お姫様は死に、魔女様は目覚めた

 とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
 しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
 そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……

「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」

 姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。

「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」

 魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
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