入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第一部

インタビュー ウィズ サラ(前)

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 僕はサラへの(エッチじゃない)インタビューを始めることにした。



 サラに聞きたいことは、メモ帳の見開き1ページ分あったので「何から聞いていこうか?」と、少し迷った。



 ちょっと考えた後で、まずは当たり前すぎてメモには書かなかった「名前」から、聞いてみることにした。思いついてみたら、それはなんだか、良い考えのように思えてきた。



 もちろん名前が「サラ」だってことは、すでに知っている。でも名字は知らないし、ミドルネームの有無だって知らない。実はすごい長い名前で、僕に聞こえるのが「サラ」って部分だけという、ファイ○ーエムブレムのフ○たそ方式なのかもしれない。



 どこにヒントがあるのか? は、わかんないのだ。こういうのは一個ずつやっていこう・・・。



 それに。「名前から聞く」のは、始まりとしては、きっと、ちょうどいい。
 


 そう決めると、僕は口を開いた。



■■■■■■
□□□□□□


インタビュー ウィズ サラ(前)


■■■■■■
□□□□□□



ーー じゃあ、えっと・・・始めるね? ・・・名前は?
サラ(以下、サ)>・・・サラだよ、知ってんだろが。



ーー それ以外には、なんかないの? ほら、ファミリーネーム的な何かとか?
サ>ないぜ? 『サラマンダー』の大精霊見習い・・・そこからとって『サラ』だ。



ーー 随分あっさりしてるんだねぇ・・・。大精霊はあんまり名前にはこだわらない感じなのかな?
サ>まあ、そうだなぁ・・・ってより、多すぎて、名前を付けるのが、面倒になったんじゃね?



ーー ってことは、サラには兄弟がいっぱいいるの? それとも名付け親がいるとか?
サ>名付け親ってよりは、創った主がいる・・・たぶんこれ、詳しく言うとNGなやつだ。



 サラは、さっそく、渡しておいたNGカードを掲げた。



ーー わかった。じゃあ、次いくね。・・・一応、性別は?
サ>女。



ーー そ、そっか、よかった。
サ>んー?



ーー ひょっとしたら大精霊って、両性具有だったりするのかな? って思って。
サ>女だよ。お前も見ただろが?



ーー み、見たけど・・・。その、ひょっとして、生やしたりとかも、できたりするのかなぁ? なんて・・・。ちょっと思ったから。
サ>生やせねぇよぉ・・・生やせるなら、むしろ生やしてみてぇ・・・げふんげふん、なんでもねぇ!



ーーえっと、サラは・・・男の子に産まれたかったりしたの?(おちんちんを生やしてみたいの? と聞きそうになって、少し言い換えた)
サ>そりゃ、まあなぁ・・・そう思った時期もあったよ。なんか、かっけぇじゃん、チンポが反り返ってんの!



ーー ・・・。(・・・女の子がなんか、はしたない・・・><。)
サ>わりぃかよ? ついてないよりは、ついてる方が、なんかお得だろぉ? それに俺様は女の子が好きなんだ! だから、お前に宿ることを選んだ! 女の子につっこんでるところを「体験」してみたかったからな。



ーー ・・・ぉ、ぉおん。な、なるほど。・・・てか、サラってレズだったの!?
サ>ああ! 可愛い女の子が大好きだ! ・・・お前だってそうだろが?



ーー うん。まあそうだけど・・・。可愛い女の子は可愛いよ、確かに。(語彙力><。)
サ>・・・なのにさ・・・。その俺様が、まんまとお前を好きになっちまった><。・・・それはまあ、今さらだし、いいんだけどさ・・・。



ーー けど?
サ>サファも、ワフルも、スーも、なんならリリだって・・・腹立つことあるけど、すごく可愛い・・・。そんで好きになっちまったお前と、一緒に、その・・・その子達に・・・入れると思ったのに・・・。



ーー 入れなかった、と・・・。
サ>人ごとみてぇに言ってんじゃねぇよ! 誰だよ? その、そ、そ、早漏すぎて、すぐにぴゅっぴゅく出しちまうのは!?



ーー ご、ごめん、僕だね><。
サ>おまけにやっとこさスーに・・・い、挿れるってなったところで、直前で止まっちまって、止まったままで、ピュルっと出しやがるし・・・。



ーー !! サラにとっては、そんな感じだったんだ? 僕には時間がどんどん止まってく感覚があったんだけど?
サ>ただ、お前の、動きが止まった感じだったけど?



ーー 無茶苦茶、気持ちよかったんだけど。それもサラは感じなかった?
サ>ポチ公が、普通に暴発しちゃった時と、同じ感覚だったな・・・。



ーー えっと。・・・これは、嫌なら答えなくていいんだけど・・・。
サ>うん?



ーー 僕がしゃせ・・・こほん・・・。ほ、放出する時って、サラもその・・・気持ちいいの?
サ>はぐ! ・・・ああ。まぁな・・・。



ーー 女の子としてと、どっちが気持ちいい?
サ>結局エロいこと聞いてんじゃねぇか、このポチ公が!



ーー こ、これはその、あくまで知的好奇心から、だよ・・・。・・・ほんと、だよ?
サ>はぁ・・・まぁいいや。それは正確には比べらんねぇよ・・・。



ーー どういうこと?
サ>俺様達、あくまで「見習い」だから「気持ちよさ」にもセーフティーがかかってんだよ? ・・・100分の1だ。



ーー えっと、それは・・・。僕の五感を通して、サラも体感をしてるけど・・・「気持ちよさ」って部分だけは「100分の1」になってるってことでいい? 僕の快感は100分の1しか感じてないから、女の子のそれとは、比較できない・・・ってこと・・・かな?
サ>理解力!



ーー ・・・合ってるってことでいいんだね?
サ>ああ・・・。



ーー そんで、時間が止まっていく、と僕が感じていた時は、サラは何も感じてなかった、と・・・。
サ>なんで肝心なとこで止まっちまうんだ、馬鹿野郎、と思って見てたよ。



ーー 僕も・・・なんで肝心なとこで、時間が止まっていっちゃうんだよ。って思ったよ><。・・・でさ? 進む度に、時間がどんどん遅くなっていく感じがしたんだけど、サラには何か心当たりない?
サ>ないな・・・。あったら、当に知らせてる。



ーー そっか・・・。逆に、こっちは、心当たりある、よね? 僕の体が大きくなっちゃった方。 あ、ごめん、別にサラを責める気はないんだよ? ただの、確認だよ。



サ>ああ、あるよぉ・・・。最初、ポチ公の体が大きくなった時は、わけがわかんなかったけど。じいさんの、あのメール見てさ。ひょっとしたら・・・って思った。今回、それが確信に変わった・・・。俺様がここへ戻ろうとして、巻き込んじまって、お前も大きくなった。たぶんそれで間違いねぇ・・・すまねぇな、ポチ公・・・。



ーー いいって。別にサラも知らなかったことだし。それにその・・・卒業・・・させて、もらったし・・・。
サ>お、おぅ・・・。



ーー えっと。確信がなかったから、他の大精霊(見習い)のみんなには、このことは言わなかった・・・ってことで合ってる?
サ>言っただろぉ? 俺様はリーダーだから、最初にイっちゃった、とかカッコわりぃんだって! 



ーー だから、シルとノムは「僕が体が大きくなっちゃった理由」を知らなかったんだ・・・。よし、うん。わかったよ。
サ>・・・あいつらに伝わるから、スーとかにも、言うなよな・・・?



ーー うん。言わないよ。・・・でも、サラは、その・・・最初に、は、果てちゃったとしても、最高にカッコいい、リーダーだと思うけどね。
サ>・・・あ、ありがと。



ーー えっと、ついでだから、教えて欲しいんだけど? いいかな?
サ>おぅ?



ーー 1回目に大きくなっちゃった時って、やっぱりサファとリリと連続でしちゃったから・・・なの? それでサラも、えっと・・・気持ちが・・・素敵になってしまったのかな?
サ>はぐぅ・・・。



 サラは、NGカードを上げようとして止めた。一つため息を吐くと、言葉を続けた。



サ>ちげぇよ・・・。その後、だよ、後。



ーー 後?
サ>その後、お前、その・・・しただろが!



ーー した?
サ>お・・・。



ーー お?
サ>オナニーだよ、オナニー!



ーー うぐっ! そういえば、した・・・ね・・・。(忘れてたよ><。あれがこっちの世界での、僕の初めてのオナニーだった・・・)
サ>あれを見て、その・・・俺様も、一緒にその・・・。わかるだろ?



 結局、サラはNGカードを上げた。



 たぶん、僕のオナニーに合わせて、サラもオナニーをしたのだろう・・・。そんでもって、自分で、いたす際に感じる快感は、おそらく「等倍」だ。自分で自分を慰めるんだもの、当然そうだろう・・・。



 サラは端的に言うと、僕と一緒にオナニーして、イっちゃったのだろう。きっと(軽イキだったとしても)イクまでは止められなかったと思う・・・。僕なら止められない自信がある><。



 まあ、ここは深くツッコまないでおいてあげよう・・・。



サ>だいたい、お、お前だって、ちょっとは悪いんだからな?
ーー え? それってどういう?



サ>サファとの時だよ! ポチ公がその・・・すぐ出しちゃったから・・・。あれを見て、俺様もその・・・高まっちまった、というか・・・。
ーー 理解したよ><。(サラは僕が、あっという間に果てるのを、見るのが好きなんだ><。)・・・そうろ・・・えっと、早く放出するタイプでなんか、ごめん・・・。



サ>それ自体はいいけどさぁ・・・せめてツッコんでから、出せよなぁ?
ーー それは・・・僕もそうありたいよ・・・><。てか、ツッコんでからも、少しは保ちたいよ><。



サ>ってかぁさぁ! お前だけその・・・ツッコんだ時の感触を味わいやがって、なんかズリィ!
ーー 今回、サラに入ったこと? えーーっと・・・ごめん・・・。



 気づいたらなんか立場が逆転していた><。サラがなんか言って、僕がそれに答える形になっちゃってる><。そんで。僕はまた謝ってばっかだ><。



 ・・・てか。サラに入ったことまで、ズルいなんて、怒られてる。・・・なんかおかしくない!?



 慌てて僕は、質問を重ねて、立場の再逆転を狙った。



ーー えーと。僕がその、サラにうーんと、その・・・インサートした時はさ、サラは僕の体とはリンクが切れてて、自分の感覚だけに戻ってた・・・ってことでいい?
サ>・・・ああ。この空間に二人でいる時は、それぞれの感覚に戻る・・・んだよ。



ーー ここでの感覚には、セーフティはかからないの?
サ>かからねぇ。そのまんまの感覚だ。だから・・・はぁ。・・・ポチ公、本来ならな?



ーー うん?
サ>本来なら、お前がその・・・ちゃんと全員とやっちゃってから、ここに入る許可を与える予定だったんだ。



ーー 許可?
サ>ああ。俺様の許可がないと、お前はここには入れなかった。



ーー 僕の頭の中なのに?
サ>そうだよ。ポチ公の頭の中に創られた「俺様の為の空間」だからな?



ーー そ、そうなんだ・・・(いつのまにか勝手に、頭の中にそんな空間作られてたの!?)
サ>ポチ公が、あんまりにも情け無くて、見てらんなくなって、その・・・許可を出しちまったけど・・・。



ーー うん?
サ>まさか、ポチ公の方から・・・や、やりたいって言ってもらえるとは、思ってなくてさ・・・。ビックリした・・・。



ーー えーっと、これは、謝るべき? とこかな?
サ>なっちまったもんはいいよ。それに「一番最後だ」って、決めてはいたけどさ・・・やっぱりその・・・明日太の初めては・・・俺様も、欲しかったから・・・。



ーー サラ・・・。
サ>この話はしまいだ、しまい! 知ってることなら全部、できるだけ教えてやるから・・・。ちゃんと情報を集めろ、ポチ公! 今後のために、必要なんだろ?



ーー うん。ありがとね、サラ。じゃあ、続けるよ?
サ>おう! どんと来い!



 サラの言葉に、僕はまた胸が少し熱くなった。「どんと来い」なんて、現実世界では聞いたことのない言葉も、サラが言うとなんか、頼もしく感じた。



 恥ずかしがりながらも、サラは質問に答えようとしてくれている。自分の夢の為でもあるんだろうけど、きっと僕の為にも、協力してくれている。



 熱くなりすぎないように冷静に・・・でも「もらったあたたかさは、大事にしたいな」なんて思った。僕はサラへのインタビューを続けることにした。



ーーーーーー



 ここからはちょっと、ダイジェストでお伝えしようと思う。僕らの会話を全部書いてたら、膨大な量になりそうだから><。



 次にサラの容姿について聞いてみた。「サラマンダー」の大精霊だから、トカゲ的な形態にもなれるのか? 気になったのだ。「なれない」とのことだった。考えなしにエッチしちゃったけど「正体が爬虫類」とかじゃなくて、僕としては、ほんとによかった><。



 姿形は、今と同じだったけど、サラは、サラのいた世界(名前は聞き取れなかった)で、空を飛んで生活していたらしい。「飛んでた」って情報から、リリのことも僕は思い出してしまった。



 果たしてあの子に・・・あの「小さな妖精さん」なリリに、ちゃんと僕のおちんちんが入るのだろうか? 僕の体とおちんちんは随分と大きくなってしまった><。・・・またちょっと脱線して、不安にもなってしまった。


 
 ・・・そういえばサラは、リリのことを「腹が立つ」と言っていた。それも思い出した。理由をやんわりと聞いてみると「色がかぶってる」のが気にくわないらしい・・・。まあ、リリも髪も瞳も赤いから、なんか炎の大精霊的には思うところがあるのだろう・・・。



 サラの年齢も聞いてみたんだけど、ちょっと引いてしまった。・・・僕自身に><。ここでは伏せるけど、サラの言ったその数字は、一桁かつ(僕の元いた世界での)未就学児の年齢だった・・・。



 幼いだろうなぁー・・・とは思っていたけど、本当に幼かった><。サラは大精霊だから「実は数百年生きてました」・・・なんて線も少しは考えていたんだけど、見事に見た目そのままの年齢だった。



 サラのとこでは、3歳から学校に通い始めるという。頭の柔らかい早い段階からいろんなことを学ぶのだろう・・・。どうやらサラは「サラの世界」では未就学ではなかったらしい。でも「就学してたら、セーフ」・・・とかではないよね><。 



 僕もこっちではまだ8歳だけど「年齢差が少ない」とか、そういう問題でもないだろう。そもそも、どう見ても今の僕は8歳児には見えない><。むしろ18歳児に見える。



 こうなる前に、およそ15歳くらいの体で、サラと最後までエッチしちゃったのだ。しかも中出し3回・・・。改めて考えてみると「事案」って言われても反論がしようのないことに思えてしまった><。



 それでも僕は、それをした・・・のだ。自らの意思で。自分に「引き」はしてしまったけど「後悔」はしてない。僕はこの子が大好きで、エッチなこともしたかった。



 むしろ開き直って「経験人数は?」「初めてエッチをしたのはいつ?」「相手は?」なんて聞きそうになってしまった><。



 これはただのエッチなインタビューでしかなかったし、僕はその全部の答えを知っている・・・。さすがに自重した><。聞いちゃったら、またエッチな気分になるに決まってる><。



 話を戻そう・・・。



・・・
・・・
・・・。



 僕は話題を大きく変える為に、今度はサラに、他の大精霊のことを聞いてみることにした。


ー スーには「風の大精霊:シルフ」の見習い「シル」が宿っている。 ー
ー ワフルには「地の大精霊:ノーム」の見習い「ノム」が宿っている。 ー



 メモを書き足しながら「本当に名前がまんまだな」って、今さらながらに思った。



 シルについては少しだけ知っている。「僕がスーで3回も抜いたこと」をシルがスーに告げ口して、僕は正座させられたのだ><。おちんちん講座まで開くことになってしまった><。(こっちはある意味、御褒美だったので「シル大感謝祭」を開催しそうになっちゃったけど・・・)



 シルはきっと、スーには従順で、僕には容赦がない><。でも知ってるのはその程度だ。



 ノムの話は「ワフルを通して」しか聞いたことしかない。ワフルは自身の口調そのままで、ノムの言葉を教えてくれたから、ノムがどういうしゃべり方をするのかも知らない。(なので「ノム大感謝祭」は、まだ開催される見通しがない。「ワフル大感謝祭」なら、毎日でも開催したいくらいだけど)



 サファに宿ってる「水の大精霊:ウンディーネ」・・・の見習いは、名前すら知らない。サファも僕と同じで、大精霊と会話することができなかったのだ。今のところ水の精霊についての情報は全くなかった。



 サラに聞けば、その子の名前や性格がわかるだろうし、なんなら念話で意思疎通を図れるだろう・・・。何の足しになるのかは、わからないけど、ちょっとその子のことも知っておきたかった。



 サラにそれを告げると、サラは言った。「誰かのことを人に告げるのは『せんにゅうかん?』を持たせちゃうから、あまりしない方がいいって教えられた」と。



 サラが言うそれは「先入観」だろう。前もって情報を知ってしまうと、確かにそれに基づいた形で人を判断してしまう部分はあると思う。「いい人だ」って聞いてたら、友好的に話しかけるだろうし「悪い人だ」って聞いてたら、きっと身構えてしまう部分がある。



 サラにこういうのを教えた人は、きっといい先生なのだろう。なんとなく、僕はサラの世界の教育について、もっといろいろと知りたくなった。



 僕はまた脱線して、それらをもう少し深く聞いていったんだけど、これもここでは割愛したいと思う。「年上の子が、年下の子に教えるシステム」があったり「子どもが大人に授業をしたり」と、興味を惹かれる内容がいろいろありすぎたのだ。これだけできっとまた、膨大な量になってしまう><。



 結局、サラに言われて、僕はサファに宿っている大精霊に、自分でコンタクトを取ってみることにした。僕が告げた言葉を、サラがそのまま伝えてくれるというのだ。「先入観を持たずに会話できるように」との、サラの配慮だった。



 こういう時のサラは機転が効いていてすごいと思う。即決で解決方法を示してくれて、なんだかカッコいい。これもサラのいいところだと思うし、僕の見習いたいことの一つになった。



・・・
・・・
・・・。



ーー じゃあ、サラ・・・。「名前は?」って聞いてみてくれる?
サ>おう、わかった。



 しばらく待つと返答があったらしい。サラが少し躊躇しながらも、それを伝えてくれた。



サ>えっとさ・・・「人に名前を尋ねる時は、まずは自分から名乗るべきではなくって?」だってさ・・・。



 サラは幼女なアニメ声ながらも、その「ツンデレ系の女の子が言いそうな、無茶苦茶ベタで、腹の立つセリフ」を、お嬢様口調で真似て、僕に伝えてくれた。



 鏡に映った僕の顔はこんな顔→(*゜▽゜)になっていた。それでもなんとか堪えて、サラにこう言った。



ーー 「ごめんね、僕の名前はポチタロウだよ・・・」って伝えてくれる?
サ>あぁ・・・わかった・・・。



 しばらくするとまた返答があり、それを聞いた僕はちょっと絶句してしまった。



サ>「そんなの、知ってるわ!」・・・だってさ・・・。
ーー ・・・。えーーーっと・・・。・・・知ってんのかい! なら聞くなよ! ・・・あ、サラ、今のは伝えなくていいから・・・。


 
 僕にしては珍しく、右手と共に、直接的な怒りのツッコミを口に出してしまった><。



ー いけない。感情的になるな、落ち着け・・・ポチタロウ・・・。 ー



 そんなことを言い聞かせた。



・・・
・・・
・・・。



 結局、僕はサラを介して、その子と何度かやり取りして、なんとか名前だけは教えてもらった。名前は「ディネ」だと言う。ウンディーネの大精霊見習いで、ディネ。うん。まんまだ・・・。



 でも「名前を聞くだけ」で、僕は疲弊してしまった><。



 「インタビュー中のインタビュー」って感じで、なんだか少しややこしかったし、返答にことごとく、イライラさせられた><。早々にディネとの会話は切り上げさせてもらうことにした><。



サ>ディネは、あんなんだったけど、なじめばいいとこもあるからさ・・・。



 「先入観」を持たせないようにと、事前情報は告げなかったサラだったけど、しっかり後のフォローは入れていた。サラはいい子だ。好き。大好きだ。今度、指輪を買って、持ってきて、お嫁さんにしてしまおう・・・。



ーー それに比べて、あのディネは・・・ ー



ー ワナワナワナ ー



 僕は拳を握りしめていた。



 シルもそうだったけど、もしかしたら僕は、サラ以外の大精霊に嫌われてたりするのかもしれない・・・。ノムはどうだろ? ちょっと聞くのが怖い・・・><。とりあえず、ディネの初対面の印象は、ひどかった><。



 たぶん小さな女の子であろう、その「水の大精霊見習い」に、僕は大人げなく怒りを覚えていた。



(ぐぬぬぬぬ・・・)



・・・
・・・
・・・。



 ふと、何かが動いているのが視界に入った。



 見てみると鏡で、動いていたのは、僕の尻尾だった。僕の尻尾は逆立っていて、なんか「怒ってる時の尻尾」って感じだった。



・・・
・・・
・・・。



 それを見て、僕は理解した。「僕の感情は尻尾に出るんだ・・・」と。血の気が「サーーーーーーッ」と引いていった。



ー ひょっとして・・・いや、ひょっとしなくても・・・。僕の感情がみんなに丸わかりだったのって、尻尾のせい!? ー



 思いついたとたんに、ケモ耳の先から、つま先の先端まで、血が巡って、今度は「カーーーーーーッ」と熱くなってしまった。鏡の中の僕の顔は真っ赤だった。



ーーーーーー



「ねぇ、サラ? 僕の感情って、全部、尻尾に出てた?」
「ん?・・・ああ、まあな」



「うわぁぁあああ、尻尾・・・尻尾かぁーーー><。」



 前世で尻尾のなかった僕には「そこに感情が出る」なんて発想がまるでなかった><。



(今まで全然知らずに、尻尾丸出しで、生きてきちゃったよ><。)



 僕は、サラの8畳ほどの空間をゴロゴロと転がって、のたうち回った。すごく恥ずかしかった・・・><。



 そんな僕に、サラが少しだけ、申し訳なさそうに、こう言った。



「・・・ってかさ。ポチ公・・・。前も言ったけど・・・お前の感情、尻尾じゃなくても、顔でだいたい丸わかりだからな・・・」



「・・・!!! ふぐわぁああああーーーん><。くぅーーーん><。」
 僕は情け無い声をあげて、泣いてしまった><。



 「尻尾のせいか!」なんて思ってた僕に、その言葉は泣きっ面にハチ3万匹くらいだった><。



ー こんなにわかりやすい「尻尾」と同じくらいに、顔にも感情が出ちゃってたわけ!? ー



 その事実は、負け犬状態になった僕に、さらに塩を塗りたくる形になった><。いっそ、塩釜焼きにでもなってしまいたかった><。僕はこれでも、決める時はキリリと、決めて・・・冷静にやってきたつもりだったのだ><。



 僕は8畳ほどの空間を、さらに、のたうち回ることになった><。



 幼子に本気で怒ったり、感情のままに泣いてしまったり・・・。



 体が大きくなったのと真逆で、僕の精神は、なんだか「幼児帰り」してしまったようだった><。急に大きくなったせいで、何かしら心にも影響があったのだろうか・・・?



 ゴムをもう少しだけ、モフッとしたような・・・。そんな床の「のたうち回り心地」は僕の心に反比例するかのように、やけに気持ちのよいものだった・・・><。


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