49 / 57
悪夢編
第十二話 疑い2
しおりを挟む
アプリコットジャムを買い、ネモが次に向かった場所は冒険者ギルドだ。冒険者ギルドは混む時間帯では無かったため、人はまばらだった。
ネモはカウンターへ行き、ギルドマスターか、副ギルドマスターへ取次ぎをお願いした。受付嬢は少し怪訝な顔をし、アポイントメントの有無を聞かれた。最近街に着いたばかりのネモは、そんなものはもちろん無い。
そう言えば、受付嬢は難しい顔をした。
「大事な話があるのよ。別に教えてもらえるならギルマスたちに聞かなくてもいいんだけど、外国の貴族の子息の捜索願が出てないか知りたいの。場合によっては、情報提供が出来るかもしれないわ」
「それは……」
ネモが声を潜めて言うことに、ますますそれを濃くする。
しかし、それなら目の前の少女は情報提供が目的ということだ。もしそう言う案件があるのなら、確かにギルドマスターや副ギルドマスターに任せるべきだろう。そう判断し、受付嬢は上司に指示を仰ぐべく席を外した。
そして数分後、副ギルドマスターが出てきて、ネモは応接室へと通されたのだった。
***
太陽は山の向こうに沈み、月が煌々と夜空に輝く。
星々は暗い夜空に瞬き、僅かな光源が町はずれの道を走る人影を浮かび上がらせる。
深夜。町はずれの道を身体強化の魔法をかけて走るのは、白銀の髪の少女――ネモだ。
ネモは目的地の近くで魔法を切り、気配を殺して移動する。目的地は、ハウエル邸だ。
「確たる証拠が無ければ動けないって、面倒よねぇ……」
「きゅーい……」
ため息交じりの愚痴に、あっくんが同意するように頷く。
冒険者ギルドに情報を求めてみれば、ネモの持ち込んだそれは見事ヒットした。ここから北西に位置する二つ隣の国に、マクシード子爵という名の通った貴族が居る。その貴族の三男坊が何者かに攫われ、行方不明なのだとか……
ネモは気配を殺しながら、ハウエル邸の敷地内へ侵入する。目指すは、ネモが泊まった頭とは反対側の棟――ハウエル夫人の部屋だ。
ネモは庭木に身を隠しながら、二階部分に見えたテラスを目指す。テラスの柱に身を隠し、身体強化魔法を強くかけてジャンプした。
一気に飛び上がり、テラスに降り立つ。テラスは掃除されたような形跡は見られず、土埃や木の葉が白いタイルの床を汚していた。
ネモは素早くガラス戸の脇へ身を隠し、そっと室内を窺う。
ガラス戸の中はカーテンが中途半端に閉まっており、月明りが室内をぼんやりと浮かび上がらせていた。
部屋の中に見えるのは、古びた天蓋付きのベッドと机、化粧台。小さな卓にソファ、長椅子。――そして、その長椅子にくたりと倒れたハウエル夫人だった。
ネモはぎょっとして目を剥く。どうやら、ここはハウエル夫人の部屋だったらしい。
ハウエル夫人はどうやら眠っているらしい。閉じられた瞼と微かに上下する肩に、小さく息をつく。
ネモはガラス戸の向こうから、それにしても……、と眉をひそめる。長椅子に倒れるハウエル夫人の様子は、とても不自然だった。ついうっかり長椅子でうたた寝し、そのまま眠ってしまった、とは思えない違和感があった。
「……まるで、人形みたい」
違和感の正体は、ハウエル夫人は確かに生きているのに、繰り手の居ない操り人形みたいな脱力の仕方をしていたからだ。
ネモはそのまま中に侵入することに決め、ガラス戸を開けようとそっとノブに力を入れる。そして、それが簡単に開いたことに眉をひそめた。
「鍵が開いてるとか、ホント……」
ネモは小さく溜息をつき、音を立てないようにそっとガラス戸を開け、中へ侵入する。
そうして忍び足でハウエル夫人に近づき、彼女を起こそうと軽く肩をゆする。すると、しばらくしてハウエル夫人の目がゆっくりと開いた――が、しかし、それ以上の反応を彼女は返さなかった。彼女は長椅子から身を起こすことも、声を上げることもしなかったのだ。
普通なら、深夜に家に不法侵入した人間を見れば、悲鳴か誰何の声を上げるだろう。それをしないことに――否、出来ないことに、ネモは苦い顔をする。
「なるほど。体の自由は全くないのね……」
ハウエル夫人はただただじっとネモを見つめる。
「……だけど、意識はある」
その目を見つめ返せば、ハウエル夫人のその瞳に更なる力が込められたように感じた。
「瞬きは自由に出来る?」
その問いに、ハウエル夫人は何度も瞬きをして答えた。
「じゃあ、イエスは一回。ノーは二回で」
それに、ハウエル夫人は瞬きを一回返した。
「貴女の名前は、ケイト・ハウエル。どこぞの奥方なんかじゃなく、マクシード子爵家に仕える侍女頭で合ってるかしら?」
その問いにハウエル夫人――否、侍女頭のケイトは目を瞠りながらも、瞬きを一回返す。
「それじゃあ、もう一つ。使用人のサミュエル君は、半年前に誘拐されたマクシード子爵家の三男坊、サミュエル・マクシード子爵令息ね?」
ケイトの瞳にじわりと涙がにじむ。そして、彼女は一回瞬きを返した。
やっぱり……、と予想通りだったそれに、ネモは溜息をつく。
ネモがそれに気付いたきっかけは、ケイト――ハウエル夫人とのお茶会で出たマーマレードジャムから発展した美談のワインの話からだ。美談のワインは、マクシード子爵の名を国外にまで広めた。ケイトは制限された行動の中で、どうにか情報を発信して来たのだろう。この屋敷に、誘拐されたマクシード子爵の三男坊が居るのだということを。
「サミュエル殿は自分が使用人であることに違和感を抱いてる様子は無かったわ。つまり、あれは暗示を超えて洗脳されてるんでしょうね。そして、貴女。貴女はプログラムされた行動をなぞり、動く人形状態。受け答えに違和感は無かったし、助けは呼べなくても、話題を選ぶことは出来たからそこら辺は融通が利くみたいね」
ケイトはじっとネモを見つめ、その言葉を聞く。
「厄介だわ……。こんなこと、とても人間が出来るとは思えない」
そう言った、その時だった。
「ごめ~いと~う」
突如、ケタケタと笑い声が響いた。
ぎょっとして辺りを見回すネモは、気付く。部屋の隅に張られた蜘蛛の巣に、目を赤く光らせる蜘蛛が居たことに――!
「いやぁ、バレちゃったねぇ」
小さな蜘蛛の数本の脚が、突如膨れ上がるように大きくなる。そして、胴体が大きくなり、残る脚が大きくなる。人間サイズになった巨大蜘蛛は、部屋の天井の隅から飛び降りた。
ネモはケイトを背後に庇うように立った。
「……アンタが誘拐犯ね? ホント、やだ。やっぱり人間じゃ無かった!」
苦々し気に吐き捨てた言葉に、蜘蛛は改めてケタケタと笑い声を上げる。
「その通り! 俺は人間じゃないよぉ」
ギラギラと輝く八つの目を持つ蜘蛛の頭が、粘土のようにぐちゃりと潰れ、新たな形を作っていく。
「俺はねぇ、悪魔さ、お嬢ちゃん!」
気色の悪い粘土細工は、無精ひげを生やした男――ハウエル邸のコック、ロベルの顔をしていた。
ネモはカウンターへ行き、ギルドマスターか、副ギルドマスターへ取次ぎをお願いした。受付嬢は少し怪訝な顔をし、アポイントメントの有無を聞かれた。最近街に着いたばかりのネモは、そんなものはもちろん無い。
そう言えば、受付嬢は難しい顔をした。
「大事な話があるのよ。別に教えてもらえるならギルマスたちに聞かなくてもいいんだけど、外国の貴族の子息の捜索願が出てないか知りたいの。場合によっては、情報提供が出来るかもしれないわ」
「それは……」
ネモが声を潜めて言うことに、ますますそれを濃くする。
しかし、それなら目の前の少女は情報提供が目的ということだ。もしそう言う案件があるのなら、確かにギルドマスターや副ギルドマスターに任せるべきだろう。そう判断し、受付嬢は上司に指示を仰ぐべく席を外した。
そして数分後、副ギルドマスターが出てきて、ネモは応接室へと通されたのだった。
***
太陽は山の向こうに沈み、月が煌々と夜空に輝く。
星々は暗い夜空に瞬き、僅かな光源が町はずれの道を走る人影を浮かび上がらせる。
深夜。町はずれの道を身体強化の魔法をかけて走るのは、白銀の髪の少女――ネモだ。
ネモは目的地の近くで魔法を切り、気配を殺して移動する。目的地は、ハウエル邸だ。
「確たる証拠が無ければ動けないって、面倒よねぇ……」
「きゅーい……」
ため息交じりの愚痴に、あっくんが同意するように頷く。
冒険者ギルドに情報を求めてみれば、ネモの持ち込んだそれは見事ヒットした。ここから北西に位置する二つ隣の国に、マクシード子爵という名の通った貴族が居る。その貴族の三男坊が何者かに攫われ、行方不明なのだとか……
ネモは気配を殺しながら、ハウエル邸の敷地内へ侵入する。目指すは、ネモが泊まった頭とは反対側の棟――ハウエル夫人の部屋だ。
ネモは庭木に身を隠しながら、二階部分に見えたテラスを目指す。テラスの柱に身を隠し、身体強化魔法を強くかけてジャンプした。
一気に飛び上がり、テラスに降り立つ。テラスは掃除されたような形跡は見られず、土埃や木の葉が白いタイルの床を汚していた。
ネモは素早くガラス戸の脇へ身を隠し、そっと室内を窺う。
ガラス戸の中はカーテンが中途半端に閉まっており、月明りが室内をぼんやりと浮かび上がらせていた。
部屋の中に見えるのは、古びた天蓋付きのベッドと机、化粧台。小さな卓にソファ、長椅子。――そして、その長椅子にくたりと倒れたハウエル夫人だった。
ネモはぎょっとして目を剥く。どうやら、ここはハウエル夫人の部屋だったらしい。
ハウエル夫人はどうやら眠っているらしい。閉じられた瞼と微かに上下する肩に、小さく息をつく。
ネモはガラス戸の向こうから、それにしても……、と眉をひそめる。長椅子に倒れるハウエル夫人の様子は、とても不自然だった。ついうっかり長椅子でうたた寝し、そのまま眠ってしまった、とは思えない違和感があった。
「……まるで、人形みたい」
違和感の正体は、ハウエル夫人は確かに生きているのに、繰り手の居ない操り人形みたいな脱力の仕方をしていたからだ。
ネモはそのまま中に侵入することに決め、ガラス戸を開けようとそっとノブに力を入れる。そして、それが簡単に開いたことに眉をひそめた。
「鍵が開いてるとか、ホント……」
ネモは小さく溜息をつき、音を立てないようにそっとガラス戸を開け、中へ侵入する。
そうして忍び足でハウエル夫人に近づき、彼女を起こそうと軽く肩をゆする。すると、しばらくしてハウエル夫人の目がゆっくりと開いた――が、しかし、それ以上の反応を彼女は返さなかった。彼女は長椅子から身を起こすことも、声を上げることもしなかったのだ。
普通なら、深夜に家に不法侵入した人間を見れば、悲鳴か誰何の声を上げるだろう。それをしないことに――否、出来ないことに、ネモは苦い顔をする。
「なるほど。体の自由は全くないのね……」
ハウエル夫人はただただじっとネモを見つめる。
「……だけど、意識はある」
その目を見つめ返せば、ハウエル夫人のその瞳に更なる力が込められたように感じた。
「瞬きは自由に出来る?」
その問いに、ハウエル夫人は何度も瞬きをして答えた。
「じゃあ、イエスは一回。ノーは二回で」
それに、ハウエル夫人は瞬きを一回返した。
「貴女の名前は、ケイト・ハウエル。どこぞの奥方なんかじゃなく、マクシード子爵家に仕える侍女頭で合ってるかしら?」
その問いにハウエル夫人――否、侍女頭のケイトは目を瞠りながらも、瞬きを一回返す。
「それじゃあ、もう一つ。使用人のサミュエル君は、半年前に誘拐されたマクシード子爵家の三男坊、サミュエル・マクシード子爵令息ね?」
ケイトの瞳にじわりと涙がにじむ。そして、彼女は一回瞬きを返した。
やっぱり……、と予想通りだったそれに、ネモは溜息をつく。
ネモがそれに気付いたきっかけは、ケイト――ハウエル夫人とのお茶会で出たマーマレードジャムから発展した美談のワインの話からだ。美談のワインは、マクシード子爵の名を国外にまで広めた。ケイトは制限された行動の中で、どうにか情報を発信して来たのだろう。この屋敷に、誘拐されたマクシード子爵の三男坊が居るのだということを。
「サミュエル殿は自分が使用人であることに違和感を抱いてる様子は無かったわ。つまり、あれは暗示を超えて洗脳されてるんでしょうね。そして、貴女。貴女はプログラムされた行動をなぞり、動く人形状態。受け答えに違和感は無かったし、助けは呼べなくても、話題を選ぶことは出来たからそこら辺は融通が利くみたいね」
ケイトはじっとネモを見つめ、その言葉を聞く。
「厄介だわ……。こんなこと、とても人間が出来るとは思えない」
そう言った、その時だった。
「ごめ~いと~う」
突如、ケタケタと笑い声が響いた。
ぎょっとして辺りを見回すネモは、気付く。部屋の隅に張られた蜘蛛の巣に、目を赤く光らせる蜘蛛が居たことに――!
「いやぁ、バレちゃったねぇ」
小さな蜘蛛の数本の脚が、突如膨れ上がるように大きくなる。そして、胴体が大きくなり、残る脚が大きくなる。人間サイズになった巨大蜘蛛は、部屋の天井の隅から飛び降りた。
ネモはケイトを背後に庇うように立った。
「……アンタが誘拐犯ね? ホント、やだ。やっぱり人間じゃ無かった!」
苦々し気に吐き捨てた言葉に、蜘蛛は改めてケタケタと笑い声を上げる。
「その通り! 俺は人間じゃないよぉ」
ギラギラと輝く八つの目を持つ蜘蛛の頭が、粘土のようにぐちゃりと潰れ、新たな形を作っていく。
「俺はねぇ、悪魔さ、お嬢ちゃん!」
気色の悪い粘土細工は、無精ひげを生やした男――ハウエル邸のコック、ロベルの顔をしていた。
11
お気に入りに追加
1,084
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。
みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
前世の幸福ポイントを使用してチート冒険者やってます。
サツキ コウ
ファンタジー
俗に言う異世界転生物。
人生の幸福ポイントを人一倍残した状態で不慮の死を遂げた主人公が、
前世のポイントを使ってチート化!
新たな人生では柵に囚われない為に一流の冒険者を目指す。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる