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しおりを挟む「ルナ、あんな顔をする人間には気をつけるのよ」
「ええ、わかっているわ」
アリーも王族だけに様々な経験があるのだろう。
本当いやな感じだなんだよね~
フェイの卒業パーティーでアリスト様のフェイへの気持ちに気付いてからは学園で見かけても会釈すらされなくなった。それどころか睨まれていたのに⋯⋯最近のアリスト様はニヤニヤして私を見るのよね。
私はあの目に似たもの知っている。
⋯⋯フォネス伯爵夫人が私に何かしてくる時の⋯⋯何か企んでいる時に見せていたものだ。
これは警戒するに越したことはないないわね。
何をしてこようがアリスト様が私を害することは出来ないわ。
今の私には相談できる人がいる。頼れる人がいる。信じられる人がいる。守ってくれる人もいる。
もう一人じゃないのよ!
あれから何日も経つのにアリスト様は何もしてこない。
そのくせニヤニヤ見てくるのよね。
もう気持ち悪いとしか言いようがない。
余裕があるのかも知れないけれど、周りのことは見えていないようだ。他の生徒たちも何かを察しているようで彼女を避けるように遠巻きに見ている。
そりゃあ不気味だよね。
綺麗な人だと思っていたけれど私の勘違いだったみたい。
今のアリスト様の歪んだ顔は美しいとは言えないもの。
アリスト様は私の何かを掴んでいる気がする。
だからあんな余裕の顔が出来るのだと思う。
それにエリザベスと一緒に居るところを見ちゃえば、何を掴んだか推測するのは難しくないのよ。
どうせ私が死んだはずのフォネス伯爵家のフローラだって言いたいのでしょう?
そして、父様の娘ではないと思っているのでしょう?
それともロー兄様といかがわしい関係だと思っているとか?
まあ、ロー兄様との噂はクラスメイトたちが教えてくれたんだけどね。
私との噂をロー兄様に教えたら『光栄だね僕の可愛い姪っ子ちゃん』ですって。怒るどころか喜ぶところがロー兄様らしい。
父様は面白くなさそうな顔をしていたけれどね。
さあ、どの手を何時、何処で使ってくる?
でもその前によく考えて?
父様は王族よ?
会ったことはないけれどお祖母様はカクセア王国の王女だったのよ?
(まあ、カクセア王国の王族の血とは大分離れているけれどね)
お母様はスティアート公爵の娘だったのよ?
何を考えているか知らないけれど、やめておいたほうがいいと思うの。
もう、エリザベスがどんな子か分かったでしょう?
話を真に受けない方がいいわよ?
でないと⋯⋯怖い思いをしちゃうかもよ?
何事も起こらないまま夏季休暇に入ろうとしていた。
夏季休暇に入ればすぐに一年生たちのデビュタントが王宮で開かれる。
もちろん私も参加する。
だって、フェイから手紙で『エスコートさせてくれないか?』って誘われたから⋯⋯それに新年の夜会の時のようにドレスだけではなく装飾品までもう準備が出来ているって言われたらね、断るのも申し訳ないし私もフェイには会いたいもの。
もう四、五ヶ月は会っていないのよ。
早く夜会の日が来ないかな~
私をエスコートする気満々だった父様は少し寂しそうだったけれど、アリーが『ブラッディ様は、わたしのエスコートをすればいいわ!それだと寂しくないでしょう?』って、慰めていたわ。
それから、ここぞとばかりに父様にドレスを催促していたわね。
ドレスなんていっぱい持って来ているはずなのにね。
フェイと会うのは卒業式以来だから次の夜会が今から楽しみなんだ。
早く来い来い夏季休暇!
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
ミス連発の作者ですが、いつも小説を読んでくださりありがとうございます。
エールと感想で十分励みになっていたのにたくさんの『いいね』まで頂いて感謝感激です!
ありがとうございます。
気をつけますがまたミスを犯すかも知れません(◞‸◟ㆀ)
その時は投稿ミスをする度にお詫び投稿致します。
お騒がせして申し訳ございませんでしたm(_ _)m
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