入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第一部

【閑話】ワフルの奉仕と、ポチタロウの決意:7

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「横棒だけ、下から火を入れたでしょ? だから遠すぎて固まりきってなかったんだよ、きっと・・・」
「ああ。だから、折れて飛んでっちゃったのカ」
「うん。・・・ワフル、ご」
「ごめんはもういいゾ、ポチタロ」



 僕とワフルは、二人仲良く、湯船で並んでいた。
 お湯に浸かりながら、僕はワフルに「ブランコは飛んでいかないものだ」ってのを再度説明して「なんで飛んでいってしまったのか?」の推測を話した。



 ブランコの両側の土台は「固めながら高く」していったのに対して、横棒は、ワフルに土の精霊の力で、生成してもらった時には「すでに高いところ」にあった。



 一応、地上から火であぶったものの、強度確認もできてなかったし、遠くて焼きも足りてなかったのだろう。今回、見事にその横棒が折れて、ワフルが飛んでいったわけだ。



 あん時は、ワフルの悲鳴が遠ざかっていくのを聞いて、ほんとにヒヤヒヤした・・・。
 精霊の力で、身体強化されているとはいえ、ある程度の衝撃を超えると、僕らだって、ケガだってするのだ。だからヒヤヒヤだってするのだ。



「ロープをひっかけるのに作ってもらった階段に登った時に、横棒にもう一回、火を入れればよかったんだ・・・ごめ・・・次からはそうするよ」
「うん。ソだな」



 また「ごめん」を言いそうになって、僕は踏みとどまった。それを察したように、ワフルはニコニコと笑っている。



「ポチタロは、あやまりすぎだゾ」とワフルに言われる。
「勇者様は考えすぎです」サファが笑う。
「ポチにぃ、一緒にのんびりしよ?」とスーに気遣われ、
「もっと自分も大事にしなさいよ、ポチ!」とリリに怒られる。



 なんというか・・・。
 当たり前のことなんだけど、僕はまだまだ、まだまだだ。
 魔王を倒した今、ゲームなら、エンドロールでも流れて円満に全て終わってるところなんだけど・・・。



 魔王を倒しても「元の世界に戻される」・・・といったこともなく。
 今ではこの「異世界だった世界」が僕にとっての現実で・・・。
 僕は未だに欠点だらけのままで。それでもここで、人生は、続いていく。



 そう。魔王を倒しても人生は続いていくのだ。



 むしろ「魔王討伐RPG」が終わって「ハーレム系リアル恋愛ゲーム」が始まったところだとも言える。



 僕は断然「魔王討伐」よりもこっちの方を楽しみたい。
 みんなとイチャイチャや、エッチなことがしてみたい。
 「恋愛レベル1」からの再スタートって感じで、ちょっと、とまどいもするのだけれど・・・。



 とにかくまあ。
 だからこそ、これからも頑張らねば・・・。
 そして直せるところは、直していくのだ・・・。



 果てしなきエッチライフのためにも・・・。



 僕は「大賢者モード」になってから初めて「みんなとのエッチなこと」へと思いを馳せた。おちんちんさんも、それに応えるかのように、ちょっとだけピクッとした。



 ムクッとはしなかったけど、ピクッとした。



ーーーーーー



「先に、棒をカチコチにしちゃってかラ、モコモコってしたら、どうだロ?」
「おお。それだ!」



 その後も、僕とワフルは「あーでもない」「こーでもない」と「ブランコ改善案」を出していった。



「なんでも一人で解決しようとするナ、ポチタロ」



 これもワフルに、言われちゃうことで・・・。なのに実は今回も僕は、湯船の中、ぼんやりと空を見上げながら「ブランコ改善一人会議」を脳内で繰り広げそうになっていた。



(焼きが足りてなかったんだろなぁー・・・)



・・・
・・・
・・・ペッタペッタ。ペッタペッタ。



ペタペタと、体を洗い終えたワフルがやってきた。



「ポチタロ、入るゾ(バッシャーン!!)」
「ワフル、それ、もう入ってるから!(笑)」



 豪快に波を立てて、湯船にワフルが入ってきた。
 僕は、水しぶき・・・ならぬ、お湯しぶきを浴びながら、お約束のセリフを返した。



「ぷはーっ。いい湯だナ、ポチタロ」
「だねぇ・・・」
 ワフルはアゴまでお湯に浸かりきって、目を閉じ脱力する。
 


 それを見て、僕はまたワフルに気づかされた。



 (どうやら僕はまた「自分一人で、解決」しようとしてたぞ・・・)



 僕が考えこんじゃったりすると、こんな風にワフルは、僕をなごませてくれる行動にでる。
 ただの「無邪気な行動」の時も、多々あるけど、今回のこれは、ワフルの「なごませ行動」だと思う。



 僕は「忘れてたわけじゃないんだよ」って、ワフルに伝えたくなって、脳内会議を即刻中止し、力を抜いて、ワフルに話しかけた。



「ふぃー・・・。・・・。今ね。『今度はワフルが飛んでかないように』・・・でも『もっと大きなブランコを作るにはどうしたらいいかな?』・・・ってのを考えてたんだよ」
「そっカ」
「うん・・・。ワフルも一緒に考えてくれるかい?」
「ワフルは・・・もちろん、いいゾ」



 ワフルはニカッと笑い、僕は最高の「イケメン幼女スマイル」をいただいた。



「ありがとね、ワフル。今回の失敗はね・・・」



・・・
・・・
・・・。



 こんな感じで、僕らは「二人ブランコ会議」を始めた次第だ。
 突拍子もないことを言い合いながらも、僕らはブランコの次回案を練っていった。
 最終的には、こんな感じで意見がまとまった。



① 先に横棒を作って、焼いて強度をあげておく。
② そこにロープをひっかけてしまう。
③ 対で作った小さい土台に横棒をつなげて、しっかり固定する。
④ 両脇の土台を「固くしては盛り上げて」を繰り返して、どんどん高くしていく。



 「横棒を先に作って固くする」というワフルの逆転の発想を聞いて、僕は尻尾の先まで、ブルッと震えた。・・・要するに、感動したのだ。



 ワフル式の表現だと「カチコチにしちゃってかラ、モコモコ」になるので、擬音だらけでわかりづらいところもあるけど、言ってる内容は理にかなっていた。
 さすが「子供ならでは」の、頭の柔らかさだ。



 前世と合わせると28年生きた僕には、ちょっとその発想はなかった。
 みんなと過ごしてて、これでも随分、こども脳に戻ったのだけれど・・・。



 とにかくまあ。ワフルが考えついてくれたんだから、それでいい。
 僕が全部できなくていい。
 魔王討伐の冒険だって、それぞれに属性も性格も種族も違う、みんなの力で乗り越えてきたんだから・・・。



・・・
・・・
・・・。



 大切なことを思い出せた気がした。



 そういや、魔王討伐の時も最初は「僕が頑張らなきゃ」だったような・・・。



 火属性の僕には、どうしても倒せない敵がいて、己一人の無力さを知ったりして・・・甘えるのが下手な中、ワフルに甘えさせてもらえるようになったりして・・・リリに怒られたりして・・・サファに支えられたりして・・・スーへの相談回数を増やしたりして・・・そうして魔王城への道を切り開いたのだった。



 「僕が全部できなくていい」ってちゃんと学んでたハズだったのだ・・・。



 「冒険生活」を終えて「人間社会の生活」に戻ってきた僕は、また「自分がしっかりしなきゃ」って、思いすぎてたんだと思う。



(うーん・・・)



 ほんとにまた「レベル1」になっちゃった気がしてしまう。



 でも・・・。



 今までの経験があったおかげで、早めに気づけたわけだし、現にワフルと一緒に、問題を一つ、解決できた。



 たかがブランコのことだけど、僕はまた「誰かと何かができたこと」がちょっと嬉しかった。



 たとえもし、レベルが1に戻っていたとしても「冒険してた時のパッシブ(経験)」は、ちゃんと残っている。・・・なんだかそんな気がした。



ーーーーーー



 湯船で話し込みすぎた僕らは、話がまとまると、さすがにお風呂を後にした。
 興奮と熱気に包まれながら、脱衣所へと向かった。



 「なかなかいい案ができたねぇ・・・」とか「明日にでも、スーも誘ってやってみるカ?」とか「飛んで行かない代わりに、せめて水平超えは狙ってみようか?」・・・なんて話をしてるうちに、すぐ脱衣所だ。



 「ガチャッ、ギーッ、バタン」と、狭い室内に戻ったところで、僕は今更「今、ワフルと二人きり」だってのを認識した。



 (そういや、ワフルと二人だけのお風呂は、あんとき以来だな・・・)



 そう。ワフルと二人きりのお風呂は、僕が大賢者になるきっかけとなった「ワフルの手コキで大射精」以来のことだったのである。



(とんでもなく気持ちよかったよなぁ・・・でも、今度は、ちゃんとこさ「挿入」というやつもしてみたいなぁ・・・)



 目の前で、ワフルが体をふいている。
 少し視線を下げると、とても入りそうにない、ワフルの幼女すじが見える。
 それを見るとやっぱり僕は思った。



(「くぱぁ」って開くか「くぱぁ」って開かせたい・・・そんでから、入れたい)



 なんか、体の中から、心の中から、ムクムクと盛り上がってくるものがあった。



(さっさと童貞、卒業したいよ! 可愛いみんなに中出ししたいよ! そのまま全員孕ませたいYO!)



 盛り上がってきた思いは、何故か若干、ラップ調だった。



 僕の息子もムクムクと盛り上がった。
 「OTNTN」が「DQN」になったかのようなイキり具合だ。



(やりてぇ。やりてぇ。やりてぇよぉー!)



 DQNになった僕の息子は、ド直球に、とにかくヤリたいらしい・・・。
 僕の性欲も戻ってきた。
 戻ってきたというよりむしろ、前よりもストロングだ。
 


 勃起しても小さい僕のおちんちんは、それでも前よりも少しだけ大きくなって、角度も水平を超えている。



(お前がブランコより先に、水平を超えるのかよ!)



 僕は心の中でツッコミを入れた。



「ポチタロ・・・」



 ・・・これで何度目だろうか?
 僕に呼びかけるワフルの視線の先は、僕の股間のあたりにあった。
 
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