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「そう⋯⋯貴方も愛する人を亡くしていたのね」
「⋯⋯今の俺にはルナがいます。そして母上も」
「それで?わたくしの可愛いルナちゃんに酷いことをした奴らにはトドメは刺したの?」
「はい、地獄へ送ってやりました」
「そう、それならいいわ。あんな可愛い子に⋯⋯」
「母上もうこの辺で、そろそろルナが起きてきます」
起きたら隣にいるはずのお婆様がいなくて慌ててお婆様の客室から飛び出すと扉の前で私が起きるのを待っていたマヤから父様とお婆様が食堂で待っているからゆっくり支度をしてから来ればいいと伝えてくれた。
「父様、お婆様おはようございます。お待たせしてしまい申し訳ございません」
「おはようルナ」
「おはようルナちゃん」
「あれ?アリーは?」
「ああ、アイツは王宮に泊まるって昨日連絡があった」
え?ロイド殿下に会いに行ってお泊まり?
それって⋯⋯
取り敢えず、アリーのことをお婆様に説明すると「わたくの甥っ子の娘のアイリーンちゃんね。まあまあまあ!早く会いたいわ」
お婆様の甥っ子って当然だけどカクセア国の国王⋯⋯その娘のアリーは忘れそうになるけれど王女になんだよね。
「変な期待はするな。王太后様と王妃、それから王太子妃に女子会なるものに強引に参加させられたらしい」
これは何があったのか帰ってきたら聞き出さないとね。
待って!これも女子会!!
お婆様の目を輝いているわ!
ええ、もちろんお婆様も一緒に聞きましょうと目で合図するととてもいい笑顔を返してくれた。
朝食をすませ父様は王宮に、私はお婆様と手を繋いで庭園に散歩に。
まだ会ったばかりなのにお婆様の優しい眼差しと温かい雰囲気がお母様と似ていて居心地がいい。
「これからもずっとお婆様と居られるのが嬉しいです。私はお婆様が大好きです」
「わたくしもよ。知らない間にこんなに可愛い孫が出来るているなんて最初は驚いたのよ?ヒューガやフレンシア、そしてブラッディにしてあげられなかったことをルナちゃんにいっぱいしてあげたいわ。学園を卒業したらすぐにフェリクス王子と結婚ね。また家族が増えると思うと今から楽しみだわ」
「けっ、結婚?」
「そんなに驚くこと?婚約をしているのだから当たり前でしょう?それにフェリクス王子はとてもルナちゃんを愛しているわ。⋯⋯彼はあの人とは違う。彼は必ずルナちゃんを幸せにしてくれるわ」
「⋯⋯フェイは優しい人なの。幼い頃に一度会っただけの私をずっと好きでいてくれたって、必ず守るって言ってくれるの。⋯⋯私もフェイを幸せにしてあげたい。⋯⋯私はフェイが好きなの」
少し恥ずかしかったけれど私の本当の気持ちをお婆様には知って欲しいと思った。
「⋯⋯ルナ」
後ろから聞こえた声に反応して振り向くと⋯⋯ フェ、フェイが⋯⋯真っ赤な顔で立っていた。
「き、聞いちゃった?」
「あ、ああ。立ち聞きするつもりはなかったんだがお婆様と目が合ってな、その目が黙っているようにって言っている気がしてな⋯⋯」
「お婆様!」
イタズラが成功したかのような顔で笑ってるわ!
「だが⋯⋯本心を聞けると言うのは嬉しいものだな」
「うっ」
「この機会だお婆様に証人になってもらうよ」
「証人?」
突然私の前でフェイが膝まづいて手を握られた。
「俺はルナを愛している。必ず幸せにする。一生大切にし守ると誓う。それは叔父上もお婆様もだ。だから⋯⋯結婚しよう?」
ああ、私はフェイとなら幸せになれる。
フェイは私だけでなく父様やお婆様も大切にして守ると言ってくれた。
やっぱりフェイは優しい。
「ええ、皆で幸せになりましょう」と言ったと同時にフェイに抱きしめられた。
もちろん私もフェイの背中に腕を回したわ。
二人の世界にどっぷり浸かってたから、少しだけお婆様の存在を忘れていたの。
それを思い出したのは「キャー!素敵~!」とはしゃぐお婆様の声が聞こえたから⋯⋯
確かお婆様は50歳を超えていたと思うんだけど⋯⋯昨日までお爺様に苦しめらていたお婆様が今は笑顔で嬉しそうに喜んでいる。
「フェイ!出来るだけ早く結婚しましょう!」
「よし!任せておけ!」
この私の軽はずみな発言はフェイとお婆様を喜ばせたけれど父様に悲しい顔をさせるなんて⋯⋯ね。
「⋯⋯今の俺にはルナがいます。そして母上も」
「それで?わたくしの可愛いルナちゃんに酷いことをした奴らにはトドメは刺したの?」
「はい、地獄へ送ってやりました」
「そう、それならいいわ。あんな可愛い子に⋯⋯」
「母上もうこの辺で、そろそろルナが起きてきます」
起きたら隣にいるはずのお婆様がいなくて慌ててお婆様の客室から飛び出すと扉の前で私が起きるのを待っていたマヤから父様とお婆様が食堂で待っているからゆっくり支度をしてから来ればいいと伝えてくれた。
「父様、お婆様おはようございます。お待たせしてしまい申し訳ございません」
「おはようルナ」
「おはようルナちゃん」
「あれ?アリーは?」
「ああ、アイツは王宮に泊まるって昨日連絡があった」
え?ロイド殿下に会いに行ってお泊まり?
それって⋯⋯
取り敢えず、アリーのことをお婆様に説明すると「わたくの甥っ子の娘のアイリーンちゃんね。まあまあまあ!早く会いたいわ」
お婆様の甥っ子って当然だけどカクセア国の国王⋯⋯その娘のアリーは忘れそうになるけれど王女になんだよね。
「変な期待はするな。王太后様と王妃、それから王太子妃に女子会なるものに強引に参加させられたらしい」
これは何があったのか帰ってきたら聞き出さないとね。
待って!これも女子会!!
お婆様の目を輝いているわ!
ええ、もちろんお婆様も一緒に聞きましょうと目で合図するととてもいい笑顔を返してくれた。
朝食をすませ父様は王宮に、私はお婆様と手を繋いで庭園に散歩に。
まだ会ったばかりなのにお婆様の優しい眼差しと温かい雰囲気がお母様と似ていて居心地がいい。
「これからもずっとお婆様と居られるのが嬉しいです。私はお婆様が大好きです」
「わたくしもよ。知らない間にこんなに可愛い孫が出来るているなんて最初は驚いたのよ?ヒューガやフレンシア、そしてブラッディにしてあげられなかったことをルナちゃんにいっぱいしてあげたいわ。学園を卒業したらすぐにフェリクス王子と結婚ね。また家族が増えると思うと今から楽しみだわ」
「けっ、結婚?」
「そんなに驚くこと?婚約をしているのだから当たり前でしょう?それにフェリクス王子はとてもルナちゃんを愛しているわ。⋯⋯彼はあの人とは違う。彼は必ずルナちゃんを幸せにしてくれるわ」
「⋯⋯フェイは優しい人なの。幼い頃に一度会っただけの私をずっと好きでいてくれたって、必ず守るって言ってくれるの。⋯⋯私もフェイを幸せにしてあげたい。⋯⋯私はフェイが好きなの」
少し恥ずかしかったけれど私の本当の気持ちをお婆様には知って欲しいと思った。
「⋯⋯ルナ」
後ろから聞こえた声に反応して振り向くと⋯⋯ フェ、フェイが⋯⋯真っ赤な顔で立っていた。
「き、聞いちゃった?」
「あ、ああ。立ち聞きするつもりはなかったんだがお婆様と目が合ってな、その目が黙っているようにって言っている気がしてな⋯⋯」
「お婆様!」
イタズラが成功したかのような顔で笑ってるわ!
「だが⋯⋯本心を聞けると言うのは嬉しいものだな」
「うっ」
「この機会だお婆様に証人になってもらうよ」
「証人?」
突然私の前でフェイが膝まづいて手を握られた。
「俺はルナを愛している。必ず幸せにする。一生大切にし守ると誓う。それは叔父上もお婆様もだ。だから⋯⋯結婚しよう?」
ああ、私はフェイとなら幸せになれる。
フェイは私だけでなく父様やお婆様も大切にして守ると言ってくれた。
やっぱりフェイは優しい。
「ええ、皆で幸せになりましょう」と言ったと同時にフェイに抱きしめられた。
もちろん私もフェイの背中に腕を回したわ。
二人の世界にどっぷり浸かってたから、少しだけお婆様の存在を忘れていたの。
それを思い出したのは「キャー!素敵~!」とはしゃぐお婆様の声が聞こえたから⋯⋯
確かお婆様は50歳を超えていたと思うんだけど⋯⋯昨日までお爺様に苦しめらていたお婆様が今は笑顔で嬉しそうに喜んでいる。
「フェイ!出来るだけ早く結婚しましょう!」
「よし!任せておけ!」
この私の軽はずみな発言はフェイとお婆様を喜ばせたけれど父様に悲しい顔をさせるなんて⋯⋯ね。
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