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「ミラさん、今よろしいかしら?」

「・・・なんでしょうか?」

朝から教室の前で待ち伏せか?
チラチラと俺を見るのをやめろ!

「すぐに終わりますから2人だけで話せますか?ああ、ご心配なさらずともとセナさんの見える場所でお話ししますわ」

俺が何かを言う前にミラが応えた。

「マリアさん?貴方は前にデュークに『名を呼ぶな』と言われたのをお忘れになったのですか?そんな礼儀知らずのお方とお話しすることはありませんわ」

!!
「し、失礼しました。・・・ですが少しだけお願いします」

ミラのこんな冷たい声を聞いたのは初めてだ。

マリアもその声に驚き顔に苛立ちを表したがすぐに謝った。
余程ミラに言いたいことがあるのだろう。
大体その内容も予測がつくがな。

「・・・分かりましたわ。でも次はありませんよ?」

マリアが頷くの確認してから振り返って"大丈夫、任せて"と俺とセナに目配せをして俺たちの見える使われていない教室の前まで行った。

「ねえ~デューク君、あの子の話しって何だと思う?」

「・・・どうせ、学院に来るなとか、俺から離れろと言うのだろう」

「そうだよね~」

ミラから目を離さずセナとそんな会話をしていると、すぐに話しも終わったのかミラがこちらに振り向いた。
・・・その顔は昔、ミラが悪戯を思い付いた時の顔だった。

そうだった。
ミラは普段は大人しいクセに、たまにイタズラをするからまず最初に俺が疑われていたんだよな。
それでも俺が怒られそうになれば、すぐに『ごめんなさ~い。ミラがやったの~。うわ~~~ん』って泣いていたな。
ああ、思い出したあの泣き顔も可愛かったな。

何か思い付いたのは分かるが・・・
ミラの後ろにいるマリアは笑っているが凄く醜くい。
笑った顔が醜いって女として終わってるな。

「あらあら~。ミラちゃんの懐かしい顔を見られたわ~」

そしてミラはセナの手を繋いで俺の横を素通りして行った・・・。
ま、予想通りだな。
セナまで離されなくてよかったとするか。

マリアって本当に馬鹿だよな。
学院で俺たちが離れていたとしても一緒に住んでいる・・・もしかして知らないのか?俺とミラが一緒に住んでいることを・・・。

一応、俺もマリアを睨んで・・・
っう!気色悪りぃ・・・何なんだ?
なんなんだよ!
鳥肌が立ったじゃないか!

俺を祈っている・・・のか?
もしかして・・・あのポーズが可愛く見えると思っているのか?
俺を見つめて必要以上に目をパチパチさせているが? 
気持ち悪いだけだ・・・。

ミラを俺から離せば俺が手に入ると?
・・・ナイナイナイ!
想像するのも嫌だ。

オズワルドから攻めてくるかと思えば先にミラに仕掛けてくるなんてな。






「デューク君~エルザから放課後のお茶を誘われたんだけど来るよね~?」

「・・・」

この一週間、学院にいる間とはいえ、ミラに無視されるのは辛い・・・
それなのにアイツとお茶だと?
一秒でも早く帰りたいんだよ!

「ん~ミラちゃんの前でデューク君にを使って虜にでもするつもりかもよ~」

「知るか!・・・」

「いいじゃんか~」

「・・・」

まあ、アイツが自信を持っている能力やらをどの程度の物か知るのもいいかもな。

「分かった・・・だが俺は演技は出来ないぞ?」

うん無理だ。
アイツに耳元で囁かれたりしたら瞬時に殴ってしまいそうだ。

「そんなの期待してないよ?無言でいいんだよ~。あとは私たちに任せて?」

何をするつもりなんだ?





「こんにちは。デュー・・・ティタニア様とお茶が出来るなんてマリア嬉しい!」

・・・・・・。
すっげぇキツい香水の匂いにミラとセナも顔を顰めるいる。

「ねえミラさん、わたくしと席を変わってくれないかしら?」

はぁ~やはりそうくるか。
チラリと俺を見てからミラは無言で席を立った。
それにしてもコイツ偉そうだな何様なんだ?

「うふふふ・・・」

臭せぇ鼻が曲がりそうだ。
うわ、やめろ!近付くな!

「ねえデューク様~」

「お前の付けている香水が臭くて気分が悪くなった。俺は帰る。お前の匂いが制服につくのが嫌だ!」

我慢できなくて席を立ってしまった・・・

「ま、待ってデューク様!」

「触るな!そして黙れ・・・俺の名を呼ぶなと言ったよな?」

俺を引き止めようとしたマリアの手を払ってその場を逃げるように背を向けた。

「デューク君の言う通り、マリアちゃん香水つけ過ぎだよ~。それってマナー違反だよ~」

「そうね、離れていてもすごく匂ってくるもの今日は私も帰るわ」

恥ずかしいのか、怒りからなのか真っ赤な顔で震えるマリアと、オロオロしているエルザを置いて2人も席を立った。

結局、時間の無駄だったな。





次はオズワルドの出番だな。
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