84 / 91
第二部
ポチタロウと、企画屋の末路:1
しおりを挟む企画屋が「糸目」でなくなる、ほんの少し前・・・。
僕はサラに渡された、白くて小さなキューブ状の1ダース程のアイテムを、地面にばらまいた。(直径2cmくらいの、その立法体は、サラがそれとは別に用意してくれたタブレットの上に載っけて、こっちの世界へ持ち込んだ)
サラが準備してくれた(同じく白い)タブレットは(僕の要望どおり)2枚あった。そのうちの1枚をスーに手渡した。1枚は僕が、両手で持って、糸目に向けた。スーも同じように、タブレットを糸目の方向へ掲げた。(タブレットは5ミリくらいの薄さで、iP○dの1.5倍くらいある、大っきなものだった)
(いくぞ、ポチ公!!)
(うん、お願い、サラ!)
僕がサラへ返事をするのと同時に、ばらまいたキューブ達が点灯した。僕とスーの持ったタブレットが起動した。
地面に置かれたアイテムは、うまい具合に僕とスー、糸目を囲う形で、それぞれが中空に(50インチテレビくらいの)スクリーンを映し出した。(どうやら一つ一つがプロジェクターの役割を果たしているようだった)それらが映像と音声を再生し始めた。僕らのタブレットにも同じ映像が流れた。
「「「「「あのクソ七光りが! ・・・死ねばいいのに」」」」」
画面上には、企画屋が創造者の悪口を言っている場面が映しだされた。糸目の憎々しげな顔が、音声と共に再生された。ホテルのフロントに、多重ステレオ音声で、騒々しい音を響かせた。
それを見た企画屋は(糸目じゃなくなってしまうくらいに)目を見開いたのだった。
・・・実を言うと、僕も驚いていた・・・。
■■■■■■
□□□□□□
ポチタロウと、企画屋の末路:1
■■■■■■
□□□□□□
(サラ、これって・・・)
(こういうのは、ビビらせた方が勝ち、だろ? 言われたよりも、派手にしておいた!)
サラに状況を確認してみると、そんな(満足げな)返答があった。
事前に僕はサラに「糸目が創造者に不満を言っている部分」をこっちでも再生できないか? そう、聞いておいたのだ。サラはそれが「できる」ものを(探して)買ってくれた。僕のゴーサインと共に、映像を再生してくれた。
でも、「僕が想定していた以上」に、ド派手な演出が施されていた。(僕は糸目の映像をみんながタブレット的なもので、再生できるか? サラに聞いて、それをお願いしただけだった)
サラが用意してくれた(僕が要望していない)キューブ状のアイテムは、中空にスクリーンを映し出してくれた。それらは、まるで包囲網のように、糸目を取り囲んだ。一斉に糸目が悪口を言っている映像を流し出した。音声もかなり大音量に設定されているらしくて、その分、迫力があった。
「「「「「 ・・・死ねばいいのに」」」」」
スクリーンは今も、音声と映像を、僕らを囲う形でリピート再生し続けていた。
「「「「「 ・・・死ねばいいのに」」」」」
・・・
・・・
・・・。
「「「「「 ・・・死ねばいいのに」」」」」
・・・
・・・
・・・。
こんな「悪意を含んだ言葉」を、大音量で聞き続けるのは、たぶんきっと、健康によろしくない><。
それでも僕はしばらくそれを、そのままにしておくことにした。
ー こういうのはビビらせた方が勝ち ー
サラはそう言ったのだ。
一瞬「それ、どこの漫画のヤンキー理論!?」なんて思ってしまったんだけど、サラが言うことに納得もしてしまった。今は、この糸目をビビらせておくべき時なのだろう。
「マウントをとる」って言葉はあまりいい意味では使われない。でも、今は・・・この糸目に対しては・・・マウントポジションから思い切りぶん殴る・・・。そんな心持ちでいい気がした。それで勝てるならそれでいい。そんな風に思った。
・・・
・・・
・・・。
(サラ・・・そろそろちょっと、音量下げてくれる?)
(わかった!)
たっぷり待ってから、僕はサラにそう頼んだ。
企画屋にこちら側からの要求を伝える為に・・・。(話を続けるには、あんまりにも、うるさすぎたのだ><)サラが音量を抑えてくれた。
ーーーーーー
「まさか見習いちゃんと連絡がとれるように、なってた・・・のか!? でもまさかこんなことが・・・」
企画屋は、目を見開いたまま、しばらくそんな感じで驚いていた。でも現状からある程度のことを把握したのだろう・・・。僕にこんなことを言ってきた。
「やってくれたねぇ・・・ポッちゃん・・・こんなことをして・・・どうするつもりだい?」
企画屋は糸目に戻りながら、平静を装った。でもその声は震えていた。怒りなのか? 怯えなのか? そこまでは、はっきりとわからなかったけど、少なくとも冷静じゃないのは明らかだった。
そんな糸目を尻目に、僕はメモ用紙の新しいページに、(日本語で)文字を綴っていった。(確認してから)そのページを破って、糸目に手渡した。
書いた内容は、こうだ。
ーーーーーー
中央歴1702年 オクタ27日
ー 誓約書 ー
私、シュウジロウ・サトウは、ポチタロウ、ワフル、スー、サファ、リリ、サラ、シル、ノム、ディネに未来永劫、関わらないことをここに誓います。かの者に関する、動画や音声等の配信や編集をする行為も、今後一切、行いません。
署名 _______
ーーーーーー
こんな感じで僕は「誓約書」を作ったのだ。
とにかくもう、糸目にこれ以上、干渉させないようにしたかった。
「ポチタロウとその仲間達」的に言葉を濁すのでなくて、全員の名前を書いた。(万が一にも「僕だけ」が大魔王にされてしまった時用の対策だった)糸目がサインできるように、署名欄も作っておいた。
直筆のサインがあれば、こんな紙切れ1枚でも効力をもつ・・・ちょっとあやふやだったけど、そんな記憶があった。
あと。なんとかこの紙を創造者に手渡すことができれば、誓約書の有効性を正式に認めてもらえるだろう・・・そんな思いもあった。
「・・・こんなのにサインするとでも?」
「してもらえないなら、僕も、待ちますよ?」
糸目にそう言いながら、僕はサラに話しかけていた。
(サラ、椅子を二脚用意してもらえる?)
(わかった!)
何も聞かずにサラは、それを用意して僕に合図をくれた。
僕は(スーに支えてもらいながら)一瞬だけ頭の中に入って、その椅子を取り出した。一脚をスーに差しだした。スーと僕は、背もたれのついた木の椅子に腰掛けた。(座りながら、二人して、タブレットの画面を糸目の方へ向けておいた)
糸目は、タブレットをいまいましそうに見つめながら、4本目のワンカ○プをグイッと飲み干した。
カウンターにその瓶を「ガツンっ!」と(こちらを威嚇するように)音がする形で置いた。(5本目を出すのも忘れなかった)そうしてから、糸目はこう言った。
「待ったところで、僕はサインなんて、しないよ? だいたいそんな誓約書を書かせて、君は何をするつもりだい?」
「もちろん創造者さんに見せるつもりですよ?」
「・・・わかんないかなぁ? クソ七光りはどうせ豪遊してるだろうし、もしかして先代じじいにでも期待してるの? 君はここから出られないんだよ? ・・・ガラケーか!? でも・・・。あのじじいに、七光りに連絡するような権限はないよ?」
糸目は(少し早口になりながらも)またヤレヤレって感じで肩をすくめると、言葉を続けた。
「言っただろ? 聞いてたよね? そもそも僕は、それにサインをしない。・・・アンダスタン? ・・・わかっておくれよ? 低脳の相手をするのは、ほんっと疲れるよね・・・?」
幼い子供に無理矢理、言うことを聞かせる毒親のごとく、糸目は言葉を一言ずつ強調しながらそう言った。
「僕も、あなたの承諾書にサインするつもりはありません・・・。まあ、このまま待ちますよ?」
糸目が(怒りと共に)何か言いかけたので、そこに言葉をかぶせた。
「ちなみに僕が待つのは、創造者さんですよ? あなたじゃないです」
「は? だから、聞いてなか・・・(今も!)」
そこにさらに言葉をかぶせた。
「・・・今も定期的に会ってるんですよね? 創造者さんと? あなたから連絡がなくなったら、さすがの創造者さんも、様子を見にくるんじゃないでしょうか?」
これが作戦のうちの一つだった。
この企画屋は僕に「定期的に創造者と会っている」と言った。このまま企画屋がここに留まって、定時連絡がなくなったら、さすがにこの世界の創造者も連絡をとってくるだろう・・・。そう予測したのだ。
創造者は糸目のおかげで今、ポイントを使って豪遊しているらしい。・・・ってことは逆に、糸目から連絡がなくなって、ポイントが増えない状況になったら、さすがに心配してこの世界にアクセスしてくるような気がしたのだ。
その時にずっと、糸目が創造者の悪口を言っている映像を流しておけば、それは創造者の目に止まるだろう。僕と糸目の間にあった出来事を、参照してくれるだろう。そんな目論見もあった。
なにしろ創造者だ。糸目にもできるそれを、出来ないわけはないだろう。
この作戦はでも、長期戦必至で、あくまで予備の作戦だった。この作戦では糸目と、まだ、しばらく一緒の場所で過ごさないといけなくなる。(正直なところ、もう1秒でもこの男と一緒にいるのは嫌だった)
長期戦の構えを見せながらも、僕は、もう一つを待っていた。
キュウロクからの答えを。その精度がどの程度のものかが、知れるその時を・・・。
「この・・・ピュル男が・・・!!!」
声を震わせてそう言った糸目は、手に持った瓶を僕に投げつけてきた。(ひどい有様だった)僕はそれを座ったままで(小さめの)火の壁を作って防いだ。
瓶は少しだけジュッと溶けて、ゴトリと音を立てて、床に落ちた。中身が漏れてフロントの絨毯の上に黒いシミを作った。
別に瓶が当たろうが、大精霊(見習い)の加護がある僕に、ほとんどダメージはなかっただろう。でもあえて、防いでおいた。糸目に無力感を味合わせる為に・・・。
苦々しく、僕を見つめている糸目の前で、さらに僕は、ミルクティーを取り出して、ゆったりした素振りで飲んだ。小さなサイドテーブルにそれを置いた(もちろん、どちらもサラが用意してくれたものだ)
これには「僕らは食べ物や飲み物を取り出せる=長期戦にも耐えられる」・・・それを糸目に知らしめる意図があった。(一瞬だけなら、「座っていれば」サラの空間に行って物を取り出せる・・・それを確認する意図もあった)
基本的にこれらは「糸目をびびらせる為」の演出だった。サラが言ったとおり、僕は「びびらせた方が勝ち」を体現しようと試みていたのだ。・・・けど、正直、内心では僕自身、ビビっている部分はあった。
「人に悪意を向けられること」が苦手なのと同じで「人に悪意を向けること」だって僕は得意ではないのだ><。
椅子の上で足まで組んで、ゆったりしているように見せかけていたけど、その足は自分でもわかるくらいに、ブルブルと震えていた。片手でタブレットを支えながら、もう片方の手で飲んでいたミルクティーもユラユラと波をたてていた。(企画屋が酔っ払っていなければ、きっとそれらを指摘してきていたことだろう)
僕は勇気を振り絞って、最後通告のつもりで、糸目にこう言った。
「・・・悪いことは言いません。今、サインしてくれれば、悪口を言ってたことを、創造者さんに知られずに済みますよ? 神様的な存在にそういうのを知られちゃったら・・・あまりいい結果になるとは思えませんが?」
ー サインをすれば、悪口を言ってたことを、創造者には知らせない。 ー
そんなニュアンスを言葉に含ませた。(けど、実際にどうするか? は糸目の出方次第だった)
企画屋がこれ以上何かをするつもりなら、創造者にこれらの映像をなんとしてでも見せることを、厭わない覚悟だった。
僕は糸目が無力感を感じることを期待して、さらに追い打ちをかけた。
「補足情報ですが・・・。もうすでに、『リリ』やサファのところでも同じ映像が流れていますので・・・」
「なんだ・・・と!?」
リリの名前を強調しておいた。(でもすぐ後で「これはやりすぎか?」ってちょっと後悔した。思い直して「今はマウントをとっておけ!」って自分に言い聞かせた)
糸目は、(もう隠すこともやめて)ガイドタブレットを操った。
・・・
・・・
・・・。
「ほんっと・・・こざかしいね・・・」
しばらくして、呆然とした顔をした後で、糸目はそう言った。
憮然とした表情になって、僕をにらみつけた。(ガイドタブレットで「僕らの自治区の様子を確認した」のだと僕は推測した)
ーーーーーー
ー 向こうでも同じように映像の再生できないか? ー
僕は(事前準備として)サラに、これも聞いておいた。
映像を流せば、サファ、ワフル、リリにこちらの状況をとりあえず少しでも把握してもらえる。タブレットを「手に持って」そのまま「映像を流し続けている限り」はこれ以上は「配信がしづらくなるだろう」・・・そんな考えもあった。
向こうにタブレットを直接送るようなアプリは(あったけど)使えなかった。でもサラが「物の売り買いが可能なこと」を思い出してくれた。
タブレットに映像を入れた状態で、こっちで出品する。それを向こうで買ってもらう。こうすれば、向こうへの物の転送が可能なようだった。ただ、出品したり、買ったりに、少し手間がかかるようだった。(サラから、それも聞いた)
(それよりこっちの方が、ほんの少しでも、早いかも・・・)
そこからひらめいて、僕はサラに聞いてみた。「ノムと、情報のやり取りなら、普通にできるよね?」と。「おぅ! できる!」サラから返事があった。
僕は(サラごしに)ノムに頼んだ。タブレットをそっちの人数分、買ってほしいと。
そこでサラも察してくれて、ノムと話をつけてくれた。ノムの(個人の)タブレットに糸目の映像を送ってくれた。
人数分のタブレットを買ってくれたノムは、それに「糸目の映像」を転送してくれた。ワフルに説明して、入場権限を与えてくれた。ワフルがタブレットを持ち出して、みんなに渡してくれた(らしい)。
そうしてサラからノムに、状況を説明してもらって、(ノムからワフルにもそれを伝えてもらって)準備を整えておいた。
向こう側にも同じ映像を流してもらったのは「これ以上配信させない為」の妨害工作だった。
糸目がどんな機材を使って、動画を編集しているのか? それはわからなかった。けど、僕や仲間達みんなが「手に何かを持っている」限り、たとえそれを編集で消せるとしても、何か違和感が残るんじゃないか? そう考えたのだ。
糸目が編集をして消したところで配信前の「確認」で創造者が違和感に気づいてくれる・・・もしくは、せめて視聴者の誰かが、気づいてくれるんじゃないか? それにも期待していた。
今、サラからの指示で、それぞれみんながタブレットを「手に」持っていてくれる。その状態になっていることは(サラごしに)ノムに確認しておいた。(小さな妖精さん、リリの為に、ちゃんとスマホサイズの小さなものも、ノムが用意してくれたようだった)
糸目がもし、すごい機材を使ってて、違和感なく「僕らが持っているタブレット」や「糸目の悪口音声」を消せるのだとしても「手間」はかかるんじゃないかと思った。そんで、それをするのは僕じゃなくて、この糸目なのだ。
「・・・とりあえず、ひとまずその映像を止めてくれないかな? ・・・ほら? なんなら別の方法で数字を取ることを考えてあげてもいい」
糸目がいまいましそうに(少しだけ下手に出ながら)そんなことを言ってきた。僕は糸目の提案を断った。
「お断りします。僕にもあなたの言うことを、聞いてあげる義理はないような気がします」
数字が上がろうが下がろうが、僕には関係のないこと・・・っていうか、そもそもこれ以上の配信をさせるつもりはなかった。
糸目がこれ以上、配信できないように・・・もし配信できたとしても、編集作業が大変になるように・・・僕はこの映像を消す気はなかった。創造者と連絡がとれるまで、この状態を続けるつもりだった。
「・・・ちょっと考えさせてくれ・・・」
糸目は頭に手を当てながら、不機嫌そうにそう言った。
ようやくこちら側に状況が傾いてきた気がした。
ーーーーーー
糸目が悩んでいるのを見て、一瞬、気の緩みかけた僕の前で、糸目も椅子を取り出してきた。そうしてそこに腰掛けた。
椅子は肘掛けのある、黒い革張りの豪華なものだった。糸目はそこにふんぞり返るかのように座り込んで、ガイドタブレットをいじりだした。(さっきと同じで、もうガイドタブレットを隠すような真似はしなかった)
出された椅子と、その態度を見て、僕は気を引き締め直した。
(明日太!!! この男は・・・)
(うん! ・・・たぶんまだ、諦めていない・・・)
糸目は僕らの出した木製の椅子よりも「高価そうな椅子」を取り出した。(それしか持ってなかったのかもしれないけど)その椅子は、糸目の虚栄心の象徴に見えた。僕らに負けじと、マウントを取り返しにかかっているような感じがした。(サラもきっと似たようなことを感じたのだと思う)
ふんぞり返って、片手でガイドタブレットをいじくる態度も、あまりいいものではなかった。ふてぶてしい態度で、何かを検索して、答えを探しているように見えたのも気になった。
(キュウロクからの回答があったら、知らせてくれる手はずになっていた)シルからの声は、まだ僕に届いていなかった。
短期決戦になるであろう、もう一つの作戦を実行するのは、キュウロク頼みだった。
糸目の検索(をしていそうな素振り)の手は止まらなかった。でもそれを止める術は、今の僕にはなかった。
ー 何か策は? ー
糸目にこれ以上、好きに検索させて、何か対策を取られてはまずい。糸目にこれ以上、考えさせてはいけない・・・。
そもそも創造者に連絡を取られて、何かうまいこと言いくるめられたら、長期戦の方の作戦は瓦解してしまう・・・!
ー ちょっとしばらく手が離せないんで・・・ ー
・・・こんな風なことを書いて送られたら、本当に長い戦いになってしまそうだ・・・。
それに気づいた僕は、少し焦った。
何か糸目が手を止めるような言葉がないか? 何か策はないか? 考えをめぐらせていた。
(やっぱり攻撃が効かないか? 確かめるか? ・・・てか、効かなくとも、一酸化炭素で中毒にすることは可能なんじゃないだろうか?)
再び、糸目を殺害する方向で、考えをめぐらしている僕がいた。
(・・・!!!)
別に「ギュムッ」っと尻尾を握られた訳ではなかったけど・・・。
(・・・こんな時、さっきまでのスーなら・・・)
僕の中になんとなく、一つの予感があった。
もし僕らが座っていなかったら・・・スーがまだ僕の尻尾を握っていてくれたら・・・。このタイミングで、スーは尻尾をギュムっとしてくれただろう・・・。そう思った。
たぶん今の僕の尻尾は「怒りの尻尾」だとか「殺○の波動に飲まれた尻尾」の形になっているのだろう・・・。(さすがに後ろを向いて確認したりはしなかったけど)
何度もギュムられたおかげで、僕は条件反射的に、それに気づくことができた。
(せめて段階を踏もう・・・)
・・・そう思い直した。
・本当に攻撃が効かないか? まずは少しだけ試してみるか?
・せめてガイドタブレットだけを狙えないか?
・意識を失わせる程度に、一酸化炭素を生成できないか?
こんなアイデアを思いついた。
一酸化炭素を生成する「できそこないの炎」を作るのは、僕自身に、かなりの負荷がかかる。今じゃ、サラに止められそうな気もした。
(それでも・・・それが必要ならば・・・)
必要なら、僕はそれをするつもりだったし、最終的には(トリックアートなおじいちゃんの時とは違って)真剣に糸目を「排除」するのも手段の一つだと考えた。
とりあえず僕は、糸目の「ガイドタブレット」を狙う為に、右手の指先に、小さな火の玉を生成した。
ー その時。 ー
糸目の方から「ゴトンッ!・・・・・・バシャー!」と、音が聞こえてきた。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。




転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる