人虎は常に怪奇な騒動に巻き込まれる 

 オレの目には、路肩の林の中から飛び出してくる影が見えていた。
 ドンと、重い音がして車のボンネットに何かが落下した。
 「うわっ!」
 悲鳴が上がったが、今は気にしている余裕はない。
 止まりかけていた車は衝撃で大きく沈み込み、次の瞬間には反動で跳ね上がる。
 ボンネットの塗装の破片が飛び散る。
 オレと影の目が合った。
 猿?人間?いや……。
 「……狒々か……」
 オレが呟くと同時に、跳ねた車が着地する衝撃が伝わってきた。


 虎児(こうじ)は少し特殊な家業を手伝っている大学生だ。
 彼が仕事に向かう途中、車が銃撃に合う。
 それと同時に、得体のしれないモノが彼の車に向かって落ちて来た。
 そして、物語はあり得ない方向に転がってくのだった。

 ※   ※   ※   ※

 ジャンルを無理やり定義すると、怪物系アクショングロホラーという感じでしょうか。
 主人公も人外で、色々複雑な環境に置かれているため性格が捻じ曲がっています。

 某作品の書籍化作業中の息抜きに、途中で放置していた古い作品を設定からリメイクして最後まで書き上げた物です。

 R15程度のグロ、暴力、流血、エロ等、不快な表現があります。ご注意ください。
 作中に反社会的や反倫理的な部分がありますが、あくまで演出であり、それらを肯定する物ではありません。
 完全に趣味で書いていたので、色々配慮が足りない部分があるかもしれません。

 また、一人称で話を進めているため、主人公に知識が無い場合は意図的に間違った知識等が入っている部分があります。
 ご了承ください。

 初日プロローグ部分は同日二話更新、以降毎日一話更新の四十二話で終了します。
24h.ポイント 0pt
30
小説 192,051 位 / 192,051件 ホラー 6,807 位 / 6,807件

あなたにおすすめの小説

ワールドミキシング

天野ハザマ
ホラー
空想好きの少年「遠竹瑞貴」はある日、ダストワールドと呼ばれる別の世界に迷い込んだ。 此処ではない世界を想像していた瑞貴が出会ったのは、赤マントを名乗る少女。 そして、二つの世界を繋ぎ混ぜ合わせる力の目覚めだった……。 【表紙・挿絵は「こころ」様に描いていただいております。ありがとうございます!】

紺青の鬼

砂詠 飛来
ホラー
専門学校の卒業制作として執筆したものです。 千葉県のとある地域に言い伝えられている民話・伝承を砂詠イズムで書きました。 全3編、連作になっています。 江戸時代から現代までを大まかに書いていて、ちょっとややこしいのですがみなさん頑張ってついて来てください。 幾年も前の作品をほぼそのまま載せるので「なにこれ稚拙な文め」となると思いますが、砂詠もそう思ったのでその感覚は正しいです。 この作品を執筆していたとある秋の夜、原因不明の高熱にうなされ胃液を吐きまくるという現象に苛まれました。しぬかと思いましたが、いまではもう笑い話です。よかったいのちがあって。 其のいち・青鬼の井戸、生き肝の眼薬  ──慕い合う気持ちは、歪み、いつしか井戸のなかへ消える。  その村には一軒の豪農と古い井戸があった。目の見えない老婆を救うためには、子どもの生き肝を喰わねばならぬという。怪しげな僧と女の童の思惑とは‥‥。 其のに・青鬼の面、鬼堂の大杉  ──許されぬ欲望に身を任せた者は、孤独に苛まれ後悔さえ無駄になる。  その年頃の娘と青年は、決して結ばれてはならない。しかし、互いの懸想に気がついたときには、すでにすべてが遅かった。娘に宿った新たな命によって狂わされた運命に‥‥。 其のさん・青鬼の眼、耳切りの坂  ──抗うことのできぬ輪廻は、ただ空回りしただけにすぎなかった。  その眼科医のもとをふいに訪れた患者が、思わぬ過去を携えてきた。自身の出生の秘密が解き明かされる。残酷さを刻み続けてきただけの時が、いまここでつながろうとは‥‥。

ハハハ

辻田煙
ホラー
 苦しいキス。だが、花梨(かりん)はもっとそれを感じたかった。遊園地のパレードと花火を背に、花梨と紫苑(しえん)は互いに愛を囁く。  花梨にだけ見えている、みんなに生えている翼。花梨に嘘をついていない者だけが、「白い翼」を持つ。花梨の周囲のほとんどは「黒い翼」を生やしている中、紫苑は「白い翼」を背中に生やし、花梨に愛を囁いていた。花梨だけがそれを知っていた。  しかし、遊園地デート以後、久しぶりに夏休み中に会った紫苑の態度が、花梨にはぎこちなく見えてしまった。花梨は訊ねる。 「紫苑――私に隠していることない?」 「……なにも隠してないよ?」  それまで真っ白だった紫苑の翼は、花梨の問いをきっかけに真っ黒に染まってしまった――彼は花梨に噓をついた。  紫苑――恋人が嘘をついていることを知ってしまった花梨は、何を思うのか。  ……花梨に嘘をついてはいけない。絶対に。 ※【感想、お気に入りに追加】、エール、お願いいたします!m(__)m ※2023年8月26日、公開 ※この作品は、カクヨム・小説家になろう・ノベルアップ+にも投稿しています。 ※表紙の著作権は作家が持っています。

DEATHGAME~裏切りと信念の姫~

ひいらぎななみ
ホラー
舞台は変哲なことなどない都内。それぞれが代わり映えのない日々を過ごしていると、突然謎の集団に襲われ、とある施設に誘拐された。 「最初の試練」を乗り越えた、何の関連性もない人達が広い場所に集められ、こう宣言される。 「本当の「デスゲーム」を始めましょう!」 ユウヤは、みんなを守ることを誓う。しかし、一緒に行動しているうちにスズエの様子がおかしいことに気付いた。どこか、ソワソワしているようで落ち着きがないように見える。 そのことに違和感を覚えつつ協力して進んでいくが、不安は拭いきれず少しずつ信用と同時に疑念も生まれてくる。 スズエは、このデスゲームがどうして行われるのか知っていた。彼女はデスゲームが始まった時には既に、とある覚悟を決めていた。 彼らは主催者側であるルイスマに「裏切り者がいる」と言われ、疑心暗鬼になりながら進んでいく。探索に始まり、怪物達との生死をかけたミニゲーム、幼馴染との再会、人形となった死んだ人達との合流と探索……裏切り者の話など忘れかけていたところで、事態は動き出した。 裏切り者の正体は誰なのか?何を持って「裏切り者」と呼ばれていたのか?それを知った時、ユウヤ達がとった選択は? 本編とはまた違った、裏切り者を探すデスゲームの物語が幕を開く。

ヴァルプルギスの夜~ライター月島楓の事件簿

加来 史吾兎
ホラー
 K県華月町(かげつちょう)の外れで、白装束を着させられた女子高生の首吊り死体が発見された。  フリーライターの月島楓(つきしまかえで)は、ひょんなことからこの事件の取材を任され、華月町出身で大手出版社の編集者である小野瀬崇彦(おのせたかひこ)と共に、山奥にある華月町へ向かう。  華月町には魔女を信仰するという宗教団体《サバト》の本拠地があり、事件への関与が噂されていたが警察の捜査は難航していた。  そんな矢先、華月町にまつわる伝承を調べていた女子大生が行方不明になってしまう。  そして魔の手は楓の身にも迫っていた──。  果たして楓と小野瀬は小さな町で巻き起こる事件の真相に辿り着くことができるのだろうか。

孤独の吸血姫

凰太郎
ホラー
人類が支配権を失い、魔界より顕現した〈怪物〉達が覇権を狙った戦乱を繰り広げる闇の新世紀〈闇暦〉──。 古今東西の吸血鬼から成る新興勢力が胎動するロンドンに、人間の子供を護り連れた流浪の魔姫・カリナが訪れる。 圧倒的な強さと冷淡さを兼ね備えた彼女は、策謀と野心が交錯するこの地で何を為さんとするのか……。 はたして、伝説の吸血姫・カーミラとの邂逅の意味とは? ニューウェーブ・ダークファンタジー、此処に開幕!

牢獄/復讐

月歌(ツキウタ)
ホラー
秋山アキラは突然拉致されて、目覚めれば監獄の中にいた。高校時代のいじめっ子5人が囚人として囚われている。そして、俺の横にはかっての苛められっ子金田光一がいた。 ※スタンフォード監獄実験とは、監獄の空間を再現して「環境が行動に影響を与えるか」を調べた実験。心理学者のフィリップ・ジンバルドーが行った。 ☆月歌ってどんな人?こんな人↓↓☆ 『嫌われ悪役令息は王子のベッドで前世を思い出す』が、アルファポリスの第9回BL小説大賞にて奨励賞を受賞(#^.^#) その後、幸運な事に書籍化の話が進み、2023年3月13日に無事に刊行される運びとなりました。49歳で商業BL作家としてデビューさせていただく機会を得ました。 ☆表紙絵、挿絵は全てAIイラスです

【総集編】 1分怪談短編集

Grisly
ホラー
⭐︎登録お願いします。 1分で読めるホラー、怪談、サスペンス。 ひんやりしませんか。