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ヒロインはざまぁされた
第七話 契約
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精霊との契約は、とても簡単だ。人間側が何かする必要はなく、精霊側が持ちかけた契約を受諾すればいいだけ。
そしてアリスは大精霊ローズの契約を受諾し、見事に大精霊の契約者となった。
契約したからには、精霊は契約者に付き従うものである。よって、帰宅後は色んな意味で大騒ぎになった。
「こちら、大精霊のローズ様! 私と契約してくださって、今日からここで暮らすわ。みんな、よろしくね!」
「お世話になるわね!」
バチコーン! と派手なウィンクがデニスと屋敷の使用人一同に突き刺さる。ちなみにアルフォンスは部屋に閉じこもっているのでここには居ない。もし居たら、ローズのウィンクに打ち倒されていたかもしれない。
さて。この事態に、屋敷の人間達は動揺した。
えっ、だいせいれい? ほんとうに?
一同の表情に混乱と困惑が入り乱れる。なにせ、やってきた大精霊がゴリマッチョオネェである。明らかに只者ではないのは一目でわかるが、そのタダモノのなさの種類が予想外過ぎた。
「ほら、見てちょうだい、この健康美の化身を! アルフォンス様を元気にするお手伝いをしてくださるのよ! この方の協力を得られるなら、アルフォンス様はすぐに元気になるわ!」
「ホホホ! 任せてちょうだい!」
ここに居る面々は、美しいと評判の大精霊の美は人間如きに測れるものではないのか、などと考えていたが、アリスの言葉によってアッ、そっち方面の美しさなんですね、と納得の表情を見せていた。
さて、屋敷の者達は本当に色々と衝撃を受けていたが、一番早く立ち直ったのは、意外なことにアリスの父であるデニスだった。
デニスはコホン、と一つ咳払いをし、言った。
「そうか。アリスと契約してくださるとは、なんとありがたい」
どうぞ、娘をよろしくお願いします、と頭を下げ、まだ仕事があるからと、後のことは家令のクリントに任せると朗らかな笑みを浮かべながら去って行った。なんのことはない。クリントに丸投げしただけである。
丸投げされたことで我を取り戻したクリントは、旦那様コノヤロウと、脳内で呟きながらもそれを表には出さず、微笑みを浮かべて言う。
「それでは、お部屋にご案内いたします」
「アラ、いいの? アタシ、精霊だから部屋とか無くても大丈夫なんだけど、用意してもらえるのなら嬉しいわね」
「もちろんご用意いたします。しばらく客室にてご滞在いただき、どこか気に入ったお部屋がございましたら、そちらを整えますので、お声をおかけください」
そうしてクリントが動いたことで、他の使用人たちの我を取り戻し、各々が仕事をすべく動き出す。
そんな光景をにこにこと見ていたアリスは、客室に案内されるローズの後について行こうとして――肩をガッチリつかまれた。
いったいなんだと肩をつかむ人間を振り返れば、そこに居たのは輝く笑みを浮かべたマイラだった。
「お嬢様、これはいったいどういうことか、ご説明願えますね?」
アリスの肩をつかむマイラは、それはもう輝かんばかりの笑みを浮かべていた。
笑顔は威嚇を起源としているというが、彼女の笑顔は、まさにそれに相応しいだけの迫力を伴っていた。
***
あの後、正座でマイラに説明し、アリスは痺れる足に苦しみながら小言を聞くこととなった。
「まったく、お嬢様はどうしてそう猪突猛進なんですか。精霊にこちらから契約を持ち掛けるなんて、無謀もいいところですよ。怒りをかって、殺されたって文句を言えない行為なんですからね!」
「はいぃぃ……」
ベッドの上で痺れる足をぷるぷるさせているアリスに、マイラはまったくもう、とため息をつく。
精霊の力を私利私欲のために利用しようとする人間は昔から後を絶たず、そうしたことが煩わしくて精霊達は精霊界に引っ込んでしまった、というのが人間達の間に伝わる俗説だ。
マイラはその俗説が割と真実に近いのではないかと思っている。これまでに金や権力にすり寄る人間を何人も見てきた。ああいう者が力を寄越せとやってきたら、煩わしいに違いない。昔、何かの折にそういう発言をして貴族が精霊に殺されたという話を聞いたことがあった。アリスもまた、そういう人間と思われて殺されていたかもしれないのだ。マイラの小言は当たり前である。
マイラは改めて自分が仕えるお嬢様を見る。
いったいどんな運命の悪戯か。この猪のようなお嬢様は、その精霊との契約に成功してしまった。それも、相手は炎の大精霊というではないか。
(言いはしませんが、流石はお嬢様ですね)
マイラはアリスの無謀を叱りはするが、実のところ内心では誇らしさがあった。
(このことを知ったら、お嬢様を退学にした連中はどう思うかしら。ま、全ては今更ですけどね)
大精霊に限らず、精霊との契約は、国への報告義務がある。普通であれば田舎貴族の男爵家からアリスは国に取り上げられ、場合によっては侯爵家以上の家の養女となっていた可能性があった。
しかし、それはもう不可能だ。何故なら、臭い物に蓋をするかのごとく、アリスはアルフォンスと結婚させられ、このコニア男爵領に押し込められたのだから。
(お嬢様の力を欲しようにも、継承権は失ったとはいえ王族を伴侶に迎えていて、しかもそれを推し進めたのは国王陛下。別れさせることは不可能。何より、お嬢様の身分が低いことをいいことに、王都ではお嬢様が悪女であるかのように扱われている)
アリスはアルフォンスと結婚できて、現状に大変満足しているが、普通であれば恨み、激怒していてもおかしくはない。
(そんな力ある存在を味方につけた令嬢を、王都に呼びつけるなんてできないでしょうね)
大精霊の契約者は、国にとって極上の盾であり、矛だ。他国に対する抑止力にもなり、いざという為の大きな戦力にもなる。
(ただ力を手に入れただけなら、お嬢様の暗殺もありえた。けれど、お嬢様が成したことは、大精霊との契約。精霊は契約者を理不尽に殺されたら、精霊によっては相手に報復する)
そして、その報復の規模は精霊によるのだ。一人で済むこともあるが、町一つが更地になったり、族滅したこともある。
(きっと、あの大精霊はお嬢様を大切にしてくださるわ)
あの普通ではない大精霊は、その普通でなさぶりがアリスと相性がよさそうに見えた。
国は自身が追い出した令嬢に手出しできず、気を使いながら臍を嚙むこととなるだろう。
(ざまぁみろ)
マイラはアリスが大切だった。だから、アリスに泥をかぶせて終わりにした連中が嫌いだ。なんならアルフォンスにもあまり良い印象が無いが、アリスのあの懐きようから性根は良い人なのだろうとは思っている。
(お嬢様さえ幸せなら、私はそれでいい)
アリス第一の忠実な侍女は、未だに足の痺れに悶えるアリスの間抜けな姿に苦笑しながら、その痺れをなんとかしてやろうと容赦なくその足を掴み、アリスが上げる悲鳴を無視してマッサージを施したのだった。
そしてアリスは大精霊ローズの契約を受諾し、見事に大精霊の契約者となった。
契約したからには、精霊は契約者に付き従うものである。よって、帰宅後は色んな意味で大騒ぎになった。
「こちら、大精霊のローズ様! 私と契約してくださって、今日からここで暮らすわ。みんな、よろしくね!」
「お世話になるわね!」
バチコーン! と派手なウィンクがデニスと屋敷の使用人一同に突き刺さる。ちなみにアルフォンスは部屋に閉じこもっているのでここには居ない。もし居たら、ローズのウィンクに打ち倒されていたかもしれない。
さて。この事態に、屋敷の人間達は動揺した。
えっ、だいせいれい? ほんとうに?
一同の表情に混乱と困惑が入り乱れる。なにせ、やってきた大精霊がゴリマッチョオネェである。明らかに只者ではないのは一目でわかるが、そのタダモノのなさの種類が予想外過ぎた。
「ほら、見てちょうだい、この健康美の化身を! アルフォンス様を元気にするお手伝いをしてくださるのよ! この方の協力を得られるなら、アルフォンス様はすぐに元気になるわ!」
「ホホホ! 任せてちょうだい!」
ここに居る面々は、美しいと評判の大精霊の美は人間如きに測れるものではないのか、などと考えていたが、アリスの言葉によってアッ、そっち方面の美しさなんですね、と納得の表情を見せていた。
さて、屋敷の者達は本当に色々と衝撃を受けていたが、一番早く立ち直ったのは、意外なことにアリスの父であるデニスだった。
デニスはコホン、と一つ咳払いをし、言った。
「そうか。アリスと契約してくださるとは、なんとありがたい」
どうぞ、娘をよろしくお願いします、と頭を下げ、まだ仕事があるからと、後のことは家令のクリントに任せると朗らかな笑みを浮かべながら去って行った。なんのことはない。クリントに丸投げしただけである。
丸投げされたことで我を取り戻したクリントは、旦那様コノヤロウと、脳内で呟きながらもそれを表には出さず、微笑みを浮かべて言う。
「それでは、お部屋にご案内いたします」
「アラ、いいの? アタシ、精霊だから部屋とか無くても大丈夫なんだけど、用意してもらえるのなら嬉しいわね」
「もちろんご用意いたします。しばらく客室にてご滞在いただき、どこか気に入ったお部屋がございましたら、そちらを整えますので、お声をおかけください」
そうしてクリントが動いたことで、他の使用人たちの我を取り戻し、各々が仕事をすべく動き出す。
そんな光景をにこにこと見ていたアリスは、客室に案内されるローズの後について行こうとして――肩をガッチリつかまれた。
いったいなんだと肩をつかむ人間を振り返れば、そこに居たのは輝く笑みを浮かべたマイラだった。
「お嬢様、これはいったいどういうことか、ご説明願えますね?」
アリスの肩をつかむマイラは、それはもう輝かんばかりの笑みを浮かべていた。
笑顔は威嚇を起源としているというが、彼女の笑顔は、まさにそれに相応しいだけの迫力を伴っていた。
***
あの後、正座でマイラに説明し、アリスは痺れる足に苦しみながら小言を聞くこととなった。
「まったく、お嬢様はどうしてそう猪突猛進なんですか。精霊にこちらから契約を持ち掛けるなんて、無謀もいいところですよ。怒りをかって、殺されたって文句を言えない行為なんですからね!」
「はいぃぃ……」
ベッドの上で痺れる足をぷるぷるさせているアリスに、マイラはまったくもう、とため息をつく。
精霊の力を私利私欲のために利用しようとする人間は昔から後を絶たず、そうしたことが煩わしくて精霊達は精霊界に引っ込んでしまった、というのが人間達の間に伝わる俗説だ。
マイラはその俗説が割と真実に近いのではないかと思っている。これまでに金や権力にすり寄る人間を何人も見てきた。ああいう者が力を寄越せとやってきたら、煩わしいに違いない。昔、何かの折にそういう発言をして貴族が精霊に殺されたという話を聞いたことがあった。アリスもまた、そういう人間と思われて殺されていたかもしれないのだ。マイラの小言は当たり前である。
マイラは改めて自分が仕えるお嬢様を見る。
いったいどんな運命の悪戯か。この猪のようなお嬢様は、その精霊との契約に成功してしまった。それも、相手は炎の大精霊というではないか。
(言いはしませんが、流石はお嬢様ですね)
マイラはアリスの無謀を叱りはするが、実のところ内心では誇らしさがあった。
(このことを知ったら、お嬢様を退学にした連中はどう思うかしら。ま、全ては今更ですけどね)
大精霊に限らず、精霊との契約は、国への報告義務がある。普通であれば田舎貴族の男爵家からアリスは国に取り上げられ、場合によっては侯爵家以上の家の養女となっていた可能性があった。
しかし、それはもう不可能だ。何故なら、臭い物に蓋をするかのごとく、アリスはアルフォンスと結婚させられ、このコニア男爵領に押し込められたのだから。
(お嬢様の力を欲しようにも、継承権は失ったとはいえ王族を伴侶に迎えていて、しかもそれを推し進めたのは国王陛下。別れさせることは不可能。何より、お嬢様の身分が低いことをいいことに、王都ではお嬢様が悪女であるかのように扱われている)
アリスはアルフォンスと結婚できて、現状に大変満足しているが、普通であれば恨み、激怒していてもおかしくはない。
(そんな力ある存在を味方につけた令嬢を、王都に呼びつけるなんてできないでしょうね)
大精霊の契約者は、国にとって極上の盾であり、矛だ。他国に対する抑止力にもなり、いざという為の大きな戦力にもなる。
(ただ力を手に入れただけなら、お嬢様の暗殺もありえた。けれど、お嬢様が成したことは、大精霊との契約。精霊は契約者を理不尽に殺されたら、精霊によっては相手に報復する)
そして、その報復の規模は精霊によるのだ。一人で済むこともあるが、町一つが更地になったり、族滅したこともある。
(きっと、あの大精霊はお嬢様を大切にしてくださるわ)
あの普通ではない大精霊は、その普通でなさぶりがアリスと相性がよさそうに見えた。
国は自身が追い出した令嬢に手出しできず、気を使いながら臍を嚙むこととなるだろう。
(ざまぁみろ)
マイラはアリスが大切だった。だから、アリスに泥をかぶせて終わりにした連中が嫌いだ。なんならアルフォンスにもあまり良い印象が無いが、アリスのあの懐きようから性根は良い人なのだろうとは思っている。
(お嬢様さえ幸せなら、私はそれでいい)
アリス第一の忠実な侍女は、未だに足の痺れに悶えるアリスの間抜けな姿に苦笑しながら、その痺れをなんとかしてやろうと容赦なくその足を掴み、アリスが上げる悲鳴を無視してマッサージを施したのだった。
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