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新たな脅威⑫ ※異種姦。ドエロ注意!
しおりを挟む気味の悪い双眸が通路へ向く。
先に広がるのは薄暗い闇。時折、風に煽られた松明がゆらゆらと揺れる。
何も居ない。居るのは王と王の慈悲を受ける雌のみだ。
そのまま情事再開かと思われた矢先、突如、ヘルブリンの眼球が人には難しい左右非対称の動きを見せる。
右へ左へ上へ下へ。
忙しなく移動していたそれが軈て元の位置に着地する。そしてこれ以上なく口角を吊り上げた。
石台を降り、彼は右手を闇、否、次元の狭間に通し、そこから蛇の装飾のついた呼び鈴を取り出した。
軽く傾けると場違いなほど涼やかな音色が鳴る。
時間にして一分。
「お呼びでございましょうか。ヘルブリンさ、まっ!?」
ヘルブリンの前に現れ、跪いたのっぺらぼうもとい配下は面を喰らう。
自分を呼びつけた主が、まさか男の象徴フル勃起で待ち構えていては、当然といえば当然だ。
だがヘルブリンは気にしない。
「先程、我の知る気配を感知した」
「ヘルブリン様の」
「貴様の記憶を見せろ」
「は?……グアァアアア!!」
ヘルブリンの手が男の頭を鷲掴んだ途端、辺りに静電気にも似た破裂音と青い光が明滅する。男にとっては地獄のような三分間だっただろう。
目当てのものを得たヘルブリンは拘束を解き、泰然と腕を組む。
「やはりローフェウスか」
「ハァ、ハァ。ヘルブリン様。ローフェウスとは」
「眼帯の男だ」
「ロキ、でございましょうか」
「ロキ?」
またあれを喰らってはたまらないとばかりにロキについて詳細を語る。
「――という事でございます」
「奴め。悪魔でありながら人の世に紛れておったか」
「いっ、如何致しましょうか?」
「折角だ。お前が存分にもてなせ。その為の力もくれてやろう」
再度、男の手を鷲掴み、いや顔面に手を突き入れた。
二回目の男の絶叫。
軟体のように躰が揺らぎ、軈て男の色が深蘇芳に変わる。
「う、あ」
「期待しているぞ。あぁ、これは貰っておく。下がれ」
何時の間にか、ヘルブリンの手に小瓶が渡っていた。男に負けない黒緑の液体が瓶の中でちゃぷりと奏でる。
毒ではない。それは冒険者御用達、激マズ気付け薬だった。
彼は躊躇いなく口に含み、抱き起こしたユニの口へ流し入れる。
「ん、くっ……ゴホッ」
効能通り、刺激的な味の悪さにユニが目を覚ます。数回咳き込んで漸く息を整えるも、未だ快楽の残る体は重く、何処かぼんやりとしていた。
「口直しだ」
再度重ねられた唇から甘い液体が流れ込む。林檎に近いそれに、水分を欲したユニは抵抗なく受け入れる。
三度ほど繰り返すと、対価のように貪るような口吻がユニを襲った。
「ん、ン、ふ、ぅん……ぷはっ」
銀糸の糸が、たらりと落ちる。
けれどまた直ぐに塞がれる。
角度を変えて何度も何度も、舐めては吸われ、ユニは感覚の薄い下半身がまた重くなっていくのを感じていた。
その最中、ヘルブリンがフィンガースナップを一つ鳴らす。
すると硬い石台だったそこが一転、最高級の寝具に形を変える。
キングサイズの天蓋ベッドだ。
彼はその中央にユニを寝かせ、両手は緩い万歳の状態にし、手首を蛇で寝具に縫い止める。
「はぁー、はぁー」
先程の飲み物は催淫の類か、はたまた思考を削ぐものか。とろんと蕩けた茶色がヘルブリンを見上げていた。
彼はユニの股の間に移動し、その腰の下にクッションを配置する。
しとどに濡れた窄まりがヘルブリンの前に差し出される。排泄の為のそこが、今はもう雄を受け入れるだけの孔として収縮を繰り返す。
「挿れるぞ」
「あっ……んンっ」
灼熱の棒が媚肉に触れ、汚くも淫らな音を立てて差し入れられた。
指とは比べ物にならない圧迫感にユニが甘く呻き、軈てヘルブリンの陰毛とユニの皮膚が触れ合う。
ヘルブリンは感嘆の息を漏らした。
「ユニよ」
「は……はぁ……」
「此処に我のモノが入っておるぞ」
「んぅ!」
胎の紋を撫でた刺激に、噛み殺した声があがる。
「っ、そう締めつけるな」
僅かに引いた陰茎で奥を突けば、ユニの躰が大きく跳ねた。
ヘルブリンは味わうように巧みに腰を揺らし、ユニを高みへと押し上げていく。
「ん、ん……んぅ……あ……くっ」
「どう、だ。今まで其方が咥えたどの男より、我の方が、良かろう」
事実、彼の性技はずば抜けていた。
最後の抵抗か、必死に喘ぐまいとするユニの口から、時折、甘い息を吐き出させるほどには群を抜いている。
快感を散らそうとユニが首が振る。
「……そうか」
「ひぁあっ!」
抽挿が止み、怒張が引き抜かれる。
そして拘束を解いたユニを俯せに転がし、尻だけ高く上げさせると、背後から一気に刺し貫く。
「あああーーっ」
瞬間、彼の控えめな愚息が蜜を吐き出した。強烈な快楽の奔流に目の奥に星が瞬き、撓った背が元に戻る。
「ハァ、ハァ……!? やっ、まだイって、イってる、からぁ!」
再びヘルブリンの陰茎がユニの内側を掻き回す。強く揺さぶられる度、ユニの先端が僅かな蜜を飛ばした。
皮膚と皮膚のぶつかり合う、乾いた音。まるで今までが児戯であったかのように激しい水音と悲鳴にも似た喘ぎがひっきりなしに鳴り続ける。
「ん、あ、まっ、へ、もっ、やめっ、うっ、あぁっ……ん゛んッ、んぁあ、あ、んっ、やっ、あァ!」
「誰が一番だ」
「え……あうっ……ああんっ!」
「答えよ。其方を最も悦がらせた男の名を」
「ああっ……んあうっ……ん、絶対に、……いわな…ァ…い」
背後のヘルブリンが微かに笑う。
そして更に律動を速めた。
「あぎぃっ!」
「一度出すぞ」
がつんと穿たれた直後、胎の中に大量の精が流し込まれる。同時に強制的に押し上げられた絶頂が落雷のようにユニの全身を痙攣させる。
制御不能な快楽という暴力。殴打された患部がじくじくと熱を孕み、見開いた目からは大粒の涙が音もなく流れ落ちる。
腰を回し、残滓を塗り込むように擦りつけながらヘルブリンが囁いた。
「これで終わりではないぞ」
「――――ああッ!」
埋め込まれた熱杭が引き抜かれ、体勢を変えて再度、根元まで侵入した。
横にしたユニの後ろに寝転がったヘルブリンが、彼の左足を持ち上げた状態で挿入する所謂“背面測位”だ。
先程とは異なる角度のそれに喉元が引き攣る。
射精したばかりだというのに、ヘルブリンのものはもう硬さを取り戻していた。そして内臓を押し上げる勢いで引いては奥深くまで穿つ。
その度に胎の中で攪拌された精が聞くに耐えない音を鳴らし、耳を犯す。
「も……抜い……ぁ、あっ……うっ……やぁッ」
二度の絶頂から休む間もなく何度も揺すられて、止めようとした手に力はなく、ただ添えるだけの形となっている。
「抜けという割に此処は我を引き留めて離さんぞ」
耳触りな笑い声が耳朶を打つ。そうして下から滑りこんだ指が胸の尖りを引っ掻き、ユニの躰を弄ぶ。
「あぁん」
「ククッ。胸を弄られるのが好きか。よく締めつけてくるではないか」
「あ……あっ……あぁ……いう、ァ、なぁ!」
啼くユニの後頭部にヘルブリンがキスの雨を振らせる。そのせいで僅かに角度が変化しながらも、ヘルブリンはユニの弱い部分を抉り、彼から高音のメロディーを奏でさせる。
「善い音だ。もっと聞かせろ」
「ひぁ、や……そこ、やぁ……あっ……あ……あン……も、あっ、あ……だ……めぇ」
汗と唾液でぐちゃぐちゃに濡れたユニの顔に、いや口にヘルブリンが指を入れる。
「んぅ……う……うぶ」
ばらばらに動くそれが舌を絡め、時に引っ張り、軈て満足した指はヘルブリンの舌で舐め取られる。
「甘いな」
「ん……はっ、はぁっ、ぁぁ…ッ!!」
「どれ、もう一度種付けしてやるか」
「ぅ、あ……ひ……あ、んぅぅぅっ!!」
胎の奥に次の熱が噴き出された。どくどくと流したそれがユニの腹をぽっこりと膨らませる。
「……善かったぞ、ユニ」
「う、あ、ぁあ」
「褒美に貴様を我が后としてやろう」
「!!……ひぐっ、や……んぁああア!!」
脱力しきった躰を持ち上げられ、胡座をかいたヘルブリンの上に座らされる。自重により怒張が更に奥が暴き、自由になった脚は痺れて、爪先がピンと伸びる。
汚れたユニの顔面を舐め取り、何時の間にか全裸になったヘルブリンが言う。
「今宵は時の許す限り、其方を可愛がってやろう」
「アァッ」
双丘を掴まれ、上に上げては何度も何度も落とされる。
ばちゅん、ばちゅん、ばちゅん。
ぐぽっ、ぬちゅ、ずぼっ。
音と同等に、最高級の寝台が軋むその姿は二人の情交の激しさを物語る。
「ん……あ、あ……あぁ、あっ……い、や……ぁん、あぁん!」
「もっとだ。もっと乱れ狂え」
松葉崩し、騎乗位、撞木反り、立ち鼎、後ろ櫓――。
ヘルブリンは言葉通り様々な体位を駆使してユニを貪り、穴倉からは一晩中、淫らな音が止む事はなかった。
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