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第十話
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森の奥深く、カントリー風の家の飴色の扉をノックすれば、「はーい」とくぐもった声が聞こえてきた。少し待てば扉が開き、赤い髪の家主が顔を見せる。
「いらっしゃい、ミア!」
「こんにちは、スカーレット。突然お邪魔させてもらって、ごめんなさいね」
「いいのよ。さあ、入って」
笑顔で案内された客間は、薄い緑色の小花が描かれているれている壁紙に、渋い飴色の家具がマッチした可愛らしくも落ち着いた空間だった。
「あ、そうだ。これ手土産」
「あら、別に良かったのに……」
ミアは手に持っていたちょっと良いワインを渡し、スカーレットは遠慮しつつも嬉しそうにそれを受け取った
「それで、今日はどうしたの?」
「んー……。愚痴……になるのかしら? ちょっと一人では抱えきれないから、聞いてほしいことがあって……」
お茶を淹れながら問われたことに、ミアは疲れたように答える。
そんなミアの様子を見て、スカーレットは心配そうな顔をしながら、カップをミアの前に置いた。
「大丈夫? 愚痴でも何でも聞くわよ?」
「ありがとう」
ミアは紅茶に砂糖を入れ、一口飲み、言う。
「ブレスト皇国のことなんだけど――」
「あ、待って。ちょっとワインを持ってくるわ」
酒でも飲んでないと聞いてられない話題と察し、スカーレットはワインとグラス、そしておつまみを用意するために台所へ姿を消した。
***
真昼間だからか、用意されたワインは度数が低く、ジュースのようにフルーティーな味わいのものだった。
「これ、美味しいわね」
「そうでしょ。まあ、昼だし、これが丁度良いかと思って」
しかし、度数は低くとも酒は酒。多少なりとも酔える命の水である。
そうしてワインを一杯飲みほして、スカーレットはミアが話そうとしたことの続きを促した。
「実はね、男爵令嬢だったミリアリス妃のことなの」
「ああ、ミリアリア姫と取り違えられてる人ね」
「ええ、その人よ。そのミリアリス妃なんだけど……」
ミアは眉間に皺をよせ、絞り出すような声で言う。
「あの人、暇だからってメイド服をどこからか手に入れて、メイドに混じって仕事をしていたのよ!」
「は……?」
スカーレットの手からつまみのチーズが零れ落ちた。
「もう、信じられないことに、誰も気づかないのよ⁉ そのメイドが側妃だって! 昼食を食べたら散歩に行くって庭園に消えて、そこから隠密行動して空き部屋に隠してあるメイド服を着て、洗濯やら掃除やらにしれっと混ざって仕事して、ああいい仕事した、って汗をぬぐって帰っていくのよ! 信じられる⁉」
半ば叫ぶかのようにそう言うミアに、スカーレットは頭が痛いとでも言うかのように眉間に寄ったしわを揉み解すように押さえる。
「それ、本当なの? バレたら一大事じゃない」
「そうなのよ! あの皇妃を殺してまでミリアリス妃を隣に置こうとしてるクソ皇帝よ? こんなのバレたらミリアリス妃に付けられた使用人たちは軒並み斬首よ!」
「まあ、普通に責任問題よね。――と、いうか、暇なら側妃教育でも受ければいいのにね。明らかに教育が足りてないじゃない」
元は男爵令嬢で、自分でも側妃になれるような人間ではないと言っていたのだ。軽率にメイドに混じって仕事などすれば、とがめを受けるのは自分だけではない。自分だけではなく、仕えてもらっている人間の人生を知らぬうちに危険にさらしている。
「いえ、むしろそれは皇帝が手配すべきよね。皇妃にしたいなら、皇妃に相応しい気品と知識を身につけないといけないんだから」
「おが屑すら詰まってない頭だから、気が回ってないんでしょう」
酷い言いようだが、そうとしか言えないものしか見ていない。皇妃の軟禁、使用人の解雇、側妃二人の後宮入り、それによる混乱を利用した取り違え。更に皇帝にとって都合の良いことに使用人の不足によってミリアリアは放っておかれ、知らない間に死んでいた。彼女付きの使用人は混乱の中、手違いによって彼女には付けられておらず、不満が出ないがゆえにそれに気付かれず、今日に至っている。
色々と皇帝の都合の良いように進んでいるように見えるが、その先は魔女二人には破滅しか見えない。
「皇帝にせよ、ミリアリス妃にせよ、想像力が貧困なのよね。ちょっと想像すれば分かりそうなものなのに」
「危機管理が出来てないわよね。元は男爵令嬢だったミリアリス妃はともかく、皇帝なんて国のトップなのに……。どうかしてるわ」
二人はグイー、とワインを飲む。
「それでね、ミリアリス妃なんだけど、プレスコット王国の姫が側妃にいるらしいことはようやく把握したみたいなの。けど、それだけ外に出て人と関わってるのに、自分が取り違えられてるとは気付いてないみたいなのよ。信じられる? 多分、そんなことになってるだなんて夢にも思ってないからだろうけど、察しが悪いにもほどがああるわよ」
「はぁぁぁぁ!? まだ気づいてないの!?」
恐ろしいことに、彼女はそうやって外に出て人に混ざっておきながら、自分とミリアリアが取り違えられていることにちっとも気付いていないのだ。
「まあ、時間の問題だとは思うんだけど、気付くまでどれだけ時間がかかるか……。クソ皇帝がその座を追われるまで気付きそうにないな、とも思えてきたのよね」
「そんなに?」
重々しく頷くミアに、スカーレットはもう一本ワインのコルクを抜く。
「あの鈍感ぶり、見ていて可哀想になって来たわよ。顔は可愛いし、気立ても良いから、男爵令嬢の身分に相応しい暮らしをしてればきっと幸せになれたでしょうに、あのクソ皇帝に見初められたが故に破滅しか待ってないわ。きっと、事態に気付いた時には破滅へ真っ逆さまよ」
「うわぁ……」
スカーレットが苦い顔で呻く。
「きっと運命のいたずらとでもいうような誰にとっても予想外な事が起きない限り、ミリアリス妃に救いは無いでしょうね」
そう言いながら、ミアは魔法で鞄から遠見の水晶を取り出す。
「今も暢気に掃除でもしてるんでしょうね」
そう言いながら、ワイン片手にブレスト皇国の王宮内の様子をそれに映した。
「いらっしゃい、ミア!」
「こんにちは、スカーレット。突然お邪魔させてもらって、ごめんなさいね」
「いいのよ。さあ、入って」
笑顔で案内された客間は、薄い緑色の小花が描かれているれている壁紙に、渋い飴色の家具がマッチした可愛らしくも落ち着いた空間だった。
「あ、そうだ。これ手土産」
「あら、別に良かったのに……」
ミアは手に持っていたちょっと良いワインを渡し、スカーレットは遠慮しつつも嬉しそうにそれを受け取った
「それで、今日はどうしたの?」
「んー……。愚痴……になるのかしら? ちょっと一人では抱えきれないから、聞いてほしいことがあって……」
お茶を淹れながら問われたことに、ミアは疲れたように答える。
そんなミアの様子を見て、スカーレットは心配そうな顔をしながら、カップをミアの前に置いた。
「大丈夫? 愚痴でも何でも聞くわよ?」
「ありがとう」
ミアは紅茶に砂糖を入れ、一口飲み、言う。
「ブレスト皇国のことなんだけど――」
「あ、待って。ちょっとワインを持ってくるわ」
酒でも飲んでないと聞いてられない話題と察し、スカーレットはワインとグラス、そしておつまみを用意するために台所へ姿を消した。
***
真昼間だからか、用意されたワインは度数が低く、ジュースのようにフルーティーな味わいのものだった。
「これ、美味しいわね」
「そうでしょ。まあ、昼だし、これが丁度良いかと思って」
しかし、度数は低くとも酒は酒。多少なりとも酔える命の水である。
そうしてワインを一杯飲みほして、スカーレットはミアが話そうとしたことの続きを促した。
「実はね、男爵令嬢だったミリアリス妃のことなの」
「ああ、ミリアリア姫と取り違えられてる人ね」
「ええ、その人よ。そのミリアリス妃なんだけど……」
ミアは眉間に皺をよせ、絞り出すような声で言う。
「あの人、暇だからってメイド服をどこからか手に入れて、メイドに混じって仕事をしていたのよ!」
「は……?」
スカーレットの手からつまみのチーズが零れ落ちた。
「もう、信じられないことに、誰も気づかないのよ⁉ そのメイドが側妃だって! 昼食を食べたら散歩に行くって庭園に消えて、そこから隠密行動して空き部屋に隠してあるメイド服を着て、洗濯やら掃除やらにしれっと混ざって仕事して、ああいい仕事した、って汗をぬぐって帰っていくのよ! 信じられる⁉」
半ば叫ぶかのようにそう言うミアに、スカーレットは頭が痛いとでも言うかのように眉間に寄ったしわを揉み解すように押さえる。
「それ、本当なの? バレたら一大事じゃない」
「そうなのよ! あの皇妃を殺してまでミリアリス妃を隣に置こうとしてるクソ皇帝よ? こんなのバレたらミリアリス妃に付けられた使用人たちは軒並み斬首よ!」
「まあ、普通に責任問題よね。――と、いうか、暇なら側妃教育でも受ければいいのにね。明らかに教育が足りてないじゃない」
元は男爵令嬢で、自分でも側妃になれるような人間ではないと言っていたのだ。軽率にメイドに混じって仕事などすれば、とがめを受けるのは自分だけではない。自分だけではなく、仕えてもらっている人間の人生を知らぬうちに危険にさらしている。
「いえ、むしろそれは皇帝が手配すべきよね。皇妃にしたいなら、皇妃に相応しい気品と知識を身につけないといけないんだから」
「おが屑すら詰まってない頭だから、気が回ってないんでしょう」
酷い言いようだが、そうとしか言えないものしか見ていない。皇妃の軟禁、使用人の解雇、側妃二人の後宮入り、それによる混乱を利用した取り違え。更に皇帝にとって都合の良いことに使用人の不足によってミリアリアは放っておかれ、知らない間に死んでいた。彼女付きの使用人は混乱の中、手違いによって彼女には付けられておらず、不満が出ないがゆえにそれに気付かれず、今日に至っている。
色々と皇帝の都合の良いように進んでいるように見えるが、その先は魔女二人には破滅しか見えない。
「皇帝にせよ、ミリアリス妃にせよ、想像力が貧困なのよね。ちょっと想像すれば分かりそうなものなのに」
「危機管理が出来てないわよね。元は男爵令嬢だったミリアリス妃はともかく、皇帝なんて国のトップなのに……。どうかしてるわ」
二人はグイー、とワインを飲む。
「それでね、ミリアリス妃なんだけど、プレスコット王国の姫が側妃にいるらしいことはようやく把握したみたいなの。けど、それだけ外に出て人と関わってるのに、自分が取り違えられてるとは気付いてないみたいなのよ。信じられる? 多分、そんなことになってるだなんて夢にも思ってないからだろうけど、察しが悪いにもほどがああるわよ」
「はぁぁぁぁ!? まだ気づいてないの!?」
恐ろしいことに、彼女はそうやって外に出て人に混ざっておきながら、自分とミリアリアが取り違えられていることにちっとも気付いていないのだ。
「まあ、時間の問題だとは思うんだけど、気付くまでどれだけ時間がかかるか……。クソ皇帝がその座を追われるまで気付きそうにないな、とも思えてきたのよね」
「そんなに?」
重々しく頷くミアに、スカーレットはもう一本ワインのコルクを抜く。
「あの鈍感ぶり、見ていて可哀想になって来たわよ。顔は可愛いし、気立ても良いから、男爵令嬢の身分に相応しい暮らしをしてればきっと幸せになれたでしょうに、あのクソ皇帝に見初められたが故に破滅しか待ってないわ。きっと、事態に気付いた時には破滅へ真っ逆さまよ」
「うわぁ……」
スカーレットが苦い顔で呻く。
「きっと運命のいたずらとでもいうような誰にとっても予想外な事が起きない限り、ミリアリス妃に救いは無いでしょうね」
そう言いながら、ミアは魔法で鞄から遠見の水晶を取り出す。
「今も暢気に掃除でもしてるんでしょうね」
そう言いながら、ワイン片手にブレスト皇国の王宮内の様子をそれに映した。
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