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ウインティア王国編
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「何を騒いでいるの?」
幻聴か?
俺がずっと聞きたかった声が聞こえた。
ゆっくり聞こえた声の方を向くと、あんなに会いたかったエリーが俺を見上げていた。
「もうルフラン、眉間にシワが寄っているわよ」
そう言ってエリーの手が俺の眉間のシワを伸ばそうとグリグリする。
幻じゃない本物だ。
騒がしかった通路が一瞬で静まり返った。
そりゃそうだ。
エリーのような綺麗で可愛い令嬢が突然現れたんだからな。
「エリー・・・なんでここに?」
なんで学園の制服を着ているんだ?
「長くなるから後でゆっくり話すね。それよりもルフランお昼は食べたの?」
エリー普通に話しているが周りは気にならないのか?
「いや、まだだが」
「よかった!ルフランと一緒に食べようと思ってお弁当を作ってきたの」
そう言って微笑んだエリーを見て、そこらじゅうから溜息が漏れた。
男たちは顔を赤くしている。
ダメだ!エリーの微笑みは男を虜にしてしまうんだ。
俺はエリーの微笑みを誰にも見せないようにエリーの手を引いてその場から離れることにした。
おい!ゾルティーまで真っ赤じゃないか!
やめろ!みんなエリーを見るな!
ああエリーの手だ。
小さくてスベスベなエリーの手だ。
エリーの持つバスケットを引き取り歩き出した。
ゾルティーが俺を呼んだ気がしたが、まあ後は任せても大丈夫だろう。
少し離れるとさっきの何倍もの騒がしい声が聞こえた。
横目でエリーを何度も確認してしまう。
俺の色で作った髪留めもよく似合っている。
こうやって見ると独占欲丸出しだな。
俺はカフェのテラスの端まで連れて行くが勿体なくて手が離せない。
「どうしたの?ルフラン座りましょう」
エリーはバスケットを俺の手から受け取り弁当を広げていく。
「たくさん食べてね。ルフランと前に約束したでしょ?また作るって」
「ああ、ありがとう」
覚えてくれていたんだな。
エリーが目の前にいることが信じられない。
俺は緊張で震える手でサンドイッチを掴んだ。
口に入れた瞬間、あの初めてエリーの手料理を食べた時を思い出した。
王宮での食事も学園の食事も味がしなかったのに・・・
俺はエリーがいないとダメなんだな。
俺は夢中で食べた。
エリーもタイミングを合わせて俺に食べさせてくれる。
俺も口を開けて催促する。
俺だけに向けられたエリーの女神の微笑み、こんな幸せってあるか?
まだまだ食べられるが弁当がなくなってしまった。
レイが『綺麗になっているわよ』って言っていたことは本当だったんだな。
疑ってはいなかったが、俺の想像よりも遥かに美しくなっていた。
エリーも17歳になったもんな。
それに・・・何故かエリーに胸元が膨らんでいるのだが?
聞いても大丈夫だろうか?
無理しているんじゃないのか?
「エリー・・・・気になることがあるのだが」
「なんでも聞いていいよ」
にっこり笑うエリー、可愛すぎるだろ。
「その・・その胸の膨らみは何か詰めているのか?」
失敗した!
エリーの怒ったところを初めて見た。
その顔も可愛いけどな。
「そんなことを言うのはこの口か~」
エリーの指が俺の頬を摘んだんだ。
「えい~いひゃい」
「私がどれだけこの胸を育てるのに努力したと思っているの?」
育てる?え?本物なのか?
胸は育てるものなんだ・・・初めて知った。
「エリーダメだよ。不敬罪で捕まるよ」
後ろからゾルティーと学園の制服を着たアランとレイが出てきた。
冷静に周りを見るとカフェの中から生徒たちが見ている。
あいつらこっそりエリーの微笑みを覗き見していたな。
手を離したエリーは立ち上がって胸を張った。
「ふふん、私も人並みに育ったのよ。どう?」
自慢気に言われても、なんて答えればいいんだ?
大きくなったが正解か?
アラン助けてくれ!
目でアランに助けを求める。
よし!アランが察してくれた。
「エリー、こんな所でそれを聞くのはどうかと思うよ?聞こえてはいないだろうけど皆んなこっちを見ているからね」
エリーは首を傾げて「だから?」って聞いているけど、その仕草も可愛い!
相変わらずエリーは周りの視線に気づかないんだな!
おい!お前ら見るな!
ゾルティーもまた赤くなっているぞ。
「そ、それよりどうしてここにいるんだ?学園の制服まで着て」
話を変えて一番気になることを聞いた。
「私たちウインティア王国に帰ってきたの。だからこの学園に編入するのよ。今日は手続きが終わったら帰るわ。明日からよろしくね」
な!なんだと!
嬉しくて体が自然に動いていた。
気づいた時にはエリーを抱きしめていた。
ああ、エリーの香りだ。
「あ、兄上ここではダメです。詳しい話はあとで聞きましょう」
なんだよ!邪魔するなよ。
エリーを堪能しているんだよ。
仕方なくそっとエリーから離れるとエリーの綺麗な顔がほんのりとピンク色になって照れているように見えた。
エリーのこんな顔は見たことがない。
少しは俺を意識してくれているのだろうか?
それに柔らかかった・・・本物なんだ。
前に抱きしめた時と抱き心地がまったく違った。
胸って柔らかいんだな。
座学では聞いていたが、本当だったんだな。
その時、午後の授業の予鈴が鳴った。
「学園が終わったらウォルシュ家に行ってもいいか?」
「もちろん!待っているわ」
エリー、アラン、レイの3人と手を振って別れた。
「兄上エリザベート嬢にまた会えて嬉しいですか?」
ゾルティーまだいたんだな。
「ああ、またエリーに毎日会える」
エリーの小さな手も、香りも何もかも何度も何度も思い出していたんだ。
本当にエリーに会いたかったんだ。
____________________
ルフランは考えている言葉はツッコミ満載ですが、表情は動かないままなんですよ。
エリー限定で多少は動きますが・・・
幻聴か?
俺がずっと聞きたかった声が聞こえた。
ゆっくり聞こえた声の方を向くと、あんなに会いたかったエリーが俺を見上げていた。
「もうルフラン、眉間にシワが寄っているわよ」
そう言ってエリーの手が俺の眉間のシワを伸ばそうとグリグリする。
幻じゃない本物だ。
騒がしかった通路が一瞬で静まり返った。
そりゃそうだ。
エリーのような綺麗で可愛い令嬢が突然現れたんだからな。
「エリー・・・なんでここに?」
なんで学園の制服を着ているんだ?
「長くなるから後でゆっくり話すね。それよりもルフランお昼は食べたの?」
エリー普通に話しているが周りは気にならないのか?
「いや、まだだが」
「よかった!ルフランと一緒に食べようと思ってお弁当を作ってきたの」
そう言って微笑んだエリーを見て、そこらじゅうから溜息が漏れた。
男たちは顔を赤くしている。
ダメだ!エリーの微笑みは男を虜にしてしまうんだ。
俺はエリーの微笑みを誰にも見せないようにエリーの手を引いてその場から離れることにした。
おい!ゾルティーまで真っ赤じゃないか!
やめろ!みんなエリーを見るな!
ああエリーの手だ。
小さくてスベスベなエリーの手だ。
エリーの持つバスケットを引き取り歩き出した。
ゾルティーが俺を呼んだ気がしたが、まあ後は任せても大丈夫だろう。
少し離れるとさっきの何倍もの騒がしい声が聞こえた。
横目でエリーを何度も確認してしまう。
俺の色で作った髪留めもよく似合っている。
こうやって見ると独占欲丸出しだな。
俺はカフェのテラスの端まで連れて行くが勿体なくて手が離せない。
「どうしたの?ルフラン座りましょう」
エリーはバスケットを俺の手から受け取り弁当を広げていく。
「たくさん食べてね。ルフランと前に約束したでしょ?また作るって」
「ああ、ありがとう」
覚えてくれていたんだな。
エリーが目の前にいることが信じられない。
俺は緊張で震える手でサンドイッチを掴んだ。
口に入れた瞬間、あの初めてエリーの手料理を食べた時を思い出した。
王宮での食事も学園の食事も味がしなかったのに・・・
俺はエリーがいないとダメなんだな。
俺は夢中で食べた。
エリーもタイミングを合わせて俺に食べさせてくれる。
俺も口を開けて催促する。
俺だけに向けられたエリーの女神の微笑み、こんな幸せってあるか?
まだまだ食べられるが弁当がなくなってしまった。
レイが『綺麗になっているわよ』って言っていたことは本当だったんだな。
疑ってはいなかったが、俺の想像よりも遥かに美しくなっていた。
エリーも17歳になったもんな。
それに・・・何故かエリーに胸元が膨らんでいるのだが?
聞いても大丈夫だろうか?
無理しているんじゃないのか?
「エリー・・・・気になることがあるのだが」
「なんでも聞いていいよ」
にっこり笑うエリー、可愛すぎるだろ。
「その・・その胸の膨らみは何か詰めているのか?」
失敗した!
エリーの怒ったところを初めて見た。
その顔も可愛いけどな。
「そんなことを言うのはこの口か~」
エリーの指が俺の頬を摘んだんだ。
「えい~いひゃい」
「私がどれだけこの胸を育てるのに努力したと思っているの?」
育てる?え?本物なのか?
胸は育てるものなんだ・・・初めて知った。
「エリーダメだよ。不敬罪で捕まるよ」
後ろからゾルティーと学園の制服を着たアランとレイが出てきた。
冷静に周りを見るとカフェの中から生徒たちが見ている。
あいつらこっそりエリーの微笑みを覗き見していたな。
手を離したエリーは立ち上がって胸を張った。
「ふふん、私も人並みに育ったのよ。どう?」
自慢気に言われても、なんて答えればいいんだ?
大きくなったが正解か?
アラン助けてくれ!
目でアランに助けを求める。
よし!アランが察してくれた。
「エリー、こんな所でそれを聞くのはどうかと思うよ?聞こえてはいないだろうけど皆んなこっちを見ているからね」
エリーは首を傾げて「だから?」って聞いているけど、その仕草も可愛い!
相変わらずエリーは周りの視線に気づかないんだな!
おい!お前ら見るな!
ゾルティーもまた赤くなっているぞ。
「そ、それよりどうしてここにいるんだ?学園の制服まで着て」
話を変えて一番気になることを聞いた。
「私たちウインティア王国に帰ってきたの。だからこの学園に編入するのよ。今日は手続きが終わったら帰るわ。明日からよろしくね」
な!なんだと!
嬉しくて体が自然に動いていた。
気づいた時にはエリーを抱きしめていた。
ああ、エリーの香りだ。
「あ、兄上ここではダメです。詳しい話はあとで聞きましょう」
なんだよ!邪魔するなよ。
エリーを堪能しているんだよ。
仕方なくそっとエリーから離れるとエリーの綺麗な顔がほんのりとピンク色になって照れているように見えた。
エリーのこんな顔は見たことがない。
少しは俺を意識してくれているのだろうか?
それに柔らかかった・・・本物なんだ。
前に抱きしめた時と抱き心地がまったく違った。
胸って柔らかいんだな。
座学では聞いていたが、本当だったんだな。
その時、午後の授業の予鈴が鳴った。
「学園が終わったらウォルシュ家に行ってもいいか?」
「もちろん!待っているわ」
エリー、アラン、レイの3人と手を振って別れた。
「兄上エリザベート嬢にまた会えて嬉しいですか?」
ゾルティーまだいたんだな。
「ああ、またエリーに毎日会える」
エリーの小さな手も、香りも何もかも何度も何度も思い出していたんだ。
本当にエリーに会いたかったんだ。
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ルフランは考えている言葉はツッコミ満載ですが、表情は動かないままなんですよ。
エリー限定で多少は動きますが・・・
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