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結果よければ、すべてよし
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パーティー会場を出てきたグレースは、清々しい気分で庭園を歩く。
「よかったんですか?」
隣からマーキスが言った。
「結局、お嬢様が、さらし者になったけだじゃないですか」
「アーキンドーの名前を覚えてもらったって、思えばいいのよ。良くも悪くも、少しでもウチの店に興味を持ってくれて、一人でもお客様になってくれたら、万々歳じゃない。アフォードは見栄っ張りだから、今日のお客も上流階級の人たちばかりよ? いい宣伝になったわ」
「……お嬢様」
「いいの」
不満そうなマーキスに、グレースは微笑んだ。
代金が未払いの物は、そのほとんどが返却されることになっていた。それでも返品できない、インテリアや食器類については、分割で代金が支払われることになった。
「何より、絵画は戻ってくるんだもの。ゴッポもダピンチも、すぐに買い手がつくわ。今は、オーバッカのおじい様が買った時より、値段は爆上がりしてるし。大もうけよ!」
「本当の目的はそちらで、初めから慰謝料をぶんどるつもりなんて、なかったんですね?」
グレースはそれには答えず、「それにしても」と、話を変える。
「あなたが、あんなにケンカっ早いなんて、今まで知らなかったわ」
「そりゃあ、うちのお嬢様が悪く言われれば、腹も立ちます」
「言っておくけど、ああ見えて、アフォードは、子供の頃から護身術を習ってるから、結構、強いわよ?」
「大丈夫です。武術なら、俺も子供の頃から、ずっと習ってましたから」
「へぇ」
うなずいて、グレースはマーキスを見た。
身近な存在でありながらも、個人的なことは、よく知らなかった。
マーキスがグレースの父に連れられ、商会に来たのは三年前。面倒を見てほしいと頼まれたらしい。しかし、父が二つ返事で、引き受けてしまうほどの人物が誰なのかは、グレースも知らない。父親は教えてくれなかった。
彼のジェントルな言動から、没落した貴族の息子だろうかとグレースは妄想したりしているが。それを本人に尋ねたこともない。
むくむくと湧き上がってくる興味に、聞いてみようかと、口を開いた矢先。お呼びがかかった。
「グレース」
声をかけてきたのは、メチャエーヒト侯爵夫人。アーキンドー商会の上得意様だ。
とびきりの美女でスタイルも抜群であるが、その姿はグレースが子供の頃から、一切、変わっていなかった。
「とんだ茶番劇だったわね」
うんざりした顔で言う夫人に、グレースは礼を言った。
『まぁ、白々しいわね』
開き直ったネトリーンを非難した声は、夫人のものだった。
「まったく、二人そろって見苦しいんだもの。オーバッカ家も、あんなのが次の当主だなんて、うちも付き合いを考え直さなくてはね。あなたも、あんなしょうもない男と、結婚しなくてよかったじゃない」
「そうですね」
「あなたが望むなら、いくらでも相手を紹介してあげるわ。アフォードよりも上等な殿方と結婚して、見返してやりなさい」
そう言って、夫人はウインクしてみせた。今回の騒動に対する彼女なりの励ましだろう。そう思って、グレースは、ありがとうございますと答えたのだったが。
「それで、あなたの好みは、どんなタイプかしら? 背は高い方がいいの? 顔は、そりゃあ、男前がいいわよねぇ?」
夫人の方は案外、本気だったのか、グイグイと迫って来た。
そこへ。
「ベアトリス様」
グレースと夫人の間に、マーキスが体をすべりこませて来た。
「あら、マーキス」
夫人の顔に、満面の笑みが浮かぶ。心なしか、声も半トーンほど上がって聞こえた。
「仕事もいいけど、たまには、顔を見せにいらっしゃいな」
夫人は、すっとマーキスの頬に手を伸ばし、優しく微笑む。
マーキスは時々、父親の補佐役として、商談についていくこともあるから、夫人と面識があってもおかしくはない。
でも、この親しげな雰囲気は……。
グレースまでもドキドキしてしまう。
もしかして、これが世に言う『若い愛人』なのか。
マーキスと、夫人が……。
思わず、エッチな妄想を思い浮かべてしまって、グレースはブンブンと頭を振る。
ない、ない、ない。
熱くなった顔を、パタパタと手であおぐ。
いくら、美女とはいえ、夫人にはマーキスよりも年上の子供がいたはず。その子供たちもすでに結婚していて、確か、今年、孫娘が生まれたのではなかったか。
「グレース、マーキスをよろしく頼むわね」
「え、あぁ、はい」
反射的に、うなずいてしまったグレースだったが。一体、何をよろしくすればいいのか。
「では、またね」
夫人の後ろ姿を見送って、グレースは思いきってマーキスに尋ねた。
「夫人とは、どういう関係なの?」
「関係、ですか……」
マーキスはしばらく考え込んだあと、「まあ、一言で言えば」と、再び、口を開いた。
その前置きに、グレースは小さくつばを飲みこんだ。
「ベアトリス様は、父の妻にあたる人です」
「父の……妻?」
その言葉の意味するところが、一瞬、グレースには理解できなかった。
「よくあるでしょう。金持ちの中年エロオヤジが、若い娘に手を出してって、やつですよ。俺の母親は、侯爵家のメイドだったんです。産後のひだちが悪くて、俺を産んですぐに死んでしまいましたけど。それで、俺はベアトリス様に育てられたんです」
「それって、つまり、お母さん?」
「みたいなものですね」
自分の生い立ちを、あっけらかんと話すマーキス。
「そうだったの。ごめんなさい」
謝ったグレースに、マーキスは首を振る。
「俺は恵まれています。ベアトリス様には我が子同然に育てていただきましたし、義兄や義妹も、めちゃくちゃいい人だし」
それにと、マーキスがグレースに微笑んだ。
「こうして、お嬢様にも出会えましたから」
真正面からの言葉に、グレースの胸がドキンとはねた。
今まで全く意識なんてしなかったのに。勝手に顔は熱くなり、心臓がスピードを上げる。
「お嬢様、どうかしましたか?」
「なっ、何でもないわ! 行きましょう!」
グレースは慌てて、マーキスに背を向けた。
よくよく考えてみれば。
仕事はできるし、性格も悪くない。顔だって、好みと言える。
もし、先ほどの夫人の質問『あなたの好みのタイプは?』に答えていたら。あるいは、自分の好みを寄せ集めたら、彼になるのではないか?
グレースはちらりと、マーキスへ目をやる。
トクトクと胸を打つ鼓動は、恋心なのか。それが分かるまでは、もうしばらくかかりそうだ。
「これから、どうしようかな?」
グレースは、ゆっくりと歩き出す。
「どこまでも、ついて行きますよ」
隣からマーキスが答えた。
─ 終 ─
「よかったんですか?」
隣からマーキスが言った。
「結局、お嬢様が、さらし者になったけだじゃないですか」
「アーキンドーの名前を覚えてもらったって、思えばいいのよ。良くも悪くも、少しでもウチの店に興味を持ってくれて、一人でもお客様になってくれたら、万々歳じゃない。アフォードは見栄っ張りだから、今日のお客も上流階級の人たちばかりよ? いい宣伝になったわ」
「……お嬢様」
「いいの」
不満そうなマーキスに、グレースは微笑んだ。
代金が未払いの物は、そのほとんどが返却されることになっていた。それでも返品できない、インテリアや食器類については、分割で代金が支払われることになった。
「何より、絵画は戻ってくるんだもの。ゴッポもダピンチも、すぐに買い手がつくわ。今は、オーバッカのおじい様が買った時より、値段は爆上がりしてるし。大もうけよ!」
「本当の目的はそちらで、初めから慰謝料をぶんどるつもりなんて、なかったんですね?」
グレースはそれには答えず、「それにしても」と、話を変える。
「あなたが、あんなにケンカっ早いなんて、今まで知らなかったわ」
「そりゃあ、うちのお嬢様が悪く言われれば、腹も立ちます」
「言っておくけど、ああ見えて、アフォードは、子供の頃から護身術を習ってるから、結構、強いわよ?」
「大丈夫です。武術なら、俺も子供の頃から、ずっと習ってましたから」
「へぇ」
うなずいて、グレースはマーキスを見た。
身近な存在でありながらも、個人的なことは、よく知らなかった。
マーキスがグレースの父に連れられ、商会に来たのは三年前。面倒を見てほしいと頼まれたらしい。しかし、父が二つ返事で、引き受けてしまうほどの人物が誰なのかは、グレースも知らない。父親は教えてくれなかった。
彼のジェントルな言動から、没落した貴族の息子だろうかとグレースは妄想したりしているが。それを本人に尋ねたこともない。
むくむくと湧き上がってくる興味に、聞いてみようかと、口を開いた矢先。お呼びがかかった。
「グレース」
声をかけてきたのは、メチャエーヒト侯爵夫人。アーキンドー商会の上得意様だ。
とびきりの美女でスタイルも抜群であるが、その姿はグレースが子供の頃から、一切、変わっていなかった。
「とんだ茶番劇だったわね」
うんざりした顔で言う夫人に、グレースは礼を言った。
『まぁ、白々しいわね』
開き直ったネトリーンを非難した声は、夫人のものだった。
「まったく、二人そろって見苦しいんだもの。オーバッカ家も、あんなのが次の当主だなんて、うちも付き合いを考え直さなくてはね。あなたも、あんなしょうもない男と、結婚しなくてよかったじゃない」
「そうですね」
「あなたが望むなら、いくらでも相手を紹介してあげるわ。アフォードよりも上等な殿方と結婚して、見返してやりなさい」
そう言って、夫人はウインクしてみせた。今回の騒動に対する彼女なりの励ましだろう。そう思って、グレースは、ありがとうございますと答えたのだったが。
「それで、あなたの好みは、どんなタイプかしら? 背は高い方がいいの? 顔は、そりゃあ、男前がいいわよねぇ?」
夫人の方は案外、本気だったのか、グイグイと迫って来た。
そこへ。
「ベアトリス様」
グレースと夫人の間に、マーキスが体をすべりこませて来た。
「あら、マーキス」
夫人の顔に、満面の笑みが浮かぶ。心なしか、声も半トーンほど上がって聞こえた。
「仕事もいいけど、たまには、顔を見せにいらっしゃいな」
夫人は、すっとマーキスの頬に手を伸ばし、優しく微笑む。
マーキスは時々、父親の補佐役として、商談についていくこともあるから、夫人と面識があってもおかしくはない。
でも、この親しげな雰囲気は……。
グレースまでもドキドキしてしまう。
もしかして、これが世に言う『若い愛人』なのか。
マーキスと、夫人が……。
思わず、エッチな妄想を思い浮かべてしまって、グレースはブンブンと頭を振る。
ない、ない、ない。
熱くなった顔を、パタパタと手であおぐ。
いくら、美女とはいえ、夫人にはマーキスよりも年上の子供がいたはず。その子供たちもすでに結婚していて、確か、今年、孫娘が生まれたのではなかったか。
「グレース、マーキスをよろしく頼むわね」
「え、あぁ、はい」
反射的に、うなずいてしまったグレースだったが。一体、何をよろしくすればいいのか。
「では、またね」
夫人の後ろ姿を見送って、グレースは思いきってマーキスに尋ねた。
「夫人とは、どういう関係なの?」
「関係、ですか……」
マーキスはしばらく考え込んだあと、「まあ、一言で言えば」と、再び、口を開いた。
その前置きに、グレースは小さくつばを飲みこんだ。
「ベアトリス様は、父の妻にあたる人です」
「父の……妻?」
その言葉の意味するところが、一瞬、グレースには理解できなかった。
「よくあるでしょう。金持ちの中年エロオヤジが、若い娘に手を出してって、やつですよ。俺の母親は、侯爵家のメイドだったんです。産後のひだちが悪くて、俺を産んですぐに死んでしまいましたけど。それで、俺はベアトリス様に育てられたんです」
「それって、つまり、お母さん?」
「みたいなものですね」
自分の生い立ちを、あっけらかんと話すマーキス。
「そうだったの。ごめんなさい」
謝ったグレースに、マーキスは首を振る。
「俺は恵まれています。ベアトリス様には我が子同然に育てていただきましたし、義兄や義妹も、めちゃくちゃいい人だし」
それにと、マーキスがグレースに微笑んだ。
「こうして、お嬢様にも出会えましたから」
真正面からの言葉に、グレースの胸がドキンとはねた。
今まで全く意識なんてしなかったのに。勝手に顔は熱くなり、心臓がスピードを上げる。
「お嬢様、どうかしましたか?」
「なっ、何でもないわ! 行きましょう!」
グレースは慌てて、マーキスに背を向けた。
よくよく考えてみれば。
仕事はできるし、性格も悪くない。顔だって、好みと言える。
もし、先ほどの夫人の質問『あなたの好みのタイプは?』に答えていたら。あるいは、自分の好みを寄せ集めたら、彼になるのではないか?
グレースはちらりと、マーキスへ目をやる。
トクトクと胸を打つ鼓動は、恋心なのか。それが分かるまでは、もうしばらくかかりそうだ。
「これから、どうしようかな?」
グレースは、ゆっくりと歩き出す。
「どこまでも、ついて行きますよ」
隣からマーキスが答えた。
─ 終 ─
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