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これである程度掃除が終わったかな?
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『侵入者に告げます!現在この建物は閉鎖されています。速やかに外に出てください。従わない場合は排除行動を行います』
ハルトが建物内部に転移した途端、警報と共に耳が痛いくらいの大きなメッセージが響く。
「いきなり攻撃されるのを覚悟してたけど、そういう訳じゃないんだな……」
ハルトは惑星の重要設備に侵入するのだから、有無を言わさず攻撃されると思っていた。そのために攻撃されたらすぐに近くに再転位できる準備をしていた。
だが撤退できるくらいの時間の猶予は貰えるらしいと知って安堵する。それなりに人道的な設定をされているらしい。
「シイナさん、警備用ロボットとか、そういったオレを排除しそうな設備の場所は分かるかな?」
『すべてではありませんが、先ほどの記録である程度は確認できています』
「じゃあ、それは表示してくれる?」
『はい』
シイナは事務的に応じて印が付いた地図を空中に表示した。
シイナはハルトがチート能力を使いだしてから事務的にしか反応しなくなっている。無駄口を叩いて主人の邪魔をしないように徹底している感じだ。
人間であればあれこれとハルトの持っているスキルについて追及しているところだろうが、こういうところはシイナが機械でありがたいとハルトは感じていた。
「じゃあ、収納しちゃうか。漏れはありそうだけど……攻撃されたも即死じゃなきゃ何とかなるし、そこは我慢だなぁ……」
ハルトは「肉体の完全自動再生」を持っている。即死でなければ何とかなる。
それに、攻撃に反応できれば、転移で身をかわすことも可能だ。瞬時に意識することもできずに殺されるようなことさえなければ、何とかなる……はずだ。
「収納」
ハルトはシイナが表示した地図を基にして、次々と警備用の設備を異空間に収納していった。
これは「アイテムボックス」の能力だ。
幸いなことにハルトのアイテムボックスは目視できる範囲なら収納できる。自分の想像した概念のおかげだが、よくある手で触れないと収納できない能力になっていなくて本当に良かったと思った。
「これである程度掃除が終わったかな?」
しばらくすると、ハルトが警備設備を収納しまくったおかげて警報も止まった。適当に通路を進んでも制止するメッセージが流れることもない。
それを確認して、ハルトは再び建物の外に転移した。
誰か一人、監視してくれる人を連れてこないといけない。
人を連れてくる理由は、案内が必要になりそうなことと、ハルトが不正をしていないという証明、それに事件を解決したのがハルトだと認めてもらうためだ。
タダ働きをするつもりはない。
報酬をもらうには、事件を解決したのはハルトだと誰かに証明してもらう必要があった。
「戻って来たか!」
ハルトが外に出ると、身なりの良い男が慌てて声を掛けてきた。
「とりあえずの安全を確保してきました。これから端末のある所まで行くので、誰か一人同行してください」
「私が行こう!!」
間髪入れずに、内部構造の記録を提供してくれたエンジニア風の男が声を上げる。
「私なら、中の構造に詳しいです。補助記憶装置もあるし、工業用のセンサーも積んでいるので役に立ちますよ」
ハルトに対して役に立つアピールをしてくるが、これは他の人間たちにも納得させるための発言だった。ハルトの監視役としても有能だと伝えているのだ。
もしハルトがおかしな行動をすれば、記録を理由にして始末するつもりだろう。
「よ、よし、君に任そう!」
その意図をくみ取ったのか、身なりの良い男も同意した。
目で、エンジニア風の男にちゃんと監視しろよと伝えている。
「では行きますよ!」
ハルトはエンジニア風の男を連れて、再び中へと転移したのだった。
※ ※ ※ ※
申し訳ありません。
主人公の名前が途中から変わってしまっていたようです。
今更ですが、「ハルト」に統一させていただきました。
すみませんでした。
ハルトが建物内部に転移した途端、警報と共に耳が痛いくらいの大きなメッセージが響く。
「いきなり攻撃されるのを覚悟してたけど、そういう訳じゃないんだな……」
ハルトは惑星の重要設備に侵入するのだから、有無を言わさず攻撃されると思っていた。そのために攻撃されたらすぐに近くに再転位できる準備をしていた。
だが撤退できるくらいの時間の猶予は貰えるらしいと知って安堵する。それなりに人道的な設定をされているらしい。
「シイナさん、警備用ロボットとか、そういったオレを排除しそうな設備の場所は分かるかな?」
『すべてではありませんが、先ほどの記録である程度は確認できています』
「じゃあ、それは表示してくれる?」
『はい』
シイナは事務的に応じて印が付いた地図を空中に表示した。
シイナはハルトがチート能力を使いだしてから事務的にしか反応しなくなっている。無駄口を叩いて主人の邪魔をしないように徹底している感じだ。
人間であればあれこれとハルトの持っているスキルについて追及しているところだろうが、こういうところはシイナが機械でありがたいとハルトは感じていた。
「じゃあ、収納しちゃうか。漏れはありそうだけど……攻撃されたも即死じゃなきゃ何とかなるし、そこは我慢だなぁ……」
ハルトは「肉体の完全自動再生」を持っている。即死でなければ何とかなる。
それに、攻撃に反応できれば、転移で身をかわすことも可能だ。瞬時に意識することもできずに殺されるようなことさえなければ、何とかなる……はずだ。
「収納」
ハルトはシイナが表示した地図を基にして、次々と警備用の設備を異空間に収納していった。
これは「アイテムボックス」の能力だ。
幸いなことにハルトのアイテムボックスは目視できる範囲なら収納できる。自分の想像した概念のおかげだが、よくある手で触れないと収納できない能力になっていなくて本当に良かったと思った。
「これである程度掃除が終わったかな?」
しばらくすると、ハルトが警備設備を収納しまくったおかげて警報も止まった。適当に通路を進んでも制止するメッセージが流れることもない。
それを確認して、ハルトは再び建物の外に転移した。
誰か一人、監視してくれる人を連れてこないといけない。
人を連れてくる理由は、案内が必要になりそうなことと、ハルトが不正をしていないという証明、それに事件を解決したのがハルトだと認めてもらうためだ。
タダ働きをするつもりはない。
報酬をもらうには、事件を解決したのはハルトだと誰かに証明してもらう必要があった。
「戻って来たか!」
ハルトが外に出ると、身なりの良い男が慌てて声を掛けてきた。
「とりあえずの安全を確保してきました。これから端末のある所まで行くので、誰か一人同行してください」
「私が行こう!!」
間髪入れずに、内部構造の記録を提供してくれたエンジニア風の男が声を上げる。
「私なら、中の構造に詳しいです。補助記憶装置もあるし、工業用のセンサーも積んでいるので役に立ちますよ」
ハルトに対して役に立つアピールをしてくるが、これは他の人間たちにも納得させるための発言だった。ハルトの監視役としても有能だと伝えているのだ。
もしハルトがおかしな行動をすれば、記録を理由にして始末するつもりだろう。
「よ、よし、君に任そう!」
その意図をくみ取ったのか、身なりの良い男も同意した。
目で、エンジニア風の男にちゃんと監視しろよと伝えている。
「では行きますよ!」
ハルトはエンジニア風の男を連れて、再び中へと転移したのだった。
※ ※ ※ ※
申し訳ありません。
主人公の名前が途中から変わってしまっていたようです。
今更ですが、「ハルト」に統一させていただきました。
すみませんでした。
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