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ち、違う・・・イメージしていた冒険者ギルドは古びた木造の建物だと、ドアだって西部劇に出てくるような2枚の板があるだけだと想像していた。
それが目の前には落ち着いた雰囲気の煉瓦造りの立派な3階建ての建物。
ここに来るまでにすれ違った冒険者風の男女がイメージそのままだったからこの建物は予想外だ。
まだ10歳の私が1人で入ることを護衛達に止められ、冒険者経験のある護衛2人と一緒に入ることになった。
その間は兄姉には冒険者ギルドの向かい側にあるカフェで待ってもらうことにした。
フォーライト公爵家の騎士団は身分問わずフォーライト公爵家に忠誠を誓っている者の集まりだとか。
何より完全実力主義で例え平民だろうが、人格に問題が無いければ上にあがれるそうだ。
この2人も以前冒険者だった時に、お父様に助けられた事があるそうで『魔王様に忠誠を!』とか訳の分からないことを言っている。
我が領地にはダンジョンが2つあるらしく、他のダンジョンがある領地よりも遥かに冒険者にとって、充実したバックアップと公正な素材買取りなど冒険者には最も信頼ができる人気のある領地だそうだ。
冒険者ギルドも我が領には4つある。
1つはここ。
2つ目は広大な領地の中央。
3つ目、4つ目は2つあるダンジョンの地域。
我が領では冒険者を受け入れるが、領民に理不尽に怪我をさせたり迷惑をかけるようなことをすれば二度とフォーライト領で冒険者として受け入れられなくなるそうだ。
ここまで教えてもらってドキドキする胸を押えてドアに手を掛けた。
いざ!出陣!
建物内は大きく3つに分けられていた。
当然入口も3つある。
簡単に説明をすると、中央がカウンターで依頼を受け付けるところ。
右側のドアは食事も出来るが酒場のようになっている。
左側が冒険者が各自依頼を選んだり紹介されるところ。
もちろん、壁で仕切られていてその様子は伺えない。
・・・・・・。
事務的な中央出入口を出て、次は左側のドアから入ってみた。
!!
これよコレ!
まさにイメージしていた光景がそこにはあった。
掲示板の前には冒険者たちがひしめき合い我先にと条件のいい依頼を奪い合っている。
中には落ち着いた冒険者もいてソファで寛いでいる。護衛たちに聞けばランクが上の者ようだ。
なるほど・・・上位ランクの冒険者なら依頼を取り合わなくても仕事は向こうからやって来るとか・・・。
次は右側、ここは食事も出るが朝からでもお酒を飲めると聞いた。
酔っ払いに絡まれたりしないか少し不安だがドアを開けた。
・・・まだお昼前だからだろうか、閑散としている。それに見る限りでは酔っ払いもお酒を呑んでいる人もいなさそう。
!!!突然強い視線を感じた。
警戒しながらそっちへ視線を向けると、まだ少年とも言える若い男が面白いものを見つけたとばかりに口角を上げていた。
ちょいちょいと『こっちに来い』と、指だけを曲げて誘っている。
引き寄せられるように自然と身体が動こうとするのを護衛達に止められた。
『お嬢様、若く見えても彼は相当な実力者です。我らとて敵うかどうか・・・』
『命懸けでお守りしますがどうか慎重に』
「大丈夫。少し離れていて」
だって彼を視界に入れた瞬間何故だか胸の奥から込み上げてくるものがあったから。
それが何なのか確認せずにはいられない。
内心はビクビクしながらもそれを顔に出さないように彼の目の前に立った。
近くで見れば生意気そうな顔立ちだ。
けれど黒髪に黒目の彼に親近感が湧いてくる。
「まあ座れよ」
彼から目を逸らすことなく言われた通りに座った。
テーブルが小さいせいか距離が近い。
「お前転生者だろ?」
突然告げられた言葉に何も返せず固まる私にまた彼の言葉は続いた。
「へぇ~"神の加護"に"創造魔法"か。ははっお前神に愛されているね~」
「な、なんで・・・」
家族にも秘密にしていた事をどんどん言い当てられる。誰かに聞かれていないか周りに視線を巡らせる。
「ああ、お前がここに入って来た時に鑑定したからな。それと防音魔法で周りには俺たちの会話が聞かれることは無いから安心しろ」
!!!
私の持っている"神の加護"と"創造魔法"は私と同等かそれ以上の魔力量且つ鑑定魔法が使用できる人にしか見られなかったはず・・・
ドンピシャで当てられたのはそういう事だ。
「そんなに警戒するな。誰にも言わないさ。それに俺も転生者だ」
何でもない事のように告げられた言葉に心臓が止まるかと思った・・・
彼が本当に転生者だとしたら・・・他にも・・・
「俺以外の転生者には初めて会ったな」
さっきから心を読まれているかのようだ。
「俺も大概魔力は多いが、お前のように加護や創造魔法はない。ふっ、同じ転生者ならワクワクしただろう?魔法や魔物のいる世界でダンジョンまである。・・・それにお前は強くならなければならない。違うか?」
な、何で分かるの?
驚きよりも彼が不気味で怖い・・・
「ああ、怖がるな。俺の相棒がお前が今日ここに来ることを予知した。そして俺にお前を鍛えろとな」
予知?
「お前にも今度相棒を紹介するさ。・・・ここまでで聞きたいことは?」
「・・・貴方に教えを乞えば本当に私は強くなれるの?」
「ああ」
「信じていいの?」
「俺達は裏切らない。強くなりたいんだろ?今のままだと・・・お前死ぬぞ」
ヒュっ息が詰まる。
自然とガタガタと震えだした体は震えを止めようとしても思うようにいかない。
「大丈夫だ。落ち着け。俺達はお前を死なせない為にフォーライト領まで来たんだ。俺達を信じろ」
いつの間にか隣に来ていた彼がポンポンと背中を優しく撫でる。
ああ、優しくて温かい手だ・・・信じてみよう。
今の弱い私を彼が強くしてくれると言うなら信じてみよう。
それに予知をしたという相棒にも話が聞きたい。
それが目の前には落ち着いた雰囲気の煉瓦造りの立派な3階建ての建物。
ここに来るまでにすれ違った冒険者風の男女がイメージそのままだったからこの建物は予想外だ。
まだ10歳の私が1人で入ることを護衛達に止められ、冒険者経験のある護衛2人と一緒に入ることになった。
その間は兄姉には冒険者ギルドの向かい側にあるカフェで待ってもらうことにした。
フォーライト公爵家の騎士団は身分問わずフォーライト公爵家に忠誠を誓っている者の集まりだとか。
何より完全実力主義で例え平民だろうが、人格に問題が無いければ上にあがれるそうだ。
この2人も以前冒険者だった時に、お父様に助けられた事があるそうで『魔王様に忠誠を!』とか訳の分からないことを言っている。
我が領地にはダンジョンが2つあるらしく、他のダンジョンがある領地よりも遥かに冒険者にとって、充実したバックアップと公正な素材買取りなど冒険者には最も信頼ができる人気のある領地だそうだ。
冒険者ギルドも我が領には4つある。
1つはここ。
2つ目は広大な領地の中央。
3つ目、4つ目は2つあるダンジョンの地域。
我が領では冒険者を受け入れるが、領民に理不尽に怪我をさせたり迷惑をかけるようなことをすれば二度とフォーライト領で冒険者として受け入れられなくなるそうだ。
ここまで教えてもらってドキドキする胸を押えてドアに手を掛けた。
いざ!出陣!
建物内は大きく3つに分けられていた。
当然入口も3つある。
簡単に説明をすると、中央がカウンターで依頼を受け付けるところ。
右側のドアは食事も出来るが酒場のようになっている。
左側が冒険者が各自依頼を選んだり紹介されるところ。
もちろん、壁で仕切られていてその様子は伺えない。
・・・・・・。
事務的な中央出入口を出て、次は左側のドアから入ってみた。
!!
これよコレ!
まさにイメージしていた光景がそこにはあった。
掲示板の前には冒険者たちがひしめき合い我先にと条件のいい依頼を奪い合っている。
中には落ち着いた冒険者もいてソファで寛いでいる。護衛たちに聞けばランクが上の者ようだ。
なるほど・・・上位ランクの冒険者なら依頼を取り合わなくても仕事は向こうからやって来るとか・・・。
次は右側、ここは食事も出るが朝からでもお酒を飲めると聞いた。
酔っ払いに絡まれたりしないか少し不安だがドアを開けた。
・・・まだお昼前だからだろうか、閑散としている。それに見る限りでは酔っ払いもお酒を呑んでいる人もいなさそう。
!!!突然強い視線を感じた。
警戒しながらそっちへ視線を向けると、まだ少年とも言える若い男が面白いものを見つけたとばかりに口角を上げていた。
ちょいちょいと『こっちに来い』と、指だけを曲げて誘っている。
引き寄せられるように自然と身体が動こうとするのを護衛達に止められた。
『お嬢様、若く見えても彼は相当な実力者です。我らとて敵うかどうか・・・』
『命懸けでお守りしますがどうか慎重に』
「大丈夫。少し離れていて」
だって彼を視界に入れた瞬間何故だか胸の奥から込み上げてくるものがあったから。
それが何なのか確認せずにはいられない。
内心はビクビクしながらもそれを顔に出さないように彼の目の前に立った。
近くで見れば生意気そうな顔立ちだ。
けれど黒髪に黒目の彼に親近感が湧いてくる。
「まあ座れよ」
彼から目を逸らすことなく言われた通りに座った。
テーブルが小さいせいか距離が近い。
「お前転生者だろ?」
突然告げられた言葉に何も返せず固まる私にまた彼の言葉は続いた。
「へぇ~"神の加護"に"創造魔法"か。ははっお前神に愛されているね~」
「な、なんで・・・」
家族にも秘密にしていた事をどんどん言い当てられる。誰かに聞かれていないか周りに視線を巡らせる。
「ああ、お前がここに入って来た時に鑑定したからな。それと防音魔法で周りには俺たちの会話が聞かれることは無いから安心しろ」
!!!
私の持っている"神の加護"と"創造魔法"は私と同等かそれ以上の魔力量且つ鑑定魔法が使用できる人にしか見られなかったはず・・・
ドンピシャで当てられたのはそういう事だ。
「そんなに警戒するな。誰にも言わないさ。それに俺も転生者だ」
何でもない事のように告げられた言葉に心臓が止まるかと思った・・・
彼が本当に転生者だとしたら・・・他にも・・・
「俺以外の転生者には初めて会ったな」
さっきから心を読まれているかのようだ。
「俺も大概魔力は多いが、お前のように加護や創造魔法はない。ふっ、同じ転生者ならワクワクしただろう?魔法や魔物のいる世界でダンジョンまである。・・・それにお前は強くならなければならない。違うか?」
な、何で分かるの?
驚きよりも彼が不気味で怖い・・・
「ああ、怖がるな。俺の相棒がお前が今日ここに来ることを予知した。そして俺にお前を鍛えろとな」
予知?
「お前にも今度相棒を紹介するさ。・・・ここまでで聞きたいことは?」
「・・・貴方に教えを乞えば本当に私は強くなれるの?」
「ああ」
「信じていいの?」
「俺達は裏切らない。強くなりたいんだろ?今のままだと・・・お前死ぬぞ」
ヒュっ息が詰まる。
自然とガタガタと震えだした体は震えを止めようとしても思うようにいかない。
「大丈夫だ。落ち着け。俺達はお前を死なせない為にフォーライト領まで来たんだ。俺達を信じろ」
いつの間にか隣に来ていた彼がポンポンと背中を優しく撫でる。
ああ、優しくて温かい手だ・・・信じてみよう。
今の弱い私を彼が強くしてくれると言うなら信じてみよう。
それに予知をしたという相棒にも話が聞きたい。
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