすことはないと思っていた。やはり運命には抗えないのか』
と、まるで既にミラが亡くなっているかのような物言いだったそうだ。
何を言っているんだ?
ミラは無事に決まっているだろ?
俺は絶対に諦めない。
必ずミラを見つけ出す。
・・・頼む、お願いだ、ミラ無事でいてくれ。
ライラ叔母上すみません。
必ずミラを探し出します。
ですからそれまではミラを俺の代わりに守って下さい。お願いします。
今日も毎日訪れる俺に門番が怪訝そうな顔で中に通してくれた。
いつものようにカイルの執務室に向かっていると前から王妃が侍女を引き連れてやってきた。
ウチの母上とは真逆の可愛らしい印象で、40歳を遠に過ぎているはずなのに、20歳そこそこにしか見えない。
オズワルドは母親似だ。
「おはようデューク。今日から登校でしょう?貴方は行かなくていいの?」
非難するというより、"会ったから聞いてみただけ"のような気がする。
「・・・おはようございます王妃殿下。俺はそれどころではないので」
「そう・・・早くあの子が見つかることを祈っているわ」
「・・・ありがとうございます」
ミラのことをあの子って、なんだか冷たく感じるのは気の所為か?
それだけ言うと、また侍女たちを連れて去って行った。
あの方は昔俺とミラが王宮に遊びに来ていた時はミラをとても可愛がっていたが・・・
日々ミラの捜索で疲れの見える俺たちと違って、血色のいい顔でご機嫌だったな。
ミラとは血の繋がりもなければ特別な存在でもない王妃からすれば、ミラが行方不明になろうがたいして気にならないのかもしれない。
いつも優しく微笑んでいて、国民からも人気がある我が国の王妃だが、その微笑みが今日は不気味に感じてしまった・・・
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