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数日後、マリアが人知れず処刑されたと報告された。
表向きは王族に対する不敬罪で修道院に送られたことになっている。
これで学院内でミラに危害を加える者はいなくなった。・・・はずだ。
安堵すると同時に脳裏にカイルの顔が浮かぶ。
前回のカイルの行動に不信感を覚えつつも、今回のカイルはどうなんだろうか?
マリアと同じように前回と同じような行動を起こすのだろうか?
だが、オズワルドは既に隠し部屋が用意されていると言っていた。まだ油断はできない。
学院でまた以前と変わらないミラが俺の隣にいる日常を過ごせるようになった。
馬車を降りた時から生徒たちの視線を集めてしまったが、これが俺たちの普通だ。
つい最近まではそうだっただろう?
だからそんな目で見るなよ。男も女も嫉妬深いな。
俺がミラ以外の女に思いを寄せることなどあるはずがないだろう?
そして男たちよ、残念だったな。俺がミラを手放す訳がない。
ミラは前回の記憶を思い出してから、クラスメイト達にも警戒するようになった。
勿論、挨拶もするし会話もする。
だが、信用はしていない。・・・いや、信用する事が出来ないのだろう。
約2年間もコイツらに嘲笑われ虐げられ侮辱されていたんだ。
今回は前回とは状況が違うとはいえ、思い出してしまえば綺麗さっぱり水に流すには奴らは酷すぎた。
ミラは前回を思い出してから学院では気丈に振舞っているが、男女関係なく対面すると震えを抑える為に爪の跡が付くほど手を握りしめている事を知っている。
あの日、ミラが前回を思い出してから母上と一緒に寝た次の日、夜中にまたミラが悲鳴をあげた。
隣の部屋の俺は慌ててミラの部屋に飛び込んだ。
ポロポロと涙を零し、体を抱きしめ震えるミラが痛ましく思わず抱きしめようとした時、父上と母上も部屋に飛び込んできた。
何故か俺はキッと睨まれ、突き飛ばされた・・・
もしかして俺がミラを襲ったと思われたのか?
『ミラ!』
『大丈夫よ何があったの?』
・・・原因は二度と思い出したくもない前回の夢を見たから。
その日は俺たちが交互に優しく声をかけて、頭を撫で抱きしめ安心させるための声を何度もかけて寝かしつけた。
そして次の日もミラは悲鳴をあげた。
それ以降、また母上と一緒に寝るようになった。
ミラは『ごめんなさい』と申し訳なさそうに謝るが、そんな事は気にしなくていいんだ。
10年以上も虐待され虐げられてきたんだ。トラウマになっても仕方がない。
母上と寝るといっても、ミラが寝付くまでは俺も手を握っている。
(それは両親に許してもらえた。)
母上が教えてくれた。
夜中に魘された時は隣にいる母上の存在を手を触れて何度も確認するらしい。それも無意識に・・・
『何度もやめて、助けてと寝言を言うの・・・わたくし達が想像していた以上にミラは傷つけられていたのね』
気が強く、弱味など見せなかった母上がミラの事になると涙脆くなる。
こんな思いをするなら思い出さない方がよかったのか?
だが、そのお陰でカイルを警戒する事ができる。
どちらがよかったのか俺には分からない。
それでも大丈夫だミラ。
あんな辛い思いは二度とさせないから。
俺が、俺たちが必ず何者からもミラを守るから。
だから安心していいんだよ。
今はゆっくり休め。
『おやすみミラ』
ミラの寝顔を見てそっと頭を撫でてから、あとは母上に任せて部屋を出る。
そのまま父上の執務室に向かう。
なぜなら、オズワルドからメッセージが届いたからだ・・・。
表向きは王族に対する不敬罪で修道院に送られたことになっている。
これで学院内でミラに危害を加える者はいなくなった。・・・はずだ。
安堵すると同時に脳裏にカイルの顔が浮かぶ。
前回のカイルの行動に不信感を覚えつつも、今回のカイルはどうなんだろうか?
マリアと同じように前回と同じような行動を起こすのだろうか?
だが、オズワルドは既に隠し部屋が用意されていると言っていた。まだ油断はできない。
学院でまた以前と変わらないミラが俺の隣にいる日常を過ごせるようになった。
馬車を降りた時から生徒たちの視線を集めてしまったが、これが俺たちの普通だ。
つい最近まではそうだっただろう?
だからそんな目で見るなよ。男も女も嫉妬深いな。
俺がミラ以外の女に思いを寄せることなどあるはずがないだろう?
そして男たちよ、残念だったな。俺がミラを手放す訳がない。
ミラは前回の記憶を思い出してから、クラスメイト達にも警戒するようになった。
勿論、挨拶もするし会話もする。
だが、信用はしていない。・・・いや、信用する事が出来ないのだろう。
約2年間もコイツらに嘲笑われ虐げられ侮辱されていたんだ。
今回は前回とは状況が違うとはいえ、思い出してしまえば綺麗さっぱり水に流すには奴らは酷すぎた。
ミラは前回を思い出してから学院では気丈に振舞っているが、男女関係なく対面すると震えを抑える為に爪の跡が付くほど手を握りしめている事を知っている。
あの日、ミラが前回を思い出してから母上と一緒に寝た次の日、夜中にまたミラが悲鳴をあげた。
隣の部屋の俺は慌ててミラの部屋に飛び込んだ。
ポロポロと涙を零し、体を抱きしめ震えるミラが痛ましく思わず抱きしめようとした時、父上と母上も部屋に飛び込んできた。
何故か俺はキッと睨まれ、突き飛ばされた・・・
もしかして俺がミラを襲ったと思われたのか?
『ミラ!』
『大丈夫よ何があったの?』
・・・原因は二度と思い出したくもない前回の夢を見たから。
その日は俺たちが交互に優しく声をかけて、頭を撫で抱きしめ安心させるための声を何度もかけて寝かしつけた。
そして次の日もミラは悲鳴をあげた。
それ以降、また母上と一緒に寝るようになった。
ミラは『ごめんなさい』と申し訳なさそうに謝るが、そんな事は気にしなくていいんだ。
10年以上も虐待され虐げられてきたんだ。トラウマになっても仕方がない。
母上と寝るといっても、ミラが寝付くまでは俺も手を握っている。
(それは両親に許してもらえた。)
母上が教えてくれた。
夜中に魘された時は隣にいる母上の存在を手を触れて何度も確認するらしい。それも無意識に・・・
『何度もやめて、助けてと寝言を言うの・・・わたくし達が想像していた以上にミラは傷つけられていたのね』
気が強く、弱味など見せなかった母上がミラの事になると涙脆くなる。
こんな思いをするなら思い出さない方がよかったのか?
だが、そのお陰でカイルを警戒する事ができる。
どちらがよかったのか俺には分からない。
それでも大丈夫だミラ。
あんな辛い思いは二度とさせないから。
俺が、俺たちが必ず何者からもミラを守るから。
だから安心していいんだよ。
今はゆっくり休め。
『おやすみミラ』
ミラの寝顔を見てそっと頭を撫でてから、あとは母上に任せて部屋を出る。
そのまま父上の執務室に向かう。
なぜなら、オズワルドからメッセージが届いたからだ・・・。
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