37 / 62
37
しおりを挟む
「デュー・・・ティタニア様。明日の放課後ならオズワルド殿下もお茶に参加出来るそうですわ」
「・・・」
「ですからティタニア様も、明日はわたくしの為に時間を作って下さるでしょう?」
はははっ・・・
こんなに早くオズワルドに接触したのか・・・
昨日の今日だぞ。
で、明日ね~
「メンバーは?」
「わたくしとティタニア様とオズワルド殿下ですわ」
「女はお前一人なのか?」
「ほかの女性なんて・・・ティタニア様にはわたくしが居れば必要ないでしょう?」
凄い自信だな。
だが、コイツは俺に能力を使ったとはいえ『話をしよう』と言っただけで俺の気持ちをコイツに向けるような言葉は言っていない。
「婚約者のいる俺に、お前は必要ないが?」
「え?何を・・・!!」
やっと気が付いたようだな。
「俺の婚約者はミラだ。俺は不貞を犯するつもりはない。と、そう言ったよな?疑われる行動も絶対にしない」
「・・・」
「怪しいな?如何にも俺がお前の物のように言うのは何故だ?」
「し、失礼しました」
昨日会話をしたことで舞い上がったのか、大きな失態を犯したな。
ま、お陰で助かったとも言えるが。演技でもコイツをミラと同じ扱いをするのは俺には無理だ。
マリアは勢いよく頭を下げたが俺は笑いを堪えて不快そうな顔を態とした。
「勘違いをするなよ?お前を含めミラ以外の女に俺が惹かれるワケがない。・・・だが約束だ、明日は付き合ってやるよ」
「あ、ありがとうございます」
おうおう、明日は確実に能力を使うって顔に書いてあるぞ?
愚かすぎて溜め息が出そうになる。
前回、こんな女にミラが陥れられたのか・・・
いや、その時はエルザが侯爵家の令嬢として学院に通ってからか。
エルザが調子に乗ってミラを虐げていたのと、ミラを逃す為とはいえオズワルドの取った行動が裏目に出たのが、運悪く重なったからか・・・
「で、では明日楽しみに待っています。必ず来てくださいね」
ああ、必ず行くさ。
それでお前は終わりだ。
「やあ、デュークも誘われていたんだね」
「久しぶりだな」
昨日も連絡は取ったがな。
「あれ?カトラーレ嬢はまだ来てないのかな?私は彼女に誘われたんだけど」
エルザを使ってオズワルドをこの席に着かせたのは知っている。
「あ、エルザさんは体調が急に悪くなって・・・」
「お前昨日の時点で俺とオズワルドとお前の3人だと言っていたよな?」
ほら、もう綻びが出てるだろ?
お前の頭じゃあこんなもんだ。 バレるような嘘をつくなよ。
何故俺に縋るような目を向けてくる?
『話そう』と言われただけの俺がお前の味方をするわけが無いだろ?
俺が何も言わないからか、目を忙しなく動かして言い訳を考えているようだ。
「まあまあそんな凄まなくても今日は3人でいいんじゃない?」
オズワルドの助け舟にありがとうございますと笑顔を向けるがオズワルドだって無駄な時間をこんなやり取りで使いたくないだけだろう。
「き、今日はわたくしがお茶を入れさせてもらいますね」
マリアがお茶を入れるとすぐに無表情な男が現れた。
「え?」
「失礼します」
マリアの入れたお茶に口を付ける男。
戸惑っているようだが当然だろ?
王子が口に入れる物に毒見をするのは。
次いでに言うと、オズワルドには皆から見えない場所で学院内でも護衛はついている。
「ごめんね。いつもの事だから気を悪くしないでね」
「は、はい・・・」
それにしてもこの位置おかしくないか?
小さめの丸いテーブルだが、マリアを挟んで俺とオズワルドが座っているがその距離が近い。
「素敵なブローチですね」
「ああ、コレは特殊な加工がされた王族だけが使える物なんだ」
「え~さすが王子様ですね」
媚びるようにオズワルドに話しかけながらもチラチラを俺を見上げてくるが、上目遣いのつもりなのか?
そんな獲物を狙うような目が可愛いとでも思っているのか?
オズワルドに向けられる同情の視線が痛い。
マリアもオズワルドに話を振りながら能力を使うタイミングを計っているようだ。
ダラダラと他愛もない話しが続いていた時、やっとマリアが動いた。
オズワルドの着けていたブローチの宝石が青から赤に変わったのがその合図だ。
始まるな・・・
「・・・」
「ですからティタニア様も、明日はわたくしの為に時間を作って下さるでしょう?」
はははっ・・・
こんなに早くオズワルドに接触したのか・・・
昨日の今日だぞ。
で、明日ね~
「メンバーは?」
「わたくしとティタニア様とオズワルド殿下ですわ」
「女はお前一人なのか?」
「ほかの女性なんて・・・ティタニア様にはわたくしが居れば必要ないでしょう?」
凄い自信だな。
だが、コイツは俺に能力を使ったとはいえ『話をしよう』と言っただけで俺の気持ちをコイツに向けるような言葉は言っていない。
「婚約者のいる俺に、お前は必要ないが?」
「え?何を・・・!!」
やっと気が付いたようだな。
「俺の婚約者はミラだ。俺は不貞を犯するつもりはない。と、そう言ったよな?疑われる行動も絶対にしない」
「・・・」
「怪しいな?如何にも俺がお前の物のように言うのは何故だ?」
「し、失礼しました」
昨日会話をしたことで舞い上がったのか、大きな失態を犯したな。
ま、お陰で助かったとも言えるが。演技でもコイツをミラと同じ扱いをするのは俺には無理だ。
マリアは勢いよく頭を下げたが俺は笑いを堪えて不快そうな顔を態とした。
「勘違いをするなよ?お前を含めミラ以外の女に俺が惹かれるワケがない。・・・だが約束だ、明日は付き合ってやるよ」
「あ、ありがとうございます」
おうおう、明日は確実に能力を使うって顔に書いてあるぞ?
愚かすぎて溜め息が出そうになる。
前回、こんな女にミラが陥れられたのか・・・
いや、その時はエルザが侯爵家の令嬢として学院に通ってからか。
エルザが調子に乗ってミラを虐げていたのと、ミラを逃す為とはいえオズワルドの取った行動が裏目に出たのが、運悪く重なったからか・・・
「で、では明日楽しみに待っています。必ず来てくださいね」
ああ、必ず行くさ。
それでお前は終わりだ。
「やあ、デュークも誘われていたんだね」
「久しぶりだな」
昨日も連絡は取ったがな。
「あれ?カトラーレ嬢はまだ来てないのかな?私は彼女に誘われたんだけど」
エルザを使ってオズワルドをこの席に着かせたのは知っている。
「あ、エルザさんは体調が急に悪くなって・・・」
「お前昨日の時点で俺とオズワルドとお前の3人だと言っていたよな?」
ほら、もう綻びが出てるだろ?
お前の頭じゃあこんなもんだ。 バレるような嘘をつくなよ。
何故俺に縋るような目を向けてくる?
『話そう』と言われただけの俺がお前の味方をするわけが無いだろ?
俺が何も言わないからか、目を忙しなく動かして言い訳を考えているようだ。
「まあまあそんな凄まなくても今日は3人でいいんじゃない?」
オズワルドの助け舟にありがとうございますと笑顔を向けるがオズワルドだって無駄な時間をこんなやり取りで使いたくないだけだろう。
「き、今日はわたくしがお茶を入れさせてもらいますね」
マリアがお茶を入れるとすぐに無表情な男が現れた。
「え?」
「失礼します」
マリアの入れたお茶に口を付ける男。
戸惑っているようだが当然だろ?
王子が口に入れる物に毒見をするのは。
次いでに言うと、オズワルドには皆から見えない場所で学院内でも護衛はついている。
「ごめんね。いつもの事だから気を悪くしないでね」
「は、はい・・・」
それにしてもこの位置おかしくないか?
小さめの丸いテーブルだが、マリアを挟んで俺とオズワルドが座っているがその距離が近い。
「素敵なブローチですね」
「ああ、コレは特殊な加工がされた王族だけが使える物なんだ」
「え~さすが王子様ですね」
媚びるようにオズワルドに話しかけながらもチラチラを俺を見上げてくるが、上目遣いのつもりなのか?
そんな獲物を狙うような目が可愛いとでも思っているのか?
オズワルドに向けられる同情の視線が痛い。
マリアもオズワルドに話を振りながら能力を使うタイミングを計っているようだ。
ダラダラと他愛もない話しが続いていた時、やっとマリアが動いた。
オズワルドの着けていたブローチの宝石が青から赤に変わったのがその合図だ。
始まるな・・・
261
お気に入りに追加
2,553
あなたにおすすめの小説
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
病弱を演じる妹に婚約者を奪われましたが、大嫌いだったので大助かりです
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。
『病弱を演じて私から全てを奪う妹よ、全て奪った後で梯子を外してあげます』
メイトランド公爵家の長女キャメロンはずっと不当な扱いを受け続けていた。天性の悪女である妹のブリトニーが病弱を演じて、両親や周りの者を味方につけて、姉キャメロンが受けるはずのモノを全て奪っていた。それはメイトランド公爵家のなかだけでなく、社交界でも同じような状況だった。生まれて直ぐにキャメロンはオーガスト第一王子と婚約していたが、ブリトニーがオーガスト第一王子を誘惑してキャメロンとの婚約を破棄させようとしたいた。だがキャメロンはその機会を捉えて復讐を断行した。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
さよなら、皆さん。今宵、私はここを出ていきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【復讐の為、今夜私は偽の家族と婚約者に別れを告げる―】
私は伯爵令嬢フィーネ・アドラー。優しい両親と18歳になったら結婚する予定の婚約者がいた。しかし、幸せな生活は両親の突然の死により、もろくも崩れ去る。私の後見人になると言って城に上がり込んできた叔父夫婦とその娘。私は彼らによって全てを奪われてしまった。愛する婚約者までも。
もうこれ以上は限界だった。復讐する為、私は今夜皆に別れを告げる決意をした―。
※マークは残酷シーン有り
※(他サイトでも投稿中)
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる