入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第二部

ポチタロウと、企画屋の末路:3

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 強力ボンドを絞り出して・・・僕は、糸目と椅子をくっつけた。



ー 僕に攻撃のたぐいは、一切きかないよ? ー



 糸目には、そんなことを言われてはいた。でもこの時の僕は、それを忘れていた。糸目の聞き取りづらい話を長々と聞かされた後だったので、情報が上書きされまくっていた><。



 幸いなことに「ボンドを絞り出す行為」は、攻撃と見なされなかったのか? 糸目は普通に椅子とくっついた。



 このボンドは、スーと早漏特訓をする時に使ったオナホバンド、あれを作った時に「強力すぎて」(用意してもらったものの)ほとんど、使えなかったものだ。



 そのボンドを使って、僕は糸目を椅子に貼り付け始めた。それを見たサラが「業務用」って感じの、500ミリペットボトルくらいのでっかいチューブに入ったものを、新たに用意してくれた。僕はそれを丸々1本使った。



 特に「手と椅子の間」には、ボンドを念入りに塗りつけておいた。この男にこれ以上「手」を使わせない為に、そうしておいた。



 糸目はガイドタブレットを「手で操作して」、変身したり、物を取り出したりをしていた。


 すでにそのガイドタブレットは、サラの空間に置いてきた後だった。タブレットがなければ、この男は「何もできないのではないか?」・・・そんな気はしていた。



 でも、糸目が「予備」を持っていないとも限らなかった。ガイドタブレットなしでも、何かができるかもしれなかった。(酔っ払って寝てしまってはいたけど)相手は高次らしき存在なのだ。念には念を、入れておくべきだと思った。



 そんな訳で僕はまず、糸目をボンドでガッチリ固めた。そうしてから「持ち物検査」を開始した。



 「男の体をまさぐる趣味」なんて僕にはないし、この男に触るなんて、あんまりいい気はしなかった。



 それでも(サラに用意してもらった、孫の手を使ったりしながらも)僕は時間をかけて、糸目の体を検査していった。「起きなさそう」ではあったけど、「起きないように」と慎重に事を運んだ。



「ZZZ・・・グゴッ・・・zZZZZ」



 糸目のいびきが変化する度に、僕は手を止めた。少しヒヤヒヤしたけれども、結局、身体検査が終わっても、糸目が起きることはなかった。



 ちなみに、ズボンの後ろポケットや、背中側は「くっつけてしまった後」だったので、調べることができなかった。その代わりに、サラにもう1本、強力ボンドを用意してもらって、糸目の背面と椅子を再度、念入りにくっつけた。



 こうしておけば、糸目が「後ろ側に何かを持っていた」としても「もう取り出すことは出来ない」だろう・・・。そう考えたのだ。



・・・
・・・
・・・。



 糸目の身体検査を終えてみると・・・。



 ズボンの左右の前ポケットには、ワン○ップの中栓が2個ずつ、入っていた。糸目はそれ以外に、なんにも持っていなかった。



 でも逆に、それが気になってしまった。



 糸目はワンカ○プの「瓶」はフロントのカウンターテーブルの上に並べて置いていた。「中栓」だけをポケットに入れていた。



 これに何か意味がある気がしたのだ。なので注意深く中栓を調べてみた。でも、まごう事なき中栓だった。



 一応、中栓も糸目から奪って、サラのいる(僕の頭の中の)空間に、置いてきた。



 ひょっとしたら糸目が「ワ○カップの『中栓』を『爆弾』に変える能力を持っている」・・・なんてことがあるかもしれないのだ。



 そこから思いついて、カウンターの上に置いてあった瓶も回収して、サラのところに置いてきた。



 ひょっとしたら、糸目が「ワ○カップの『瓶』を『枝豆』に変える能力」を持っていて・・・。そんでもって、「枝豆かよ」ってバカにした瞬間に、その枝豆をとんでもない方法で使用して、僕らが倒されてしまうことだって、あるかもしれないのだ。



 この時の僕は、そんなことまで妄想してしまっていた><。



 糸目が瓶を「投げつけて」使っていた時点で、たぶんまあ、そんなことはないだろうとはわかっていた。椅子と糸目をくっつけた今「カウンターテーブルの上にある瓶に、手が届かない」だろうこともわかっていた。それでも僕は、瓶と中栓を回収せずにはいられなかった。


ー 人間が想像しうるものは実現しうる ー



 なんか、そんな感じの言葉があったのを思い出したのだ。僕が「思いついちゃった」からには、そんなことも、あり得るかもしれない・・・。そんな危機感を覚えていた。



 魔王にトドメを差し損なった時みたいに、詰めの甘いところは残しておきたくなかった。僕にとってはこの糸目が「大魔王」みたいな存在だと思った。



 サラの部屋で僕は、瓶と中栓を、部屋の床に並べてみた。サラが座っているベッドのすぐそばの床に置いた。そうするとなんだか「サラがそれを飲んだくれた後」みたいな状況に見えた。



ー 「ヤンキー酔っ払い幼女」というジャンルも、いいものかもしれない・・・ ー



 一瞬そんなことが頭をよぎった。でも「可愛い幼女」なら、どんなジャンルでも、受け入れられそうな・・・そんな気もした。



(そんなことを考えている場合ではない、ポチタロウ!)



 また気が緩んでいるように思った。自分で自分にツッコんだ。



 現実世界へ戻った僕は、糸目の状況を再確認した。今度は、糸目の両手の「指と指の間」にも、ボンドを塗りたくった。



 そこまでして、もう一度糸目を見てから、僕はやっと気がついた。



ー さすがに、考えすぎちゃってる? ー 



 なんてことに・・・。
 


「ZZZ・・・ZZZZ・・・ZZZ」



 (ちょっとずり落ちた姿で)椅子と一体化したまま、糸目のいびきは、まだ続いていた。



■■■■■■
□□□□□□


ポチタロウと、企画屋の末路:3


■■■■■■
□□□□□□



(ひとまずは・・・これで大丈夫かな?)


 
 ひととおり糸目の無力化を終えたところで、僕はスーに声をかけた。



「スー・・・。しばらく休んでも、たぶん大丈夫だよ。・・・お疲れ様」



 僕の尻尾を絶妙な位置で固定したり、頭の中でいろいろと作戦を考えたりして、スーも疲れているのではないか? そんなことを思った。



「ポチにぃも・・・おつかれさま」



 そう答えたスーは、やっぱり元気がないように見えた。



 いろいろ考えたので、僕自身も疲れていた・・・。スーの隣の椅子に腰掛けた。体重を背もたれにかけて、天井を見上げた。そうして少し脱力した。



(・・・サラに、無駄に散財させちゃったかもしれない・・・)



 椅子の上で僕は、そんなことを考えていた。



 この時の僕に、糸目への「同情心」なんてのは、まるでなかった。



 糸目が僕に一時的に「興味をなくしてしまった」のと同じように、僕も「椅子とくっついた糸目が、この先どうなるか?」・・・なんてことには興味がなかった。



 ただ、サラにいろいろと準備してもらったことを、申し訳なく思っていた。



ーーーーーー



 僕は「糸目が瓶を(安定性のない)肘掛けに置いた」のを見て「酔わせて眠らせる作戦」に切り替えた。糸目の判断力が衰えていたので「殺す」という選択肢は一旦、除外した。



ー どんな悪人に見えても、殺してしまうなんてとんでもない。 ー



 そんな気持ちが2割くらい。



ー こんな男を殺して「人殺しの業」を背負うのは割に合わない。 ー



 なんて気持ちが8割くらいだったと思う。



 糸目が酔って眠れば、キュウロクが答えを出してくれるまでの「時間稼ぎ」にはなるだろうし、ひとまずそれでいい気がした。



 それでももし糸目が、僕や、僕の仲間達の命を脅かすような真似をしてきたら「殺す」という選択肢も、また追加するべきだとも、冷静に考えていた。



 糸目は、僕を「大魔王にして殺す」と言った。



 そんでもって僕の大好きな有名なアニメでは、こんなことを言っていた。



ー 殺していいのは、殺される覚悟があるやつだけだ ー



 僕はそれを踏襲すると決めていた。



 すでに僕らはもう、言語を話す魔物「魔王」だって殺してきたのだ。



 この世界では「それが常識なんだ」って言い聞かせた。



・・・
・・・
・・・。



 ちょっと脱線しちゃったので、話を戻したいと思う。



 糸目を眠らせるにあたって、僕はサラに、少し高いお酒を用意してもらった。これは糸目がテンションをあげて(疑うことを忘れちゃって)飲んでくれることを期待してのことだった。



 睡眠薬を入れることもちょっとだけ頭をよぎったんだけど、やめておいた。糸目に「毒味をしろ?」とか言われた際に、困ると思ったからだ。



 アルコール度数の高いお酒を、サラに何本か用意してもらったのは、糸目の好みがわからなかったからだ。とにかく(糸目が気に入った)度数の高いお酒を飲ませて、早く眠らせてしまいたかった。



 そんな思考をした上で、僕は糸目にお酒を差しだしたのだった。短い時間で、結構いろいろと考えたのだ><。



 結果として、糸目はまったく疑うことなく、それを飲み始めた。今となっては、安いお酒でも「タダ酒が飲める」なら、糸目は平然とそれを飲んだ気がしていた。



 「判断力が鈍っている」と理解した上で、僕が想定したよりも「酔っ払った糸目の判断力」は、さらに輪をかけて鈍っていたように思う。



 あれだけ衰えていたのなら、途中で僕が、糸目のガイドタブレットを奪ったところで、それにすら気づかなかったかもしれない・・・。



 途中から糸目は、ガイドタブレットを触ることすらやめて、ウイスキー片手に饒舌に話を続けていたのだ。(ただしほとんど聞き取れなかったけど><)



 なんだか、頑張っていろいろ考えたのに、それらが無駄になった気がしてきた。



 緊迫した場面が続いていたので、少し拍子抜けしてしまった。



 糸目が眠った後も、僕は慎重になりまくって、強力ボンドを塗りたくった。ボンドでカピカピになった糸目は、今も尚、眠り続けていた。



(せめてボンドは、1チューブでよかったかもしれない)



 ・・・なんてことを思った。



 僕はサラに、ここらへんを説明して謝った。「高いお酒」とか「強力ボンド」とかで、サラに余分なポイントを使わせてしまった気がしたのだ・・・。



 僕の話を聞いたサラは、(アニメ幼女声で)こう言った。



(結果的にそうなっちまったけどさ? そうならなかった可能性もあるだろ?)
(まあ・・・それはそうだね・・・)



(絶対倒さなきゃならない相手なら、オーバーキルで、ちょうどいい! よくやったな、ポチ公!)



 サラが(僕の頭の中で)「にしし」って感じで、笑っているような気がした。



(ほんとにありがとね、サラ・・・またちゃんと、お礼、させてね?)
(水くせぇこと言うな! 最後はスカッとしたし! 強力ボンドは、最高だった!)



 サラはそう言って、ゲラゲラと笑った。僕もちょっと笑えてきて・・・そんでなんか、いろんな感情が溢れてきた。



 僕は物事を悲観的に、考えがちなところがある。



 その僕と一緒に、今、サラがいてくれる。いざという時には頼りになって、そんでもって、すぐに楽観的に頭を切り替えられる、そんなサラがいてくれる。



 とってもありがたくって、とっても愛しい気持ちになった。



(・・・せめて、今度、抱きしめさせてね・・・っいうか、僕がそれをしたい・・・)
(はう!! ・・・・・・バカ)



 そう答えたサラが可愛すぎて、思わず僕はそのまま(頭の中の空間に)サラを抱きしめに行きそうになってしまった・・・。



 でも・・・。



 まだやることは残っていた。(慎重になりすぎるのも、考えものかも知れないけど)こういう時に、油断しちゃいけないのだ。



 キュウロクからの答えをまだ聞けていない・・・。創造者クリエイターにまだ、連絡を取れていない・・・。



 それに・・・。ひょっとしたらシルは今もまだ、プロンプト入力を頑張ってくれてるかもしれないのだ・・・。



 僕はまた、気を引き締めなおすことにした。



(ポチたおう、答え、返ってきたお?)



 ちょうどシルのことを考えたところで、当の本人から、連絡があった。



(ありがとね、シル。お疲れ様・・・)



 僕はシルに、労いの言葉をかけた。



 さて・・・。



 キュウロクは、どんな答えを返してくれたのだろう・・・。



 良い結果が出ていることを、期待せずにはいられなかった。



ーーーーーー



(シルから、サラに、内容を転送してもらって・・・)



「スー・・・じゃあ、もう一度、サラのところへ行ってくるね?」


 
 段取りを頭の中で整えた僕は、スーにそう告げた。



 キュウロクからの回答内容を、シルからサラに転送してもらって、それを(頭の中のサラの空間で)確認してこようと考えていた。



 シルにそのまま読み上げてもらうこともできたけど、それはやめておいた。シルの「だお言葉」で、キュウロクの回答を読み上げてもらっても「話は半分も入ってこないだろう」と容易に想像できてしまった><。



「ポチにぃ・・・。ボクが、行ってくるの、でも、いい?」



 大抵は、肯定の返事を返してくれる、スーがそう答えた。



 スーに理由を尋ねてみると「何か、あった時の、ために、ポチにぃが、ここに、残る方が、いいと、思う・・・」とのことだった。



「何か、心配があるの?」



 僕がそう聞くと、スーはさらに言葉を続けた。



「もし、こいつが、起きて、また、ポチにぃの・・・悪口を言ったら・・・」
「うん」



「その時に、ポチにぃが、いなかったら・・・」
「うん・・・」



「こいつを、攻撃、するのを、ボクは・・・止められ、ないと・・・思う・・・」
「スー・・・」



・・・
・・・
・・・。



 スーは、思った以上に、糸目にご立腹の様子だった。



 逸る気持ちもあったけど、一旦キュウロクの返答については後回しにして、僕はスーの話を聞いてみることにした。



 表情に出にくいとはいえ、僕はスーがこんなに怒っていることに、気づいてあげられていなかったのだ><



ー 最近、サラに寄りすぎている・・・ ー



 そんなことにも気づいた。



 僕の頭の中の空間いるものだから、サラは「一」心同体ってわけではないけど、「二」心同体の状態には近い。サラは僕の目や耳を通して、見たり聞いたりしているのだ。



 そんな訳で、サラはすぐに僕と、とても近しい関係になったし、今では良き相棒って感じまである。「距離が近い方が親密さが増しやすい」的な言葉があったと思うんだけど、僕らの距離は「近すぎる」のだ。



 なにせサラは、僕の頭の中に今、住んでいるのだ・・・。



 かといって、僕はスーを嫌いになったりなんかしていないし、むしろ大好きだ。



 僕はスーと釣り合うような奴になりたいって思っている。ちゃんとこの子のことも考えてあげたい。



ー ちゃんと気づけたし、今はそれでいい。 ー



 そんな風に前向きに考えることにした。スーの話をちゃんと聞いてみようと思った。



 でも、そう考えた後で、ちょっとハッとしてしまった。



ー そもそもそんな風に前向きに考えられるようになったのは、きっとサラのおかげでもある。 ー



 それにも気づいてしまったのだ><。
 


 そこから僕の思考は、こんな感じで、展開していった。



(いやいや、ポチタロウ。スーがいてくれたから、僕ができるようになったことだってある。そこらへんはきっと、スーだって同じだ)

   ↓

(みんなだってそうだ。みんながいてくれたからこそ、僕は魔王を倒して、こうしてここにいることができている)

   ↓

(みんながいてくれて、僕はなんとか生きている・・・。そんなメモまでしたじゃないか、ポチタロウ! ・・・僕にはやっぱりみんなが必要なんだ)

   ↓

(VR体だとはいえ、サラにだけおちんちんを挿れちゃったから、より親しくなったって部分はあるのかな?)

   ↓

(みんなにもおちんちんを挿れてしまいたい・・・)



・・・
・・・
・・・。



 結局のところ「みんなにおちんちんを挿れたい」・・・なんて結論に到ってしまった僕がいた><。



 恋愛関係についての僕の思考は、やっぱりひどいものだと思った><。



 ・・・っていうより「恋愛」についてさえ、ちゃんと考えられていなくて、結局「性欲」が勝ってしまっている気までしてしまった><。



ー 大魔王は、糸目じゃなくて、僕のおちんちんかもしれない・・・(でも入れたいものは入れたい) ー



 僕はその時、そんなことまで思ってしまった。



ー 人間が想像しうるものは実現しうる ー



 その言葉をまた思い出してしまって、ちょっと怖くなった。



 僕自身が大魔王になるのも嫌だったけど「僕のおちんちんが大魔王」って展開も、歓迎したいものではなかった。



(今は、スーのことを考えろ、ポチタロウ!)



 それでもスーの話を聞く為に、僕は気持ちを切り替えることにした。



(っ・・・!)



 でもそこでまたまた、ハッとなってしまった。



ー 気持ちを素早く切り替える ー



 これは、魔物を倒す時や、旅の間に、何度も思ってきたことではあった。



 でも、恋愛方面では、それを実践できたことは、正直あんまりなかった><。それができるようになりつつあるのは、やっぱりサラのおかげな気がして・・・。



 思考がループしそうになってしまった><。



・・・
・・・
・・・。



 僕の恋愛に関する脳みそは、本当にへっぽこなようで・・・。いろいろと考えてはみたけれども、答えは見つからなかった・・・。



(考えすぎ・・・なのかな?)



 ふっと・・・。



 この時、また、僕の中で一つの予感があった。



 さっきとおんなじ様に「考えすぎている」って気がした。



 スーなら、このタイミングで、尻尾をギュムってしてくれていただろう・・・。それに思い当たったのだ。「考えすぎだよ」って教えてくれたスーのことも、思い出せた。



ー やっぱり僕の中に、スーがいてくれて・・・僕にはスーも必要だ! ー



 改めて、そう思った。



ー ・・・ポチにぃ、考えすぎてない? ー



 いつか、そう教えてくれたスーも(僕と同じで)考えすぎて、自分で物事を抱え込んじゃうところがある・・・。それも思い出せた。



 ひとまず考えるのはやめにして、僕はスーの話を聞いてみようと思った。



 僕はサラにお願いして、糸目が映っている映像を切ってもらった。(キューブ状のアイテムは、まだ、僕らを取り囲む形で、スクリーンを映し出していた)



ー 創造者クリエイターに会うまでは、この映像は切らない ー



 僕はそんな風に決めていた。でもそれをやめることにした。

 

 映像を流したままで「これ以上、配信をさせないこと」も大事だって思ったけど、今は、「スーの話を聞くこと」の方が、大事だと思った。



 僕は、スーのことも本当に、超大好きなのだ。



ーーーーーー



 椅子を移動して、スーと膝をつき合わせる形にして、僕はそこに座り直した。糸目に背中を向けた状態になっちゃったけど、とりあえず、イビキが聞こえる間は大丈夫だろう・・・。


「一旦、キュウロクのことは置いておいて・・・」



 そう言いながら僕は、真っ正面からスーを見つめた。今はスーの想いをちゃんと聞いてあげたかった。



「言いたいことがあったら、なんでも言って欲しい。どこからでも、何からでもいいからさ?」



 それを聞いたスーも、僕を見つめてくれた。



「ポチにぃ・・・うん。・・・わかった」



 スーは、ポツリポツリと話を始めた。



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