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令嬢は踊る
第三十話 掃除
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レナとネモは、悟りを開いたような顔で部室の掃除をしていた。
さて、何故掃除をしているかと言うと、レナが鍋を爆発させたからである。
「すみませんでした……」
「次からは錬金釜で練習しましょうか……」
中級疲労回復ポーションを作成していたのだが、あんまりにも魔力が通らず、思わず力を籠めすぎて爆発させてしまったのである。
お陰で部室には中級疲労回復ポーションが飛び散り、酷い有様になった。
「王子に掃除させるなんて、ネモくらいだな」
「そうだな」
「あああああの! 殿下! 私がやりますので! どうぞ、椅子にお掛けになってお寛ぎください!」
王子二人はネモに命じられて雑巾を絞って壁や机を拭いており、それをエラが真っ青になって止める。
「いや、大丈夫だ。それに汚れだらけの部屋で掃除しているのをただ見ているだけなのも落ち着かない」
「ですけど、あの――」
「大丈夫よ、エラちゃん。ここでは私が法律だから」
「生命線を握られているからな」
いつもと変わらぬ様子でマイペースを極める四年生に、エラは涙目だ。
そんなエラの様子に、その気持ちは分かる、と思いながらレナが宥めに行く。
イヴァンはモップで床を拭きながら、ふと顔を上げる。
「そういえば、ヘンリー殿下。先日、バイゴット子爵家の次男が婚約者のカレン嬢に婚約解消を切り出していたのを見ました」
「はあ⁉」
その言葉に、ヘンリーが目を剥いた。
「待て、それはどういう事だ? どこで見たんだ?」
詰め寄るヘンリーにイヴァンは及び腰になりつつも、先日のカフェであった修羅場の事を話して聞かせた。
それを聞いてヘンリーは盛大に顔を顰めて、天を仰いだ。
「あぁぁ~……」
「ちょっと、大丈夫?」
「相当、まずそうだな?」
溜息と共に吐き出された呻き声に、ネモとチアンが寄って来る。
「そういえば、バイゴット子爵家とコネリー子爵家が新たに始めた養蚕業には、ヘンリー殿下も出資してらっしゃったような……」
エラの呟きに、ヘンリーへ注目が集まる。
ヘンリーは苦い顔をしながら、それに頷く。
「ああ。バイゴット子爵領では細々と養蚕業をしていたんだが、魔物化した蚕を発見して、それを養蚕することに成功した。コネリー子爵家はその際に多額の資金を出資したんだ。コネリー子爵家は子供が娘二人でな、バイゴット子爵家と繋がりを強めるために次男を婿に貰う予定だった」
この婚約解消はバイゴット子爵家の有責となるため、バイゴット子爵は慰謝料と出資資金の返還を求められたら断れないし、もしそうなれば間違いなく破産する。
事業が破綻すれば、ヘンリーが出資した資金は戻って来ず、大損だ。
「悪い、ちょっと抜ける」
そう言って雑巾をバケツに放り込み、ヘンリーは手を洗う。
「どうするつもり?」
「バイゴット家のクソバカが言う通り、これはもう三男を出すしかないだろう。ちょっとクソバカを捕まえて、コネリー子爵家に誠心誠意頭を下げさせて、三男にはカレン嬢と婚約できるよう努力を重ねろと説得する」
「説得のルビが脅迫に聞こえるわ」
「私には洗脳に聞こえたな」
地獄の使者もかくやと言わんばかりの圧を放つヘンリーに、ネモとチアンが呆れたように言う。
どいつもこいつも色ボケしやがって! と怒声を上げて出て行くヘンリーを見送り、レナは首を傾げる。
「けど、そんな事が可能なのかな? 私なら相手の親族と婚約するなんて嫌だけど……」
「そうねぇ。けど、やっぱり家の事を考えると、治められるところで治めないといけないから……」
貴族であるが故に、個人の感情のみでは動けない、とエラは言う。
「バイゴット家のご当主を直接は知らないけど、誠実で手堅い方だと聞いているわ。今回の事は、きっと激怒されると思う。次男のその方はきっと罰を受けるでしょうね」
「まあ、そうなるよね」
上流階級の世界を理解しきれていない半人前令嬢のレナでさえ分かる事だ。
「コネリー子爵家のご当主は商才のある方で、機を見るのが上手なの。それと、家としては中立なんだけど、個人的には色んな事業を手掛けたヘンリー殿下を尊敬してらっしゃるみたいだから、殿下の口添えがあればどうにかなるかもしれないわ」
スラスラと出て来た情報に、クラブの面々はよく知ってるな、と感心しながら頷く。
「ただ、カレン様は複雑でしょうね。婚約者の方へ恋愛感情があったかは分からないけれど、職人街近くのカフェに一緒に行く仲ではあったのだから、情はあった筈だもの」
それを台無しにされるような言葉を吐かれて、哀しかったに違いない。
「アメリア様もショックが大きくて、体調が思わしくないようだし、カレン様もそうならなければ良いんだけど……」
どうやら、アメリアの事と重ねて見てしまったらしく、エラは重苦しい溜息をついた。
「アメリア様って、オーランド様の元婚約者の方よね。学園には来ていらっしゃらないの?」
「ええ。精神的なものが体調に現れてしまっているらしいの。そのせいもあって、家に籠りがちみたいで……。なにか気分転換になるようなものがないかしらね……」
そう言いながら、エラはヘンリーが置いて行った雑巾を持ち、棚についた汚れを拭く。
「結婚の約束をしていて反故された場合、私なら相手を吹き飛ばしてスッキリするわね」
「それが出来るのはお前だけだ」
ネモとチアンの言葉に、後輩達は苦笑する。
隣国の婚約破棄騒動が、思わぬ形でこの国に影響を及ぼしている。色んな人間が頭を痛めている中、レナ達は乱立する次のフラグの元へ、着々と近づいていた。
さて、何故掃除をしているかと言うと、レナが鍋を爆発させたからである。
「すみませんでした……」
「次からは錬金釜で練習しましょうか……」
中級疲労回復ポーションを作成していたのだが、あんまりにも魔力が通らず、思わず力を籠めすぎて爆発させてしまったのである。
お陰で部室には中級疲労回復ポーションが飛び散り、酷い有様になった。
「王子に掃除させるなんて、ネモくらいだな」
「そうだな」
「あああああの! 殿下! 私がやりますので! どうぞ、椅子にお掛けになってお寛ぎください!」
王子二人はネモに命じられて雑巾を絞って壁や机を拭いており、それをエラが真っ青になって止める。
「いや、大丈夫だ。それに汚れだらけの部屋で掃除しているのをただ見ているだけなのも落ち着かない」
「ですけど、あの――」
「大丈夫よ、エラちゃん。ここでは私が法律だから」
「生命線を握られているからな」
いつもと変わらぬ様子でマイペースを極める四年生に、エラは涙目だ。
そんなエラの様子に、その気持ちは分かる、と思いながらレナが宥めに行く。
イヴァンはモップで床を拭きながら、ふと顔を上げる。
「そういえば、ヘンリー殿下。先日、バイゴット子爵家の次男が婚約者のカレン嬢に婚約解消を切り出していたのを見ました」
「はあ⁉」
その言葉に、ヘンリーが目を剥いた。
「待て、それはどういう事だ? どこで見たんだ?」
詰め寄るヘンリーにイヴァンは及び腰になりつつも、先日のカフェであった修羅場の事を話して聞かせた。
それを聞いてヘンリーは盛大に顔を顰めて、天を仰いだ。
「あぁぁ~……」
「ちょっと、大丈夫?」
「相当、まずそうだな?」
溜息と共に吐き出された呻き声に、ネモとチアンが寄って来る。
「そういえば、バイゴット子爵家とコネリー子爵家が新たに始めた養蚕業には、ヘンリー殿下も出資してらっしゃったような……」
エラの呟きに、ヘンリーへ注目が集まる。
ヘンリーは苦い顔をしながら、それに頷く。
「ああ。バイゴット子爵領では細々と養蚕業をしていたんだが、魔物化した蚕を発見して、それを養蚕することに成功した。コネリー子爵家はその際に多額の資金を出資したんだ。コネリー子爵家は子供が娘二人でな、バイゴット子爵家と繋がりを強めるために次男を婿に貰う予定だった」
この婚約解消はバイゴット子爵家の有責となるため、バイゴット子爵は慰謝料と出資資金の返還を求められたら断れないし、もしそうなれば間違いなく破産する。
事業が破綻すれば、ヘンリーが出資した資金は戻って来ず、大損だ。
「悪い、ちょっと抜ける」
そう言って雑巾をバケツに放り込み、ヘンリーは手を洗う。
「どうするつもり?」
「バイゴット家のクソバカが言う通り、これはもう三男を出すしかないだろう。ちょっとクソバカを捕まえて、コネリー子爵家に誠心誠意頭を下げさせて、三男にはカレン嬢と婚約できるよう努力を重ねろと説得する」
「説得のルビが脅迫に聞こえるわ」
「私には洗脳に聞こえたな」
地獄の使者もかくやと言わんばかりの圧を放つヘンリーに、ネモとチアンが呆れたように言う。
どいつもこいつも色ボケしやがって! と怒声を上げて出て行くヘンリーを見送り、レナは首を傾げる。
「けど、そんな事が可能なのかな? 私なら相手の親族と婚約するなんて嫌だけど……」
「そうねぇ。けど、やっぱり家の事を考えると、治められるところで治めないといけないから……」
貴族であるが故に、個人の感情のみでは動けない、とエラは言う。
「バイゴット家のご当主を直接は知らないけど、誠実で手堅い方だと聞いているわ。今回の事は、きっと激怒されると思う。次男のその方はきっと罰を受けるでしょうね」
「まあ、そうなるよね」
上流階級の世界を理解しきれていない半人前令嬢のレナでさえ分かる事だ。
「コネリー子爵家のご当主は商才のある方で、機を見るのが上手なの。それと、家としては中立なんだけど、個人的には色んな事業を手掛けたヘンリー殿下を尊敬してらっしゃるみたいだから、殿下の口添えがあればどうにかなるかもしれないわ」
スラスラと出て来た情報に、クラブの面々はよく知ってるな、と感心しながら頷く。
「ただ、カレン様は複雑でしょうね。婚約者の方へ恋愛感情があったかは分からないけれど、職人街近くのカフェに一緒に行く仲ではあったのだから、情はあった筈だもの」
それを台無しにされるような言葉を吐かれて、哀しかったに違いない。
「アメリア様もショックが大きくて、体調が思わしくないようだし、カレン様もそうならなければ良いんだけど……」
どうやら、アメリアの事と重ねて見てしまったらしく、エラは重苦しい溜息をついた。
「アメリア様って、オーランド様の元婚約者の方よね。学園には来ていらっしゃらないの?」
「ええ。精神的なものが体調に現れてしまっているらしいの。そのせいもあって、家に籠りがちみたいで……。なにか気分転換になるようなものがないかしらね……」
そう言いながら、エラはヘンリーが置いて行った雑巾を持ち、棚についた汚れを拭く。
「結婚の約束をしていて反故された場合、私なら相手を吹き飛ばしてスッキリするわね」
「それが出来るのはお前だけだ」
ネモとチアンの言葉に、後輩達は苦笑する。
隣国の婚約破棄騒動が、思わぬ形でこの国に影響を及ぼしている。色んな人間が頭を痛めている中、レナ達は乱立する次のフラグの元へ、着々と近づいていた。
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