110 / 122
ウインティア王国編
110
しおりを挟む
エリーに渡された日記はエリーとレイの前世で使われていた文字で書かれていたそうだ。
日記の内容はいつものメンバーで共有した。
これで毒の出どころと、入手経路が分かった。
さすがに20年前の事件は時効だし、悪意があってセルティ夫人に渡した訳でないことも分かった。
それにしても父上の学園時代に転生者がいたとは思いもしなかった。
それをエリーに渡したということは、ウェン嬢もその文字が読めたのだろうか?
それに何故エリーに渡したのか・・・疑問が残る。
まさか、ウェン嬢まで転生者なのか?
「私ウェン様に会ってお話ししたいわ。感想も聞いてもらいたいの」
「わたしもエリーと一緒に会うわよ」
「それは構わないが、会うなら俺たちも監視できるあの部屋を使用するのが条件だ」
何があるか分からないからな。
「あの~今は関係のないことで申し訳ないのですが・・・ずっと気になっていたことを聞いてもいいですか?」
いつものお前らしくないがどうしたんだ?
「どうしたのザック?」
エリーもザックの様子に疑問を持ったようだ。
「聞いてもいいのかどうか・・・」
「いいわよなんでも聞いて」
「では!エリー嬢とレイ嬢は前世で何歳で何が原因で亡くなったのでしょうか?」
それは俺も知らない。
気になっても聞けなかった。
もし、エリーが前世で恋人がいただとか、結婚していただとか聞きたくなかったからだ。
先に話したのはレイだった。
「わたしは20歳になる間際19歳の時に転んで頭をぶつけたのが原因よ」
それが死因って・・・お前意外とドジだったんだな。
ブフッ・・・アランが吹き出したような気がしたが、レイのひと睨みで慌てて真剣な表情を取り繕った。
グレイとザックも肩が震えている。
「次は私ね・・・・・・私はね18歳の時に殺されたの」
エリーはなんでもないことのようにそう言った。
殺された?
驚いているのは俺だけではなかった。
アランとレイを除く全員だ。
エリーは前世の世界を簡単に説明してくれた。
エリー達の生きていた世界には、文字を打つだけで何でも調べられ、離れている相手とも顔を見ながら話せる携帯という物があったこと。
車や、電車、何百人も乗せて空を飛ぶ飛行機という乗り物。
地上何百メートルの高さの建物を作れる技術。
貴族、平民の概念がないこと。
皆平等に学ぶ場が与えられること。
スゴい、そんな世界が本当にあるのか?
そんな夢のような世界で生きていたのか?
「ここからが私の死んだ原因よ」
エリーが死んだのは同じ学校の下級生に突き飛ばされてトラックという大きな乗り物に撥ねられたことが原因らしい。
その下級生はエリーの持ち物、服装、髪型何でも真似をする女だったらしい。
気持ち悪い女だな。
「わたしも偶然その現場にいたの。エリーが殺された後のことはわたしが話すわ」
犯行の動機は、下級生の好きな奴がエリーに想いを寄せていたから。
エリーの真似をしていたのもエリーのようになれば好きな奴が振り向いてくれると信じていたから。
エリーがいなくなれば自分を見てくれると思い込んだでいたと・・・
何だそれは!
そんな勝手な理由でエリーは殺されたというのか?
18歳・・・今の俺たちと同じ歳だぞ!
馬車よりも大きくてスピードも出るトラックに撥ねられたエリーの痛みはどれ程のものだったのだろうか。
「大丈夫よ、撥ねられた時に痛みは感じなかったの。だからそんな顔しなくていいのよ」
エリーが俺の頬に手を添えて笑ってくれる。
俺はどんな顔をしていたんだ?
理不尽に命を奪われた恨みはないのか?
「あの時死んじゃったからルフィに出会えたの。だから悲しんだり恨んだりしていないわ」
感謝しているぐらいよ!って言って抱きしめてくれた。
「エリーってね今も美少女だけど、前世でもすっごく可愛い子だったのよ!あれはモテるわ」
なんだと?
「エリー?本当か?」
「レイ?何を言ってるの?男の子に告白なんて1度もされたことないわよ?彼氏だって1人も出来なかったのに」
レイの言葉に不思議そうな顔をして否定しているが、俺には分かったぞ!
エリーが異性からの視線に鈍いのは前世からだったのか。
よかった!エリーが鈍くて!
「脱線しましたが話を元に戻しましょうか」
そうだった。
ウェン嬢と話の場を設けるんだったな。
「さっきも言ったけど話す時に部屋には私とレイとウェン様の3人だけにして欲しいの」
「あの部屋を使うならいいが・・・ランも連れて行けよ」
レイとランがいれば大丈夫だろう。
日記の内容はいつものメンバーで共有した。
これで毒の出どころと、入手経路が分かった。
さすがに20年前の事件は時効だし、悪意があってセルティ夫人に渡した訳でないことも分かった。
それにしても父上の学園時代に転生者がいたとは思いもしなかった。
それをエリーに渡したということは、ウェン嬢もその文字が読めたのだろうか?
それに何故エリーに渡したのか・・・疑問が残る。
まさか、ウェン嬢まで転生者なのか?
「私ウェン様に会ってお話ししたいわ。感想も聞いてもらいたいの」
「わたしもエリーと一緒に会うわよ」
「それは構わないが、会うなら俺たちも監視できるあの部屋を使用するのが条件だ」
何があるか分からないからな。
「あの~今は関係のないことで申し訳ないのですが・・・ずっと気になっていたことを聞いてもいいですか?」
いつものお前らしくないがどうしたんだ?
「どうしたのザック?」
エリーもザックの様子に疑問を持ったようだ。
「聞いてもいいのかどうか・・・」
「いいわよなんでも聞いて」
「では!エリー嬢とレイ嬢は前世で何歳で何が原因で亡くなったのでしょうか?」
それは俺も知らない。
気になっても聞けなかった。
もし、エリーが前世で恋人がいただとか、結婚していただとか聞きたくなかったからだ。
先に話したのはレイだった。
「わたしは20歳になる間際19歳の時に転んで頭をぶつけたのが原因よ」
それが死因って・・・お前意外とドジだったんだな。
ブフッ・・・アランが吹き出したような気がしたが、レイのひと睨みで慌てて真剣な表情を取り繕った。
グレイとザックも肩が震えている。
「次は私ね・・・・・・私はね18歳の時に殺されたの」
エリーはなんでもないことのようにそう言った。
殺された?
驚いているのは俺だけではなかった。
アランとレイを除く全員だ。
エリーは前世の世界を簡単に説明してくれた。
エリー達の生きていた世界には、文字を打つだけで何でも調べられ、離れている相手とも顔を見ながら話せる携帯という物があったこと。
車や、電車、何百人も乗せて空を飛ぶ飛行機という乗り物。
地上何百メートルの高さの建物を作れる技術。
貴族、平民の概念がないこと。
皆平等に学ぶ場が与えられること。
スゴい、そんな世界が本当にあるのか?
そんな夢のような世界で生きていたのか?
「ここからが私の死んだ原因よ」
エリーが死んだのは同じ学校の下級生に突き飛ばされてトラックという大きな乗り物に撥ねられたことが原因らしい。
その下級生はエリーの持ち物、服装、髪型何でも真似をする女だったらしい。
気持ち悪い女だな。
「わたしも偶然その現場にいたの。エリーが殺された後のことはわたしが話すわ」
犯行の動機は、下級生の好きな奴がエリーに想いを寄せていたから。
エリーの真似をしていたのもエリーのようになれば好きな奴が振り向いてくれると信じていたから。
エリーがいなくなれば自分を見てくれると思い込んだでいたと・・・
何だそれは!
そんな勝手な理由でエリーは殺されたというのか?
18歳・・・今の俺たちと同じ歳だぞ!
馬車よりも大きくてスピードも出るトラックに撥ねられたエリーの痛みはどれ程のものだったのだろうか。
「大丈夫よ、撥ねられた時に痛みは感じなかったの。だからそんな顔しなくていいのよ」
エリーが俺の頬に手を添えて笑ってくれる。
俺はどんな顔をしていたんだ?
理不尽に命を奪われた恨みはないのか?
「あの時死んじゃったからルフィに出会えたの。だから悲しんだり恨んだりしていないわ」
感謝しているぐらいよ!って言って抱きしめてくれた。
「エリーってね今も美少女だけど、前世でもすっごく可愛い子だったのよ!あれはモテるわ」
なんだと?
「エリー?本当か?」
「レイ?何を言ってるの?男の子に告白なんて1度もされたことないわよ?彼氏だって1人も出来なかったのに」
レイの言葉に不思議そうな顔をして否定しているが、俺には分かったぞ!
エリーが異性からの視線に鈍いのは前世からだったのか。
よかった!エリーが鈍くて!
「脱線しましたが話を元に戻しましょうか」
そうだった。
ウェン嬢と話の場を設けるんだったな。
「さっきも言ったけど話す時に部屋には私とレイとウェン様の3人だけにして欲しいの」
「あの部屋を使うならいいが・・・ランも連れて行けよ」
レイとランがいれば大丈夫だろう。
190
お気に入りに追加
4,559
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢が死んだ後
ぐう
恋愛
王立学園で殺人事件が起きた。
被害者は公爵令嬢 加害者は男爵令嬢
男爵令嬢は王立学園で多くの高位貴族令息を侍らせていたと言う。
公爵令嬢は婚約者の第二王子に常に邪険にされていた。
殺害理由はなんなのか?
視察に訪れていた第一王子の目の前で事件は起きた。第一王子が事件を調査する目的は?
*一話に流血・残虐な表現が有ります。話はわかる様になっていますのでお嫌いな方は二話からお読み下さい。
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
【完結】用済みと捨てられたはずの王妃はその愛を知らない
千紫万紅
恋愛
王位継承争いによって誕生した後ろ楯のない無力な少年王の後ろ楯となる為だけに。
公爵令嬢ユーフェミアは僅か10歳にして大国の王妃となった。
そして10年の時が過ぎ、無力な少年王は賢王と呼ばれるまでに成長した。
その為後ろ楯としての価値しかない用済みの王妃は廃妃だと性悪宰相はいう。
「城から追放された挙げ句、幽閉されて監視されて一生を惨めに終えるくらいならば、こんな国……逃げだしてやる!」
と、ユーフェミアは誰にも告げず城から逃げ出した。
だが、城から逃げ出したユーフェミアは真実を知らない。
戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。
前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる