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大森林ダンジョン、おかわり⑦ ※少し異種姦

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「ユニっ!」

 レオが俺へと手を伸ばす。
 けれど一歩遅かった。
 俺達の手は指先を掠めるに終わり、俺はエビルトレントの傍ら、あの初回体験した木の檻に手荒く収容された。
 背打ちの衝撃に一瞬息が詰まる。
 目の奥に星が瞬き、反動で俺の身体は前へ傾いた。そして本来ならこの時、誰もが防衛反応により自然と手を突き出す筈なのだが、何故か今の俺はそれが適わなかった。
 顔面強打で意識消失は免れたものの、ぶつかった鼻はやはり痛かった。
 遅れて大人の腕ほどはあろう木の根が、俺のの上腕二頭筋と胸筋、背面をぐるりと囲んでいたのに気付く。
 何時の間にと、これでは手が出なかった訳だと疑問と納得が一緒に飛来する。
 一先ず起き上がろうと腹筋に力を入れるが、拘束状態且つ疲労した肉体では少し時間がかかる。故にまず周囲の状況を把握すべく、傍らのトレントに目線をやる。
 すると、奴は俺達という新たな闖入者に注意を払う様子もなく、ひたすらに少年を貪っていた。視界全面に、彼の泥濘んだ後孔を激しく犯す茸陰茎の姿。
 光よりも速く羞恥が走った。
 粘着質のある水音、か細い嬌声、汗と強い精液の臭い。全てが嫌でも伝わってくる。
 被害者である少年は既に拒否する力も奪われたのか、陽に焼けていないその色白の肢体をトレントに預け、揺さぶられるままだ。

「あっ、……っ、ん。や、……ぁあっ」

 彼の顔が此方を向く。
 その瞬間、雷の如き衝撃が全身を貫いた。
 熟れた桃を思わせる美しい髪、潤んでいながらも澄んだ晴天に似た鮮やかな青の瞳。
 俺は彼を知っている。
 あの日、床に叩きつけたゲーム。
 そのパッケージの中央に描かれたあの可愛らしい少年が、そこにいた。
 何故。どうして。
 開いた口が塞がらない俺に、エビルトレントは腰を振ったまま、少年と同じ方向へ顔を動かした。
 目も鼻も口もない、のっぺらぼう。
 その顔面が俺を『視る』。
 そして――『嗤った』。
 途端、身体中の血液が凍るような恐怖が全身を駆け巡る。
 奴が今、俺に話し掛けた。
 奴に声帯はない。だが奴は今、声なき声で俺に言ったのだ。
 次はお前の番だぞ、と。

 歯と歯がカチカチと音を鳴らす。
 恐怖に戦慄く俺にエビルトレントは、細腰を掴んでいた右手を離し、俺にその掌を見せる。待て……のジェスチャーではなかった。
 一拍して何かが俺の腰を高く上げ、勢いよく下衣を引き摺り降ろした。
 外気に晒された肌がぶるりと震える。
 これから何が起こるか。一瞬にして察し、直ぐさま逃亡を試みるが、温度のない手がそれを阻む。

「この、はな……っ!」

 睨みつけようと振り向いた目が、これ以上なく開く。俺の腰を掴んでいたのは人ではなかったからだ。
 牢獄から伸びた樹木の手。
 しかもそれは一対ではなかった。
 新たに三本の手が現れ、内二つが俺の尻、双丘を割り開き、残りの手が硬く閉じた窄まりを撫で回し始める。

「や、やだ。レオ、皆っ!」

 助けを求め、前方を見る。
 だがしかし、正面に居た仲間達は何時の間に地中から伸びた無数の木の根に阻まれ、その姿は全く判らない。
 目の前が真っ暗に染まった。
 同時に木の中指が、つぷんとナカに差し込まれた。当然ナカは異物の侵入を拒んで締めつけるが、それが余計指の形を感じ取る。
 厚くて長くて硬い。

「あ、くっ……この、抜け、ひっ」

 突如、ばしゅっと何かナカで弾ける。
 熱い白濁とは真逆の冷たい液体。
 その時だ。
 心臓が跳ね、腹の奥がきゅんと疼く。合わせて中指が液体を塗り込み、広げるように内壁を刺激する。最初は優しく撫で、やがて浅く弱く抜き差しを開始する。
 そして指は徐々にナカの勢力を広げ、その速度を上げていく。
 パンパン。ジュポッジュポッ。
 少年と俺の淫らな音楽が鼓膜を揺らした。

「あ゛っ!」

 指の先がある一点を掠めた刹那、強烈な快楽が全身に走る。
 すると中指は一旦動きを止め、まるで学習したようにそこばかり執拗に突き始める。

「や、そこ、だめ……あ、あ、ぁア」

 身を捩って避けたいのに、腰の手がそれを許さない。それどころかわざと腰を動かし、まるで俺が自ら求めているかのような動きを強要する。
 俺はきつく目を閉じた。
 直後、ぬぷっと音を立てて二本目の指がナカに入ってきた。執拗な愛撫により泥濘んだそこは難なく侵入者を迎え入れる。

「や、待って……あ、あ、はや、ぃい」

 チカチカと目の奥に大きな星が瞬く。
 だが本日三度目の快楽は俺の身体には負担が大きかったらしい。
 それを最後に俺の身体は力が抜け、意識は深く深く下へ落ちていった。









「邪魔だぁああああ!」

 雄叫びを上げ、剣を振るう手に力を込める。細い根に巻き付かれながら、レオは生い茂る障害物を斬り払う。
 神をも殺せそうな鬼気迫るその気迫に、攻撃を受けていない根達が一時的に姿を隠し、道を作る。その道をレオは躊躇いなく進む。
 今の彼に後退の二文字はない。
 あるのは前進。ユニを、大切な仲間を救う、ただ一つの想いのみ。

「はぁあああ!」
「おい、レオ。熱くなんな!!」
「五月蝿いっ! ユニ、ユニっ! 待ってて。今、今行くから!」

 ずんずんと先を行くレオにラムが舌を打つ。

「クソっ。完全に頭に血ぃ昇ってやがる」
「どうすル、ラム?」
「決まってんだろ。なるべく固まってレオを追う」
「了解ダ」

 答えたグノーが周りを確認する。
 二歩ほど離れた場所にロキがいて、更にその横に頭部を押さえ、苦しげに呻くオズがいた。

「あ、あたまが、いたい」
「こんな時にかよっ!」
「仕方ありません。彼は私に任せて、二人はレオさんを」
「お前……」

 意外にもオズのフォローに回ったのはロキだった。彼はオズを自分の後ろに置き、少しずつ入り口側へ後退する。

「……死ぬなよ」
「待ってロ。直ぐに倒してくル」

 固まるよりは二手に分かれて大元を叩くべきだと判断してだろう。
 ラムとグノーはレオを追い、やがてその姿は見えなくなる。







「さて、任せろと言いましたが、少し面倒ですね」

 うごうごとうねる根に、ロキがぽつりと呟く。前門の根、後門のオズ。
 表情は全く変化はないが、端整な顔に汗が一滴流れ落ちる。

「オズさん。出来るだけその場を動かないでくださいね」
「う、あ、」
「オズさん?」
「あ、あ、うがぁああああああ!」

 オズの咆哮が響き渡る。
 その場にいた誰もが動きを止めた。
 そしてロキの隻眼に映る彼が、頭部に添えていた手を、だらりと下へ下ろす。

「オズ、さん?」
「クハッ」

 表情の見えない彼が嗤う。

「クハハハ、ハッーハッハッハ。俺様、完 全 ふっかーつ!!」
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