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そして、卒業式も無事終えて今日は王宮での夜会に参加するため、専属侍女のベスを筆頭に使用人達に朝から磨きに磨かれヘトヘト。
でも、鏡に映る私はいつもよりも断然綺麗だと自分でも思う。
さすが、我が家自慢の使用人たち。
今日の私のエスコートはレグルス兄様。
そう、レグルス兄様はついにお父様にチェスで勝ち、私をエスコースする権利を勝ち取ったのだ。
エントランスに向かうと、すでにお父様とレグルス兄様が待っていた。
満面の笑み出迎えてくれたレグルス兄様に対して、お父様は不服そう。
「ユティ、とても綺麗だよ」
「兄様こそ、まるで王子様みたいに素敵だわ」
「・・・ユティ、ミルティーア・・・お前の母親にそっくりだ・・・」
私を見てお父様が涙ぐんでいる。
寂しいのね。
だって、今の私は遺されている肖像画のお母様にすごく似ているもの・・・お父様とお母様はとても仲が良かった。
子供の私から見ても2人が愛し合っているのが良く分かったもの。
こんな寂しそうなお父様の姿を見たら今日のエスコートは・・・
「ユティは確かに母上に似てきましたが、エスコートは私にお任せ下さい」
「レグルス・・・譲ってはくれないのか?」
え?
「ここは話の流れで『父上、ユティのエスコートは父上にお願いしてもよろしいですか』と私を慰める言葉をかけて譲るところだろ?」
「いえ、私は父上の演技には騙されませんよ!心優しいユティを揺さぶろうとするなんて卑怯ですよ」
え、演技?そうなの?
「っう・・・無理か」
・・・やっぱり演技だったみたい。
「さあユティ行こうか」
「はいレグルス兄様お願いします」
馬車でいじけるお父様も私と兄様と一緒に乗り込み王宮に向かった。
『ラグーナ侯爵家当主ロイド様、レグルス様、ユティフローラ様のご入場~』
私達が入場すると王宮のホールにざわめきが起こった。
そうでしょうとも、滅多に夜会などに姿を見せないお父様と兄様が現れたのだから。
令嬢だけでなく、夫人方の黄色い悲鳴があがる。
「ユティ私たちの傍から離れないように」って兄様とお父様が言うのはきっと令嬢や夫人に囲まれたくないからだ。
視線が痛い。
レグルス兄様を見る令嬢たちの目が私が邪魔だと言っている。
う~ん。両隣りにお父様と兄様にしっかり固められているから離れようとしても無理っぽい。
後から入場してくるリアとエドと合流するまでは動けないわね。
「ユティ、絶対に私から離れたらダメだよ」
兄様ってばそう何度も言わなくても・・・本当に心配性だな。
と、思ったら無表情になった兄様を不思議に思ったら、その視線の先には沢山の男性に囲まれたウエディングドレスのような白いドレスで着飾ったオルト嬢がいた。
しかも、こっちを見ている。
私を見ていると言うより兄様を見ている?
彼女から近付いて来ることはないと思うけれど、気は抜かない方がいいみたい。
でもあの日に見たオルト嬢と全然雰囲気が変わっている。
ハリスンの言っていた通りだ。
思い浮かべていたハリスンがゼガードと一緒に入場してきた。
すぐに私たちに気付いて私たちの元に来て挨拶をしてくれた。
「ラグーナ侯爵、レグルス様、それとユティフローラちゃん、こんばんは」
相変わらずハリスンは軽いわ。
「こんばんはハリスン」
ゼガードは挨拶をした後はお父様と難しい顔をして話している。
何かあったのかな?
「今日もユティフローラちゃんは可愛いね。そのドレスも似合っているよ」
やっぱりハリスンって軽いわ。
それに、令嬢たちの視線がさらに増えた。
「ふふん、このドレスはねジル兄様からのプレゼントなの」
「さすがユティフローラちゃんに似合う物が分かっているね」
「そうでしょう?」
ジル兄様を褒められたようで私も嬉しくなる。
「入口でエドとリアに会ったよ。あの2人もそろそろ入場してくる時間だ」
ちょうどその時、エドのオーラント公爵家に続いてリアのマキュリー公爵家の名が聞こえてきた。
さすが公爵家。
高貴なオーラを纏って登場してきた。
身につけている物は派手ではないが、ひと目で高価な物だと分かる。
リアの着飾ったドレス姿はデビュタント以来だ。
普段からリアは大人びた美人さんだけれど、今日のように着飾ると本当に綺麗だ。
エドは相変わらず無表情だけどね。
私たちに気付いたリアとエドがご両親と一緒にこっちに向かってきた。
さらに視線が集まった気がする。
オーラント公爵夫妻、マキュリー公爵夫妻とは丁寧な挨拶を交わし、リアとエドとはいつもの様に気軽な挨拶をした。
お父様たち大人と子供で別れて取り留めのない話しをしていると、我が国の王族の入場となった。
デビュタントの時には国王陛下と王妃様へ挨拶した時には、王太子殿下のアルスト殿下とディオリス殿下にはお会いしなかった。
でも今回の夜会には2人の王子も参加されたようだ。
ディオリス殿下は学園でもお見かけしたりお話しした事は何度かあるけれど、アルスト王太子殿下は初めてお見かけした。
あの方がリアの言っていた"腹黒王子"??
そんな風には見えないけれど・・・
高位貴族から順に王族への挨拶が済むと、陛下から夜会開始の言葉がかかると思ったら違った。
「皆に紹介しよう。はるばるソルトレグス帝国から今日のためにお越しくださった・・・ジルグレート皇太子殿下だ」
え?
大きなホールの入口の扉が開いた先には・・・
でも、鏡に映る私はいつもよりも断然綺麗だと自分でも思う。
さすが、我が家自慢の使用人たち。
今日の私のエスコートはレグルス兄様。
そう、レグルス兄様はついにお父様にチェスで勝ち、私をエスコースする権利を勝ち取ったのだ。
エントランスに向かうと、すでにお父様とレグルス兄様が待っていた。
満面の笑み出迎えてくれたレグルス兄様に対して、お父様は不服そう。
「ユティ、とても綺麗だよ」
「兄様こそ、まるで王子様みたいに素敵だわ」
「・・・ユティ、ミルティーア・・・お前の母親にそっくりだ・・・」
私を見てお父様が涙ぐんでいる。
寂しいのね。
だって、今の私は遺されている肖像画のお母様にすごく似ているもの・・・お父様とお母様はとても仲が良かった。
子供の私から見ても2人が愛し合っているのが良く分かったもの。
こんな寂しそうなお父様の姿を見たら今日のエスコートは・・・
「ユティは確かに母上に似てきましたが、エスコートは私にお任せ下さい」
「レグルス・・・譲ってはくれないのか?」
え?
「ここは話の流れで『父上、ユティのエスコートは父上にお願いしてもよろしいですか』と私を慰める言葉をかけて譲るところだろ?」
「いえ、私は父上の演技には騙されませんよ!心優しいユティを揺さぶろうとするなんて卑怯ですよ」
え、演技?そうなの?
「っう・・・無理か」
・・・やっぱり演技だったみたい。
「さあユティ行こうか」
「はいレグルス兄様お願いします」
馬車でいじけるお父様も私と兄様と一緒に乗り込み王宮に向かった。
『ラグーナ侯爵家当主ロイド様、レグルス様、ユティフローラ様のご入場~』
私達が入場すると王宮のホールにざわめきが起こった。
そうでしょうとも、滅多に夜会などに姿を見せないお父様と兄様が現れたのだから。
令嬢だけでなく、夫人方の黄色い悲鳴があがる。
「ユティ私たちの傍から離れないように」って兄様とお父様が言うのはきっと令嬢や夫人に囲まれたくないからだ。
視線が痛い。
レグルス兄様を見る令嬢たちの目が私が邪魔だと言っている。
う~ん。両隣りにお父様と兄様にしっかり固められているから離れようとしても無理っぽい。
後から入場してくるリアとエドと合流するまでは動けないわね。
「ユティ、絶対に私から離れたらダメだよ」
兄様ってばそう何度も言わなくても・・・本当に心配性だな。
と、思ったら無表情になった兄様を不思議に思ったら、その視線の先には沢山の男性に囲まれたウエディングドレスのような白いドレスで着飾ったオルト嬢がいた。
しかも、こっちを見ている。
私を見ていると言うより兄様を見ている?
彼女から近付いて来ることはないと思うけれど、気は抜かない方がいいみたい。
でもあの日に見たオルト嬢と全然雰囲気が変わっている。
ハリスンの言っていた通りだ。
思い浮かべていたハリスンがゼガードと一緒に入場してきた。
すぐに私たちに気付いて私たちの元に来て挨拶をしてくれた。
「ラグーナ侯爵、レグルス様、それとユティフローラちゃん、こんばんは」
相変わらずハリスンは軽いわ。
「こんばんはハリスン」
ゼガードは挨拶をした後はお父様と難しい顔をして話している。
何かあったのかな?
「今日もユティフローラちゃんは可愛いね。そのドレスも似合っているよ」
やっぱりハリスンって軽いわ。
それに、令嬢たちの視線がさらに増えた。
「ふふん、このドレスはねジル兄様からのプレゼントなの」
「さすがユティフローラちゃんに似合う物が分かっているね」
「そうでしょう?」
ジル兄様を褒められたようで私も嬉しくなる。
「入口でエドとリアに会ったよ。あの2人もそろそろ入場してくる時間だ」
ちょうどその時、エドのオーラント公爵家に続いてリアのマキュリー公爵家の名が聞こえてきた。
さすが公爵家。
高貴なオーラを纏って登場してきた。
身につけている物は派手ではないが、ひと目で高価な物だと分かる。
リアの着飾ったドレス姿はデビュタント以来だ。
普段からリアは大人びた美人さんだけれど、今日のように着飾ると本当に綺麗だ。
エドは相変わらず無表情だけどね。
私たちに気付いたリアとエドがご両親と一緒にこっちに向かってきた。
さらに視線が集まった気がする。
オーラント公爵夫妻、マキュリー公爵夫妻とは丁寧な挨拶を交わし、リアとエドとはいつもの様に気軽な挨拶をした。
お父様たち大人と子供で別れて取り留めのない話しをしていると、我が国の王族の入場となった。
デビュタントの時には国王陛下と王妃様へ挨拶した時には、王太子殿下のアルスト殿下とディオリス殿下にはお会いしなかった。
でも今回の夜会には2人の王子も参加されたようだ。
ディオリス殿下は学園でもお見かけしたりお話しした事は何度かあるけれど、アルスト王太子殿下は初めてお見かけした。
あの方がリアの言っていた"腹黒王子"??
そんな風には見えないけれど・・・
高位貴族から順に王族への挨拶が済むと、陛下から夜会開始の言葉がかかると思ったら違った。
「皆に紹介しよう。はるばるソルトレグス帝国から今日のためにお越しくださった・・・ジルグレート皇太子殿下だ」
え?
大きなホールの入口の扉が開いた先には・・・
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