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あれから私を見てヒソヒソと話す姿はまだ見られるものの、直接何かをしてくる人はいなくなった。
そして今日はリアとエドをお招きする日。
リアにはしっかりお兄様の髪色は濃紺だとわかってもらう為に庭園のガゼボにお茶の用意をしてからここに招き入れた。
ここはお母様が好きな様々な種類の白い花に囲まれている。
少し離れた所にはお父様がお母様のために温室まで建てて一年中白い花が愛でられる。
私にとってもお気に入りの場所だ。
案内したリアとエドも我が家の庭師が丹精に手入れをした花々に見惚れていた。
「あ、あの今日はレグルス様もご在宅って言っていたわよね?」
あら!リアってば着いて早々お兄様が気になるようね。
エドも呆れているわよ。
「ええ、もうすぐ挨拶に来ると思うからそれまでゆっくりお茶でもしましょう?」
「え、えっと、わたくしね・・・レグルス様に初めて会った日からおかしいの・・・胸がドキドキするし、レグルス様の笑った顔を思い出すと幸せな気持ちになるの」
いつもは凛々しいレイが恥ずかしそうに告白してくれた。
分かるわ!私もずっと前からジル兄様に対してそういう気持ちだったもの。
毎日でもジル兄様に会いたい・・・
「それは間違いなく恋ね!」
「コイ?濃い?恋?」
キャッと照れるリアも可愛いけれど、エドはなんの事だか分からないようで首を傾げている。
「そのうちエドにも恋焦がれる人が現れるわよ。・・・たぶん」
普段のエドは私とリアを除くと他の令嬢方を無視はしないまでも、挨拶以上の会話を積極的にする方では無い。
どちらかというと女嫌いみたい。
リアが言うには、これもブリジック嬢が関係しているらしい。
昔からエドに好意を寄せているブリジック嬢はエドが自分以外の女性と話すだけでヤキモチを焼いて暴力を振るったりしていたそうだ。
そのエドと話した相手というのも使用人や、家庭教師だと言うから聞いた時は驚いた。
もしかしたらエドが令嬢たちと必要以上に接触しないのは、彼なりにブリジック嬢から令嬢たちを被害に遭わせない為かもしれない。
ん?あれは!お兄様!
少し高い位置に設けてあるガゼボからゆったりと歩くお兄様が見えた。
「お待たせリア。お兄様がこっちに向かって来ているわよ」
素早くお兄様に目を向けたリアが「本当に濃紺の髪なのね。素敵すぎる~」
そう言って落ち着かなくなったリア。
エドも姿勢を正したわね。
「こんにちは。ユティの兄のレグルスです。初めましてエドワード殿。ユティがお世話になっております」
現れたお兄様を見てリアは頬を染めた。
「初めまして。こちらこそユティにお世話になっています」
「お兄様も一緒にお茶しませんか?」
リアが何度も頷く様子を見て、お兄様はありがとうと言いながら私とリアの間に座った。
質問責めにするリアに答えながらも、上手くエドにも話しを振るお兄様の話術は見習いたいわね。
でも、これじゃあリアの気持ちはお兄様にバレバレね。
お兄様の方はリアから少し距離を置いているように見える・・・
まあ、4歳も年上のお兄様から見たら私達なんてまだまだ子供だと思っているだろうから今は仕方がないのかも。
"リア頑張れ"と心の中で応援してるからね。
こうして我が家でのお茶会にリアとエドは満足して帰って行った。
こっそりお兄様にリアのことを聞いてみた。
『リア嬢は見た目は綺麗なのに中身は可愛い子だよね』
確かにそうなんだけど!
もう少し何かないかな~
でもこれ以上は余計なお世話だよね。
その日、幸せ気分で眠りについたのに・・・
なのに次の日から、私に対して姿の見えない嫌がらせが始まったのだ。
そして今日はリアとエドをお招きする日。
リアにはしっかりお兄様の髪色は濃紺だとわかってもらう為に庭園のガゼボにお茶の用意をしてからここに招き入れた。
ここはお母様が好きな様々な種類の白い花に囲まれている。
少し離れた所にはお父様がお母様のために温室まで建てて一年中白い花が愛でられる。
私にとってもお気に入りの場所だ。
案内したリアとエドも我が家の庭師が丹精に手入れをした花々に見惚れていた。
「あ、あの今日はレグルス様もご在宅って言っていたわよね?」
あら!リアってば着いて早々お兄様が気になるようね。
エドも呆れているわよ。
「ええ、もうすぐ挨拶に来ると思うからそれまでゆっくりお茶でもしましょう?」
「え、えっと、わたくしね・・・レグルス様に初めて会った日からおかしいの・・・胸がドキドキするし、レグルス様の笑った顔を思い出すと幸せな気持ちになるの」
いつもは凛々しいレイが恥ずかしそうに告白してくれた。
分かるわ!私もずっと前からジル兄様に対してそういう気持ちだったもの。
毎日でもジル兄様に会いたい・・・
「それは間違いなく恋ね!」
「コイ?濃い?恋?」
キャッと照れるリアも可愛いけれど、エドはなんの事だか分からないようで首を傾げている。
「そのうちエドにも恋焦がれる人が現れるわよ。・・・たぶん」
普段のエドは私とリアを除くと他の令嬢方を無視はしないまでも、挨拶以上の会話を積極的にする方では無い。
どちらかというと女嫌いみたい。
リアが言うには、これもブリジック嬢が関係しているらしい。
昔からエドに好意を寄せているブリジック嬢はエドが自分以外の女性と話すだけでヤキモチを焼いて暴力を振るったりしていたそうだ。
そのエドと話した相手というのも使用人や、家庭教師だと言うから聞いた時は驚いた。
もしかしたらエドが令嬢たちと必要以上に接触しないのは、彼なりにブリジック嬢から令嬢たちを被害に遭わせない為かもしれない。
ん?あれは!お兄様!
少し高い位置に設けてあるガゼボからゆったりと歩くお兄様が見えた。
「お待たせリア。お兄様がこっちに向かって来ているわよ」
素早くお兄様に目を向けたリアが「本当に濃紺の髪なのね。素敵すぎる~」
そう言って落ち着かなくなったリア。
エドも姿勢を正したわね。
「こんにちは。ユティの兄のレグルスです。初めましてエドワード殿。ユティがお世話になっております」
現れたお兄様を見てリアは頬を染めた。
「初めまして。こちらこそユティにお世話になっています」
「お兄様も一緒にお茶しませんか?」
リアが何度も頷く様子を見て、お兄様はありがとうと言いながら私とリアの間に座った。
質問責めにするリアに答えながらも、上手くエドにも話しを振るお兄様の話術は見習いたいわね。
でも、これじゃあリアの気持ちはお兄様にバレバレね。
お兄様の方はリアから少し距離を置いているように見える・・・
まあ、4歳も年上のお兄様から見たら私達なんてまだまだ子供だと思っているだろうから今は仕方がないのかも。
"リア頑張れ"と心の中で応援してるからね。
こうして我が家でのお茶会にリアとエドは満足して帰って行った。
こっそりお兄様にリアのことを聞いてみた。
『リア嬢は見た目は綺麗なのに中身は可愛い子だよね』
確かにそうなんだけど!
もう少し何かないかな~
でもこれ以上は余計なお世話だよね。
その日、幸せ気分で眠りについたのに・・・
なのに次の日から、私に対して姿の見えない嫌がらせが始まったのだ。
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