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ウインティア王国編
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今回のMVPはランで決まりね。
遊びでレイと一緒に警察犬ごっこしててよかった。
最初から躾をするのも、芸を仕込むのもすぐに覚えるランを見て、レイと前世の警察犬のように匂いで探し物が本当に出来るのか何度か試したことがあったんだよね。
まさか、あんなに離れた所にいる私とレイを見つけられるとは思ってもいなかったんだけどね。
ウォルシュ家に帰るとお祖母様が泣きながら抱きついてきた。
お爺様の目にもうっすらと涙が浮かんでいる。
「心配かけてごめんなさい」
「無事ならいいんだ」
「エリーもレイちゃんもどこも怪我をしてない?」
「うん、大丈夫」
頭に包帯を巻いたアランがレイを抱きしめている。
そのままサロンでお爺様とお祖母様に連れ攫われてからの話をしている間もアランはレイを膝の上に乗せてずっと抱きしめている。
真面目に話がしたいのに、私の隣に座ったルフランが自分の膝を叩いて私に座れと無言でアピールしてくる。
期待した目で訴えてくるのはやめて!
家族の前で恥ずかしいじゃない!
私とルフランの攻防をお爺様は見て見ぬふりをしてくれているのに、お祖母様はニヤニヤして見ている。挙句"甘えればいいじゃない"なんて言っている。
それよりもルフランの拳の傷が痛々しい。
レックスが気を失うほど殴り続けていた拳は傷だらけだ。
私のためだったとしても、傷なんて付けて欲しくないし残るのも嫌だ。
大丈夫だと言うルフランの手を掴んで強引に消毒をして包帯を巻いた。
そこへゾルティー殿下とその側近候補の2人、ガルザークの訪問がメイドから伝えられた。
軽い挨拶のあとお爺様とお祖母様が気を使って退室すると、4人にまた同じ報告をすることになった。
ランの活躍を聞いたゾルティー殿下はランを褒めちぎるし、側近候補の2人にはランの躾や訓練内容を詳しく教えてくれと説明を求められた。
それは、レイがアランの膝の上から話してくれたけれど、ガルザークの様子がおかしい。
まだ一言も話さないガルザークにどうしたの?と聞くと頭を下げられた。
「俺はレックスがウォルシュ嬢を諦めていないことを知っていたのに・・・申し訳ありません」と拳を握りしめて俯いてしまった。
「ガルザークが責任を感じることは無いわよ?」
「・・・え?俺の名前・・・知って?」
「何言ってるいのよ当たり前じゃない。友達の名前ぐらい知っているわよ」
ん?なぜ涙ぐむ?
「「ではウォルシュ嬢は私たちの名前もご存知なのですか?」」
この2人よくハモるよね。
「はあ?知ってるわよあなた達まで何言ってるのよ。アドワイズ侯爵家のグレイソンにロックミュザ侯爵家のアイザックでしょう」
「「あのウォルシュ嬢が・・・」」
「あの?」
「「はい、親しい人の名前しか覚える気がないと言われています」」
「そ、それは本当だけど!友達の名前は覚えるわよ。それに友達は愛称で呼ぶんでしょ?私レイしか友達がいなかったから・・・だから、ガルにグレイにザックって呼んでもいいよね!」
「「それは私達も友達と認めてくれていると?」」
「何回も言わせないでよ~だからウォルシュ嬢じゃなく私のことはエリーと呼んでよ。ガル、グレイ、ザック」
「「「い、いえエリー嬢と呼ばせていただきます」」」
「じゃあわたしもレイでお願いね。ガル、グレイ、ザックよろしくね」
「「「レ、レイ嬢とお呼びします」」」
(兄上の睨みに3人とも顔が引き攣っているし、アランの柔らかい笑顔も目が笑っていない。
うん!君たちに危険察知能力があって良かったよ)
「じゃあ私のことはゾルって呼んでよ」
「いいの?遠慮しないよ?」
「エリーせめてゾル様って呼びましょうね。王族だってこと忘れないでね」
「そうよね!分かったわ!でもルフランは今までの呼び方でいいよね?」
ルフランは頷いた後「イヤお、俺も愛称がいい」とか言い出した。
「このままでいいじゃない」
「エリーだけの呼び方がいい!」
「もう!仕方ないわね・・・ルフ?・・・ランはうちの子の名前だし・・・ルフィ?」
これ前世の大人気アニメの主人公の名前だったよね?
「プフっ、ルフィ!いいじゃない!」
レイも思い出したのね・・・
「ルフィ・・・いいな!それでなんでレイは笑うんだ?」
「笑ってないわよ。可愛い愛称だったからよ」
レイ・・・
「エリー!今から俺はルフィだ!」
やめて!私まで笑いそうになるじゃない!
レイ!顔を隠しても肩が震えているわよ!
「わ、分かったわ。今日からルフィって呼ぶわね」
その内この呼び名も慣れるわよね。
・・・・・・たぶん
やだ!
ルフラ・・ルフィってば口の端が上がってるわ!喜んでるのね!
可愛い!
「それより明日も3人で学園を休むことになるけど、変な噂とか立たないわよね?」
レイ!私もそれが気になっていたの。
「それは大丈夫だ!俺も休むからな!」
「・・・何が大丈夫なの?アランも怪我してるし言い訳を考えないと」
レイちょっと怒ってる?
「"アランが怪我して心配で休んだ"でいいんじゃない?実際怪我しているしね」
「では俺はアランの怪我を聞いて駆けつけた事にすればいいな」
「それでいいですよ。レックスが学園に通うことは二度とないんですから。それに箝口令も敷いていますし今回の事件が漏れることはありません」
当然ね。
無事だったからよかったものの貴族の令嬢を誘拐し、手篭めにしようとしたワケだし、アランに怪我まで負わせたんだからね。
彼は公爵家の跡継ぎで宰相の子息。
輝かしい未来が待っていたはずなのに、今回のことで人生を棒に振ってしまったわね。
ご両親とお姉様のことは考えなかったのかしら?
「エリー本当に処刑しなくていいのか?」
また怖いこと言っている。
「ルフィ命は簡単に奪うものじゃないわ。彼を大切に思う家族もいるのよ?それに彼は誰の命も奪っていないわ」
「エリーの言う通りよ。結果だけ見ればアランの怪我だけで済んだのだからね」
「・・・わかった、2人の意見は尊重するが判決は陛下や裁判官が下すことになる」
不満そうね。
貴族を誘拐監禁すれば処刑されるのがこの世界では当たり前でも、私もレイも平和な日本で育った人間からすれば人の命を奪う行為に嫌悪感があるのよ。
でも、もしルフィが命を狙われたら・・・私もこんな甘いことは言わないと思う。
誰だろうと許せる自信はないわね。
矛盾していることは分かっているんだけどね・・・
遊びでレイと一緒に警察犬ごっこしててよかった。
最初から躾をするのも、芸を仕込むのもすぐに覚えるランを見て、レイと前世の警察犬のように匂いで探し物が本当に出来るのか何度か試したことがあったんだよね。
まさか、あんなに離れた所にいる私とレイを見つけられるとは思ってもいなかったんだけどね。
ウォルシュ家に帰るとお祖母様が泣きながら抱きついてきた。
お爺様の目にもうっすらと涙が浮かんでいる。
「心配かけてごめんなさい」
「無事ならいいんだ」
「エリーもレイちゃんもどこも怪我をしてない?」
「うん、大丈夫」
頭に包帯を巻いたアランがレイを抱きしめている。
そのままサロンでお爺様とお祖母様に連れ攫われてからの話をしている間もアランはレイを膝の上に乗せてずっと抱きしめている。
真面目に話がしたいのに、私の隣に座ったルフランが自分の膝を叩いて私に座れと無言でアピールしてくる。
期待した目で訴えてくるのはやめて!
家族の前で恥ずかしいじゃない!
私とルフランの攻防をお爺様は見て見ぬふりをしてくれているのに、お祖母様はニヤニヤして見ている。挙句"甘えればいいじゃない"なんて言っている。
それよりもルフランの拳の傷が痛々しい。
レックスが気を失うほど殴り続けていた拳は傷だらけだ。
私のためだったとしても、傷なんて付けて欲しくないし残るのも嫌だ。
大丈夫だと言うルフランの手を掴んで強引に消毒をして包帯を巻いた。
そこへゾルティー殿下とその側近候補の2人、ガルザークの訪問がメイドから伝えられた。
軽い挨拶のあとお爺様とお祖母様が気を使って退室すると、4人にまた同じ報告をすることになった。
ランの活躍を聞いたゾルティー殿下はランを褒めちぎるし、側近候補の2人にはランの躾や訓練内容を詳しく教えてくれと説明を求められた。
それは、レイがアランの膝の上から話してくれたけれど、ガルザークの様子がおかしい。
まだ一言も話さないガルザークにどうしたの?と聞くと頭を下げられた。
「俺はレックスがウォルシュ嬢を諦めていないことを知っていたのに・・・申し訳ありません」と拳を握りしめて俯いてしまった。
「ガルザークが責任を感じることは無いわよ?」
「・・・え?俺の名前・・・知って?」
「何言ってるいのよ当たり前じゃない。友達の名前ぐらい知っているわよ」
ん?なぜ涙ぐむ?
「「ではウォルシュ嬢は私たちの名前もご存知なのですか?」」
この2人よくハモるよね。
「はあ?知ってるわよあなた達まで何言ってるのよ。アドワイズ侯爵家のグレイソンにロックミュザ侯爵家のアイザックでしょう」
「「あのウォルシュ嬢が・・・」」
「あの?」
「「はい、親しい人の名前しか覚える気がないと言われています」」
「そ、それは本当だけど!友達の名前は覚えるわよ。それに友達は愛称で呼ぶんでしょ?私レイしか友達がいなかったから・・・だから、ガルにグレイにザックって呼んでもいいよね!」
「「それは私達も友達と認めてくれていると?」」
「何回も言わせないでよ~だからウォルシュ嬢じゃなく私のことはエリーと呼んでよ。ガル、グレイ、ザック」
「「「い、いえエリー嬢と呼ばせていただきます」」」
「じゃあわたしもレイでお願いね。ガル、グレイ、ザックよろしくね」
「「「レ、レイ嬢とお呼びします」」」
(兄上の睨みに3人とも顔が引き攣っているし、アランの柔らかい笑顔も目が笑っていない。
うん!君たちに危険察知能力があって良かったよ)
「じゃあ私のことはゾルって呼んでよ」
「いいの?遠慮しないよ?」
「エリーせめてゾル様って呼びましょうね。王族だってこと忘れないでね」
「そうよね!分かったわ!でもルフランは今までの呼び方でいいよね?」
ルフランは頷いた後「イヤお、俺も愛称がいい」とか言い出した。
「このままでいいじゃない」
「エリーだけの呼び方がいい!」
「もう!仕方ないわね・・・ルフ?・・・ランはうちの子の名前だし・・・ルフィ?」
これ前世の大人気アニメの主人公の名前だったよね?
「プフっ、ルフィ!いいじゃない!」
レイも思い出したのね・・・
「ルフィ・・・いいな!それでなんでレイは笑うんだ?」
「笑ってないわよ。可愛い愛称だったからよ」
レイ・・・
「エリー!今から俺はルフィだ!」
やめて!私まで笑いそうになるじゃない!
レイ!顔を隠しても肩が震えているわよ!
「わ、分かったわ。今日からルフィって呼ぶわね」
その内この呼び名も慣れるわよね。
・・・・・・たぶん
やだ!
ルフラ・・ルフィってば口の端が上がってるわ!喜んでるのね!
可愛い!
「それより明日も3人で学園を休むことになるけど、変な噂とか立たないわよね?」
レイ!私もそれが気になっていたの。
「それは大丈夫だ!俺も休むからな!」
「・・・何が大丈夫なの?アランも怪我してるし言い訳を考えないと」
レイちょっと怒ってる?
「"アランが怪我して心配で休んだ"でいいんじゃない?実際怪我しているしね」
「では俺はアランの怪我を聞いて駆けつけた事にすればいいな」
「それでいいですよ。レックスが学園に通うことは二度とないんですから。それに箝口令も敷いていますし今回の事件が漏れることはありません」
当然ね。
無事だったからよかったものの貴族の令嬢を誘拐し、手篭めにしようとしたワケだし、アランに怪我まで負わせたんだからね。
彼は公爵家の跡継ぎで宰相の子息。
輝かしい未来が待っていたはずなのに、今回のことで人生を棒に振ってしまったわね。
ご両親とお姉様のことは考えなかったのかしら?
「エリー本当に処刑しなくていいのか?」
また怖いこと言っている。
「ルフィ命は簡単に奪うものじゃないわ。彼を大切に思う家族もいるのよ?それに彼は誰の命も奪っていないわ」
「エリーの言う通りよ。結果だけ見ればアランの怪我だけで済んだのだからね」
「・・・わかった、2人の意見は尊重するが判決は陛下や裁判官が下すことになる」
不満そうね。
貴族を誘拐監禁すれば処刑されるのがこの世界では当たり前でも、私もレイも平和な日本で育った人間からすれば人の命を奪う行為に嫌悪感があるのよ。
でも、もしルフィが命を狙われたら・・・私もこんな甘いことは言わないと思う。
誰だろうと許せる自信はないわね。
矛盾していることは分かっているんだけどね・・・
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