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お茶会から帰ってきてからレイが教えてくれたのは、あの緑色の髪に赤い目のガルザーク・タイロンも攻略対象者だったということ。
そこそこ凛々しい顔だったような気がする。
1日で2人の攻略対象者に会うなんて、しかも私に話しかけてくるなんてね。
興味もないけど、イエガー子息はともかく、タイロン子息の方はあまりいい感じがしなかった。
挨拶しただけで決めつけるのはよくないけど、なんか俺様的で私の好きなタイプではなかったな。
お茶会の翌日から我がウォルシュ侯爵家に私との婚約の打診が驚くほど届くようになったことを私は聞かされなかった。
お父様が全て断ったことも知らされなかった。
婚約の打診を断られたイエガー公爵子息やタイロン伯爵子息が何度も我が家に訪問してきていた事も私は知らなかった。
それから10日程した頃、お父様とお母様はまた海外に行ってしまった。
見送る時、お母様は私を抱きしめた後レイを抱きしめて「やっぱりレイちゃんは柔らかいわ~」と一言残して旅立って行った。
この日から私は決心したのだ。
胸を育てると!
メイド達に毎日お風呂上がりに美乳になるマッサージお願いした。
そして、前世で調べた巨乳になるという胸の前で手を合わせて合掌のポーズも取り入れた。
ふふふ、数年後にはボインボインになっているはずよ。
想像するだけで顔がニヤけるわね。
この時の私の頭の中は平和だった。
「あの会場で皆んなの注目を集めていたのがエリーだった事、本人は気付いてないようね」
「ああ、残念エリーだからね」
「ねえアラン、お茶会の時エリーに話しかけていたイエガー子息とタイロン子息とは親しかったの?」
「いや、イエガー子息の方は少し話したことがある程度だけど、タイロン子息は挨拶しかしたことがないね」
「その2人からも婚約の申し込みがあったのよね?」
「ああ、父上が断ったけどあの2人だけはエリーを渡さないよ。ヒロインと身体の関係のある奴なんてね」
「でもあの2人のエリーを見る目が怖かったわ。特にタイロン子息がエリーに向ける目がね」
「ああ、タイロン子息の方はヒロインと何度も関係しているようだよ。エリーをその対象に見てるんじゃないかな」
「なにそれ!気持ち悪いわね。」
「毎日エリーに会わせてくれって、訪問して来ているようだけど父上とお爺様の命令で門すら潜らせないように門番に伝えているから会うことはないだろけどね」
「わたし達がエリーを守りましょうね」
「そうだね。エリーは危機感知能力が足りないからね。」
「あんなに綺麗で目立っているのに何で本人だけが気付かないのかしらね」
「自分の良さを分かってないんだよ」
「エリーの前で男性が固まるのは、息を飲むほどエリーが美しいからなのにね」
「エリーは自分の顔を怖顔だって幼い頃から言っていたから、いまだに怖顔が恐れられていると思っているんだろうね」
「「はぁ残念すぎる」」
「とりあえず来週にはアトラニア王国に帰るのだから、それまではエリーを外に出さないようにしましょうね」
「そうだね。分かっているよ」
~レックス視点~
私からの婚約の申し込みは、あっさりと断られてしまった。
納得できなくて父上に再度申し込んでくれとお願いしたがいい顔をされなかった。
早くしないと他の誰かに奪われるかもしれない。
もう一度会いたい。
会って話せばウォルシュ嬢も私を選んでくれるはずだ。
自分で言うのもなんだが私はモテる。
家柄もそうだが、最高の教育を受け教養も礼儀作法も完璧だし、見た目にも恵まれた。
私に媚びる令嬢だって多い。
一度好奇心から『マイ』と身体の関係を持っしまったがいいものではなかった。
初めてだったのもあるが、もっと感動するとか気持ち良いいものかと思っていた。
私は心が伴わないとダメみたいだ。
再度婚約を申し込んでも断ってくるウォルシュ侯爵家に先触れも出さず訪問してしまった。
マナーに反するが先触れを出すと訪問すら断られると思ったからだ。
直接彼女と話すことが出来れば、私からの申し込みを拒まれることはないと思ったのに、
公爵家子息である私でも門前払いをされた。それでも諦められず何度も訪ねた。
ガルザークとも一度門前で会った。
あいつもウォルシュ嬢に断られたのか。
それでもお前には『マイ』がいるだろう。
『マイ』は常識外れの礼儀知らずな女だ。
あれだけの男を相手にしているんだ娼館で働く方が『マイ』の天職ではないだろうか?
何度断られても私はウォルシュ嬢を諦めないからね。
~ガルザーク視点~
ウォルシュ侯爵家から婚約の申し込みを断られた。
なんでなんだ?
俺に選ばれたことを光栄に思わなかったのか?
俺に誘われて断る女がいるなんて信じられない。
まあ、あれだけのレベルだ。
お茶会で俺を見ても顔色一つ変えなかったんだ。
大抵の女は俺を見ると赤くなるし、媚びてくるのにな。
簡単に靡くような女じゃないことは分かった。
レックスもウォルシュ嬢を狙っているようだが彼女を手に入れるのは俺だ。
今は会わせてもらえなくても、学園が始まれば探し出してやる。
ウォルシュ嬢を手に入れるまでは『マイ』には俺の欲求不満の解消に役立ってもらおうか。
あいつはそれぐらいしか役に立つことがないからな。
次にウォルシュ嬢に会うのが楽しみだ。
そこそこ凛々しい顔だったような気がする。
1日で2人の攻略対象者に会うなんて、しかも私に話しかけてくるなんてね。
興味もないけど、イエガー子息はともかく、タイロン子息の方はあまりいい感じがしなかった。
挨拶しただけで決めつけるのはよくないけど、なんか俺様的で私の好きなタイプではなかったな。
お茶会の翌日から我がウォルシュ侯爵家に私との婚約の打診が驚くほど届くようになったことを私は聞かされなかった。
お父様が全て断ったことも知らされなかった。
婚約の打診を断られたイエガー公爵子息やタイロン伯爵子息が何度も我が家に訪問してきていた事も私は知らなかった。
それから10日程した頃、お父様とお母様はまた海外に行ってしまった。
見送る時、お母様は私を抱きしめた後レイを抱きしめて「やっぱりレイちゃんは柔らかいわ~」と一言残して旅立って行った。
この日から私は決心したのだ。
胸を育てると!
メイド達に毎日お風呂上がりに美乳になるマッサージお願いした。
そして、前世で調べた巨乳になるという胸の前で手を合わせて合掌のポーズも取り入れた。
ふふふ、数年後にはボインボインになっているはずよ。
想像するだけで顔がニヤけるわね。
この時の私の頭の中は平和だった。
「あの会場で皆んなの注目を集めていたのがエリーだった事、本人は気付いてないようね」
「ああ、残念エリーだからね」
「ねえアラン、お茶会の時エリーに話しかけていたイエガー子息とタイロン子息とは親しかったの?」
「いや、イエガー子息の方は少し話したことがある程度だけど、タイロン子息は挨拶しかしたことがないね」
「その2人からも婚約の申し込みがあったのよね?」
「ああ、父上が断ったけどあの2人だけはエリーを渡さないよ。ヒロインと身体の関係のある奴なんてね」
「でもあの2人のエリーを見る目が怖かったわ。特にタイロン子息がエリーに向ける目がね」
「ああ、タイロン子息の方はヒロインと何度も関係しているようだよ。エリーをその対象に見てるんじゃないかな」
「なにそれ!気持ち悪いわね。」
「毎日エリーに会わせてくれって、訪問して来ているようだけど父上とお爺様の命令で門すら潜らせないように門番に伝えているから会うことはないだろけどね」
「わたし達がエリーを守りましょうね」
「そうだね。エリーは危機感知能力が足りないからね。」
「あんなに綺麗で目立っているのに何で本人だけが気付かないのかしらね」
「自分の良さを分かってないんだよ」
「エリーの前で男性が固まるのは、息を飲むほどエリーが美しいからなのにね」
「エリーは自分の顔を怖顔だって幼い頃から言っていたから、いまだに怖顔が恐れられていると思っているんだろうね」
「「はぁ残念すぎる」」
「とりあえず来週にはアトラニア王国に帰るのだから、それまではエリーを外に出さないようにしましょうね」
「そうだね。分かっているよ」
~レックス視点~
私からの婚約の申し込みは、あっさりと断られてしまった。
納得できなくて父上に再度申し込んでくれとお願いしたがいい顔をされなかった。
早くしないと他の誰かに奪われるかもしれない。
もう一度会いたい。
会って話せばウォルシュ嬢も私を選んでくれるはずだ。
自分で言うのもなんだが私はモテる。
家柄もそうだが、最高の教育を受け教養も礼儀作法も完璧だし、見た目にも恵まれた。
私に媚びる令嬢だって多い。
一度好奇心から『マイ』と身体の関係を持っしまったがいいものではなかった。
初めてだったのもあるが、もっと感動するとか気持ち良いいものかと思っていた。
私は心が伴わないとダメみたいだ。
再度婚約を申し込んでも断ってくるウォルシュ侯爵家に先触れも出さず訪問してしまった。
マナーに反するが先触れを出すと訪問すら断られると思ったからだ。
直接彼女と話すことが出来れば、私からの申し込みを拒まれることはないと思ったのに、
公爵家子息である私でも門前払いをされた。それでも諦められず何度も訪ねた。
ガルザークとも一度門前で会った。
あいつもウォルシュ嬢に断られたのか。
それでもお前には『マイ』がいるだろう。
『マイ』は常識外れの礼儀知らずな女だ。
あれだけの男を相手にしているんだ娼館で働く方が『マイ』の天職ではないだろうか?
何度断られても私はウォルシュ嬢を諦めないからね。
~ガルザーク視点~
ウォルシュ侯爵家から婚約の申し込みを断られた。
なんでなんだ?
俺に選ばれたことを光栄に思わなかったのか?
俺に誘われて断る女がいるなんて信じられない。
まあ、あれだけのレベルだ。
お茶会で俺を見ても顔色一つ変えなかったんだ。
大抵の女は俺を見ると赤くなるし、媚びてくるのにな。
簡単に靡くような女じゃないことは分かった。
レックスもウォルシュ嬢を狙っているようだが彼女を手に入れるのは俺だ。
今は会わせてもらえなくても、学園が始まれば探し出してやる。
ウォルシュ嬢を手に入れるまでは『マイ』には俺の欲求不満の解消に役立ってもらおうか。
あいつはそれぐらいしか役に立つことがないからな。
次にウォルシュ嬢に会うのが楽しみだ。
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