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ヒロインはざまぁされた

第二十一話 第一王子 アルフォンス・ルビアス

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 アルフォンスとの間に甘い空気が流れそうになったが、それは「わ~! ラブシーンだ!」という精霊達の騒ぎ声によって霧散した。
 精霊達は気を使って方々に飛んでいき、二人きりにしてくれたのだが、視線を感じる。これは遠くから観察されていると見ていいだろう。
 そんな状態で再び甘い空気が流れるはずもなく、アルフォンスが気を取り直すように一つ咳払いをして話し出す。
「それにしても、コニア男爵領に精霊界への入り口があるとは思わなかったよ」
「見つけたのは偶然ですけど、昔からこの辺りには精霊に関するお話が結構多いんですよ」
 偶然見つけたというのは嘘だが、精霊に関する話が多いのは本当だ。
 しかし、ちゃんとした資料として残っているのではなく、母から子へ話す寝物語として残っているのだ。
「此処のことは王家には報告したのかい?」
「……いいえ」
 アリスは精霊界の入り口のことは誰にも言わず、ローズと偶然出会い、契約をお願いしたのだと説明していた。そのため、当然王家にもこの情報は伝わっていない。
「アルフォンス様は報告した方がいいと思いますか?」
 アルフォンスはアリスの問いに顔を強張らせて沈黙するも、ややあってから苦く笑って首を横に振った。
「いや、やめておいた方がいいだろう」
 視線を美しい湖に向け、言う。
「人間は、己の欲で身を滅ぼす。きっと馬鹿な人間がここを荒らしに来るだろう。・・・・・・それに、国王陛下は信用できない」
 小さく零れた言葉は、ただ淡々としていた。
 湖を見ている筈の目は、どこかもっと遠い所を見ているようで、アリスはなんだかアルフォンスが知らぬうちに遠くへ行ってしまいそうに感じ、彼の手にそっと自身の手を重ねる。
 手に感じた温もりに、アルフォンスは重ねられた手を見て、目を細めて微笑む。
「……アリスは、もう気づいているかと思うけど、あの卒業式のパーティーでの騒動は、私に思惑があってしたことだ」
 巻き込んでしまってすまない、と頭を下げるアルフォンスに、アリスはいいえ、と首を横に振る。
「当時はあれが一番いい方法だと思ったんだが、今考えてみると穴だらけで、君に損ばかりさせる方法だった」
 アリスはそれを聞き、アルフォンスは当時、随分と追い詰められていたのだと察した。この地に来た時に、彼が抜け殻のようになっていたのは、そういうことだったのだろう。
「……アルフォンス様に何があったのか、聞いても大丈夫ですか?」
 彼の身に何が起きて、どうしてあの断罪劇につながったのか。
 アリスはそれを知りたいと思ったが、知っていいものかどうか判断がつかなかった。知らない方がいいことは、知らないままでいいとも思っている。だから、その判断を件の中心人物であるアルフォンスに任せた。
 アルフォンスは少しの沈黙の後、知って欲しい、と答えた。
「ただ、これはやはり厄介事で、知らずに済むなら知らない方がいいと思う。けど、私は君に知って欲しい」
 アルフォンスの目は、どこか幼い、お願いじみた小さな懇願の色があった。わがままを言えない子供が、始めて言ったわがまま。彼の様子から、不思議とそんな印象を覚えた。
 アリスは微笑んで、小さく頷いた。
 彼を、知りたかった。

   ***

 アルフォンス・ルビアスは、ルビアス王国の第一王子として生まれた。高貴なる血を継ぎはしたが、彼は側妃の子だった。
 事の始まりは、アルフォンスの父である現ルビアス王国の国王がまだ王太子であったころ、王太子妃であった彼の最愛の女性に子が出来なかったことに端を発する。
 次代への不安から側妃を求める声が上がったが、父はそれを拒否した。彼は、妻を心から愛していたため、彼女を裏切るようなことはしたくなかったのだ。
 しかし、王太子が子を作るのは義務である。
 故に、彼はとうとう王命によって側妃を娶ることとなった。
 だが、ここで予想外のことが起きた。王太子の側妃に選ばれた伯爵家の令嬢が、それを強固に拒否したのだ。よくよく考えれば、それも当然のことだろう。なにせ、王太子の妃への溺愛ぶりは有名な話だった。そこに割り込むような真似をするのだ。冷遇される未来しか見えない。
 しかし、これは王命だ。拒否など出来ようはずがない。そこで、該当した家の夫人は、実家に泣きついた。その泣きついた家が、バクスウェル公爵家だった。
 王命は家から娘を差し出すこと。つまり、自分の娘ではなく、養子に迎えた娘でもいいはずだ。夫人はそう、兄であるバクスウェル公爵に泣きついた。
 当時の当主はベアトリスの祖父にあたる人物だったのだが、彼は泣きついてきた妹の願いを聞き入れ、傘下の男爵家から身代わりとなる令嬢を選出し、妹の家に養女として迎えさせ、そのまま側妃として送り出した。
 それが、アルフォンスの母だった。
 冷遇されることが分かりきっている、何から何まで不本意な婚姻。この婚姻の意味を分かっている女性達から同情を。王家への嫁入りという煌びやかな目隠しに騙された女性達からは妬みを集めながら、母は父の元へ嫁いだ。
 父から見れば悲劇の一幕であり、側妃となった母は彼には悪女に見えただろう。しかし、母からしてみれば己の身に起こったことこそが悲劇であった。
 そうして嫁いだ母だが、父と閨を共にしたのは一度きりだった。しかし、その一度限りのお渡りで見事に子供を身ごもり、アルフォンスを産んだ。
 そこで終わりであれば、誰も苦しまなかった。けれど、そうはならかなった。
 正妃である王太子妃が、身ごもったのだ。
 そしてアルフォンスの誕生から遅れること数か月後。第二王子がこの国に誕生した。この弟の誕生こそが、アルフォンスの苦難の日々の始まりであった。
 ルビアス王国では、基本的に長男が後を継ぐ。それは、王家であっても変わらない。そのため、アルフォンスが第一王位継承権を持っていた。
 しかし、それを面白く思わないのが父だった。
 側妃である母は時が経つにつれ身の危険を強く感じるようになり、我が子により強い後ろ盾を望んだ。それこそ、自身の側妃になった経緯を持ち出して、バクスウェル公爵家に貸しの清算を望んだ。
 元が男爵令嬢であったために、いっそ無謀とも言える駆け引きだったが、母は見事に勝利をおさめ、アルフォンスの婚約者にベアトリスを獲得した。
 そうして身の安全が確保されたと思った、翌年。
 ルビアス王国に病が蔓延した。
 そして王が病に倒れ、バクスウェル公爵、そして、後を継ぐはずであったベアトリスの実父もまた病床につき、儚くなった。
 混乱はあったが、どうにか病は治まり、父が王位を継いだ。そして王位を継いだ途端――側妃である母を暗殺した。
 対外的には病による病死と発表されているが、アルフォンスは父に殺されたのだと察していた。
 母の葬儀の時、父の目が嬉しそうに歪んでいたのを見た。
 その悍ましさを、アルフォンスは忘れたことはない。
 父にとって、アルフォンスと側妃は愛する正妃を裏切った証であり、正妃との間に出来た子こそが唯一の愛しい我が子なのだ。アルフォンスは、邪魔な存在だった。
 バクスウェル公爵が代替わりしたのも痛かった。
 ベアトリスの叔父である現公爵は、姪が嫌がっている縁談をよく思っていなかった。ベアトリスがゲームの『ベアトリス・バクスウェル』のようにアルフォンスを好きになり、行動していれば話は別だったのだろうが、残念ながらそうはならなかった。そのため、アルフォンスへの援助は必要最低限に抑えられてしまった。その必要最低限すら、ベアトリスの兄であるクライヴが抗議してのことだった。
 そんな公爵の行いからクライヴは次第に義父と対立するようになり、それを公爵に疎ましく思われ、とうとう外交という名目で国外へ追いやられてしまった。
 そうして、またアルフォンスの安全面に穴が開いた。
 それを早々に察知した父は、それとなくアルフォンスを排除するように動くようになった。
 優秀ではあるものの、あまり評判の良くない家庭教師をつけられ、アルフォンスの服の下には体罰による鞭の痕が絶えなくなった。
 誕生日にプレゼントされた馬は極上の戦馬ではあったが、気性が荒く、落馬で命を落とすことを期待されているのだと察せられた。
 一人でとる食事には毒が入っていることが多かった
 視察先に刺客が送られてきたこともあった。
 しかし、アルフォンスはそのどれにも打ち勝ち、生き残って来た。
 けれども、王立学園の三年生の中頃に仕掛けられてきた攻撃に、これ以上父と争うのは無理だと判断せざるを得なくなった。
 父は、王立学園で行われた魔物討伐訓練に、どうやってかは分からないが、わざわざ上位魔物を捕らえて投入したのだ。
 幸い、ベアトリスの機転により死者はなく、無事に魔物は討伐された。
 しかし、この未熟な学生を巻き込むなりふり構わない攻撃に、アルフォンスはいずれ多くの者を巻き込み、命を落とすと確信しまった。そして、これは父からの警告なのだとも、理解した。
 その時のアルフォンスの心の内は、筆舌にしがたいものだった。
 実の父親に罪の証として認識され、命を狙われるストレスはアルフォンスの心を蝕み、疲弊させていた。
 婚約者であるベアトリスがアルフォンスとの婚約を嫌がっているのも、アルフォンスを傷つけた。アルフォンスは幼い頃、ベアトリスに好意を持っていたのだから……

 アルフォンスが初めてベアトリスと会った時、美しい少女に好感を持った。しかし、彼女はアルフォンスを避けるような態度を取った。そんな態度から、彼女が自分との婚約を嫌がっているのだと気づくのは早かった。
 何故嫌がられているのか分からす、けれども仲良くなりたくて歩み寄りを試みたが、それは彼女を困らせるだけで、心の距離は開いたままだった。
 しかし、その試みから彼女はアルフォンスとの婚約を嫌がっているが、アルフォンスを嫌っているわけではなさそうだともわかった。
 けれど、それはアルフォンスの心を慰めるものにはならず、困惑を深めるだけになった。
 問いただしたくとも、どこか申し訳なさそうな態度を垣間見せる少女に、アルフォンスはずるい令嬢だと思った。これで無理に問いただせば、アルフォンスが悪者になってしまう。そんなことになれば、母が用意してくれたこの後ろ盾は、すぐにでも消え去ってしまうことだろう。
 頼れないがゆえに、父と身を削るような暗闘を余儀なくされているとはいえ、無いよりはましだ。ここでベアトリスを手放すことは出来なかった。
 国王となった父に命を狙われ続け、気づけば心から信頼できる人間は両手の指に満たぬ数しかいなかった。その中に将来最も近しい存在となるはずの少女が入っていないのは、どんな皮肉か。
 踏み越えられないラインが引かれた関係のまま時は流れ、ある時アルフォンスは気づいた。
 ベアトリスが、弟のシリルに恋をしたのだ。
 傷つきはしなかった。けれど、胸には虚しさが広がった。なぜ、よりにもよってシリルなのか。あの、なんでも持っている弟なのか。
 その時、微かながらにあった期待は消え去って、彼女はアルフォンスにとって、その他大勢の一人となった。
 そしてアルフォンスの胸に残ったのは、シリルへの嫉妬と劣等感、そして、父への憎悪だけだった。
 何も知らず自分を慕うシリルの笑顔から目を逸らし、父への憎悪を燃やして立ち続けた日々。
 父の思い通りになってたまるか。どんなことをされても、どれだけ犠牲を出そうとも、必ず至高の座に就くと心に決めていた。しかし、そうはならなかった。
 アリスと出会ってしまったのだ。
 最初は、他の令嬢とさして変わりない存在だった。アルフォンスを『第一王子』のフィルターを通して見ているだけの少女だった。
 しかし、アリスはそれだけの少女ではなくなった。
 顔に感情が出やすい彼女の心情の変化は分かりやすいものだった。
 アリスの目からは、いつの間にか『王子』というフィルターが取り払われ、真っ直ぐに『アルフォンス』に好意を抱き、それがゆっくりと恋に変わっていった。
 それを、アルフォンスは目の前で見ていた。
 その変化は、どうしてか、アルフォンスにはたまらなく胸を締め付けるものがあった。
 そうしてそんな彼女と小さな交流を続けていって、アルフォンスは忘れていた温かい感情を思い出した。
 だから、他に被害を出してまで王になろうとは思えなくなってしまった。
 復讐に目がくらんでいたアルフォンスは、正気に戻ってしまったのだ。
 あの卒業式のパーティーでの断罪劇。あれは、実はアルフォンスの発想ではない。あれは、ベアトリスのある行動からわかった彼女の妄想に沿った断罪劇だった。彼女は、何故かアルフォンスがベアトリスを断罪すると思い込んでいたのだ。
 アルフォンスがベアトリスの妄想を知ったのは、彼女が自身の行動記録――身の潔白を証明するアリバイ集めをしていることに気がついた時だった。
 いったいどういうつもりなのかと彼女の考えが理解できなかったが、この彼女の思い込みはアルフォンスにとって都合がよかった。だから、彼女が描いた断罪劇に乗ったのだ。
 そして、アルフォンスは王太子の資格なしとされ、最後に王家の体面に泥をかぶせて表舞台から退場した。

   ***

 とうとうと語るアルフォンスは、告げる。
「あの時は、アリスは退学させた方がいいと思っていたんだ。あの状況だと、退学して領地に引っ込んだ方が君の体にも心にも傷が少なくて済む」
 アリスの年齢はアルフォンスの一つ下だ。アルフォンスが学園から姿を消せば、アリスを守ってやれる人間がいなくなる。
 どうしようもない馬鹿は、どこにでもいる。率直に言って、あのまま学園に残るのは、アリスの貞操の危機だった。アルフォンスは心を壊す可能性があるなら、それから遠ざかるべきだと勝手ながら判断したのだ。
 幸い、アリスは地位に興味は無いし、彼女の父親も地位や名誉より娘の方が大事な男だ。彼女は学園を退学しようとも、領地で幸せに生きていけるだろう。……いける、はずだったのだ。
「まさか、私と結婚させられるとは思わなかった……」
 アルフォンスの計画では、王太子位を剥奪された後、自身はどこぞの塔にでも幽閉されるのだろうと思っていた。そうなれば、アルフォンスは早々に姿をくらますつもりだった。しかし、王は嘲笑うようにアリスとアルフォンスを結婚させた。
「本当に申し訳ない……」
 申し訳なさそうに俯くアルフォンスに、アリスはその手をとり、両手で握る。
「アルフォンス様。ありがとうございます」
 その言葉に、アルフォンスはアリスの目を正面から見た。
「たぶん、あのまま学園に残っていても、アルフォンス様のおっしゃる通り、碌なことにはならなかったと思います」
 微笑みを浮かべるアリスを、アルフォンスは見つめる。
「だから、謝ることなんてないんです。私は、今、幸せです」
 アリスの目が、甘く細められる。
「アルフォンス様が私のために悔いて下さっているのに、不謹慎ですけど、私は貴方の傍に居られることが、何よりも幸せに感じています」
「アリス……」
 アルフォンスが自身の手を握るアリスの手に、更に手を添え、握る。アリスの目に映るアルフォンスの顔は穏やかで、幸せそうな空気を纏っていて。
 そのまま顔が近づき、唇が重なるかと思われた――その時。
「おおおおおおん! なんてことなの! ダーリン君がそんな苦労をしていたなんて!! アリスちゃんと幸せになってねぇぇぇ!!」
 背後の茂みから聞こえてきた爆音に、二人は慌てて距離を取り、振り向いた。
 振り向いた先に居たのは、逞しい体を持つ女神コスの大精霊だ。
 茂みの向こうで咽び泣くローズの周りを、「あーあ」とでも言いたげな顔をして精霊達が飛んでいる。どうやら彼女もアリス達を覗き見していたようだが、色々と耐え切れずに感情が間欠泉の如くパーンと吹き出したらしい。
 そういえば精霊が居たなぁ、とその存在を思い出しつつ、ローズの号泣ぶりに二人は顔を見合わせて恥ずかしそうに苦笑する。
 そしてローズを慰めるべく、アリスは立ち上がった。

 アリスがローズを慰めているのを穏やかな顔で眺めるアルフォンスだが、実はアリスに語っていないことが一つあった。
「クライヴは、間に合うだろうか・・・・・・?」
 悍ましい問題は、王家にだけ起きているわけではなかった。

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