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君とのキスは、幸福味。 ※エロ有※
しおりを挟む食事して戯れ合い、片付けて戯れ合い、そしてお笑い番組視聴中にも戯れ合うという新婚生活顔負けのイチャイチャを発揮し続け、ようやく優勝者が内定した頃には時刻は夜の22時を回っていた。
画面の内側では冴えない中年達がトロフィーと賞金ボードを掲げている。緊張から解き放たれ、目尻には涙の雫。頭上からは彼等を祝福する大量ほ紙吹雪が降っていた。
雪弥はひとつ欠伸をする。
もうテレビには興味がないようだった。いや元々どちらもお笑い好きというわけではなく、単に優勝者が誰なのか気になったからとりあえず流していたに過ぎない。現に夏史の方も視聴中、何度か欠伸をかましていた。
そうこうするとエンドロールが流れ終え、報道番組に切り替わる。
僅かに疲労感を滲ませた女性アナウンサーが原稿を読み上げるだけのニュース版三分クッキ、いやこの場合はルッキング?。まあどうでもいいか。
二つ目のニュースが読み上げられようとしたところでテレビを消した夏史が雪弥は連れて洗面所に向かう。
犯る準備のため……というのではなく――元々夏史には今日セックスするとは言ってない――ただ単に寝る前の歯磨きだ。
洗面所に響くシャコシャコ音。時折それで音楽を奏でているような感じもするが、二人とも狙ってやっているわけではなく、単純に仲良く歯磨きしているのだというのが窺える。
だがしかし、今日の雪弥は一味違う。
鏡越しに夏史――正確にはその股間――を見る。あと2、30分後には胎内に挿れて搾り取る予定のモノ。
雪弥の熱視線に気付いた夏史がよだれでも溢したのかと疑問を抱き、歯ブラシの手を止めて視線の先を追う。だが残念ながらそこには何もない。
首を傾げ不思議がること三拍。
思い至ったらしい夏史は急いで口を濯ぎ、赤い顔のまま告げる。
「こっ、これは生理現象だから」
どうやら軽く勃起していたらしい。別に見咎めたわけではないのだが、夏史はそう受け取ったようだ。しかしこれから襲う気満々の雪弥からしてみれば寧ろ好ましい知らせだ。鴨が葱を背負ってくる、いや、飛んで火に入る夏の虫……くらいには嬉しい。
絶対にいま鎮めてなるものか。決意を新たに歯磨きを終えた雪弥は下着ごとズボンを下ろし、上着の釦を一つ一つといていく。もちろんやや恥じらいながら、ゆっくりと。
当然それを直視した夏史の喉仏は大きく揺れ、目は食い入るようにそこから動けない。そして一見なんともないように見えた股間が、一瞬にして小山を築く。まさに完勃ちである。
(良かった……。まだちゃんと僕で興奮してくれてる)
ほっと胸を撫で下ろす。
自ら取り決めた事とはいえ、一年間清い交際を続けていたが故に、実は少しだけ案じていたのだ。
もしどうやっても勃たせられなかったらどうしよう、と。
しかしそんな事は無かった。
今も邪魔な布を精一杯押し上げ、先端から漏れ出た我慢汁で染みを生産し拡大させている。それにともない徐々に荒くなる呼吸と欲に濡れた瞳が切なげに揺れる。
襲いたい。犯したい。繋がりたい。そう全身で訴えていた。それでも決して実行に移さないのは最後の試練だと捉えてか、それとも雪弥のお許しを待っているのか。その場から微動だにせず、固まっている。
雪弥自身もここで止める気はさらさら無い。本当はまだ焦らすつもりだったし時間もあるが、もうどうでもいい。
全裸のまま夏史の手を取り、自分は洗面台の前に立つと背後の彼に見せつけるように尻の穴を広げて、か細く強請る。
「夏くん……ほぐして」
羞恥と期待、渇望を孕んだ声。同時に向けられた雄膣の入り口も今か今かと待ち侘びて、陸に打ち上げられた魚のようにそこをクパクパと開閉する。
「い、いいの?」
「ん。夏くんの、ほしいの」
(その太くて逞しくておっきいもので、めちゃくちゃにされて……あの時みたいに僕のナカでたくさんたくさん出してほしい)
「……分かった。痛かったら言って」
「あぅっ!」
唾液で濡らした夏史の指が雄膣に差し挿れられる。自分のものとは異なる圧迫感に一瞬息が詰まるも下の口は待ってましたとばかりに指を頬張り、もっと奥へと蠢く。
「雪。ここ少し柔らけぇけど、もしかして自分で準備してた?」
「ンァっ、ん。ほんとは、あっ、もすこしあとに、アァ、寝込み、おそうつもりでぇ、ひんっ!」
調理を行う前に指と持ち込んだ大人のお道具で丹念に洗浄し、それどころか恥を忍んで購入した通称電動コケシを用いてアナニーしてましたとは口が裂けても言えない。内壁を傷つけないよう緩慢な指の動きに焦れた雪弥は鏡の裏の棚に置いておいた温感ローションを彼に手渡す。既に半分ほど消費してしまったけれどあと一回分なら問題ないだろう。
甘酸っぱい香りとともに温感湿布を貼った時のような冷たいそれが皮膚を通して全身に伝わる。もっとも直ぐに人肌で霧散し、再開した甘い刺激と恥ずかしい水音でそれどころではなくなったけれど。
「……ここ気持ちいい?」
「ンぅっ、ァ、いっ、でっ、も、そこばっかり、とんとんしないれぇ」
「だぁめ。ちゃんと解さねえと雪が痛い思いすっからな」
「そっ、だけどぉ」
夏史の正論に、対抗出来うる反論のない雪弥は泣き落としに出ることにした。
「夏くんの欲しいよぉ、いじわるしないでぇ」
「っ…………雪。あんま煽らないで」
扇情的に腰を揺らして振り返る雪弥に、夏史の理性はなんとか寸でのところで堪えられた。
くちゅ……くちゅ……くちゅ……ぬぷっ、ぬぽっ。ややあって粘性のある水音に変化が混じった。
「あぁんっ!」
「いまニ本目入ったぞ。三本スムーズに抜き差し出来るようになるまで、もう少し我慢な」
「ながいぃ……あッ、あ、ぁん、はっ、あっ、ん゛ぅ、も、イきたっ」
「一回イっとこ」
「やぁ、だ、イくのは夏くのおちんちんがいい、ァ、よぉ」
雪弥は嫌だ嫌だと駄々をこねては涙を流す。だが夏史の方もどうにか理性を総動員して耐えているような状態で股間のマグナムは更に膨張し、布地のシミ部分も更なる拡大を見せており、こちらも限界が近いのだと分かる。だがしかし肝心の雪弥はそこまで気が回らない。
「夏くんの、夏くんの欲しいよぉ」
目が溶けんばかりに泣いて泣いて、夏史の太くて硬くて逞しい男根を掴まんと手を伸ばすも、その手は虚しく空をきるだけ。すると背後の夏史が舌打ちとともに指を抜き、乱暴に自身の前を寛げた。露わになる凶悪な肉の棒。
「それぇ、それちょうらい」
「いまコンドームつけるから待って」
「やぁ、ナマでいい、ナマでいいからぁ!」
「このっ。痛かったら悪いっ!」
その肉棒の先を入り口に押し当て、吸いついたのと同時にぬるりとナカへ侵入する。一応指三本入るまで拡張したとはいえ、全てを納めるまでは至らない。浅く緩く時間をかけて前に進む。
その度、ナカを灼熱で擦られる度、雪弥の瞼が震え、甘い快感が微弱な電流となって全身を駆け巡る。
全て挿入る頃には二人の額には玉のような汗が浮かび、荒い呼吸が室内に響き渡った。長い、長い道のりだった。力が抜けた所為で洗面台に倒れ込んだ雪弥はその状態のまま自身の腹に手を当てた。どくんどくん。腹の奥で脈打つおちんちんが愛おしい。
そんな風に思っていると、覆い被さってきた夏史が首元へ吸い付いた。そして雪弥を自分の物だと言わんばかりにその体に所有の証を幾つも刻みこんでいく。
「ゆき、ゆき、ゆき」
「あっ……ん……なつ、く」
後ろはチクチク、ナカはドクドク。まるでクイズのようなそれを受け入れること暫し、切羽詰まった声で話しかけられる。
「悪い。もう動く」
上半身を起こした夏史は雪弥の腰を掴んで律動を開始する。一年前の最後の荒々しい腰使いとは違う、雪弥を気遣った優しい動き。最奥まで入り込み、そこからゆっくりと引き抜かれてまたナカへ舞い戻る。
そうして何度も何度も繰り返していたそれが徐々に速度を増し、ある一点を突く。そこは最も雪弥が感じる場所。雪弥の心臓が大きく跳ね、口からは甲高い声を発する。
「あ、そこ、そこ、もっとついて、あっ、あ、んっ、はっ、ンンン!」
「っ。雪、あんま締めつけんな」
「む、りぃ……あっ、あっ、まだ、僕、イって、のにぃ」
「わるい。もう少し」
淫らな音と、肌と肌のぶつかり合う乾いた音が激しくなる。絶頂を極めたばかりの身体はその刺激に降りることさえ許されず、甘イキを繰り返す。
「ひ、あっ、ぁあっ、あっ、いっ」
「っく。俺も、出る」
「んァ……だ、してぇ……なか、あっ、なかぁ!、あああん!」
夏史のおちんちんが最奥を突いた瞬間、白い欲望が爆発した。長い長い射精。どれだけ注ぐつもりなんだと腹の中に注がれた熱の熱さに堪らず腰を揺らすと、淵からとろとろと溢れ出したそれが重力に従って床へ落ちる。
「はぁ……はぁ……すごっ……ん、あっ、はぁん!」
最後の一滴を流し終えたおちんちんがゆっくりと身体から抜かれた。役目を終えたモノが遠離り、僅かな寂しさを覚えた刹那、身体を反転させられ片足を持ち上げられた雪弥は、ひくんと腰を揺らした。ああ、まだ終わりではないのだ。
ぼんやりとした頭で下を見れば、先ほど出ていったばかりのおちんちんがまた雪弥の後孔めがけて入ろうとしているところだった。
「ん、いいよ……あっ、あ、いい、もっと、もっとふかく、あいして」
「ゆき、ゆきっ」
ちゅぶっと濡れた音を響かせて夏史のおちんちんの雁首が埋まる。そうして白濁を流しつつ収縮を続けるそこに再び熱いモノが帰ってきた。通常であれば萎えているだろうそれをビンビンにおっ勃たせ、いやそれ以上に膨張し、見開いた雪弥の両目からは歓喜の涙がこぼれて頬を伝った。
宥めるよう夏史の舌が這い、その終わりが合図であるかのように二回戦が始まった。抽挿に合わせ、内側に留まった精液がぶちゅっぶちゅっと間抜けな音を奏でる。恥ずかしい。恥ずかしいのに今はそれすら雪弥を興奮させる。
「あっ、あ、ぁん、あっ、は、ぁ、ぁあっ、い、ああぁん」
背面と正面。穿つ角度が異なっても、どれだけ雪弥が身を捩らせようとも、夏史は正確に弱い場所を狙って突いて擦って焦らして、雪弥を甘い快楽の沼に落としていく。
頭がバカになりそうだ。目の奥に幾度も星が瞬き、上半身を支えるために洗面台についた手が少し痛い。
「雪、好き、好きだ」
「ん、あっ、ぼ、くも、あっ、すき、すきぃ」
求められるままにキスに応じる。
その際、おちんちんが抜けてしまうもすぐに雪弥のナカに出戻った。
「はぅん……んちゅ、んんっ、ぷはっ……くしゅん」
「やっぱ洗面所は寒いな。雪、そのまま俺にしがみついて」
「こう?……あぁっ!」
繋がったままの雪弥を夏史が抱っこする、駅弁スタイル。対面立位より深い挿入に雪弥の身体が震え、射精を伴わない絶頂が極まる。
「ぁ……あ、あぁ」
「ごめん。けど寝室まで我慢な」
「やっ、ぁん、ふつー、に、ンんっ、はこんで、よぉ」
涙目で縋り付く雪弥に夏史は意地悪く笑うと、リビング、寝室と移動した。
「とーちゃく」
「あぅ」
「いっぱい愛し合おうな、雪」
「ん。……夏くん、だいすき」
ベッドの脚が軋む音を何処か遠くのように聞きながら、二人は丑三つ時に回るまで深く深く愛し合った。
そして、翌日。
二人で飾ったクリスマスツリーの元に雪弥が隠した二つの指輪を見つけた夏史が号泣し、また雪弥を襲ってベッドの住人と化させるのはもうちょっと後の話。
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感想ありがとうございます。
はい、ほぼ陥落してしまいました(笑)
さくら夏目様の仰る通り、こういうのはBLだから成り立つ話ですよね。頂いたコメントを読む度に握手したい気持ちでいっぱいです。
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雪弥的には滅茶苦茶それが腹立ってました。
タグは……単純に乗せるのを忘れてました。すみません<(_ _)>
乱交サークルは裏設定として夏史の親が大学への多額寄付をしている為、学校側も迂闊に手を出せず見て見ぬ振りをしているという状態です。
まあ実際は即ガサ入れされますね(笑)
はじめまして
絶対に雪ちゃんは屑夏史に絆されて欲しくないですね😓
悪質過ぎますよ最初薬盛って関係持たせてズルズル都合良くやりやがって💢
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更新楽しみにしてます✨
感想ありがとうございます。
屑攻めを書くならパンチ効かせなければと試行錯誤した結果、パンチから機関銃ぶっ放したキャラクターを爆誕させてしまいました。
私も読者側に回ったら正直、確実に、なんでコイツ好きなん?はよ次の恋いけやとドン引く自信しかありません。
これから雪弥がどうなるのか、夏史が諦めるのか、秋麿が粘るのか。それぞれがどうなるのか今後もお付き合い頂ければ幸いです。
近頃、寒くなってまいりましたが、お風邪を召されませんようどうかご自愛ください。