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当然だが、俺とミラは同じクラスになった。
チラチラと男も女も俺たちを見ては頬を染めたり、目が合えば慌てて目を逸らす。
一体何がしたいんだか・・・。
このクラスにマリアがいないことは確認済みだ。
前回のこの学院の学院長も教師もミラへの虐めを見て見ぬふりをしていた者達だったからな、陛下が総入れ替えしたと父上から聞いている。
前回とは変わっている。
まずはミラを虐待していた義母は鉱山で慰み者に・・・義妹だったエルザは平民に戻り孤児院へ・・・そしてミラは、ボイル侯爵家とは縁を切って我がティタニア公爵家の養女になっている。
何より大きいのがオズワルドの婚約者になっていない事だ。
そして一番警戒しなといけない相手はマリアだ。
マリアは声に魔力を乗せて人を操れる能力を持っている。
だが大勢の人を操るだけの魔力は無く、人格を変えるほどの能力でもない。
思い込みの激しい者や、人に流されやすい性格の者には少し効果が上がる程度の微弱な能力だ。
ま、俺やミラは魔法は使えないが王族の血を引いているからか、魔力は膨大だからマリアの能力を使われても効く事はない。
それを踏まえると、もしかしたら前回のオズワルドはマリアに操られていなかったのかもしれない。
そうすると・・・ミラを虐げていた理由は・・・余程ミラを疎ましく思っていた・・・からなのか?
「ねえ、デュークってば!聞いてるの?」
だからミラ~
頬を膨らませて怒っても可愛いだけなんだぞ。
「ごめんごめんもう一回言って?それに怒ったミラも可愛いな」
う~~と、口を尖らせて拗ねたミラも可愛い。
担任が来るまで俺はミラが話す学院生活への希望を聞かされることになった。
なるべくならミラの希望はすべて叶えてやりたい。
・・・・・・。
なぜお前が教壇に立っている?
「今日から私がこのクラスの担任になるローガン・イーリヤだ」
コイツは我が家の騎士団の団長で、俺を容赦なく鍛えた鬼のように強い男だ。
未だに一度も勝てたことがない。
お前、教鞭なんて取れるのかよ。
「まずは自己紹介だな。君から順に始めようか」
き、君??って、お前誰だよ!
突っ込むのは帰ってからにするが、鳥肌が立ったじゃないか!
ミラはなぜかローガンを見て喜んでいる。
まあ、普段は鬼団長だがミラには甘いからな。
次々、自己紹介をしていくクラスメイトの名前と顔を確認する。
中には前回で俺が処分した者もいた。
先程までミラを好意的に見ていた令嬢も、見惚れていた男もだ。
「セナ・ドバースです。よろしくね」
セ、セナ・・・お前まで・・・でも無理がないか?
お前もうすぐ30に手が届くはずじゃあ・・・
意外と制服を着ても違和感がないのは幼児体型だからかだろうか?
確かに小さくて幼児体型のセナは学生に見えなくもない・・・か?
セナもウチの騎士団所属だ。
対戦してもスピードがあり、小さいだけにやりにくい相手だったりする。
そして番犬の飼育係でもある。
そのウチの獰猛な番犬たちだが、ミラに対してだけは"ミラ見守り番犬隊"だったりする。
ミラはよちよち歩きの頃から動物が好きで、見た目から恐れられる我が家の番犬にも平気で抱きつく恐れ知らずでもあった。
だからか、ウチに侵入する不届き者には容赦なく牙を剥く番犬も、ミラにはしっぽを振って媚びて懐いている。
セナ!こっちを見てウインクするのは止めろ!
気持ち悪いだろ!
まあ、ミラの友人ポジションに護衛を置くのは心強いが、セナの年齢を知っているだけに痛いんだよな~。
ああ、ミラがすごく嬉しそうにしている・・・。それなら、いい・・・のか??
チラチラと男も女も俺たちを見ては頬を染めたり、目が合えば慌てて目を逸らす。
一体何がしたいんだか・・・。
このクラスにマリアがいないことは確認済みだ。
前回のこの学院の学院長も教師もミラへの虐めを見て見ぬふりをしていた者達だったからな、陛下が総入れ替えしたと父上から聞いている。
前回とは変わっている。
まずはミラを虐待していた義母は鉱山で慰み者に・・・義妹だったエルザは平民に戻り孤児院へ・・・そしてミラは、ボイル侯爵家とは縁を切って我がティタニア公爵家の養女になっている。
何より大きいのがオズワルドの婚約者になっていない事だ。
そして一番警戒しなといけない相手はマリアだ。
マリアは声に魔力を乗せて人を操れる能力を持っている。
だが大勢の人を操るだけの魔力は無く、人格を変えるほどの能力でもない。
思い込みの激しい者や、人に流されやすい性格の者には少し効果が上がる程度の微弱な能力だ。
ま、俺やミラは魔法は使えないが王族の血を引いているからか、魔力は膨大だからマリアの能力を使われても効く事はない。
それを踏まえると、もしかしたら前回のオズワルドはマリアに操られていなかったのかもしれない。
そうすると・・・ミラを虐げていた理由は・・・余程ミラを疎ましく思っていた・・・からなのか?
「ねえ、デュークってば!聞いてるの?」
だからミラ~
頬を膨らませて怒っても可愛いだけなんだぞ。
「ごめんごめんもう一回言って?それに怒ったミラも可愛いな」
う~~と、口を尖らせて拗ねたミラも可愛い。
担任が来るまで俺はミラが話す学院生活への希望を聞かされることになった。
なるべくならミラの希望はすべて叶えてやりたい。
・・・・・・。
なぜお前が教壇に立っている?
「今日から私がこのクラスの担任になるローガン・イーリヤだ」
コイツは我が家の騎士団の団長で、俺を容赦なく鍛えた鬼のように強い男だ。
未だに一度も勝てたことがない。
お前、教鞭なんて取れるのかよ。
「まずは自己紹介だな。君から順に始めようか」
き、君??って、お前誰だよ!
突っ込むのは帰ってからにするが、鳥肌が立ったじゃないか!
ミラはなぜかローガンを見て喜んでいる。
まあ、普段は鬼団長だがミラには甘いからな。
次々、自己紹介をしていくクラスメイトの名前と顔を確認する。
中には前回で俺が処分した者もいた。
先程までミラを好意的に見ていた令嬢も、見惚れていた男もだ。
「セナ・ドバースです。よろしくね」
セ、セナ・・・お前まで・・・でも無理がないか?
お前もうすぐ30に手が届くはずじゃあ・・・
意外と制服を着ても違和感がないのは幼児体型だからかだろうか?
確かに小さくて幼児体型のセナは学生に見えなくもない・・・か?
セナもウチの騎士団所属だ。
対戦してもスピードがあり、小さいだけにやりにくい相手だったりする。
そして番犬の飼育係でもある。
そのウチの獰猛な番犬たちだが、ミラに対してだけは"ミラ見守り番犬隊"だったりする。
ミラはよちよち歩きの頃から動物が好きで、見た目から恐れられる我が家の番犬にも平気で抱きつく恐れ知らずでもあった。
だからか、ウチに侵入する不届き者には容赦なく牙を剥く番犬も、ミラにはしっぽを振って媚びて懐いている。
セナ!こっちを見てウインクするのは止めろ!
気持ち悪いだろ!
まあ、ミラの友人ポジションに護衛を置くのは心強いが、セナの年齢を知っているだけに痛いんだよな~。
ああ、ミラがすごく嬉しそうにしている・・・。それなら、いい・・・のか??
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