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なんで僕を庇ったの?
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父からの贈り物は推理小説だった。
雪弥がかねてより追うアメリカの作家が執筆した最新巻だ。
既に翻訳含め電子版が幾つかの場で購入可能らしいが、雪弥のそれは辞書並に分厚い、原文そのままの本だった。
頁の左端。末尾をなぞり終えた指で次の紙を捲る。
日本とは異なる左開き、紙質、匂い、湾曲な言い回しを好まない作家の台詞回し――そのどれもが雪弥の心を掴んで離さない珠玉の品だ。
特に体を壊してからバイトを減らさざるを得ない今は最高の娯楽である。
家はもちろん講義の空き時間、帰宅までの隙間時間があれば晴天に限り、彼はこうして外で読書に耽っていた。
一応学内にもそういった場は設けられてはいたが、そういう場所は往々にして陽の者達の溜まり場だ。
私語や騒音は日常茶飯事。更には個人利用者への揶揄という質の悪いオプション付き。静寂を好む人間には地獄のような空間だ。
ゆえに思う存分本の世界に没入したい雪弥は空いている長椅子を占領する。
最新巻の内容は、前回にて無鉄砲皮肉屋問題児三拍子揃った悪い警察官のお手本主人公を庇い、凶弾に倒れた相棒とその彼が遺した事件の手がかりを頼りに一人捜査していた主人公が新たな事件に巻き込まれるというもの。
焦燥と苛立ち、後悔。主人公ケインの心情を自分の解釈でかみ砕きながら読み進めること暫し、いつの間にか空の色が茜色に染まった頃、疎らだった人通りがサークルや部活動に勤しむ者達で賑わいを見せ始める。
今日はここまでにしよう。
未だ興奮冷めやらぬ意識の中、父手製の、漢字で薔薇を書こうとして失敗した薔薇の花片付き押し花栞――但し焦げている――を挟んで本を閉じる。
その時である。
誰かの危ないという切羽詰まった叫びに面を上げた瞬間、雪弥の頭上に野球ボールらしきものが迫っていた。
あ、これ駄目だ。
世界がゆっくりと、まるでスローモーションのように流れ、回避は不可能と他人事のように結論づけた刹那、ボールではない“何か”が彼の視界を塞いだ。次いでバコッという衝突音が聞こえてくる。
その一拍遅れで、雪弥は自分を覆った何かが衣服であり、且つ、誰かに庇われたのだと気付く。同時にその鼻先にシトラスの香りがした。
低いうめき声を上げた誰かが倒れていく。
「…………え」
雪弥の目が大きく見開く。
木霊する甲高い耳障りな悲鳴。
平時であれば顔を顰め、耳を塞ぎたくなるそれが今の雪弥には届かない。
「おい、これヤバいんじゃねえか」
「え、なに。何があったの」
「誰か先生呼んでこい!」
硬直したまま、目線は下。
須天夏史がそこにいた。
切れ長の目は閉じられ、眠ったようにその場から動かない。
「あ、あ……」
体中から血の気が引き、表現しがたい戦慄が全身の皮膚を這いずり、呼吸が荒くなっていく。死。その一文字が雪弥の脳内容量を圧迫する。
「もしかして死んでるんじゃ」
「死んでない!」
否定の叫びに雪弥は我に返る。
すると雪弥に脅迫され返している後藤秀頼がいた。彼は夏史の脈を取り、自身の携帯を取り出すと速やかに119番に繋ぎを入れる。
その後は血相を変えて訪れた教師陣への連絡、消防隊員への誘導要請、その他諸々を手慣れた様子でこなす。
五分後、救急隊員に搬送されていく夏史を呆然と眺めながら、サイレンの音が遠離るのを雪弥はただ見送った。
完全に聞こえなくなっても、噂を聞きつけ駆けつけた秋麿に呼ばれても。
「ねえ、雪ちゃん。本当に大丈夫? なんだったら俺、バイト休んで傍についててもいいんだよ」
玄関先にて、高熱の子供を心配する親のように秋麿が言う。
あの後、秋麿によって回収された雪弥は問答無用で家に送り届けられ、今は彼を心配し、出勤を渋る秋麿をどうにか送りださんという真っ最中だった。
「だから僕は大丈夫だってば」
「でも」
「でももカカシもないの。秋くんが行かないと皆が困るでしょ」
「……分かった。けど何かあったら直ぐに連絡して。食欲なくてもご飯食べてちゃんとお薬飲むんだよ」
「秋くん、お母さんみたい。ん、分かった。秋くんはバイト頑張って」
名残惜しそうに出て行く秋麿を見送り、足音が聞こえなくなった頃合いを見計らい、壁に寄り掛かる。
しんと静まり返る室内。
雪弥はきつく目を瞑る。
脳裏に浮かぶのは、倒れ伏した夏史の姿だ。
「なんで……」
右手で反対の腕をきつく握る。
雪弥の疑問に答える者はいない。
彼は大丈夫だろうか。本当に死んだりしないだろうか。重い後遺症なんて出ていないだろうか。
怖くて怖くて堪らなくて、その場に膝を突いた彼は小さく啜り泣く。
ピコン。ポケットに仕舞っていた携帯が鳴り震える。きっと心配性の秋麿だろうと、携帯を取って画面を開く。
「っ、」
通知主は、後藤秀頼。
何故か夏史を乗せた救急車に一緒に乗っていた彼からだった。
もしや、と小刻みに揺れる指でどうにかトーク画面を表示する。
『気にしてるかなって思ったので連絡しました』
『夏史は無事です』
『念のため、今日は検査入院するそうです』
『入院先は、東丸島宮尾病院』
夏史は無事。
その一言を目にした瞬間、雪弥の中で渦巻いていた不安が消え去り、深い安堵の感情が全身に広がる。
「よかった……」
呟いた声は涙ぐんでいた。
けれどそれも新たに送信された文章によって戸惑いに変わる。
『俺、いま夏史の保護者が来るまで病室にいるんだけど用事があってあんまり長くいられないんです』
『他の友達に訊いてはいるんだけど、誰も捕まらなくて』
『こんな事を雪君に頼むのは筋違いだって分かってるんだけど、ちょっとだけ頼めないですか』
『場所は東丸島宮尾病院。七階の特別室です』
行きたい。行きたくない。
相反する二つがぶつかり合って、胸が苦しい。
「っ、」
迷いは三分。雪弥は最低限の装備を身に付けて家を出た。幸いにも東丸島宮尾病院は雪弥のかかりつけだ。
必死に走って夏史と秀頼が待つ特別室前に到着する。
「あ、来た……って雪君、大丈夫!?」
扉前。汗だくの雪弥を見るなり、秀頼がぎょっとした顔を浮かべる。
「だ、い……じょ、ぶ、です」
「あ、これ。夏史の私物」
「はぁはぁ。た、たしかに」
紙袋に入れたそれを雪弥に渡した秀頼は、泣きそうに表情を歪める。
「雪君、本当にすみませんでした」
「……それ今言います?」
「ほんとそうだね」
自嘲気味に笑った秀頼はそれだけ言うと、じゃあと踵を返す。
見送りはしない。彼が離れるのと同じタイミングで重い扉に手を掛ける。
中はホテルのような空間だ。
看護師も医師もいない、穏やかな寝息だけが聞こえる。
「夏史、先輩?」
入室した途端、重くなった足をどうにか動かし、雪弥は夏史のいるベッドに近付いた。
穏やかな寝顔だ。
雪弥に気付かない彼の胸がゆっくりと上下に揺れる。
生きてる。ちゃんと生きている。
傍に置かれた椅子に座り、両手で顔を覆う。
「……良かった。良かったよぉ」
雪弥の嗚咽が響く。
ぼろぼろと目が溶けんばかりに涙を流し、触れた夏史の手は温かい。
そっと握り返してくれる。
あんなに酷い事をされたのに。
騙されないって誓ったのに。
「……なんでまだ好きって気持ちが消えないんだよぉ」
どのくらい時間が経っただろうか。
涙袋から水分が消え、目尻が痛くなった頃、特別室の扉が開く。
驚いて振り抜くと、そこには和服の似合う中年の美女が立っていた。
年の頃からいって夏史の母親だろう。
「貴方、誰?」
「あ、俺は夏史先輩の後輩です。先輩は俺を庇って怪我をして」
申し訳ありませんでした、と頭を下げようと立ち上がった刹那。
「ふぅん。あれも人様の役に立てるのね。どうせならそのまま死んでくれれば良かったのに」
「…………え」
雪弥がかねてより追うアメリカの作家が執筆した最新巻だ。
既に翻訳含め電子版が幾つかの場で購入可能らしいが、雪弥のそれは辞書並に分厚い、原文そのままの本だった。
頁の左端。末尾をなぞり終えた指で次の紙を捲る。
日本とは異なる左開き、紙質、匂い、湾曲な言い回しを好まない作家の台詞回し――そのどれもが雪弥の心を掴んで離さない珠玉の品だ。
特に体を壊してからバイトを減らさざるを得ない今は最高の娯楽である。
家はもちろん講義の空き時間、帰宅までの隙間時間があれば晴天に限り、彼はこうして外で読書に耽っていた。
一応学内にもそういった場は設けられてはいたが、そういう場所は往々にして陽の者達の溜まり場だ。
私語や騒音は日常茶飯事。更には個人利用者への揶揄という質の悪いオプション付き。静寂を好む人間には地獄のような空間だ。
ゆえに思う存分本の世界に没入したい雪弥は空いている長椅子を占領する。
最新巻の内容は、前回にて無鉄砲皮肉屋問題児三拍子揃った悪い警察官のお手本主人公を庇い、凶弾に倒れた相棒とその彼が遺した事件の手がかりを頼りに一人捜査していた主人公が新たな事件に巻き込まれるというもの。
焦燥と苛立ち、後悔。主人公ケインの心情を自分の解釈でかみ砕きながら読み進めること暫し、いつの間にか空の色が茜色に染まった頃、疎らだった人通りがサークルや部活動に勤しむ者達で賑わいを見せ始める。
今日はここまでにしよう。
未だ興奮冷めやらぬ意識の中、父手製の、漢字で薔薇を書こうとして失敗した薔薇の花片付き押し花栞――但し焦げている――を挟んで本を閉じる。
その時である。
誰かの危ないという切羽詰まった叫びに面を上げた瞬間、雪弥の頭上に野球ボールらしきものが迫っていた。
あ、これ駄目だ。
世界がゆっくりと、まるでスローモーションのように流れ、回避は不可能と他人事のように結論づけた刹那、ボールではない“何か”が彼の視界を塞いだ。次いでバコッという衝突音が聞こえてくる。
その一拍遅れで、雪弥は自分を覆った何かが衣服であり、且つ、誰かに庇われたのだと気付く。同時にその鼻先にシトラスの香りがした。
低いうめき声を上げた誰かが倒れていく。
「…………え」
雪弥の目が大きく見開く。
木霊する甲高い耳障りな悲鳴。
平時であれば顔を顰め、耳を塞ぎたくなるそれが今の雪弥には届かない。
「おい、これヤバいんじゃねえか」
「え、なに。何があったの」
「誰か先生呼んでこい!」
硬直したまま、目線は下。
須天夏史がそこにいた。
切れ長の目は閉じられ、眠ったようにその場から動かない。
「あ、あ……」
体中から血の気が引き、表現しがたい戦慄が全身の皮膚を這いずり、呼吸が荒くなっていく。死。その一文字が雪弥の脳内容量を圧迫する。
「もしかして死んでるんじゃ」
「死んでない!」
否定の叫びに雪弥は我に返る。
すると雪弥に脅迫され返している後藤秀頼がいた。彼は夏史の脈を取り、自身の携帯を取り出すと速やかに119番に繋ぎを入れる。
その後は血相を変えて訪れた教師陣への連絡、消防隊員への誘導要請、その他諸々を手慣れた様子でこなす。
五分後、救急隊員に搬送されていく夏史を呆然と眺めながら、サイレンの音が遠離るのを雪弥はただ見送った。
完全に聞こえなくなっても、噂を聞きつけ駆けつけた秋麿に呼ばれても。
「ねえ、雪ちゃん。本当に大丈夫? なんだったら俺、バイト休んで傍についててもいいんだよ」
玄関先にて、高熱の子供を心配する親のように秋麿が言う。
あの後、秋麿によって回収された雪弥は問答無用で家に送り届けられ、今は彼を心配し、出勤を渋る秋麿をどうにか送りださんという真っ最中だった。
「だから僕は大丈夫だってば」
「でも」
「でももカカシもないの。秋くんが行かないと皆が困るでしょ」
「……分かった。けど何かあったら直ぐに連絡して。食欲なくてもご飯食べてちゃんとお薬飲むんだよ」
「秋くん、お母さんみたい。ん、分かった。秋くんはバイト頑張って」
名残惜しそうに出て行く秋麿を見送り、足音が聞こえなくなった頃合いを見計らい、壁に寄り掛かる。
しんと静まり返る室内。
雪弥はきつく目を瞑る。
脳裏に浮かぶのは、倒れ伏した夏史の姿だ。
「なんで……」
右手で反対の腕をきつく握る。
雪弥の疑問に答える者はいない。
彼は大丈夫だろうか。本当に死んだりしないだろうか。重い後遺症なんて出ていないだろうか。
怖くて怖くて堪らなくて、その場に膝を突いた彼は小さく啜り泣く。
ピコン。ポケットに仕舞っていた携帯が鳴り震える。きっと心配性の秋麿だろうと、携帯を取って画面を開く。
「っ、」
通知主は、後藤秀頼。
何故か夏史を乗せた救急車に一緒に乗っていた彼からだった。
もしや、と小刻みに揺れる指でどうにかトーク画面を表示する。
『気にしてるかなって思ったので連絡しました』
『夏史は無事です』
『念のため、今日は検査入院するそうです』
『入院先は、東丸島宮尾病院』
夏史は無事。
その一言を目にした瞬間、雪弥の中で渦巻いていた不安が消え去り、深い安堵の感情が全身に広がる。
「よかった……」
呟いた声は涙ぐんでいた。
けれどそれも新たに送信された文章によって戸惑いに変わる。
『俺、いま夏史の保護者が来るまで病室にいるんだけど用事があってあんまり長くいられないんです』
『他の友達に訊いてはいるんだけど、誰も捕まらなくて』
『こんな事を雪君に頼むのは筋違いだって分かってるんだけど、ちょっとだけ頼めないですか』
『場所は東丸島宮尾病院。七階の特別室です』
行きたい。行きたくない。
相反する二つがぶつかり合って、胸が苦しい。
「っ、」
迷いは三分。雪弥は最低限の装備を身に付けて家を出た。幸いにも東丸島宮尾病院は雪弥のかかりつけだ。
必死に走って夏史と秀頼が待つ特別室前に到着する。
「あ、来た……って雪君、大丈夫!?」
扉前。汗だくの雪弥を見るなり、秀頼がぎょっとした顔を浮かべる。
「だ、い……じょ、ぶ、です」
「あ、これ。夏史の私物」
「はぁはぁ。た、たしかに」
紙袋に入れたそれを雪弥に渡した秀頼は、泣きそうに表情を歪める。
「雪君、本当にすみませんでした」
「……それ今言います?」
「ほんとそうだね」
自嘲気味に笑った秀頼はそれだけ言うと、じゃあと踵を返す。
見送りはしない。彼が離れるのと同じタイミングで重い扉に手を掛ける。
中はホテルのような空間だ。
看護師も医師もいない、穏やかな寝息だけが聞こえる。
「夏史、先輩?」
入室した途端、重くなった足をどうにか動かし、雪弥は夏史のいるベッドに近付いた。
穏やかな寝顔だ。
雪弥に気付かない彼の胸がゆっくりと上下に揺れる。
生きてる。ちゃんと生きている。
傍に置かれた椅子に座り、両手で顔を覆う。
「……良かった。良かったよぉ」
雪弥の嗚咽が響く。
ぼろぼろと目が溶けんばかりに涙を流し、触れた夏史の手は温かい。
そっと握り返してくれる。
あんなに酷い事をされたのに。
騙されないって誓ったのに。
「……なんでまだ好きって気持ちが消えないんだよぉ」
どのくらい時間が経っただろうか。
涙袋から水分が消え、目尻が痛くなった頃、特別室の扉が開く。
驚いて振り抜くと、そこには和服の似合う中年の美女が立っていた。
年の頃からいって夏史の母親だろう。
「貴方、誰?」
「あ、俺は夏史先輩の後輩です。先輩は俺を庇って怪我をして」
申し訳ありませんでした、と頭を下げようと立ち上がった刹那。
「ふぅん。あれも人様の役に立てるのね。どうせならそのまま死んでくれれば良かったのに」
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