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しばらくすると担任の教師が入ってきた。
「担任のジョゼフ・キンバリーです。担当は歴史を受け持っています。今日は自己紹介して解散になりますが、明日の午前中は学園の案内をしますね」
キンバリー子爵家の方ね。
確か三男だったと記憶しているわ。
物腰柔らかそうな方で優しそう。
「では出席番号一番の君から自己紹介してもらいましょうか」
「エドワード・オーラントだ」
それだけ?
オーラントは公爵家。
父親は宰相を務めている方ね。
水色の髪に黄色い瞳。知的そうに見える顔に銀縁メガネがよく似合っている。
次の方も、その次の方も名前だけで自己紹介を終えた。
私の出席番号は4番。
「ユティフローラ・ラグーナです」
私も余計なことは言わず名前だけの自己紹介で終わらせた。
よかった。
クラスメイトのお顔は全員覚えられたわ。
このクラスは公爵家、侯爵家、伯爵家の子息子女しかいなかった。
もしかしたら家格でクラスが分けられているのかもしれない。
出席番号が何を基準に決められたのかは分からないけど成績順ではなさそう。
その後は解散になり予めお父様と決めていた待ち合わせ場所、校舎の入口に向かった。
お父様が2組の男女と楽しそうにお話している。
声をかけても大丈夫かしら?
そんな事を考えながらお父様の方へ歩いていると後ろから声をかけられた。
「ラグーナ様わたくし達と一緒に行きましょう。あそこで話しているのはわたくしと、エドワード様の両親よ」
振り返るとマキュリー様とオーラント様が並んで立っていた。
「まあ!そうですの?ありがとうございます。マキュリー様、オーラント様」
すごい偶然だわ。
それに名前を覚えていただいているなんて。
嬉しくて笑顔になってしまう。
「可愛らしいわ!わたくしの事はエミリアと呼んでちょうだい」
「それでは私のこともユティフローラと呼んで下さいませ。エミリア様」
「私のこともエドワードと呼んでくれ」
「ありがとうございますエドワード様。私のことはユティフローラとお呼び下さい」
「ああ」
無口な方のようね。
3人で両親のもとに向かうと、お父様以外の4人が私を見て驚いた顔になった。
ミルティーア様・・・誰かがそう呟いた。
「紹介しますね。我が最愛の娘ユティフローラです」
「ユティフローラ・ラグーナと申します。よろしくお願いいたします️」
「君がロイドとミルティーア様の娘・・・」
「生き写しのようにそっくりだわ」
「ええ本当に髪色も瞳の色も同じ」
「まるでミルティーア様がここにおられるようだ」
皆さまお母様のことをご存知なのね。
嬉しい!
「娘は私がミルティーアと出会った頃にとてもよく似ています」
「思い出すわ~ラグーナ侯爵が留学から帰ってきたら隣には美しいミルティーア様がいらしたの」
「世の女性が嘆き悲しむ姿がそこらじゅうで見られましたものね」
まあ!お父様はおモテになっていたのね。
「わたくし達の紹介がまだですわ」
「ああエミリアそうだね。ロイド紹介するよ娘のエミリアだ」
マキュリー公爵夫妻ね。
エミリア様は髪色はお父様、瞳の色はお母様譲りなのね。
「ラグーナ侯爵様、マキュリー公爵家が娘エミリアと申します。よろしくお願いいたします。ユティフローラ様とは先程お友達になりましたのよ」
ね!エミリア様が私に同意を求めてきた。
お友達。初めてのお友達。
嬉しい・・・気恥ずかしくて顔が赤くなっているかもしれない。
「そうか良かったねユティ」
「はい」お父様に笑顔で答えた。
「次は私ですね。エドワード・オーラントと申します」
「すまないなロイド。うちの息子はいつも無愛想なんだよ」
エドワード様に似た男性がオーラント公爵様。その隣にいるのがお母様ね。髪色と瞳の色は彼のお母様と同じだわ。
「エドワード君娘をよろしく頼むよ」
「はい」
エドワード様って本当に無口だわ。
「では私とユティフローラは先に失礼しますね」
「エミリア様、エドワード様明日またお会いできるのを楽しみにしています」
マキュリー夫人とオーラント夫人には今度遊びに来てねと誘われた。
入学初日にお友達も出来て、ご自宅に誘われるなんて本当に嬉しい。
「担任のジョゼフ・キンバリーです。担当は歴史を受け持っています。今日は自己紹介して解散になりますが、明日の午前中は学園の案内をしますね」
キンバリー子爵家の方ね。
確か三男だったと記憶しているわ。
物腰柔らかそうな方で優しそう。
「では出席番号一番の君から自己紹介してもらいましょうか」
「エドワード・オーラントだ」
それだけ?
オーラントは公爵家。
父親は宰相を務めている方ね。
水色の髪に黄色い瞳。知的そうに見える顔に銀縁メガネがよく似合っている。
次の方も、その次の方も名前だけで自己紹介を終えた。
私の出席番号は4番。
「ユティフローラ・ラグーナです」
私も余計なことは言わず名前だけの自己紹介で終わらせた。
よかった。
クラスメイトのお顔は全員覚えられたわ。
このクラスは公爵家、侯爵家、伯爵家の子息子女しかいなかった。
もしかしたら家格でクラスが分けられているのかもしれない。
出席番号が何を基準に決められたのかは分からないけど成績順ではなさそう。
その後は解散になり予めお父様と決めていた待ち合わせ場所、校舎の入口に向かった。
お父様が2組の男女と楽しそうにお話している。
声をかけても大丈夫かしら?
そんな事を考えながらお父様の方へ歩いていると後ろから声をかけられた。
「ラグーナ様わたくし達と一緒に行きましょう。あそこで話しているのはわたくしと、エドワード様の両親よ」
振り返るとマキュリー様とオーラント様が並んで立っていた。
「まあ!そうですの?ありがとうございます。マキュリー様、オーラント様」
すごい偶然だわ。
それに名前を覚えていただいているなんて。
嬉しくて笑顔になってしまう。
「可愛らしいわ!わたくしの事はエミリアと呼んでちょうだい」
「それでは私のこともユティフローラと呼んで下さいませ。エミリア様」
「私のこともエドワードと呼んでくれ」
「ありがとうございますエドワード様。私のことはユティフローラとお呼び下さい」
「ああ」
無口な方のようね。
3人で両親のもとに向かうと、お父様以外の4人が私を見て驚いた顔になった。
ミルティーア様・・・誰かがそう呟いた。
「紹介しますね。我が最愛の娘ユティフローラです」
「ユティフローラ・ラグーナと申します。よろしくお願いいたします️」
「君がロイドとミルティーア様の娘・・・」
「生き写しのようにそっくりだわ」
「ええ本当に髪色も瞳の色も同じ」
「まるでミルティーア様がここにおられるようだ」
皆さまお母様のことをご存知なのね。
嬉しい!
「娘は私がミルティーアと出会った頃にとてもよく似ています」
「思い出すわ~ラグーナ侯爵が留学から帰ってきたら隣には美しいミルティーア様がいらしたの」
「世の女性が嘆き悲しむ姿がそこらじゅうで見られましたものね」
まあ!お父様はおモテになっていたのね。
「わたくし達の紹介がまだですわ」
「ああエミリアそうだね。ロイド紹介するよ娘のエミリアだ」
マキュリー公爵夫妻ね。
エミリア様は髪色はお父様、瞳の色はお母様譲りなのね。
「ラグーナ侯爵様、マキュリー公爵家が娘エミリアと申します。よろしくお願いいたします。ユティフローラ様とは先程お友達になりましたのよ」
ね!エミリア様が私に同意を求めてきた。
お友達。初めてのお友達。
嬉しい・・・気恥ずかしくて顔が赤くなっているかもしれない。
「そうか良かったねユティ」
「はい」お父様に笑顔で答えた。
「次は私ですね。エドワード・オーラントと申します」
「すまないなロイド。うちの息子はいつも無愛想なんだよ」
エドワード様に似た男性がオーラント公爵様。その隣にいるのがお母様ね。髪色と瞳の色は彼のお母様と同じだわ。
「エドワード君娘をよろしく頼むよ」
「はい」
エドワード様って本当に無口だわ。
「では私とユティフローラは先に失礼しますね」
「エミリア様、エドワード様明日またお会いできるのを楽しみにしています」
マキュリー夫人とオーラント夫人には今度遊びに来てねと誘われた。
入学初日にお友達も出来て、ご自宅に誘われるなんて本当に嬉しい。
応援ありがとうございます!
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