入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第二部

ポチタロウ、帰還する(前)

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「ワフルの手こきだな・・・あれは、やばかった・・・」
「あれは・・・壮絶だったねぇ・・・><」
「あいつ、マジ、すげえな・・・」
「うん。感覚の天才だよ、ワフルは・・・」



 サラへの質問をおおかた終えた後で、僕はそろそろスーの元へ戻ろうかな? と考え始めていた。ここは時間の流れが10分の1になっているらしいけど、それでもスーを待たせちゃってるのは確かなのだ。



 そう思いつつも「質問中に思いついた質問」があったり、サラとの会話が楽しかったりもして、僕はまだ自分の頭の中の空間に留まっていた。



 僕がスーの中に入ろうとして「時が止まりゆく現象」に巻き込まれていた時、サラはほとんど「何も感じなかった」的なことを言った。



 とんでもない快感が長い間続いたので、サラがそれを感じなかったのは、ある意味、よかったとも言える。サラがあれを体感してたら、大イキしちゃって、僕の体から離れてしまっていたかもしれない。



 それに付随して、気になったことがあったので、僕はサラにこう聞いてみたのだ。



 「体が大きくなっちゃった時以外でも、ヤバかった時ってあるの?」と。



 これを聞いたのは「今後、サラが先にイっちゃったりしないように」との予防策の意味もあった。気をつけてあげないと、何かの拍子に勝手にイっちゃいそうな・・・サラにはそんな危うさがある。・・・まあ早漏の僕が言えたことではないんだろうけど><。 



 とにかくまあ「ヤバかった時ってあるの?」へのサラの答えが「ワフルの手こき」だった。納得した。あれは本当に僕もやばかった。おかげで一週間くらい「縁側の老人」みたいになってしまったし。



「快感は100分の1のハズなのに、すげー気持ちよくってさぁ・・・イきはしなかったけど、その・・・おしっこ漏らしちゃった・・・」
「そうなんだ・・・」



 また「ソウナンダ」と答えてしまいつつ、僕はいろんなことを考えていた。



(イかずに漏らす・・・なんてこともあるんだ。サラのお漏らしなら見てみたい。いやいや、またエッチなことを考え出してるぞ、ポチタロウ。・・・てか大精霊もおしっこするんだ? ・・・まあ愛液とか汗も出てたし、当然か。・・・てか、トイレは!? これもどっかから出てきたりするのかな?)



 サラが言葉を続けた。



「明日太が、射精した時に、その・・・一緒におしっこが出ちゃったんだけど、ほんものの射精って、あの時のおしっこより、気持ちいいのか?」
「どうなんだろ? 僕はそれを体感してないから、わからないけど・・・あの射精は普通よりも、無茶苦茶気持ちよかったよ。・・・けど『いつもの百倍か?』って言われたらそこまで、ではないような・・・」



「そうなのか?」
「うん。だからたぶん、その時サラが、気持ちよかったのよりも、もう少しだけ、射精は気持ちいい・・・と、思う・・・」
「はぅ! しゃ、射精やべぇな」
「やばいかもねぇ・・・」



 (特にサラには・・・)



 僕は頭の中でそれを付け加えた。もしサラが感じる「気持ちよさ」が百分の一じゃなくて、等倍だったら、サラとは会えてなかっただろうと確信した。サラはあっけなくワフルの手こきで昇天していただろう(僕も大昇天しちゃったし><)。そんくらいワフルのご奉仕はすごかったのだ。



 ・・・あと、サラがそんなに、「手こき」や「射精」といった言葉を使っているのに驚いた。スーの「知識吸収モード」みたいに、性的なことへの興味で羞恥を忘れているのかもしれない。エッチなことを「経験」したことで、羞恥自体が薄れてしまった・・・ということもあり得る。



 いずれにせよ、サラにそれを聞くのはやめておいた。僕のことだ。そんなことを聞いてしまったら、またエッチな気分になるに決まってる。すでにもう、エッチなことを考え始めている部分があるし・・・。



 「寝て起きて」から、心が安定しただけじゃなくて、性欲も、安定供給されはじめているような気がした。またエッチな気分になって、エッチなことをしちゃって、サラが絶頂しちゃったら大変だ><。



 「エッチなことに興味津々なの?」的なことは聞かなかった代わりに、僕は「トイレとかも出てくるの?」と聞いてみた。



「あるぞ? 見るか?」
「うん、見てみたい」


 
 サラは、タブレットを操って、鏡を片付けるとトイレを呼び出した。鏡が床に沈んでいき、トイレが下からせり上がって出現した。



 サラの出したトイレはちゃんとドアと壁がついたものだった。8畳ほどの空間をかなり圧迫してるけど、消せるから問題はないだろう。とても便利だ。



「ちゃんと個室になってるんだ・・・」
「おぅ。そっちのが落ち着くからな」
「てっきりオマルみたいのが出てくるだけかと思った・・・」
「そういうのも売ってるけどな。なんか囚人みたいで嫌じゃねぇか?」



「まぁ確かに・・・ってサラのとこにも囚人とかいるの?」
「いねぇよ? ポチ公のとこの漫画で得た知識だ」
「てか、サラって僕の世界の漫画とかに、やたらと詳しいよね?」
「まあ、100週間分くらい、漫画とアニメとゲームを堪能したからな!」



「え? 100週間?」
「おぅ! 『じぜんちょうさ』のほとんどの時間をそれにつぎこんだ」



「事前調査?」



・・・
・・・
・・・。



 サラの話によると、サラ達大精霊見習いは「体宿り」をするにあたって「1週間」の準備期間が設けられたそうだ。その間に魔王のいるこの世界のことや、僕たち自身を調査して、僕たち4人の「誰に宿るか?」を自分たちで決めたという。



 事前調査にあたり「この世界」を「疑似体験」できる場所も作られて、VRなスト○ートビューみたいなので街を歩き回れたり、実際に書物を閲覧したりできたらしい。



 今回の「体宿り」には「転生者」の僕も含まれていた。なので特別に「僕の元いた世界」を「疑似体験」できる空間も用意されたのだという。そこは「時間の流れ」も「僕の元いた世界」に合わされていて、1週間に100週間分の体験ができたそうだ。



 サラは(最初から僕に宿ることを決めていたらしく)そこに入り浸っていたという。「精神と時○部屋」みたいなところで、ずっと引きこもって、僕の世界のアニメや漫画をむさぼり読む暮らしをしていたそうな・・・。100週間だから、2年弱・・・。ちょっと羨ましい・・・。



 ちなみに「精神と時○部屋」とは違って100週間いたからその分年を取った・・・という訳ではなく、体の方は1週間分しか成長しなかったそうだ。ますます羨ましい・・・。



 漫画やアニメを見ていただけとはいえ、だからサラは見た目以上に知識が豊富だったり、しっかりしてたりするのだろう。事前の準備期間をそれに全部使っちゃうのはどうかとも思うけど・・・。



「俺様の世界では『善』とか『悪』って概念が希薄だから、漫画とか見ながら、あれは面白いなって思った」



 サラはそんなことも言った。サラ達の世界では全ての事柄に対して「正しい」とか「間違ってる」って決めつけるのでなくて「とりあえずそれをやってみる」のが基本だそうだ。ある人にとっての「正しいこと」が他の人にとってはそうじゃないこともあるから。



 一応「究極の愛を共創していく」というのが、大精霊の共通の目的らしいのだけど、その為にまずは真逆のことをやるのだとも聞いた。



「共創するためにまずは競争する。アガペーを知る為にまずは究極のエロスを知る。そう教えられてきた」
「なるほどねぇ・・・」



 ちょっと哲学的なお話だった。



ー この世に善悪はなくて、自分が「美しい」と思った瞬間に、対局となる「醜い」が出現する。 ー



 そんなことを誰かが言っていたような・・・。



 サラは見習いなので、まず「究極のエロス」を知って対局にある「究極のアガペー」をより深く理解する・・・って感じなのだろう。ちゃんと目的があったんだ・・・。僕は「ただのドエロな種族」かと思ってたよ・・・。大精霊のことを。



 とにかくまあ、そんな世界なので「牢屋」などもないらしい。ただ、よっぽどサラの世界にそぐわないことをした場合は「次元を落とされる」こともあるそうで、どっちにしろ「囚人」はいないってことになる。・・・てか、「次元を落とす」って何それ、こわっ><。
 


 結局、サラのいる世界は「ユートピア的」なのだろうか? 「ディストピア的」なのだろうか? ますますわからなくなった。善悪と同じで、一概に言えるものでは、ないのかもしれない。



■■■■■■
□□□□□□



 サラと話していて、一つ気づいたことがあった。



 サラの世界の情報は「技術的な話や名称」なんかについては聞き取れなくなってしまうけど、それ以外は大丈夫なようだった。大精霊の考え方なんかは普通に教えてもらえたし。



 何か必要にせまられたら、もう少しサラの世界のことを聞いておくのもいいかもしれない。僕は以前書いたメモにこう付け加えた。



ー 必要があれば、サラの世界の言葉も教えてもらうこと ー
ー 同上。サラの世界のことも教えてもらうこと ー



・・・
・・・
・・・。



 今聞いておくことは、だいたい聞けたように思った。「時が止まっていく現象」については、月が変わったらサラからAIに聞いてもらうことにしよう。それまでに一応、自分でも何か方法を考えてみよう・・・。


 
 そう方針を決めると、僕はスーの元へ戻ることにした。


 
 今となっては「僕の世界」になりつつある「魔王がいた世界」へと。



ーーーーーー



 トイレとベッドを消して、お風呂を見せてくれていたサラに、僕は言った。



「サラ、いろいろ教えてくれてありがとね。そろそろ向こうへ戻るよ・・・」
「そっか・・・わかった! また今度、漫画談義な!」
「うん、わかった。ちゃんとメモもしたし、大丈夫だよ♪」
「おぅ! ・・・なんか、その方がポチ公らしいな。・・・ちゃんと、また来いよな?」



「うん。サラが嫌じゃなかったら、喜んで」
「ポ・・・明日太・・・」
「うん」



 サラが名残を惜しんでいるのはわかった。でも元気よく送りだそうとしてくれてるのもわかった。サラが今、して欲しいこともわかった。



 ー チュッ・・・ ー



 僕はサラに軽い口づけをした。



ーーーーーー



「僕の大きな夢はね、サラ。君に実体で会うことにしたよ」
「明日太・・・」



ー みんなとちゃんと、エッチなことをしてから、サラに「ビキニアーマー」を着てもらって、そんでもってエッチする ー



 一旦「大きな夢」をそう設定したのだけれど「僕がVR体だった」とわかった今、夢を上方修正することにした。僕自身の「実体」で、ちゃんとサラに会って、抱きしめたかった。(もちろんその後、エッチなこともしたかった)



「僕がサラの世界まで行くか? サラにこっちへ来てもらうことになっちゃうか? は、わからないけど・・・僕は、君にちゃんと会いたいな」
「・・・うん・・・明日太はすごいね・・・」
「え?」



「さぁたんも・・・ほんとは生身の明日太に会いたいって思ってたんだ。・・・けど。次元が違いすぎるから、会えない・・・VR体でもいい・・・なんて思っちゃってたんだ・・・」
「サラ・・・」



「お前はすげぇよ、ポチ公! 次元の壁すら突き破ろうって言うんだな?」
「・・・そう言われると、ちょっと自信がなくなっちゃうけど・・・。それでも。僕は、それをしたいと思うよ」
「わかった! なら競争しようぜ?」
「競争?」



「ああ! 俺様がそっちへ行くのが早いか? 明日太がこっちへ来るのは早いか?」
「いいね。・・・ああ、でもそうなると、僕はサラを当てにしちゃって、頑張らないかもしれない・・・><」



 そうなのだ・・・。これだと、どっちが勝ってもWINーWINで、そういう時に僕は頑張れた試しがない。「勝つ」ということは「負ける誰か」を作り出す行為でもあるのだ・・・。



「じゃあ、負けた方は罰ゲームな?」
「罰ゲーム?」
「おぅ! 一度こういうのもやってみたかったんだ! 明日太が負けたら、お前の性癖メモを全部、俺様の仲間達に暴露な?」
「!!! それは・・・まずいって」



 サラはなんて残虐なことを思いつくのだろう? これはきっと僕にずっと宿ってたことの弊害だ。僕の「知ってる」僕の仲間達にそれを暴露されるならまだしも(それも嫌だけど)、僕が「よく知らない」大精霊見習い達に、それを暴露するというのだ。サラは僕のことを「よくわかって」いる。



 ただでさえ、他の大精霊見習いにあまりいい印象を持ってもらえてない気がしてるのに、あんなのを公開されたら思い切り嫌われそうだ・・・。別にその子達まで攻略しようなんて気は(百万分の1ミリくらいしか)ないけど、知らない人の悪意や敵意に対して、僕は豆腐なのだ><。



 他の見習い3人からそういう目を向けられたら、僕のメンタルはきっと持たない><。自信がある。・・・情け無い自信だけど。



「わかった・・・頑張るよ・・・。僕がそっちへ行ってみせるよ? ・・・ってサラの方の罰ゲームは?」
「俺様のはポチ公が決めていいぜ?」
「うーん・・・」



 かなり悩んだ。サラがイっちゃったことを逆に暴露しようか? と思ったけど、ちょっと弱い気がした。それにサラに「罰」を与えるよりは、サラに何か「ご奉仕」してもらう系にしたかった。「罰」よりは「エロ」だ! ・・・うん。確実に性欲が戻ってきてる・・・。



・園児服を着て貰う。
・ビキニアーマーを着て貰う。
・さぁたん呼びになって甘えてもらう・・・。



 いろいろと考えてはみたけれど、うまいこと頼んだらサラは、別に罰ゲームじゃなくても「全部やってくれそう」な気がした。サラはチョロ・・・いい子なのだ。



 悩んだ末に僕は「生身で生中出し4回」をサラにお願いすることにした。VR体で3回してしまったのだ。生身でせめてそれ以上はしておきたかった。これもお願いしたらさせてくれそうだけど、これを勝ち取る為なら頑張れそうな気がした。



 あまりにも生々しいお願いだったので、ちょっとオブラートに包んで伝えたかったんだけど、出てきた言葉はこんなだった。



「サラが負けたら、実体同士で種付けプレス4回ね?」



 「生中出し」をやんわりと包み込めるような語彙力オブラートを、僕は持ち合わせていなかった><。



 サラはやっぱり「はぐぅ」と赤面しちゃったし、サラはやっぱり、それを了承してくれたのだった。



ーーーーーー



「これは共創の為の競争だ」
 続けてサラはそう言った。



(何を「共に創る」んだろう? 赤ちゃんかな?)
 僕はそう思った。



 「一旦お別れのキス」まで済ませちゃったのに、サラとの会話はまだ続いていた。段取りとかは、あいかわらずに「あってないようなもの」だった。



 ここまで来たら開き直って「流れに身をまかせてみよう」なんてことを思った。



 明日に明日の風が吹くなら、今日は今日の風が吹くのだろう・・・。


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