入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第一部

スー=スレイプニル(幼女エルフ:3)

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時はグルグルと回り、スーもグルグルと回っていた。



ーーーーーー



 スーがサクノソトで暮らし始めてから半年が過ぎた。その頃にはスーの一日のルーティン
がだいたい出来上がっていた。



「フリイ、行ってくる」
「ん。楽しんでこい」
「うん」



 フリイの家で、朝ご飯を食べ終わると、スーはサクノソトを柵沿いにぐるりと西へ向かう。門番4人ともスーが柵の中へ入ろうとしても、見て見ぬふりで仕事を放棄したが、スーは好んでサクノソトを歩いた。柵の外の方が自由な感じがした。



「ミドにぃ、おはよ」
「おう。おはよう、スー!」



 ミドウのところへ着くと、スーはクッキーをもらって一緒にお茶を飲む。この頃には「ミドにぃ」「スー」と呼び合う仲になっていた。ある日、自然とスーを呼び捨てにしている自分に気づいたミドウは「ミド兄」か「パパ」と呼んでくれるようにスーに頼んだ。



「ミドにぃ、にする」とあっさりスーは承諾した。「パパの方が良かったんだけどな」とミドウは二択にした自分を少し悔やんだ。基本的に彼は二択以上をスーや幼女に用意した。



 スーを年の離れた妹のように、娘のように感じ始めていたミドウは、スーに「おまた触らせて」とは言わなくなっていた。対象年齢も若干、上がった。彼には娘に手を出す趣味はなかった。



 ミドウの家にクッキーは常設になった。頼めば誰かがくれただろうが、彼はクッキー作りを覚えた。スーには自分で作ったクッキーを食べさせてあげたかったからだ。作れるのはクッキーだけだったがバリエーションも増えた。



 スーがやってくるようになって、取り巻きの層も変わっていた。スーに嫉妬するような子はミドウがやんわりとお断りを入れたし「年上の男性に憧れる12~15歳くらいの子達」の代わりに「パパが恋しい9歳から12歳の子達」が集まるようになった。



 サクノソトには父母共にいない子も多く、なんとか寄せ集めで暮らしている状態だった。スーと関わるようになったミドウは、今まで以上に柔らかく、人当たりが良くなったので、おのずと父性を欲する子達が集まった。



ー 俺の娘、可愛いだろ? ー
ー 俺は、この子の一部をずっと背負ってくんだ ー



 そんな事を照れもせずに、笑って言うミドウは、前以上にモテた。本気で「私も娘になりたい」と言うような子も増えた。



「もう少し、お父さんがうまくなってからな。今は一人で手一杯だ」



 そんな時、ミドウはその子の頭を撫でながら、そう答えるのだった。



 スーのルーティンが決まってくると、それに合わせてミドウも午前中を空けておくようになった。「大事な娘との時間なんだ」と聞くと、取り巻きの子達も概ね理解を示して、その時間を避けて会いに来るようになった。ミドウは理解してくれた子達に感謝をこめて、午後からは、その子達を可愛がるようになった。



 魔物がいない時の門番職は結構、暇だった。鍛錬や雑用は、早朝に済ませれば事足りた。



 スーが家へ来ると、ミドウは一緒に釣りや散歩に出かけた。「この時期はこれが釣れる」「この葉は薬草になる」ミドウはそんなことをスーに話し、スーはそれを吸収していった。



「ミドウ、いってくる」
「おう。いってこい!」



 お昼前になると、スーはオネイロの家に向かう。今度はサクノソトをグルリと北へ回る。



「今日も、いらっしゃい~、スーちゃん♪」
「うん。来たよ、おねぇ」



 オネイロのスーちゃん呼びは変わってなかったが、スーはオネイロを「おねぇ」と呼ぶようになっていた。ミドウが「ミドにぃ」と呼ばれ出したことが羨ましかったオネイロも「お姉ちゃん」と呼ぶことをスーにお願いしたからだ。基本、門番達は、学がなく脳筋で、思考が似ているところがあった。



 「おねぇ、でいい?」とスーに言われてオネイロはそれで妥協した。「それはそれでありねぇ・・・」実際、おネェなオネイロは思った。



 昼ちょうどくらいにスーは、オネイロの小屋に着く。扉を開けると部屋の中から美味しそうなニオイが漂ってくる。スーはこの瞬間が好きだった。オネイロは料理が得意だった。



「今日はシチューと焼きたてのパンよ♪」
「ありがと、おねぇ。いつもおいしくて、嬉しい」



 おいしそうに食べるスーを見て、オネイロは幸せな顔を浮かべた。徒弟達に食べさせる時よりもキュンと来るものがある。



 「このままこの子を連れて、どこかに行けないかしら?」



 そう思うこともあったが、そんなことをしたらスーが哀しい顔をするだろうことはわかっていた。今は「今の時間が続くこと」それがあればいい。



「ごちそうさま。おねぇ、今日も、お願いできる?」
「もっちろん♪」



 オネイロはスーに氷の魔法を教えていた。攻撃の為ではなくて立体像を作る為に。



 スーが来てすぐの頃、スキンシップを求めすぎたせいで、オネイロはなかなかスーに懐いてもらえなかった。苦肉の策で、氷の魔法で豚を作ったら、スーがこれに食いついた。それ以来、オネイロはスーに氷魔法のコントロール方法を教えてきた。



「こっからどうしたら、いい?」
「ん~、足をもう少し長くするべきね・・・」
「わかった・・・」



 魔法のコントロールはすぐに覚えたスーだったが「造形の立体理解」は苦手だった。「繊細なタッチの線が引けるのに絵が下手」そんな感じだ。それでも半年程で魔法を精密に操れるようになったスーを見て、オネイロは将来が楽しみだった。



「スーちゃんは絵を描くと、こっちも上達するかもねぇ~」
「それは、したこと、ない。また、教えてもらえる?」
「もちろん♪ スーちゃんのお願いなら、いつでも歓迎よ♪」
「ありがと、おねぇ。また昼前に、来る。今日は、次、行く」



「はい、いってらっしゃい。ほら今日のおやつね♪」
「ありがと、おねぇ」
「いてら~♪」



 魔法の特訓を終えると、スーはおやつをもらって、タクローの家に向かう。サクノソトを柵沿いにグルリと東へ進む。



「タクロー、来た」
「スーたん! いらっしゃいですぞ~」



 意外なことに、初対面で最悪な印象だったタクローの家へも、スーはほぼ毎日通っていた。タクローはだいたい何かしらカラクリを作っていたし、スーはそれを見るのが好きだった。スーは物の構造を理解できると、恍惚に近い何かを感じることがあった。



「今日は、何、作ってる?」
「坂を滑り降りる遊具でゴザルよ」
「どんなもの?」
「ハシゴを登って上に行って、坂を下って遊ぶのですぞ」



「それ、面白いの?」
「きっと面白いでゴザルよ。後は下った先に、おまたを刺激する柔らか棒を付けるでゴザル」
「それは、いらない」
「い、いらないでゴザルか・・・」
「うん、いらない」



 タクローは相も変わらず、残念な部分もあったが、精神年齢が低かった為、スーと話が合った。ベッドの下に散乱したカピカピの物体達は、他の3人によって片付けさせられ、二度としないように約束させられていた。



(・・・散乱していなければ、良いでゴザルよな?)



 タクローは、カラクリ扉の中に、さらにカラクリ箱を作り、そこに抜いた布を貯めるようになった。一度目で懲りたスーは、二度とカラクリ扉をくぐることはなかったし、小屋の中に危険を感じて、入ることはなかった。タクローのカラクリ作りも幼児向けの大型の物が増えたので、作業は基本、外で行われた。



 タクローは「おさわり禁止」も他の3人に言い渡されていた。



「変なことしたら本気でぶっ殺すからな」
「殺す前に局部をズタズタに切り刻むわ!」
「あたいだけで、3度は殺す! お前、5回は死ぬぜ?」



 こんな感じで、きつく言われていたので、彼も手を出すようなことはなかった。・・・というより「アイドルに恋するオタク」のようにタクローは段々とスーを神聖視するようになっていった。こんな自分に対等に接してくれる幼女なんて他にいなかったからだ。「こちらから触るなんて恐れ多い」タクローはそう思うようになっていた。



 部品の受け渡しや、おやつをもらう時に、スーの手が触れることがあったが、タクローはそれだけで絶頂しそうになった。タクローはスー専のオナニストになった。神聖なるもので抜くのか?/抜かないのか? 問題があるが、彼は迷わず抜くことを選んだ。カラクリ箱の中は、スーを思って抜いたカピカピ布で一杯になっていった。



 ミドウが父性に目覚めたのに対して、タクローは幼女愛をもっと、こじらせた。



ーーーーーー



「タクロー、帰る」
「またでゴザル、スーたん」
「うん」



 カラクリ作りが一段落すると、スーはサクノソトをグルリと、今度は南のフリイの家に帰っていく。その頃にはだいたいヘトヘトだ。よろよろとスーは小屋の扉をくぐる。



「・・・ただいま、フリイ」
「ん。良く帰った」


 
 フリイは淡白にそう答える。実際は思い切り心配していたのに、そんなことはおくびにも出さない。



「今日のご飯は?」
「今日は焼いた肉を葉っぱでくるんだ奴だ」



 フリイはニヤリと笑う。スーは「またか」と思いながらも何も言わない。



 これでもスーがここへ来た当初より、フリイのレパートリーは増えていた。最初の頃は「朝食→何かの葉っぱのサラダ」「夕食→何かの肉の丸焼き」と決まっていた。葉っぱや肉の種類こそ変われど、味付けは同じだった。



 今では朝食に、目玉焼きや、ゆで卵が出たし、夕食にも若干のアレンジは加わっていた。基本「豪快に焼く」部分は変わっていなかったが・・・。



 この頃にはスーにもフリイの不器用さや、大雑把さはわかっていたし、その中で努力してくれていることもわかっていた。味付けも悪くなかったし、スーは文句を言わずに食べた。似た料理が続くと、若干、無表情になってしまったが・・・。



「今日は何をしてきたんだ?」
「綺麗な石、見つけた。氷魔法で、馬作った。坂を下る遊具を作り始めた」



 フリイはそれらを詳しくスーに聞いていって、それを酒の肴に呑んだ。スーが来てからは真っ昼間から酒を飲んで寝るようなことはなくなったし、散らばった酒瓶も少しは減った。



 それでも、スーが来てすぐの頃にちゃんと掃除した面影は、ほとんどなくなっていた。良い意味でも悪い意味でも、二人が「素の自分」で暮らすようになったからだ。



「今日はもう、寝る」
「ん。上か、下か?」
「下」
「わかった」



 ご飯を食べ終わり、話も終えると、スーに限界が来た。屋根の高かった小屋にはロフト状のスペースが造られ、そこがスーの居場所になっていた。ベッドが置かれ、4畳程の空間もある。



 そこにたどり着くには(スー用に細かくされた)ハシゴを10段上る必要があり、余力がない時、スーは下のフリイのベッドで寝かせてもらっていた。



「今日もありがと、フリイ。おやすみなさい」
「ん。いい夢をな」
 


 フリイは、額を撫でてやり、スーはすぐ眠りにつく。フリイは、今度はその寝顔を肴に酒を呑む。幸せな時間だった。



(そろそろ、さすがにまた、掃除するかな・・・)



 フリイは思った。今いるこの部屋だけじゃなく、フリイの頭上、スーの居住空間も見事に散らかっていた。子は親に似るのだ。



 あたいが掃除を始めたら、きっとスーも少しは片付けるだろう・・・。そんなことを考えながら、フリイもスーと同じベッドに上がり眠りにつく。お互いに少しずつ影響を与えながら、二人の暮らしは穏やかに続いていた。



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スー=スレイプニル(幼女エルフ:3)


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