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ジークは今日わたくしの鍛錬の時間から来ていて、はじめて見るわたくしの様子に目を見開いて驚いていた。
久しぶりに少しだけ剣も振ってみた。
「なるほどね。アルから聞かされていたけど想像以上だよ」
「そうだろ、私の妹は天才なんだ!」
何で兄が自慢してるの?
「うん、研ぎ澄まされた剣筋に、柔軟な動きアリーが別人のように見える。これは惚れ直してしまうね。」
なんだか恥ずかくなる。
「褒めすぎよジーク」
知っているのよ?兄が教えてくれたの。
ジークもわたくしが敵わない兄と同等かそれ以上の実力の持ち主だと。
「だからといってもう無茶はダメだよ?」
ジークの声って、柔らかく優しいトーンだから逆らえなくて素直に頷いてしまうわ。
軽く汗を流してから、ユリアとイザベラを誘って一緒に食堂に行く。
食事が済めば父からサロンに集められた。
「結果から言えば、誰かの指示で犯行に及んだ訳ではなく、アリサ嬢へのイジメに我慢出来なくなっての犯行のようだ。だから思い知らせようとしたらしい。イジメを指示しているシアをね。それでも監禁、暴行未遂これは許せる事ではない為、彼等は学園を退学になる」
「なんだそれは!」
兄よ落ち着け!
ユリアとイザベラが怯えてるわよ。
「わたくしはイジメの指示など出していませんよ?」
「実際イジメられている現場は見たことがなかったそうだ、ただアリサ嬢が泣いてシアの名前は出さないがそれらしく思い込むように誘導したようだ。強かな娘だよ」
なるほどね~
でもアリサ様大丈夫かしら?
一気に取り巻きが減って、学園で見ている限りでは同性からは距離を置かれているように見えていたけど。
「今は憑き物が落ちたように反省しているそうだが、我が公爵家の娘シアと侯爵家のユリア嬢、イザベラ嬢に行った犯行がどのような結果を招くことになるか考えもしなかったようだ。」
「彼等の処分は退学だけではないと?」
「そうだ。全員貴族籍から除籍される。」
その場にいた全員が息を飲んだ。
「それだけの事をしたんだよ彼等は。たった1人の女性の為にね。」
貴族が平民になることは、実質死刑宣告されたようなものだ。
何もせずとも衣食住を当たり前に与えらる環境で育ってきた彼等に、生きていくために自分の力だけで仕事を見つけお金を稼ぎ、住むところを確保し、食べていかなければいけない。
行動を起こす前に冷静に考えていれば分かることだったのに、それすらしなかったからこの結果だ。
今、冷静になった彼等は何を思っているのだろう。
「もう彼等に会うことはないだろうから安心しなさい。」
最後にそう言って両親はサロンから退出した。
長い溜息を吐いて兄が「今回のことはこれで終わりだ。ユリア嬢もイザベラ嬢もこれでいいかい?」
「「はい」」2人とも悲しそうな顔で頷いていた。
「さあ!気を取り直してお茶にしよう」
兄が明るい声を出し、重い雰囲気を変えようとしているのが分かる。
「はい!」
ユリアとイザベラもそれが分かっているから笑顔で返事をしてくれるのだろう。
やっぱり兄は尊敬できるわ。
久しぶりに少しだけ剣も振ってみた。
「なるほどね。アルから聞かされていたけど想像以上だよ」
「そうだろ、私の妹は天才なんだ!」
何で兄が自慢してるの?
「うん、研ぎ澄まされた剣筋に、柔軟な動きアリーが別人のように見える。これは惚れ直してしまうね。」
なんだか恥ずかくなる。
「褒めすぎよジーク」
知っているのよ?兄が教えてくれたの。
ジークもわたくしが敵わない兄と同等かそれ以上の実力の持ち主だと。
「だからといってもう無茶はダメだよ?」
ジークの声って、柔らかく優しいトーンだから逆らえなくて素直に頷いてしまうわ。
軽く汗を流してから、ユリアとイザベラを誘って一緒に食堂に行く。
食事が済めば父からサロンに集められた。
「結果から言えば、誰かの指示で犯行に及んだ訳ではなく、アリサ嬢へのイジメに我慢出来なくなっての犯行のようだ。だから思い知らせようとしたらしい。イジメを指示しているシアをね。それでも監禁、暴行未遂これは許せる事ではない為、彼等は学園を退学になる」
「なんだそれは!」
兄よ落ち着け!
ユリアとイザベラが怯えてるわよ。
「わたくしはイジメの指示など出していませんよ?」
「実際イジメられている現場は見たことがなかったそうだ、ただアリサ嬢が泣いてシアの名前は出さないがそれらしく思い込むように誘導したようだ。強かな娘だよ」
なるほどね~
でもアリサ様大丈夫かしら?
一気に取り巻きが減って、学園で見ている限りでは同性からは距離を置かれているように見えていたけど。
「今は憑き物が落ちたように反省しているそうだが、我が公爵家の娘シアと侯爵家のユリア嬢、イザベラ嬢に行った犯行がどのような結果を招くことになるか考えもしなかったようだ。」
「彼等の処分は退学だけではないと?」
「そうだ。全員貴族籍から除籍される。」
その場にいた全員が息を飲んだ。
「それだけの事をしたんだよ彼等は。たった1人の女性の為にね。」
貴族が平民になることは、実質死刑宣告されたようなものだ。
何もせずとも衣食住を当たり前に与えらる環境で育ってきた彼等に、生きていくために自分の力だけで仕事を見つけお金を稼ぎ、住むところを確保し、食べていかなければいけない。
行動を起こす前に冷静に考えていれば分かることだったのに、それすらしなかったからこの結果だ。
今、冷静になった彼等は何を思っているのだろう。
「もう彼等に会うことはないだろうから安心しなさい。」
最後にそう言って両親はサロンから退出した。
長い溜息を吐いて兄が「今回のことはこれで終わりだ。ユリア嬢もイザベラ嬢もこれでいいかい?」
「「はい」」2人とも悲しそうな顔で頷いていた。
「さあ!気を取り直してお茶にしよう」
兄が明るい声を出し、重い雰囲気を変えようとしているのが分かる。
「はい!」
ユリアとイザベラもそれが分かっているから笑顔で返事をしてくれるのだろう。
やっぱり兄は尊敬できるわ。
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