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情報量が多い!④ ※後半フェラ有

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 因みに提案したお試し期間だが、中身は企業の試用期間に近い。
 彼方は採用者の勤務状態を見、能力や適格性を判定し、雇用継続か否かを判別するに対し、仮交際で様子を見るというものだ。
 期限は一ヶ月。
 主な内容は、
 ・本音で意見し合う。
 ・価値観の尊重。
 ・喧嘩は長続きさせない。
 ・愛情表現は適度に。
 ・不満や悩みは溜め込まない。
 ・性交渉の一方的な強要はNG。
 ・隠し事は極力しない。
 ・出来るだけ嘘をつかず誠実に。
 ・浮気はしない。
 ・コントロールしようとしない。
 全て当たり前の項目ばかりだが、俺にとっては颯斗への想いを断ち切って新たに踏み出す期間。レオにとっては俺の本性を知ってもらう為の期間だ。
 我ながら臆病だなと思ったが、肝心のレオから鬼気迫る顔で『適度な愛情表現って何処までセーフ!?』と斜め上の質問をしてきて気が抜けた。
 今はセーフラインを知り、俺を抱えて座りながら上機嫌で鼻唄を歌う。
 ちょっと音程の外れた優しい歌。

「フンフンフフフーン」
「それ、なんて歌?」
「俺の故郷の歌だよ。祭りの時に皆で歌うんだ。あ、嫌だった?」
「ううん。好き」

 背もたれにしたレオの手を弄る。
 柔らかさの残る俺の手と違い、長年剣を握ってきた硬くて厚い男の手。

「ねぇ、レオ」
「なーに」
「レオの話しも訊いていい?」
「俺の? あんまり楽しい話しではないけど」
「聞きたい。それに俺には男性遍歴も女性遍歴もスリーサイズも全部聞いておいてこっちはレオの事何も知らないのはその……なんかヤダ」

 最後の方だけ尻窄みになる。
 多分鏡を見たら俺の耳はさぞ赤くなっていることだろう。

「ユニは可愛いなぁ」
「つ、付き合う相手の事を知りたいと思うのは一般的だよ」
「うんうん」
「ちょっ、耳ハムハムするのやめて」
「……嫌?」
「嫌ではないけど擽ったい。ひゃん」
「ユニの耳美味しい」
「ん、やぁ」

 ぱしぱしと腕を叩くも、余程気に入ったのか、レオは暫く俺の耳を甘噛みしたり舐めたりと堪能する。

「はふぅ……」
「うん、満足!」
「それは、良かったね」
「それでえっとなんだっけ。俺の男性と女性遍歴?」
「ん」
「いないよ。正真正銘ユニが初めて」
「……本当?」
「本当本当。幼少の時からそんな暇なかったし」

 話しをする為、いやスキンシップしたいだけか、彼は俺を横向きに抱え直す。

「何かあったの? んっ」
「そういえばユニには話してなかったよね」
「俺には?」

 何度も何度もリップ音を鳴らし、頬へキスの雨を降らせていた唇が、俺の唇を食む。
 確かに童貞丸出しの拙い動きだ。
 少しだけ俺の中の悪魔が疼き、意趣返しと指南を込めて残っていた桃の欠片を口にいれてディープキスを仕掛けた。

「ちょっ、ユニ、んンっ!」

 ちゅっ、ちゅく、じゅる。
 舐めて、吸って……互いに甘い唾液を交換しては飲み込む。幾度か繰り返すと、学習能力の高いレオは徐々に応えようと喰らいついてきた。

「ぷはっ」
「ふふっ。本当に俺が初めてだったね。っ!」

 悪戯が成功した子供のように笑うと、尻の辺りに硬いものが当たった。
 それがレオのレオさんだと気付いた瞬間、体中に甘い痺れと火照りが走る。

「れっ、レオ」
「……ごめん」
「ううん。俺の方こそごめん」

 レオの方も同じだった。
 上気した頬と潤んだ瞳を向けられて、俺の股間にも熱が集まっていくのが判った。

「あ、ユニも」
「……えいっ」

 沈黙を破ってもう一度口付ける。
 今度はバードキスだ。

「あの、さ」
「う、うん」
「…………する?」
「それは駄目っ!」

 いきなりの大声に身体がびくりと揺れる。けれどそれ以上に拒否された事実が瞳を濡らした。

「あ、ああ。ごめん。驚いたよね。泣かないで!」
「俺とセックスするの嫌?」
「セッ、寧ろ凄くヤりたいです!」
「じゃあ」
「でも先生にユニは病み上がりだから激しい運動は控えるよう言われてるんだ」
「大丈夫だよ」
「俺が大丈夫じゃないの」

 今繋がったら最後、●●●ピー●で●●●ピーして●●●ピーしたくなっちゃう!
 と、馬鹿デカい声で力説するレオに、後ろがきゅんと疼いた俺も大概、変態だと思う。

「それに初めては一ヶ月経ってから、優しく抱くって決めてるんだ」
「我慢出来るの?」
「出来、る!」
「こんななのに?」

 ぐりっ、と臀部で刺激すれば、苦しげに呻きつつ、レオのレオさんは更にBIGに育った。

「っ。ユニ、それ止めて」
「やだ」
「良い子、だから」
「じゃあ俺のお願いきいて」
「だからそれは」
「アナルセックスじゃないから。いいでしょ」
「く。判った。判ったから」

 よっしゃ。
 心の中でガッツポーズを決め、彼の気が変わらない内に、足の間に跪き、レオのレオさんを取り出した。
 赤黒く張り詰めたそれが、てらてらと先走りを溢している。
 鼻先に香る雄の臭い。
 違うとはいえ、かつての俺を蹂躙した同じ男性器。拝見するまでは何処かで恐怖を感じていたが、実際前にすると真逆の感情が湧き上がる。

「ちょっ、ユニ。何して」
「おっきい……」
「ぅあ」

 キャンディーを舐めるように、先走りを舐め取る。
 塩っぱくて苦い雄臭い味。
 なのに嫌悪感は何処にもなくて、頭がクラクラする。これでナカを突かれたらヘルブリンの記憶も上書きされるだろうか。
 そんな事を思案しながら、レオのレオさんを口に咥える。
 大きく張ったエラを上顎に引っ掛かけながらも喉奥に招き入れる。嘔吐きそうになるも、気合いで抑え、舌と口で丹念に愛撫する。

「ん、はっ、ユニ、それ駄目」
「ひゃだ」

 レオの感じ入った声音に、腰がずぅんと重くなった。それがとても嬉しくて、俺は頑張って頭を前後させて彼を絶頂に導く。

「ユニ、離れて。で、射精る!」

 絶対に飲もうと決めていたのに、レオの力に軍配が上がった。
 生温かい精液が俺の顔にぶちまけられる。顔の表皮が白濁と熱で覆われ、濃い栗の花の香りが、がつんとくる。

「はぁ……はぁ……あ、ユニ、ごめ」
「ん。気持ちよかった?」
「う、うん。とっても」
「じゃあ次は素股しよ」
「――――え?」
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