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ウインティア王国編
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やっと来たわね。
アランそんな顔をしていたら警戒されるわよ。
前からマイがアランを狙っていることには気づいていたわ。
最近いつも男を侍らせていた彼女が一人になった。
男たちに見限られたのか、利用されている事に気づいたのかは分からないけれど、卒業まで半年を切ったところで、現実を知ったのかもしれない。
卒業すれば教会から出されると聞いたわ。
この先マイの面倒を見てくれる男は一人もいなかったのでしょうね。
どんな作戦を考えてきたのか・・・
さあ、お手並み拝見。
既にアランに見惚れているけれど大丈夫なの?
「あ、あの・・・お2人に相談があるんです」
「何かな?君は転移者のマイさんだったよね?」
「はい!覚えてくれていたんですね!」
下手ね。
今さら純情ぶっても無理だって・・・
貴女がヤリマンだって学園の生徒全員が知っているのに・・・この国に"ヤリマン"なんて言葉はないけれどね。
「私・・・ここを卒業したら教会を出なきゃならないんです」
本当にダメね。
貴女が困った振りをして俯いても、ベンチに座るわたし達からはニヤリと笑った顔が丸見えよ。
「・・・だから?」
アラン!今は笑うのを耐えて!
わたしも耐えるから!
「だ、だからお願いします。アラン君のお家で「僕は君に名前を呼ぶ許可は出してないよ」
ワザと彼女の言葉に被したわね。
「あ、じゃあなんて呼べばいいですか?」
「僕はウォルシュ侯爵家の子息。君は平民だよ?普通なら話しかけることも出来ないんだよ?」
やっぱりマイはダメダメね。
イラついたのを顔に出すなんてね。
「で、ではウォルシュ様と呼ぶのは大丈夫ですか?」
「まあいい。で、僕の家で何かな?」
「卒業したら働かせて欲しいの、、です」
「僕は君のことは噂でしか知らない。噂の君は信用できるような人じゃないよ?」
焦っているわね。それが顔に出ている。
呆れて溜め息が出るわ。
「こ、心を入れ替えます。お願いします。雇ってもらえないと路頭に迷うことになるの、、です」
どうするの?アラン。
「君の噂には婚約者のいる男性とも懇意にしていたと聞いたよ?」
「こ、婚約者がいるなんて知らなかったんです!本当です!」
「僕は卒業したらレイと結婚するんだ」
「・・・知っています」
「僕とレイの間に入り込もうなんて思ってないよね?僕は愛するレイ以外に靡くような男じゃないよ?」
「分かってい、、ます」
ふふふっなるほどね。
「だから僕の愛人とか妾を狙っても無駄だよ?」
使用人として上手くウォルシュ家に入り込んでアランの愛人にでもなるつもりだったようね。
「そ、そんな!愛人なんて・・・狙っていません!」
「ん~卒業するまで信用できる人なのか、君の様子を観察させてもらうよ。話はそれからだね」
「ありがとうございます!私頑張ります」
「では話は終わりだね。僕はレイとの時間を大切にしているんだよね」
「・・・分かりました。失礼します」
「あ!あまり期待はしないでね?」
「・・・は、い・・・」
まだ何か言いたそうにしながら背中を向けた彼女をアランが普段は見せない黒い笑顔で見送っていた。
「レイ思った通り僕に狙いを定めてきたね」
「ええ、分かっていたけれど単純な子ね」
ふふふっバカな子。
やっぱりマイは"ゲームの真実"を知らないようね。
知っていたら男遊びなんてしなかったでしょうし、わたしの噂を流そうとはしないわ。
ゲームでエリーを嵌めて結果生涯幽閉になるのだもの。
アトラニア王国でのわたしの噂を流そうとしたようだけれど、わたしの婚約破棄の理由なんてこの国の貴族ならみんな知っているわ。誰もマイには教えてあげなかったのね。
わたしの評判を落としたぐらいで、アランを手に入れられると本気で思っていたのかしら?
自分で言うのもなんだけど、出会った時からアランはわたしを愛してくれているわ。
それはわたしも同じよ。
貴女がセルティ嬢に冤罪をかけたことは知っているのよ?
お互い様だったようだけれどね。
卒業まであと半年程よ。
どれほどアランに媚びてくるかしらね?
アランの手のひらで転がされなさい。
わたしの噂を流そうとしたことアランは許してないわよ?
「レイ~僕もう少しマイの相手するの頑張るからさ帰ったら癒してね」
あ~アランがこの顔をする時って・・・ちょっと・・・いや、かなりエッチになっちゃうんだよね。
「ふ、2人きりの時なら・・・」
帰ったら何をするのか想像したら恥ずかしい。
「早く慣れてね。外でレイのそんな顔誰にも見せたくないからね」
だから!その顔をするのはやめて~
アランそんな顔をしていたら警戒されるわよ。
前からマイがアランを狙っていることには気づいていたわ。
最近いつも男を侍らせていた彼女が一人になった。
男たちに見限られたのか、利用されている事に気づいたのかは分からないけれど、卒業まで半年を切ったところで、現実を知ったのかもしれない。
卒業すれば教会から出されると聞いたわ。
この先マイの面倒を見てくれる男は一人もいなかったのでしょうね。
どんな作戦を考えてきたのか・・・
さあ、お手並み拝見。
既にアランに見惚れているけれど大丈夫なの?
「あ、あの・・・お2人に相談があるんです」
「何かな?君は転移者のマイさんだったよね?」
「はい!覚えてくれていたんですね!」
下手ね。
今さら純情ぶっても無理だって・・・
貴女がヤリマンだって学園の生徒全員が知っているのに・・・この国に"ヤリマン"なんて言葉はないけれどね。
「私・・・ここを卒業したら教会を出なきゃならないんです」
本当にダメね。
貴女が困った振りをして俯いても、ベンチに座るわたし達からはニヤリと笑った顔が丸見えよ。
「・・・だから?」
アラン!今は笑うのを耐えて!
わたしも耐えるから!
「だ、だからお願いします。アラン君のお家で「僕は君に名前を呼ぶ許可は出してないよ」
ワザと彼女の言葉に被したわね。
「あ、じゃあなんて呼べばいいですか?」
「僕はウォルシュ侯爵家の子息。君は平民だよ?普通なら話しかけることも出来ないんだよ?」
やっぱりマイはダメダメね。
イラついたのを顔に出すなんてね。
「で、ではウォルシュ様と呼ぶのは大丈夫ですか?」
「まあいい。で、僕の家で何かな?」
「卒業したら働かせて欲しいの、、です」
「僕は君のことは噂でしか知らない。噂の君は信用できるような人じゃないよ?」
焦っているわね。それが顔に出ている。
呆れて溜め息が出るわ。
「こ、心を入れ替えます。お願いします。雇ってもらえないと路頭に迷うことになるの、、です」
どうするの?アラン。
「君の噂には婚約者のいる男性とも懇意にしていたと聞いたよ?」
「こ、婚約者がいるなんて知らなかったんです!本当です!」
「僕は卒業したらレイと結婚するんだ」
「・・・知っています」
「僕とレイの間に入り込もうなんて思ってないよね?僕は愛するレイ以外に靡くような男じゃないよ?」
「分かってい、、ます」
ふふふっなるほどね。
「だから僕の愛人とか妾を狙っても無駄だよ?」
使用人として上手くウォルシュ家に入り込んでアランの愛人にでもなるつもりだったようね。
「そ、そんな!愛人なんて・・・狙っていません!」
「ん~卒業するまで信用できる人なのか、君の様子を観察させてもらうよ。話はそれからだね」
「ありがとうございます!私頑張ります」
「では話は終わりだね。僕はレイとの時間を大切にしているんだよね」
「・・・分かりました。失礼します」
「あ!あまり期待はしないでね?」
「・・・は、い・・・」
まだ何か言いたそうにしながら背中を向けた彼女をアランが普段は見せない黒い笑顔で見送っていた。
「レイ思った通り僕に狙いを定めてきたね」
「ええ、分かっていたけれど単純な子ね」
ふふふっバカな子。
やっぱりマイは"ゲームの真実"を知らないようね。
知っていたら男遊びなんてしなかったでしょうし、わたしの噂を流そうとはしないわ。
ゲームでエリーを嵌めて結果生涯幽閉になるのだもの。
アトラニア王国でのわたしの噂を流そうとしたようだけれど、わたしの婚約破棄の理由なんてこの国の貴族ならみんな知っているわ。誰もマイには教えてあげなかったのね。
わたしの評判を落としたぐらいで、アランを手に入れられると本気で思っていたのかしら?
自分で言うのもなんだけど、出会った時からアランはわたしを愛してくれているわ。
それはわたしも同じよ。
貴女がセルティ嬢に冤罪をかけたことは知っているのよ?
お互い様だったようだけれどね。
卒業まであと半年程よ。
どれほどアランに媚びてくるかしらね?
アランの手のひらで転がされなさい。
わたしの噂を流そうとしたことアランは許してないわよ?
「レイ~僕もう少しマイの相手するの頑張るからさ帰ったら癒してね」
あ~アランがこの顔をする時って・・・ちょっと・・・いや、かなりエッチになっちゃうんだよね。
「ふ、2人きりの時なら・・・」
帰ったら何をするのか想像したら恥ずかしい。
「早く慣れてね。外でレイのそんな顔誰にも見せたくないからね」
だから!その顔をするのはやめて~
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